『キングスマン:ゴールデンサークル』の感想と“続編の宿命”のお話 - Cinema A La Carte

『キングスマン:ゴールデンサークル』の感想と“続編の宿命”のお話

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

今回の記事ではキングスマン続編が面白いよという話をしつつ続編の評価の取り方の難しさについて思っていることを書いていきたいと思いますあくまでも個人の見解なのでゆるーく読んでいただいて参考になる場合は参考にしていただければと思います。


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本日から映画『キングスマン』の続編である『キングスマン:ゴールデンサークル』が公開されています。

ちなみに、発売中の「GINGER」2月号に私の感想の方を掲載させていただいていて、映画を見終わった後「超面白い!」と思ったのでその熱意を冷静に文章に落とし込んだ紹介文になっています。


超面白い!けれど…?

今回の『キングスマン:ゴールデンサークル』は物語上は前作からの続きでありつつマシュー・ボーン監督が「ただの続編にはしたくなかった」と発言している通りアメリカのスパイ機関のステイツマンが登場したり、悪役のポピーが東南アジアの山の中にアジトを作っていたりと、より広い世界で物語が展開。前作とは違った物語構成や演出で私たちを楽しませてくれます。

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

個人的には前作と違った楽しみ方が出来つつ、前作から続く愛すべきキャラクター達の奮闘や相変わらずセンスある音楽の選曲、そしてキレキレのアクションを楽しめたので大満足!

しかしどうも先行でご覧になられた方や、 既に公開されている海外のレビューを拝見すると評価が二分しているなという感じです。

「超つまらない!」であるとか「駄作!」とかの酷評はあまり見受けられませんが「前作の方が楽しかった」という意見が結構多いなと思います。

100点満点で80点ぐらいの満足度を得つつ、100点には行いかないモヤモヤ感を感じたレビューが多く見受けられるなあと思いました。

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation


続編ゆえの宿命…?

ちょこっと“続編”についてのお話を。(※本作に限らずです)

作品によってはヒットしたから続編を作ろうという後付は正直あり、その場合は脚本が詰め切れていなかったり、時間の無さからプロデューサーや監督らの意見の整合が取れなかったりで、100点満点で80点どころか30点ぐらいの満足度になることもたまにあります。

ただ、しっかりと誠意を込めて続編を送り出してくれたにも関わらずモヤモヤするということも。

その要因の一つに“既視感”あるのではないかと思います。

これは同じ内容の焼き直しという意味ではありません。

『トランスフォーマー』シリーズを例にとると分かりやすいかなと思います。

『トランスフォーマー』シリーズは回を重ねても大ヒットを続ける人気シリーズですが、 一作目を見たときは高精細なトランスフォーマーたちの動き、 つまるところ革新的なCG 描写に衝撃を受けました。

わかりやすい感想で言うと、

「なんだこの映像は!?」

という感じですね。



 これは、R15指定の熊映画『テッド』でも言えます。

『テッド』の一作目は、あんなかわいい熊が下品なセリフを吐きまくると言う、その設定に衝撃を受けた方が多いと思います。

『テッド2』は、全力でふざけながらも差別を扱い、メッセージ性のある内容から私自身非常に満足しましたが、 当然熊の設定が分かった上で見ているので、その部分は楽しみでありながらも衝撃にはならないわけです。

これが“既視感”ですね。

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今回のキングスマンもその面は確かにあるなあと私自身思います。

1作目の『キングスマン』を最初見た時はキレキレのアクションだったり、センスのある音楽の使い方だったり、クライマックスの「威風堂々」だったり、とにかく様々なものに衝撃を受けました。

その衝撃は快感であって、映画が終わった後、自然と笑みがこぼれてしまうほどでした。

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『キングスマン:ゴールデンサークル』は、全力で楽しみつつもこの側面から見ると確かに衝撃を受けることはなかったなぁと思います。

これはマシュー・ボーン監督が悪いとかではなく、続編ゆえの宿命であるのかなとも思うわけです。

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

その意味ではシリーズの立ち位置的に異なりつつもクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』トリロジーは2作目の『ダークナイト』が一番好きという方が多いのですごいなと思います。

ただし『ダークナイト』トリロジーの場合は『ダークナイト』が凄すぎたため、最終作の『ダークナイト・ライジング』に過度な期待がかかり消化不良に落ちた方は多いのかなと。その意味では今回の『キングスマン:ゴールデンサークル』に似た境遇に『ダークナイト・ライジング』が位置しているのかなと思います。

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どんなに駄作な映画でも、造り手たちは一生懸命に観客を楽しませようと思って制作をしていることがほとんどであると思います。それを私たちが見た時に100%正面から受け入れることができれば“両者幸せ”ということになるのかなと思います。

ただそういう経験は常にできるものではないので、映画のチョイスというのは難しいなと常々思います。だからこそ今務めている「シネマズby松竹」の編集長という、映画作品を扱う仕事をしている立場から、その人その人に合った映画をマッチングさせていく手助けを頑張りたいなと思います。
( どんな映画でも、それを面白いと思う人はいるわけなのでこのマッチングという部分が常々大事だなと今改めて文章を書きながら思っています)

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

ということで『キングスマン:ゴールデンサークル』。「つまらない」という人はそんなにないんじゃないかなと思います。

私自身2018年このまま年間ベストにいくんじゃないかなと思うくらい個人的には楽しめましたし。

でも今回文章にさせていただいた通り、初見のような衝撃はありませんし、良くも悪くも一作目の『キングスマン』初見で感じた衝撃は今回は既視感として存在していますのでそれはそれとして是非楽しんでみてください。

ただエルトンジョンがエルトンジョン役で出演しているのでその衝撃は半端ないです!この衝撃は是非皆さん味わってほしいです。

ということで本日この記事はおしまいです。
長くなりましたが読んでいただいてありがとうございました。