『ブラック・スキャンダル』感想、静かに恐ろしいジョニデの演技に震える!
1月30日から公開されるジョニー・デップ×ベネディクト・カンバーバッチ主演の『ブラック・スキャンダル』をお先に鑑賞させて頂きました!久々のジョニー・デップシリアス怪演!お見事!
この記事の目次
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■ 感想Q&A
■ 感想:「静かなる恐怖を堪能した・・・」
■ 作品概要
感想Q&A
柳下さんは満足できましたか?これは実話とか・・・恐ろしすぎる!
家族で楽しむことはできますか?
倫理とか無いのであまり勧められません。
小学生の子供が楽しむことはできますか?
R15なので子供は見ちゃダメだよ!
友達同士で楽しむことはできますか?
静かなる恐怖を堪能せよ!ジョニー・デップファンは是非!
デートで行くのはどうですか?
映画好き同志なら!
映画リピーターは見た方が良いですか?
ジョニー・デップの怪演は見逃せない!
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(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., CCP BLACK MASS FILM HOLDINGS, LLC, RATPAC ENTERTAINMENT, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC |
感想:「静かなる恐怖を堪能した・・・」
ボストンのある島(区画)を支配するギャングとFBIが、別の島(区画)のギャングを潰そうと手を組むというあり得ない話が展開されるこの映画。しかし、このあり得ない話は史実を元にした映画です。
手を組んで時には言えないことをしながら目標を達成すべく奮闘するギャングとFBI。外的要因と内的要因との双方によりその行動は徐々エスカレートし、映画のような(実話であり映画ですが)衝撃的で悲劇的な結末が待ち受けています。
静かに淡々と進む中で、映画の最中ずっと緊張感が途切れず。エンドロールに入っても緊張感が収まらず、映画が終わって少し経ってからやっと現実世界に戻ってきた感覚でした。
非常に硬派な作品で、正直娯楽性もそんな無し(そこがいい!)
だからこそ味わえる恐怖、伝わる恐怖がこの映画にはありました。
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(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., CCP BLACK MASS FILM HOLDINGS, LLC, RATPAC ENTERTAINMENT, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC |
伝説のギャングと言われたジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーを演じるのはジョニー・デップ。髪の毛剃っての演技ということで「またコスプレかい」と思ったらそんなことはなく!キャリアベストとも言える冷徹なジョニデの演技はあまりに恐ろしく震え上がりました。
何気のそんなジョニー・デップとほぼダブル主演とも言えるのはジョエル・エドガートン演じる不正も厭わないFBI捜査官コナリー。
最初はリスキーと思いながらも目標達成のためにギャングを手を組んだわけですが、徐々に感覚が麻痺して暴走していく様は非常に痛々しい。そして待ち受ける結末もまた痛々しい。これが実話と思うと改めて驚くものであります。
ギャングであるジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーの弟を演じたのはベネディクト・カンバーバッチ。ギャングの弟ですが何と政治家!しかもボストン一とも言える超人気政治家。この絶妙な立ち位置の役はベネディクト・カンバーバッチが演じます。
このベネディクト・カンバーバッチ演じる政治家ビリー・バルジャーは上の二人に比べると登場時間は少なめ。物語でも「あれ?意外と外側の人間?傍観者?」と思うことも。まあそりゃギャングとFBIが汚い手を結んでるのに政治家は入り込めませんからね。
しかし、そうは言っても伝説のギャングの弟ということで、最後のテロップを見て「彼も物語の中の1人であった」ことを痛感しました。
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・これが実話という衝撃の題材
・ジョニー・デップの怪演
この2つが本作の大きな見どころですが、本当にジョニー・デップの怪演が素晴らしい。
ジョニー・デップが×シリアスな作品と言うと2009年の『パブリック・エネミーズ』が最近ですかね。って7年近くも前だけど。実在の人物ジョン・デリンジャーを演じました。
ジョン・デリンジャーも犯罪者でしたが、何かどこかカッコ良かったんですよね。マリオン・コティヤール演じるビリーとの熱愛も大人の恋愛でとても素晴らしかったなと。
そんなジョン・デリンジャーと今回のジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーは完全に真逆の印象。とにかくジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーは雰囲気から恐ろしい。そして実際も静かにしか怒らないので余計に恐ろしいのです。
ある悲劇から椅子を投げるブチ切れシーンがあるのですが、そこでも叫んだりせず静かにキレるのです。
繰り返し、繰り返し、「ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャー恐ろしい!」と思わされるわけですが、最も恐ろしいなと思ったのがFBI捜査官コナリーの妻を心配するシーン。熱はないかと心配するだけのシーンなのですが、これがまあ恐ろしいこと!!
見ればわかります!見て!!
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この題材が映画化される=この衝撃の事件はバレた
と言うことです。つまりギャングとFBIにハッピーエンドは訪れません。ネタバレとかじゃなく事実としてそう。
そのバレるまでの転落劇はドラマティックなものではなく、静かに静かにその瞬間を迎えました。
二度の悲劇も影響し、どんどんとやることがカオスになっていったジェームズ・“ホワイティ”・バルジャー。
自らの出世とメンツを保つためにどんどんやることが違法でカオスになっていったFBI捜査官のコナリー。
その先に待ち受けるバッドエンド。その時彼らは何を思ったのでしょうね。
エンドロール直前で登場人物たちの実際の末路も描かれます。それを見たので、また映画の最初から見てみたいと思う自分がここにいます。
二度目の方が恐怖を感じ、登場人物複数名にはやるせなさを感じることでしょう。『ミスティック・リバー』好きな方とか楽しめるのではないでしょうか。幼い頃の絆が残る辺りも似てるし。
是非、この映画の静かなる恐怖を味わい、静かなる魅力に取り憑かれてみてください。
それでは!
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(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., CCP BLACK MASS FILM HOLDINGS, LLC, RATPAC ENTERTAINMENT, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC |
作品概要
映画タイトル
『ブラック・スキャンダル』
キャスト
ジョニー・デップ
ジョエル・エドガートン
ベネディクト・カンバーバッチ
ロリー・コクレイン
ジェシー・プレモンス
デビッド・ハーバー
ダコタ・ジョンソン
ジュリアンヌ・ニコルソン
ケビン・ベーコン
コリー・ストール
ピーター・サースガード
アダム・スコット
ジュノー・テンプル
監督・製作
スコット・クーパー
ストーリー
1975年、サウスボストン。アイリッシュ系ギャングのボス、ジェームズ・バルジャーは、イタリア系マフィアと激しい抗争を繰り広げていた。一方、弟のビリーは、州の有力政治家として活躍していた。そこに、バルジャーの幼なじみジョン・コノリーがFBI捜査官となって戻ってきた。折しもFBIはイタリア系マフィアの掃討を目標に掲げており、功名心にはやるコノリーは、バルジャーにある提案を持ちかける。それは、バルジャーがFBIの情報屋となり敵の情報を流す代わりに、FBIは彼の犯罪を見逃す、という驚愕の密約だったのだが…。公開日
2016年1月30日
公式サイト
https://warnerbros.co.jp/c/movies/blackmass/
鑑賞者のレビュー
Filmarksの参照をオススメします。
予告編
written by shuhei