『007 スペクター』感想、原点に回帰しての頂点 [ネタバレなし]

SPECTRE (C) 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved

12月4日に公開となる007最新作『007 スペクター』をお先に鑑賞させて頂きました。ダニエル・クレイグ版007の集大成とも言える究極の作品、シビレました!


感想Q&A

柳下さんは満足できましたか?
感無量!圧巻のダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンド集大成にシビレた!

家族で楽しむことはできますか?
ダニエル・クレイグ版の過去3作品はある程度押さえておきたいところ。押さえていればもちろん星5!

小学生の子供が楽しむことはできますか?
上に同じ

友達同士で楽しむことはできますか?
上に同じ

デートで行くのはどうですか?
上に同じ

映画リピーターは見た方が良いですか?
サム・メンデス監督✕撮影ホイテ・ヴァン・ホイテマ!素晴らしい美しさです!

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「原点に回帰しての頂点」

まずはっきりと断言しておきます。ダニエル・クレイグ版の3作品を見てから鑑賞するようにしましょう。

3作品とは『007 カジノ・ロワイヤル』、『007 慰めの報酬』、『007 スカイフォール』のことです。最低限でも『007 スカイフォール』を必ず!








なぜならダニエル・クレイグ版3作品のあらゆる伏線を回収し、決着を付けているからです。「ヴェスパー」、「クアンタム」、「スカイフォール」、このような言葉やジュディ・デンチが演じた前代のM、これらを知っていてこそ楽しめる作品が『007 スペクター』なのです。

ちなみにオープニングの音楽はサム・スミスの"Writing's on the wall"です。この名曲で彩られるオープニング・クレジットには涙が。。。



さて、具体的な感想をネタバレ無しで書き綴っていきましょう。

『007 スカイフォール』と同様にサム・メンデス監督作品と言うことで、重厚で、美しく、家族の物語、である点は共通しています。

しかしながら私が想像していたテイストとは異なりました。私が想像していたテイストは言うまでも無く『007 スカイフォール』テイスト。そのまま続編的に悪の組織スペクターとのバトルになると予想をしていました。

これが良い意味で裏切られました。前作以上にエンタメ性が増しているのです。かと言って娯楽に振り切っているわけでも無く、シリアスさも同時に増しています。

絶妙なバランスで楽しませながら感動させる。最後の最後は『007 スカイフォール』のあるエピソードのその後を描きニヤリとさせ、最高の着地点を持たせています。



「これでダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドは終わりでいいね。」


と思わせるラスト。


「もう1本ここからダニエル・クレイグ版のジェームズ・ボンドあってもいいね。」

とも思わせるラスト。



ズルいよ!!!!!でもこんなラストが見たかったんだよ!!!!!


スクリーンに向かってそう叫びたくなりました007映画として原点に回帰しながら頂点に立った瞬間でした。



『007 スカイフォール』を見た時、『007 カジノ・ロワイヤル』、『007 慰めの報酬』とは別物として仕切り直しをしたと思っていました。しかし違いました。

『007 スカイフォール』でボンドは「一回死んで生き返り」ます。その生き返りのその先の物語が『007 スペクター』なわけですが、決して『007 カジノ・ロワイヤル』、『007 慰めの報酬』は忘れ去られた作品ではありませんでした。

『007 スペクター』を見ながら、過去3作品のあらゆる記憶が脳内で繋がっていく喜びは本当にたまりませんでした。


と語っているように、良くも悪くも単発の作品としては考えにくい作品です。私はこの映画の得点を100億点と讃えたいですが、それでも万人に勧められるかというとそうではありません。

この作品を私は「007最高傑作」と讃えたいですが、この作品を「007最低作品」と言う気持ちもわかるのです。(クオリティは超一級品保証ですが、好き嫌いの尺度で)

ダニエル・クレイグ版の3本を見て、とりわけ『007 スカイフォール』が好きな人は間違いなく本作を楽しめるでしょう。そういう方には是非見てほしい、というか見てください。本当に。


章を変えて、俳優陣について言及していきましょう。ネタバレは極力避けます。


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ダニエル・クレイグ版で最も「様々なキャラクターに見せ場がある」作品!

今作の見どころの1つが「様々なキャラクターに見せ場がある」点です。これは主要キャラクターが『007 スカイフォール』で仕切り直しで揃っている点が大きいですね。

まず前作『007 スカイフォール』から続投の以下の面々、


・M(レイフ・ファインズ)
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・Q(ベン・ウィショー)
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・マネー・ペニー(ナオミ・ハリス)
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・ビル・タナー(ロリー・キニア)

タナーだけまたもや画像がない・・・


この4名それぞれ、『007 スカイフォール』以上の見せ場があります。特にMとQ。Mはジュディ・デンチから男性のレイフ・ファインズに変わったことでアクションができる利点を活かし大活躍。

みんな大好きQちゃんは今回もボンドに振り回されながら笑いを取ってくれますし、イギリスを出たお出掛けQちゃんも見ることができます。Q萌えで悶絶する女子が増えること間違いなしです。


2人のボンドガール、モニカ・ベルッチとレア・セドゥも見どころ多し。それぞれその年令でのベテラン女優で、サム・メンデス監督が「新人には任せられない」と言っていた通り、魅力的・魅惑的な2人でした。

・ルチア・スキアラ(モニカ・ベルッチ)
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・マデレーン・スワン(レア・セドゥ)
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モニカ・ベルッチはピンポイントで魅力爆発、レア・セドゥは出ずっぱりです。レア・セドゥの方に比重が置かれてるので、モニカ・ベルッチ大ファンだと少々不満かもしれません。


悪役に当たるフランツ・オーベルハウザーを演じたクリストフ・ヴァルツは、、、クリストフ・ヴァルツでした(笑)言うまでもなく最高の褒め言葉です。もうホントこの人悪役やるととんでもなく存在感あります。

涼しい顔してやってることは最低最悪。喋り方から仕草から全部が憎たらしい。その「静かなる悪」が『007 スペクター』を重厚なものに仕上げているのは言うまでもありません。


・フランツ・オーベルハウザー(クリストフ・ヴァルツ)
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そんな「静かなる悪」のある意味手下として「動く悪」として存在感を発揮するのがデビッド・バウティスタ演じるヒンクス。こいつがまあ強い強い。ボンドとのカーチェイスや格闘シーン。是非みなさんスクリーンで!


・ヒンクス(デビッド・バウティスタ)
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しかし、今回私が最も印象に残ったのはアンドリュー・スコット演じるマックス・デンビ。

詳しい役柄は見てのお楽しみですが、こいつがまあ憎たらしいったらありゃしない!!!!!!

BBC『シャーロック』のモリアーティでも知的で憎たらしい演技で私たちを魅了したアンドリュー・スコットですが、『007 スペクター』でもその才能を遺憾なく発揮です。

・マックス・デンビ(アンドリュー・スコット)
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これでもっと日本でもアンドリュー・スコットのファンが増えたら最高だなと!


という感じで、俳優陣の魅力もいつもの007以上に感じることができた『007 スペクター』でございました。


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ダニエル・クレイグの「もう007いいや」発言は見れば納得?

こんなニュースが。
ダニエル・クレイグ、「007」ジェームズ・ボンドは続投? 卒業?

「またジェームズ・ボンド映画をやりますか?」という問いに対し、続投するくらいなら、「このガラスのコップを割って、手首を切ったほうがマシ」と返答。「万が一、またやることになったとしたら、純粋に金儲けのためだろうね」と明かした。
参照:http://eiga.com/news/20151015/6/

この発言に賛否あるみたいですが、言うまでもなく「金儲け」部分はジョークでしょう。

で、実際にどうなのかと言うと、前述の私の言葉をもう一度書きましょう。


「これでダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドは終わりでいいね。」


と思わせるラスト。


「もう1本ここからダニエル・クレイグ版のジェームズ・ボンドあってもいいね。」

とも思わせるラスト。


これです。

私は「これで終わりで良いよね。」と素直に思いました。

それくらいサム・メンデス監督✕ダニエル・クレイグは本作に全力を尽くしています。これ以上この路線で何をやるんだ?とも思えます。

ここで終わりで、この先娯楽に一気に振り切った007にまたしていくのでも良いのではとすら思います。

それくらい本作『007 スペクター』は極限に達しているのです。


これはもう「まあ見てくださいな!」としか言えません。見て納得してみてください。


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サム・メンデスらしさの中に感じる新たなるチャレンジ

本作『007スペクター』は前述の通り「思った以上に娯楽要素のある」作品に仕上がっていました。これはサム・メンデス監督映画の中で最もそうであると思います。これはサム・メンデス監督のとてもチャレンジングな部分ではないかと思いました。

人間ドラマを撮ってきたサム・メンデス監督が『007 スカイフォール』を撮っても、それはサム・メンデス監督の映画でした。アクションのある家族の物語がそこにはありました。その系譜は『007 スペクター』でも同じです。今回も家族絡みの映画です。ここはサム・メンデスらしさは残ります。

新たなるチャレンジをしながらも、自らの根底を変えないバランスが今作は見事だと思いました。


また、今回は撮影監督が前作のロジャー・ディーキンスからホイテ・ヴァン・ホイテマにチェンジ。どちらも芸術性のある撮影センスがありますが、「ディーキンスらしさ」と「ホイテマらしさ」は別物。

撮影に詳しくないので、知ったかぶりはしませんが、今作はちゃんと「ホイテマらしさ」が出ていたと思います。つまり「ホイテマにディーキンスらしさを無理に求めてない」と言うことです。

冒頭のメキシコ・シティの滑らかさ然り、クライマックスの夜のロンドンの美しさ然りです。

『インターステラー』で狭い空間での撮影等苦慮したと思うので、その経験は確実生きているでしょう。そこには少しノーランらしさがちらついてちょっと楽しかったりもするわけです。

「サム・メンデス」という切り口で映画を見られる方は、その好き嫌いや良し悪しではなく、『007 スカイフォール』との比較だったり、本作の芸術的な美しさだったりを探求するとより映画を楽しめるかもしれません。

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まとめ

さて、ネタバレを避けつつたくさん語ってきてしまいました。

この映画は万人に勧めるものではありません。しかし私がこの映画で感動したこの感覚を多くの人に味わってほしいです。この喜びを共有したいです。

是非ダニエル・クレイグ版『007 カジノ・ロワイヤル』、『007 慰めの報酬』、『007 スカイフォール』を予習して、『007 スペクター』をご堪能ください。



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作品概要 

映画タイトル
『007 スペクター』

キャスト
ダニエル・クレイグ
デイヴ・バウティスタ
クリストフ・ヴァル
レイフ・ファインズ
レア・セドゥ
ナオミ・ハリス
ベン・ウィショー
ロリー・キニア
モニカ・ベルッチ
ステファニー・シグマン

監督
サム・メンデス

脚本
ジョン・ローガン
ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
ジェズ・バターワース

ストーリー
「スカイフォール」で焼け残った写真を受け取ったボンドは、そこに隠された謎を追って単身メキシコ、ローマと渡っていく。その過程で悪名高い犯罪者の美しい未亡人ルキア・スキアラと出会ったボンドは、悪の組織スペクターの存在を突き止めるが……。
公開日
2015年12月4日

公式サイト
http://www.007.com/spectre/?lang=ja

鑑賞者のレビュー
Filmarksの参照をオススメします。


予告編