『リトルプリンス 星の王子さまと私』感想、誰だっていつかサヨナラを言う時がくる。[映画のネタバレ無し/『星の王子さま』のネタバレあり]
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(C)2015 LPPTV - LITTLE PRINCESS - ON ENT - ORANGE STUDIO - M6 FILMS - LUCKY RED |
11月21日に公開となる『リトルプリンス 星の王子さまと私』をお先に鑑賞させて頂きました。あの『星の王子さま』と私たちの心を優しく包み込みこんでくれるとても素晴らしく優しい作品でした。
感想Q&A
柳下さんは満足できましたか?
何て優しい映画なんだ!何て温かい映画なんだ!
家族で楽しむことはできますか?
是非親子で!本当に是非親子で!
小学生の子供が楽しむことはできますか?
楽しめます!星の王子さまを知らなくても大丈夫!
友達同士で楽しむことはできますか?
誰もが堪能できる優しい世界がここに!
デートで行くのはどうですか?
これですよ!これぞデートムービー!
映画リピーターは見た方が良いですか?
2つのアニメーションタッチ、素敵です!
感想「何なんだこの感覚・・・」
映画を見て笑う、怒る、泣く、感動する・・・
映画は様々な感情を私たちの奥底から生み出してくれます。
良い映画はとりわけ「感動した!」「面白かった!」などとなることが多いものです。
『リトルプリンス 星の王子さまと私』はその先へ行きました。まず前提条件としてこの映画は「感動」でき、「面白い」作品です。
その先、つまり私の中にある何か今まで隠れていた感情や記憶が呼び覚まされたような感覚をこの映画で味わいました。
パーソナルな部分に触れてくれた『リトルプリンス 星の王子さまと私』、それだけでもう私にとってこの映画は一生涯大切にしていく映画の1本となりました。
大人として気取ることよりも、大人でありながら気取らない子供心も持ち続けたいと思えました。
本当に優しく温かい映画。
もう何度かこの映画を見て、忘れてしまっているであろう子供の頃誓った何かや約束した何かを思い出し、大人として子供の頃の夢や希望を叶えていく人生を歩みたいと思いました。
『リトルプリンス 星の王子さまと私』はあの名作『星の王子さま』のその後を描いた作品です。
主人公は9歳の女の子。彼女を通じて隣に済む老人、その人は原作『星の王子さま』の「ぼく」、つまり飛行士のその後だったのです。
老人飛行士は女の子に『星の王子さま』のお話を教えていきます。老人飛行士は星の王子さまとまた再会できる日を心待ちにしており、そのために所有するおんぼろ飛行機を直していたのです。
しかし道半ば、老人は倒れてしまい入院することに・・・
女の子は決意しました。「私が星の王子さまを見つける」と。そうして女の子は冒険へと旅立つのです。
というのが、映画の1/4くらいのお話。もう1/4くらいが映画の後半、女の子の冒険のお話です。
この映画の残りの半分は過去の物語として、原作『星の王子さま』を一切改変せず、ストップモーションアニメで優しく優しく描いているのです。
つまり『星の王子さま』を優しく包み込んだ「星の王子さまのその後」の物語というわけです。
『星の王子さま』をストップモーションアニメで楽しめるだけで本当に素敵な映画なわけですが、それ以上に「その後」、つまり女の子の冒険のお話に私はガツンとやられました。
ネタバレ防止で詳しく書けないのですが、大人になると本当に純粋気持ちや、昔の約束を忘れてしまうなと思いました。
どんなに純粋な子供でも、どんなにお利口な子供でも、いざ大人になるとそれを自己嫌悪したり、覚えているのに忘れていることにして目を向けなくなったりしてしまうよなあと悲しい現実が辛くもなりました。
そんな気持ちの中進んでいく物語は複数のクライマックスを伴って、喜びも悲しみも私たちへ植え付けます。
あの最後の星空の先は私たちの生きるこの世界なのかもしれない。きっとこの物語と私たちは繋がっているとも思いました。
「誰だっていつかサヨナラを言う時がくる」
「問題は大人になることじゃない、忘れることだ。」
「どこにでもいるバラじゃない。君のバラだ。君が時間をかけて尽くした分、大切なバラなんだ。」
「君はきっと・・・素晴らしい大人になる。」
ありきたりの言葉がとても胸に響く映画でもありました。この言葉を捉え方、映画を見ると変わります。
言葉だけ見るとありきたりの言葉、クサい言葉にも思えます。
そう思ってしまうことこそが大人の良くないところ。主人公の女の子や原作の星の王子さまのように真っ直ぐに、ひたむきに、純粋に、目の前にある事象を愛することがどれだけ大切なことか。
それに気付かされた映画でもありました。
※ここの章は原作のネタバレを含みます
原作『星の王子さま』のメインシーンはストップモーションアニメとして諸々出てきます。原作そのままに。なので原作ファンは非常に喜ばしいかなと思います。
・サハラ砂漠に不時着するところ
・星の王子さまと出会うところ
・星の王子さまの惑星のこと
・一輪のバラのこと
・小惑星の旅のところ
・各小惑星のクセのある王のこと
・ヘビのこと
・キツネのこと
・「大切なものは、目に見えない」
・別れ
この原作の各々のエピソードはあくまでも映画では「過去の出来事」であるため、本作のその後の展開、女の子のエピソードによって原作が書き換えられることは一切ありません。
原作を愛したいという製作者たちの優しさを感じます。
おそらく原作ファンからすると「で、その後はどうなるわけ?」「星の王子さまはその後に出てくるの?」と疑問に思うことでしょう。
ここは何も言いません。映画を見て是非確認をしてみてください。
なぜこのような映画の形になったかは製作者たちの言葉が明確に表してくれています。
「私たちは、時代を超えて世界中の多くの人々に愛されているこの小説を台無しにしてはいけないというとてつもなく大きな責任を感じた。」
「誰もが自分だけのイメージを持っているので小説をそのまま映画化することはできないと思った。」
「映画のはじめの方で、女の子がはじめて飛行士の本を見つけるのだが、観客はそれを彼女の目を通したストップモーションアニメの世界として観る。それはとても感動的な瞬間なんだよ。」
「女の子のCGアニメーションの世界と、王子のストップモーションアニメーションの世界にはっきりとしたつながりが感じ取れるんだ。原作に対する素晴らしいトリビュートになっている。
言葉引用:作品プレスシートより
とにかく小説『星の王子さま』を愛し、その世界をより先へと進め素晴らしい映画体験を作りたい。そういう製作者の思いが、愛が溢れる映画だったなと改めて思います。
ではまとめへ。
『リトルプリンス 星の王子さまと私』は究極的にはデトックス映画と言えるものです。私たち大人の中にある凝り固まった観念だったり価値観だったり強がりだったり、そういったものを優しく溶かしてデトックスしてくれるのです。
傑作『マイ・インターン』のように「よし!今日から私も頑張るぞ!」とは異なるものがここにはあり、この映画を好きになった人はきっと漠然としつつも中長期で少し優しく素直な心を持った人間として生きていくことができるでしょう。
そういう素晴らしい映画なのです。
最後に1つだけ!!
この映画の音楽、とても優しい音楽なのですが『インターステラー』『インセプション』『パイレーツ・オブ・カリビアン』『ライオンキング』のハンス・ジマー先生作曲です!
ハンス・ジマー先生がまたいい仕事しちゃってるんですよ!
是非音楽にも注目して映画をご堪能ください。
『リトルプリンス 星の王子さまと私』は11月21日より公開です!
映画は様々な感情を私たちの奥底から生み出してくれます。
良い映画はとりわけ「感動した!」「面白かった!」などとなることが多いものです。
『リトルプリンス 星の王子さまと私』はその先へ行きました。まず前提条件としてこの映画は「感動」でき、「面白い」作品です。
その先、つまり私の中にある何か今まで隠れていた感情や記憶が呼び覚まされたような感覚をこの映画で味わいました。
パーソナルな部分に触れてくれた『リトルプリンス 星の王子さまと私』、それだけでもう私にとってこの映画は一生涯大切にしていく映画の1本となりました。
大人として気取ることよりも、大人でありながら気取らない子供心も持ち続けたいと思えました。
本当に優しく温かい映画。
もう何度かこの映画を見て、忘れてしまっているであろう子供の頃誓った何かや約束した何かを思い出し、大人として子供の頃の夢や希望を叶えていく人生を歩みたいと思いました。
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(C)2015 LPPTV - LITTLE PRINCESS - ON ENT - ORANGE STUDIO - M6 FILMS - LUCKY RED |
『リトルプリンス 星の王子さまと私』はあの名作『星の王子さま』のその後を描いた作品です。
主人公は9歳の女の子。彼女を通じて隣に済む老人、その人は原作『星の王子さま』の「ぼく」、つまり飛行士のその後だったのです。
老人飛行士は女の子に『星の王子さま』のお話を教えていきます。老人飛行士は星の王子さまとまた再会できる日を心待ちにしており、そのために所有するおんぼろ飛行機を直していたのです。
しかし道半ば、老人は倒れてしまい入院することに・・・
女の子は決意しました。「私が星の王子さまを見つける」と。そうして女の子は冒険へと旅立つのです。
というのが、映画の1/4くらいのお話。もう1/4くらいが映画の後半、女の子の冒険のお話です。
この映画の残りの半分は過去の物語として、原作『星の王子さま』を一切改変せず、ストップモーションアニメで優しく優しく描いているのです。
つまり『星の王子さま』を優しく包み込んだ「星の王子さまのその後」の物語というわけです。
『星の王子さま』をストップモーションアニメで楽しめるだけで本当に素敵な映画なわけですが、それ以上に「その後」、つまり女の子の冒険のお話に私はガツンとやられました。
ネタバレ防止で詳しく書けないのですが、大人になると本当に純粋気持ちや、昔の約束を忘れてしまうなと思いました。
どんなに純粋な子供でも、どんなにお利口な子供でも、いざ大人になるとそれを自己嫌悪したり、覚えているのに忘れていることにして目を向けなくなったりしてしまうよなあと悲しい現実が辛くもなりました。
そんな気持ちの中進んでいく物語は複数のクライマックスを伴って、喜びも悲しみも私たちへ植え付けます。
あの最後の星空の先は私たちの生きるこの世界なのかもしれない。きっとこの物語と私たちは繋がっているとも思いました。
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(C)2015 LPPTV - LITTLE PRINCESS - ON ENT - ORANGE STUDIO - M6 FILMS - LUCKY RED |
「誰だっていつかサヨナラを言う時がくる」
「問題は大人になることじゃない、忘れることだ。」
「どこにでもいるバラじゃない。君のバラだ。君が時間をかけて尽くした分、大切なバラなんだ。」
「君はきっと・・・素晴らしい大人になる。」
ありきたりの言葉がとても胸に響く映画でもありました。この言葉を捉え方、映画を見ると変わります。
言葉だけ見るとありきたりの言葉、クサい言葉にも思えます。
そう思ってしまうことこそが大人の良くないところ。主人公の女の子や原作の星の王子さまのように真っ直ぐに、ひたむきに、純粋に、目の前にある事象を愛することがどれだけ大切なことか。
それに気付かされた映画でもありました。
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(C)2015 LPPTV - LITTLE PRINCESS - ON ENT - ORANGE STUDIO - M6 FILMS - LUCKY RED |
※ここの章は原作のネタバレを含みます
原作『星の王子さま』のメインシーンはストップモーションアニメとして諸々出てきます。原作そのままに。なので原作ファンは非常に喜ばしいかなと思います。
・サハラ砂漠に不時着するところ
・星の王子さまと出会うところ
・星の王子さまの惑星のこと
・一輪のバラのこと
・小惑星の旅のところ
・各小惑星のクセのある王のこと
・ヘビのこと
・キツネのこと
・「大切なものは、目に見えない」
・別れ
この原作の各々のエピソードはあくまでも映画では「過去の出来事」であるため、本作のその後の展開、女の子のエピソードによって原作が書き換えられることは一切ありません。
原作を愛したいという製作者たちの優しさを感じます。
おそらく原作ファンからすると「で、その後はどうなるわけ?」「星の王子さまはその後に出てくるの?」と疑問に思うことでしょう。
ここは何も言いません。映画を見て是非確認をしてみてください。
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(C)2015 LPPTV - LITTLE PRINCESS - ON ENT - ORANGE STUDIO - M6 FILMS - LUCKY RED |
なぜこのような映画の形になったかは製作者たちの言葉が明確に表してくれています。
「私たちは、時代を超えて世界中の多くの人々に愛されているこの小説を台無しにしてはいけないというとてつもなく大きな責任を感じた。」
「誰もが自分だけのイメージを持っているので小説をそのまま映画化することはできないと思った。」
「映画のはじめの方で、女の子がはじめて飛行士の本を見つけるのだが、観客はそれを彼女の目を通したストップモーションアニメの世界として観る。それはとても感動的な瞬間なんだよ。」
「女の子のCGアニメーションの世界と、王子のストップモーションアニメーションの世界にはっきりとしたつながりが感じ取れるんだ。原作に対する素晴らしいトリビュートになっている。
言葉引用:作品プレスシートより
とにかく小説『星の王子さま』を愛し、その世界をより先へと進め素晴らしい映画体験を作りたい。そういう製作者の思いが、愛が溢れる映画だったなと改めて思います。
![]() |
(C)2015 LPPTV - LITTLE PRINCESS - ON ENT - ORANGE STUDIO - M6 FILMS - LUCKY RED |
ではまとめへ。
『リトルプリンス 星の王子さまと私』は究極的にはデトックス映画と言えるものです。私たち大人の中にある凝り固まった観念だったり価値観だったり強がりだったり、そういったものを優しく溶かしてデトックスしてくれるのです。
傑作『マイ・インターン』のように「よし!今日から私も頑張るぞ!」とは異なるものがここにはあり、この映画を好きになった人はきっと漠然としつつも中長期で少し優しく素直な心を持った人間として生きていくことができるでしょう。
そういう素晴らしい映画なのです。
最後に1つだけ!!
この映画の音楽、とても優しい音楽なのですが『インターステラー』『インセプション』『パイレーツ・オブ・カリビアン』『ライオンキング』のハンス・ジマー先生作曲です!
ハンス・ジマー先生がまたいい仕事しちゃってるんですよ!
是非音楽にも注目して映画をご堪能ください。
『リトルプリンス 星の王子さまと私』は11月21日より公開です!
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(C)2015 LPPTV - LITTLE PRINCESS - ON ENT - ORANGE STUDIO - M6 FILMS - LUCKY RED |
作品概要
映画タイトル
『リトルプリンス 星の王子さまと私』
『リトルプリンス 星の王子さまと私』
キャスト
ジェームズ・フランコ
レイチェル・マクアダムス
ジェフ・ブリッジス
マリオン・コティヤール
ベニチオ・デル・トロ
ポール・ジアマッティ
マッケンジー・フォイ
ポール・ラッド
ジェームズ・フランコ
レイチェル・マクアダムス
ジェフ・ブリッジス
マリオン・コティヤール
ベニチオ・デル・トロ
ポール・ジアマッティ
マッケンジー・フォイ
ポール・ラッド
監督
マーク・オズボーン
マーク・オズボーン
ストーリー
新しく引っ越した家の隣に住む老人が気になる9歳の女の子。若い頃は飛行機乗りだったという老人は、昼間は飛行機を修理し、夜は望遠鏡で空を眺めて暮らしていた。2人は仲良くなり、女の子は老人から、砂漠で出会った星の王子さまの話を聞かせてもらう。しかし、やがて老人は病に倒れてしまい、女の子は老人が会いたがっている星の王子さまを探すため、オンボロ飛行機に乗って空に旅立つ。公開日
2015年11月21日
公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/littleprince/
鑑賞者のレビュー
Filmarksの参照をオススメします。
予告編