『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』感想、「諦めない」人生に学び、パワフルな結婚式に熱狂する
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『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』の続編で、2016年3月に日本公開される『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』をお先に鑑賞させて頂きました。1作目以上に自由に、鮮やかに、パワフルな作品に仕上がっていました!
感想Q&A
柳下さんは満足できましたか?
自由な続編の空気感とクライマックスの結婚式に5億点!
家族で楽しむことはできますか??
R指定レベルはないが老人の色恋はあります笑
小学生の子供が楽しむことはできますか?
上に同じ。
上に同じ。
友達同士で楽しむことはできますか?
1作目好きな人同士行ったらもう最高の時間かと!
デートで行くのはどうですか?
人生は長い、長き人生を一緒に歩める決断の糧に是非。
映画リピーターは見た方が良いですか?
この作品は2013年に公開された『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』の続編に当たります。物語はあの映画のその後を描きます。
→『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』感想、イギリス名優集結!インドが舞台の不思議な魅力に溢れる映画
本作単発でも楽しめますが、ストーリーそのまま繋がっているので『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』を鑑賞してからの本作鑑賞をお勧めします。
原題は「The Second Best Exotic Marigold Hotel」。一部で「SecondでBestってどっちやねん」と突っ込みも目にしましたが「二つ目のマリーゴールドホテル」という意味になります。2位に甘んじてるとい意味では無いのでご安心を。
前作では「インドのパワフルな魅力」と「老後の最高の人生の過ごし方」を見せてくれましたが、今回はその先をしっかりと期待に応えてくれる形で見せつけてくれました。
「前作でインドの魅力を見せたな?あれはな、初級編だ。」と言わんばかりにより「インドらしさ」を見せつけてくれた本作。
様々な要素において「インド中級編」を感じましたが、今回何よりも「ダンス」で魅了してくれます。インド映画においてダンスがよく見られるのをご存知な方も多いでしょう。要するにアレです。
しかしそれだけではなく、本作では冒頭からクライマックスにかけて何度もダンスを見せてくれるのです。大丈夫です、英国老人たちが身体に鞭打ってダンスするわけではありません。
華麗なダンスを見せてくれるのは前作で結ばれたデヴ・パテル演じるソニーとテナ・デサイー演じるスナイナです。
特にテナ・デサイー演じるスナイナは前作では「ソニーの恋人」の立ち位置でしたが今作では存在感が増しています。オープニング・タイトルのバックで踊るのテナ・デサイーですし。
テナ・デサイーのダンスは魅惑的でそのインドらしさもたまらないのですが、それ以上にクライマックスの結婚式の本気(ガチ)ダンスシーンが圧巻でした。要するに結婚式の出し物的なダンスなのですが、それが「本気(ガチ)」なのです。
『スラムドッグ・ミリオネア』で見たJai-Ho!が霞むような強烈なパワフルなダンスシーン。これを見るだけでもこの映画の価値があります。それくらい圧巻のダンスシーンでした。
しかも、ダンスシーンと平行であるドラマティックなシーンも描かれるのです。ただ単に踊って済ませるというわけでも無いその構成や演出に脱帽です。
監督は前作に引き続き『恋に落ちたシェイクスピア』のジョン・マッデン監督です。さすがです。
そんな「インドのパワフルな魅力」を前作以上に感じさせてくれた本作ですが、「老後の最高の人生の過ごし方」のその後もまた踏み込んでくれています。インドに恋をしインドで余生を過ごす老人5人ですが、余生を静かに過ごすことなくどんどん活動的になってきます。
しかもほぼほぼ色恋なので「老人凄え」と思ってしまうほど。今回新たに「イケてる老人」で映画へ投入されたのは何とリチャード・ギア。リチャード・ギアが老人カテゴリーになってることに驚きですが、良い感じに映画を掻き乱してくれます。
色恋、仕事、少し見えてきてしまった人生の終焉。様々なドタバタを5人+リチャード・ギアでドラマティックに描いてくれています。
前作はジュディ・デンチ主人公かなと思ったら最後の最後でマギー・スミスが美味しいところを全て持っていく存在感を発揮。さて、今回は・・・今回も同じでした(笑)ジュディ・デンチを霞ませるマギー・スミスの存在感と説得力って凄まじいなと改めて思いました。
本作は基本的にホテルを舞台にした群像劇ですが、マギー・スミス演じるミュリエルの行動や態度がやはり一番ドラマティックで魅力的で考えさせられます。特に後半・・・こんな老人になりたいと憧れの念を持って見てしまいました。
「老後の最高の人生の過ごし方」のその後のもう一歩、それをしっかりと見せてくれてとても良かったです。
私はインドに実際足を運んだことがあります。ニューデリーとオールドデリーの発展の違い、鉄道や駅のカオスさ、バナラシ(ガンジス川)のカオスさ、タージマハルやファテープル・シークリーの美しさなどをあの独特な空気と共に記憶しています。
インド映画では、あくまでもインドそのまま日常ですが、このマリーゴールドホテルシリーズはイギリス人という外国人がインドで過ごす映画なので、より旅行のことを鮮明に思い出すのです。
前作『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』を見てインドに再び出向きたくなりましたが、結局その後足を伸ばせずにいます。
しかし、今回の『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』を見たらもう居ても立ってもいられなくなっています。
おそらく本作は冷静に論評をすると脚本が浅いとかそういう類の指摘はしやすい映画でしょう。しかし私にはそんなことがどうでも良くて、心の奥底に眠っていたインドの記憶を呼び起こしてくれた、そう思わせてくれただけでこの映画は「最高」なわけです。
とにかく最後のダンス!そしてマギー・スミス!
素晴らしい続編に大満足でありました!
「インドで過ごす」ことを指しているのではなく、「残された人生を静かに過ごさない」ということ。
私は86年生まれで現在29歳なので、老人になってからの疲れ方や身体を動かす苦悩は実体験できていません。老人になったら静かに過ごしたいのはある意味正しい願望なのかもしれません。
しかし本作の老人たちはそうではないのです。もちろん静かに優雅に過ごす日もありますが、残された時間が少ないながらやりたいことやチャレンジしたいことに果敢に挑んでいるのです。
だからこそ色恋だってする、仕事も改めてする、様々な冒険やチャレンジもするわけです。今までの人生において満足をしているならまだしも、おそらく「若ければもう少し◯◯したかった」と思うご老人の方は多いでしょう。
そこでどうするか。若者と同じようにはできなくても考えれば何か一歩踏み出せることって意外とあると思うのです。
自分自身が老人になった時に「若ければあれしたのによお」などと文句を言わないようになりたい。この映画の老人たちみたいに最後の最後まで楽しく元気に新しい世界で積極的に生きてみたい。
そう思いました。
お国柄、文化柄もあると思いますが、日本人であってもこういったカッコいい老後の人生送ってみたいです。送ってみせます。
そう思わせてくれたこの映画、私は50年後も見続けていることでしょう。
→『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』感想、イギリス名優集結!インドが舞台の不思議な魅力に溢れる映画
本作単発でも楽しめますが、ストーリーそのまま繋がっているので『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』を鑑賞してからの本作鑑賞をお勧めします。
原題は「The Second Best Exotic Marigold Hotel」。一部で「SecondでBestってどっちやねん」と突っ込みも目にしましたが「二つ目のマリーゴールドホテル」という意味になります。2位に甘んじてるとい意味では無いのでご安心を。
前作では「インドのパワフルな魅力」と「老後の最高の人生の過ごし方」を見せてくれましたが、今回はその先をしっかりと期待に応えてくれる形で見せつけてくれました。
「前作でインドの魅力を見せたな?あれはな、初級編だ。」と言わんばかりにより「インドらしさ」を見せつけてくれた本作。
様々な要素において「インド中級編」を感じましたが、今回何よりも「ダンス」で魅了してくれます。インド映画においてダンスがよく見られるのをご存知な方も多いでしょう。要するにアレです。
しかしそれだけではなく、本作では冒頭からクライマックスにかけて何度もダンスを見せてくれるのです。大丈夫です、英国老人たちが身体に鞭打ってダンスするわけではありません。
華麗なダンスを見せてくれるのは前作で結ばれたデヴ・パテル演じるソニーとテナ・デサイー演じるスナイナです。
特にテナ・デサイー演じるスナイナは前作では「ソニーの恋人」の立ち位置でしたが今作では存在感が増しています。オープニング・タイトルのバックで踊るのテナ・デサイーですし。
テナ・デサイーのダンスは魅惑的でそのインドらしさもたまらないのですが、それ以上にクライマックスの結婚式の本気(ガチ)ダンスシーンが圧巻でした。要するに結婚式の出し物的なダンスなのですが、それが「本気(ガチ)」なのです。
『スラムドッグ・ミリオネア』で見たJai-Ho!が霞むような強烈なパワフルなダンスシーン。これを見るだけでもこの映画の価値があります。それくらい圧巻のダンスシーンでした。
しかも、ダンスシーンと平行であるドラマティックなシーンも描かれるのです。ただ単に踊って済ませるというわけでも無いその構成や演出に脱帽です。
監督は前作に引き続き『恋に落ちたシェイクスピア』のジョン・マッデン監督です。さすがです。
そんな「インドのパワフルな魅力」を前作以上に感じさせてくれた本作ですが、「老後の最高の人生の過ごし方」のその後もまた踏み込んでくれています。インドに恋をしインドで余生を過ごす老人5人ですが、余生を静かに過ごすことなくどんどん活動的になってきます。
しかもほぼほぼ色恋なので「老人凄え」と思ってしまうほど。今回新たに「イケてる老人」で映画へ投入されたのは何とリチャード・ギア。リチャード・ギアが老人カテゴリーになってることに驚きですが、良い感じに映画を掻き乱してくれます。
色恋、仕事、少し見えてきてしまった人生の終焉。様々なドタバタを5人+リチャード・ギアでドラマティックに描いてくれています。
前作はジュディ・デンチ主人公かなと思ったら最後の最後でマギー・スミスが美味しいところを全て持っていく存在感を発揮。さて、今回は・・・今回も同じでした(笑)ジュディ・デンチを霞ませるマギー・スミスの存在感と説得力って凄まじいなと改めて思いました。
本作は基本的にホテルを舞台にした群像劇ですが、マギー・スミス演じるミュリエルの行動や態度がやはり一番ドラマティックで魅力的で考えさせられます。特に後半・・・こんな老人になりたいと憧れの念を持って見てしまいました。
「老後の最高の人生の過ごし方」のその後のもう一歩、それをしっかりと見せてくれてとても良かったです。
私はインドに実際足を運んだことがあります。ニューデリーとオールドデリーの発展の違い、鉄道や駅のカオスさ、バナラシ(ガンジス川)のカオスさ、タージマハルやファテープル・シークリーの美しさなどをあの独特な空気と共に記憶しています。
インド映画では、あくまでもインドそのまま日常ですが、このマリーゴールドホテルシリーズはイギリス人という外国人がインドで過ごす映画なので、より旅行のことを鮮明に思い出すのです。
前作『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』を見てインドに再び出向きたくなりましたが、結局その後足を伸ばせずにいます。
しかし、今回の『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』を見たらもう居ても立ってもいられなくなっています。
おそらく本作は冷静に論評をすると脚本が浅いとかそういう類の指摘はしやすい映画でしょう。しかし私にはそんなことがどうでも良くて、心の奥底に眠っていたインドの記憶を呼び起こしてくれた、そう思わせてくれただけでこの映画は「最高」なわけです。
とにかく最後のダンス!そしてマギー・スミス!
素晴らしい続編に大満足でありました!
コラム:「老後の人生の理想のスタンス」
この映画の老人たちの過ごし方は1つの「理想の老人としての過ごし方」だと思います。「インドで過ごす」ことを指しているのではなく、「残された人生を静かに過ごさない」ということ。
私は86年生まれで現在29歳なので、老人になってからの疲れ方や身体を動かす苦悩は実体験できていません。老人になったら静かに過ごしたいのはある意味正しい願望なのかもしれません。
しかし本作の老人たちはそうではないのです。もちろん静かに優雅に過ごす日もありますが、残された時間が少ないながらやりたいことやチャレンジしたいことに果敢に挑んでいるのです。
だからこそ色恋だってする、仕事も改めてする、様々な冒険やチャレンジもするわけです。今までの人生において満足をしているならまだしも、おそらく「若ければもう少し◯◯したかった」と思うご老人の方は多いでしょう。
そこでどうするか。若者と同じようにはできなくても考えれば何か一歩踏み出せることって意外とあると思うのです。
自分自身が老人になった時に「若ければあれしたのによお」などと文句を言わないようになりたい。この映画の老人たちみたいに最後の最後まで楽しく元気に新しい世界で積極的に生きてみたい。
そう思いました。
お国柄、文化柄もあると思いますが、日本人であってもこういったカッコいい老後の人生送ってみたいです。送ってみせます。
そう思わせてくれたこの映画、私は50年後も見続けていることでしょう。
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(C)2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved. |
作品概要
映画タイトル
『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』
『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』
キャスト
ビル・ナイ
マギー・スミス
リチャード・ギア
ジュディ・デンチ
デヴ・パテル
デヴィッド・ストラザーン
ペネロープ・ウィルトン
セリア・イムリー
タムシン・グレイグ
ロナルド・ピックアップ
ビル・ナイ
マギー・スミス
リチャード・ギア
ジュディ・デンチ
デヴ・パテル
デヴィッド・ストラザーン
ペネロープ・ウィルトン
セリア・イムリー
タムシン・グレイグ
ロナルド・ピックアップ
監督
ジョン・マッデン
ジョン・マッデン
脚本
オル・パーカー
オル・パーカー
ストーリー
インドのリゾートホテルにやって来たイギリス人シニアたちが織り成す人間模様をユーモアたっぷりに描き、世界各国で好評を博したイギリス映画「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」の続編。インド、ジャイプールにあるマリーゴールド・ホテルでは、イギリスから来たイブリン、ミュリエルら5人のシニアたちが楽しい老後を送っていた。若き支配人ソニーは、副支配人となったミュリエルと一緒にホテル拡大を狙って奔走する一方、恋人スナイナとの結婚を目前に控えていた。そんな中、アメリカからチェンバーズという男が泊まりにやって来て、出会いを求めていた女性陣は色めきたつが……。公開日
2016年3月4日
公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/marigold/
鑑賞者のレビュー
Filmarksの参照をオススメします。
予告編