映画『真珠の耳飾りの少女』の魅力、フェルメールの絵画のような映像美に酔いしれる作品[ネタバレなし]


スカーレット・ヨハンソンとコリン・ファースが共演した『真珠の耳飾りの少女』を紹介。美術・絵画好きにはぜひ見て欲しい一本です。


どんな映画?

2004年日本公開の本作は、オランダの画家ヨハネス・フェルメールの代表作『真珠の耳飾りの少女』に着想を得て書かれた同名小説を原作としています。もともと日本では『青いターバンの少女』『ターバンを巻いた少女』といった名前で知られていたこの絵ですが、映画のヒットによって『真珠の耳飾りの少女』の名が一般的となりました。

“絵のモデルになった少女はフェルメール家の下働きだった”という設定のもと、絵が完成するまでの物語をモデルとなった少女の視点から描いていきます。


まるでフェルメールの絵の世界!

本作一番の見どころは、なんといっても映像の美しさでしょう。フェルメールの絵を少しでも知っている方であれば、この作品が全編通してフェルメールの絵のタッチを再現していることにすぐ気がつくのではないでしょうか。特にアトリエのシーンは、フェルメールの絵そのもの! たとえ絵に詳しくない方でも、その映像美に惚れ惚れするはずです。

本作の美術・映像は非常に評価され、第76回アカデミー賞で撮影・美術・衣裳デザインの3部門でノミネートされました(『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』といった強敵がいたことにより受賞は逃しています)。



19歳のスカヨハ! エロいコリン・ファース!

絵のモデルの少女グリートを演じたスカーレット・ヨハンソンは、今でこそ『アベンジャーズ』などの大作映画にも出演するセクシーでかっこいい女優さんですが、本作での彼女はまだ19歳でした。初々しさの中にほんの僅か、大人の女性の色気を感じさせる少女グリートの役がピッタリのスカヨハ。最近の姿しか知らない人が見たら、今とのギャップに驚くのではないでしょうか。

子役出身の彼女は、この『真珠の耳飾りの少女』と、同じく2004年に日本公開した出演作『ロスト・イン・トランスレーション』の二作で高評価を得、その後数々の作品に出演するようになりました。

そして、マシュー・ヴォーン監督の『キングスマン』が絶賛公開中のコリン・ファースは、画家フェルメール役での出演。この役がなんというか、エロいです(笑) 謎の色気を発しています。

BBCのドラマ『高慢と偏見』で一躍有名になった彼は、『ブリジット・ジョーンズの日記』や『英国王のスピーチ』などに出演しており、英国紳士的な印象が強いです。が、ダラっとした服に長く伸ばした髪のフェルメール役は英国紳士とは程遠く、直接的な表現はないのに不思議と官能的。グリートの耳元で小声で囁く彼の姿、中年男性好きの女性には堪らないのでは?



美しい絵に負けず劣らずの美しい音楽!

本作の音楽を担当したのは、映画音楽界で今をときめくアレクサンドル・デプラ。『グランド・ブダペスト・ホテル』でアカデミー作曲賞を受賞した彼がハリウッド映画やイギリス映画の音楽を手がけるようになったのは本作からで、それ以前はフランスの映画・テレビの音楽を担当していました。

美しい映像を引き立てる音楽は聞き惚れるほど美しく、耳に残る印象的なメロディによって、映画を見終わった後も心地の良い余韻に浸ることができるでしょう。


ということで今回ご紹介した『真珠の耳飾りの少女』、家族やお友達と楽しく見るタイプの映画ではありませんが、隠れた名作のひとつです。休日の午後にでもゆったりと、この美しく官能的な世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

作品概要 

映画タイトル
『真珠の耳飾りの少女』

キャスト
スカーレット・ヨハンソン
コリン・ファース
トム・ウィルキンソン
キリアン・マー
エシー・デイヴィス
ジュディ・パーフィット
アラキーナ・マン
アナ・ポップルウェル

監督

ピーター・ウェーバー

脚本

オリヴィア・ヘトリード

ストーリー

1665年のオランダ、デルフト。つましい家庭の少女グリート。彼女は、タイル職人の父が事故で失明したことから一家の家計を支えるため働きに出る。そして、画家ヨハネス・フェルメールの家で奉公することとなった。夫婦ゲンカが絶えず、子供たちが騒々しい中で日夜働き続けるグリート。そんなある日、フェルメールはグリートの窓掃除により生まれた新たな光を見て新作を描くきっかけを掴む。フェルメールは彼女の色彩感覚を認め、絵の具の調合を手伝わせるようになる。しかし、フェルメールの創作意欲を刺激するグリートの存在は、やがて周囲に思わぬ波風を起こしていった…。


公開日
2004年4月10日

鑑賞者のレビュー
Filmarksの参照をオススメします。


written by ayako