『カリフォルニア・ダウン』感想、大津波描写あり。災害エンタメと思えばいけるはずだが真面目に見るとイラッとする[ネタバレなし]
公開延期の末、9月12日に公開が決定した『カリフォルニア・ダウン』の感想です。災害エンタメなのでローランド・エメリッヒ監督作品のマインドで見ると良いでしょう。真面目に見ちゃうと色々ときついです。
※本作には大地震及び大津波の描写が多分に含まれます。東日本大震災等で心の傷が癒えていない方には到底オススメすることはできません。
□スコア
◯私的満足度
★☆☆☆☆(1/5)
=災害描写とアクションを楽しむ映画なんだと思う。真面目に見たのが悪かった。
◯ファミリーオススメ度
★★☆☆☆(2/5)
=親子愛ではある
◯子供オススメ度
★☆☆☆☆(1/5)
=R指定ではないが災害描写が結構きついかも。
◯友人オススメ度
★★★☆☆(3/5)
=災害アクションと思えば楽しめるかも。
◯デートオススメ度
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(C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC |
□感想:「災害エンタメとして楽しむべき」
『2012』などのローランド・エメリッヒ監督が数々送り出してきた作品と同系統です。大災害が起きて主人公が奮闘、愛する人を守ります。そのマインドセットで災害エンタメとして見る分には迫力満点の作品と言えるでしょう。
逆に『唐山大地震』や『インポッシブル』など近年のシリアスな災害映画を期待や想定してみると痛い目に遭います。この作品は災害をエンタメとして扱い、そしてドラマティックに展開していきます。悪いとは言いません。ただシリアスに見ると相当イラッとする。
本作では、ドウェイン・ジョンソン演じる主人公がレスキュー隊員。自らの肉体的能力やヘリ操縦技能を駆使して離れ離れになった家族を助けにいきます。
別に現実的でない地震や大津波が来ても良いでしょう。映画ですし。私がどうしても受け入れられなかったのは主人公がレスキュー隊員なのに家族最優先でしか物事を考えないところ。
ある意味それは一般人なら当たり前なのですが、「職責放棄するなや!」とイラッとしてしまいました。別に人殺したりしてまで家族をとかでは無いので割り切るのが一番です。見ていてとにかくもやもやしてしまいました。
完全に映画を見るマインドを間違ったと痛感しており、災害エンタメとして楽しむべきでした。なので「こんな映画許せない!」ではなく「間違えちゃった・・・」と反省をする次第です。
私たち日本人は東日本大震災を経験または目撃しました。それ以降どうしても災害をエンタメやアクション化した作品はストレートに受け入れ難くなっています。
戦争映画や暴力アクション映画を楽しめるのはそれを直に経験していないからという部分もあります。何事も割り切りは必要で、映画は映画、現実は現実ですが、どうしても地震や津波となると割り切れず経験したそれと結びつけてしまいます。
というように見ていてあまり楽しめなかったのですが、前述の通りエメリッヒ系統の災害エンタメ映画と割り切ってみた場合は普通に見どころ満載の映画と言えるでしょう。
大地震やそれに付随する倒壊描写は圧巻で、ポール・ジアマッティらが織りなすサイドストーリーも見事に確立。サンフランシスコを襲う大津波描写も強烈で、ただ都市が襲われる描写に限らず津波VS大型船/小型船のシーンなども圧巻です。
ただ、津波を乗り越えるシーンのリアリティの無さは正直感じ取ってしまいました。如何せん私たちは東日本大震災で海上保安庁の船が津波を乗り越える映像を見てしまっていますので。
→参考映像:福島県沖・大津波に遭遇した巡視船 【海上保安庁提供映像】
映画のように大波をサーフィンのように乗り越えられると「何だかなあ・・・」と思ってしまうのです。
ってそう思っちゃダメですね。災害エンタメとしてなら迫力満点で全然いけます。
とにかくビジュアル的に見応え抜群の災害エンタメ映画です。エメリッヒの『2012』は普通に楽しめたので、あのマインドセットで見れそうな時が来たら2度目の鑑賞を楽しみたいと思います。
おしまい。
□どんな映画?
ドウェイン・ジョンソンが屈強なレスキュー隊員を演じ、巨大地震と津波による未曽有の被害から人々を救うため奔走する姿を描くディザスターパニック大作。米カリフォルニア州の太平洋岸に1300キロにわたってのびるサン・アンドレアス断層が横ずれし、巨大地震を引き起こした。ロサンゼルス、サンフランシスコ、ラスベガスと大都市が相次いで壊滅するなか、ヘリコプターを使った高度上空での任務を専門とするレスキュー隊員が、愛する娘と被害にあった人々を救うため駆けめぐる。
参照:http://eiga.com/movie/79814/
参照:http://eiga.com/movie/79814/
予告編