6月12日公開のヘイデン・クリステンセン✕ニコラス・ケイジ主演の『ザ・レジェンド』をお先に鑑賞しました。王道の時代物でありながら中国舞台という異色物語ですがきっちり締まる面白い映画でございました。
□スコア
◯私的満足度
★★★☆☆(3/5)
=王道の12世紀舞台の映画といったところ!
◯ファミリーオススメ度
★★☆☆☆(2/5)
=ちょっと残虐ですが家族の話もしっかりと。
◯子供オススメ度
☆☆☆☆☆(0/5)
=R15指定なので不可。
◯友人オススメ度
★★★☆☆(3/5)
=アクションもあり壮大さもあるので普通に。
◯デートオススメ度
★★☆☆☆(2/5)
=ロマンス要素は少しなのでデートムービー的ではない。
◯映画リピーターオススメ度
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(C)2014 YUNNAN FILM GROUP, OC FILMS (CANADA) INC., 22h22 |
□感想「良い映画として違和感を感じる」
まず純粋に「普通に面白い映画」です。割と安心クオリティの時代物です。それにしても良い意味でですがこの映画の魅力としての1つが「違和感」ですね。魅力が違和感です。何か日本語おかしいですね(笑)
この映画、主演は『スターウォーズ』の2〜3で主演したヘイデン・クリステンセン。そしてニコラス・ケイジ。あのニコラス・ケイジですね。ハゲの。あとは助演です。
となると、おわかりでしょうが普通のハリウッド映画としての時代物を思い浮かべ、それを想定するわけです。しかし、この映画は冒頭の十字軍バトルシーン以外は中国が舞台です。そうなんです、ハリウッド俳優であるヘイデン・クリステンセンとニコラス・ケイジが中国で色々あーだこうだという映画なんです。
これは要するに「中国に西洋の二人が行き着いて、ひょんなことから王族の用心棒となる」話なんです。とまとめると別に変な話では無いのはわかるでしょう。台詞はオール英語です。ほとんど中国が舞台で、資本も中国の映画ですが、監督は『ラストサムライ』でアクションコーディネートをされていた方なのでアメリカ人です。
良い話✕ヘイデン・クリステンセンとニコラス・ケイジ良い感じに「中国が舞台」「中国人俳優たち」が掛け算されているわけです。そりゃ違和感覚えるわけですね。
でも前述の通りこの違和感は良いもの。中国資本が入ってる映画だからといって無理に中国設定にはなっていません。その時代の中国を舞台にしっかりとその王族の人間関係と心が描かれ、それをヘイデン・クリステンセンとニコラス・ケイジがうまい具合に通い合わせていくのです。
『レッドクリフ』などの超大作でもそうでしたが、中国映画らしい仁や義や礼を本作でも感じることができます。何なんでしょうね、こういう中国映画特有の心がしっかりと描かれる様。いや、これ別に中国映画では無いのですが、そういった心の部分がしっかりと描かれています。
ヘイデン・クリステンセンは落ちぶれながらも心が純粋なザ・好青年。ニコラス・ケイジもワケあり落ちぶれとして登場しますが、近年のニコラス・ケイジのどの役よりも過去の悲しみを背負うことで人間味のあるキャラクターになっていたと思います。
美しい中国の風景、時に美しく時に激しく鳴る音楽、時代もの特有の戦闘描写(スタントコーディネーターをやってた監督ならではの魅力)、そしてしっかりと描かれる心の描写、西洋と東洋の良い部分が交わった、映画のシルクロードとでも言える「良き違和感」、いや「融合」がもたらす謎の心地よさ。
「何かニコラス・ケイジ主演とか地雷臭しか」とか思ってごめんなさい。これは面白い映画ですよ。
是非みなさんも「良き違和感」「西洋と東洋の融合」を劇場で堪能してみてくださいね。
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□どんな映画?
12世紀中国で王の後継者争いに身を投じる伝説の用心棒の活躍を描いたアクション。十字軍で華々しい活躍を繰り広げていた最強の騎士ガレインと弟子ジェイコブは、無益な戦いに嫌気が差して軍を離れ、やがて中国にたどり着く。その頃、中国では跡継ぎ争いから皇帝が長男シンに暗殺され、弟の皇子とその姉が命を狙われていた。彼らの用心棒になったガレインとジェイコブは、次々と現われるシンの追手を迎え撃つ。
参照:http://eiga.com/movie/81070/
予告編
□ニコラス・ケイジはいじらせて
笑えるシーンが皆無な割と硬派な映画に仕上がっているのですが、ニコラス・ケイジが出ているのでニコラス・ケイジをいじらないとですね。これは映画ファンとしての義務でしょう(真顔)まずですね、冒頭のニコラス・ケイジ!これすごいです!ニコラス・ケイジが十字軍の格好してます!もうこれ最高です。何が最高って全く似合わない!うん、最高ですね(褒めてます)
時が経ち、中国に舞台を移してからのニコラス・ケイジ!これも凄いです。何が凄いって超薄汚い。「超薄汚い」って何か日本語変ですが、でも本当に「超」✕「薄汚い」なんです。「汚い」ではなく「薄汚い」。酒に溺れてるし何かここだけは真面目な演技なのに「ニコラス・ケイジwww」になります。褒めてますよ、とっても褒めてます。
しかしですね、ここのシーン、この「薄汚いケイジ」にはちゃんと理由があるのです。それが後で明かされて「だから落ちぶれてるのか・・・」と思った時には後の祭りで「ニコラス・ケイジwww」を心の中でやってしまった自分を悔やむわけですね。
ごめんねケイジ、素直じゃなくて。
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□ヘイデン・クリステンセン久々の良作&良演な気がする
ヘイデン・クリステンセンと言うと、私的には『スターウォーズ』よりも『ジャンパー』のイメージが強いんですよね。あの映画「さあ、物語はここからだ!」的な終わり方するんですが、面白くないし続編結局なかったしもう色々アレでした(言いたい放題)しかし本作では落ちぶれ側面も見せますが、その落ちぶれ理由が結構シリアスでしたし、苦悩演技を含めキャラクター的にも素晴らしく演技もとても良かったです。
作品的に超大作までいかないものですが、ヘイデン・クリステンセンの演技、何気に私が見てきた中ではベスト・オブ・ベストかなと思いました。時代に合っていなそうでありつつ、それがむしろ異色感を出していて主役として引き立っていたと思います。
ニコラス・ケイジの方が知名度ありますし、本作でもインパクトありますが、ヘイデン・クリステンセンが一応主演ですので是非彼の魅力も見つけてみてくださいね。
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□まとめ
という感じで、ヘイデン・クリステンセン✕ニコラス・ケイジ✕中国で出来上がった『ザ・レジェンド』。違和感がありながらも無理矢理感の無い、硬派な時代物。純粋ハリウッド映画でも純粋中国映画でも無く、合作なわけですがそれぞれの良い面がしっかりと出ていました。
公開は6月12日です。気になる方は是非劇場でお楽しみください。
公式サイト=http://the-legend.jp/