『リトル・フォレスト 冬・春』感想、淡々と流れる田舎の「時間を感じる」魅力[ネタバレなし]
橋本愛主演の『リトル・フォレスト 冬・春』を鑑賞しました。『リトル・フォレスト 夏・秋』が昨年公開されてますが、単発作品として全然見れます。
□スコア
◯私的満足度
★★★☆☆(3/5)
=淡々と、とにかく淡々と。しかしそれが至福。
◯ファミリーオススメ度
★★★★☆(4/5)
=淡々としてるけど心地よい。
◯子供オススメ度
★★★★☆(4/5)
=農業や料理に興味が湧くかも?
◯友人オススメ度
★★★★☆(4/5)
=繰り返しになりますが、淡々としてるけど心地よい。
◯デートオススメ度
★★★★☆(4/5)
=またまた繰り返しになりますが、淡々としてるけど心地よい。
◯映画リピーターオススメ度
冬編上映⇒冬編エンドロール⇒春編上映⇒春編エンドロールという変わった作風。繰り返してますがホント淡々と淡々と流れます。しかしそれが心地よい映画です。
□一言感想
とても失礼なのですが、私『リトルフォレスト 夏・秋』を見ていないのです。試写状がきたので何も知らずに恐る恐る試写室へ…。で、プレスキット頂いてそこでストーリーを初めて知ったんですね。というかストーリーがよくわからない…。何か料理の写真がいっぱい載ってるプレスキット…これ…大丈夫かな…大丈夫かな…。
そんな不安を心に抱えた状態で上映スタート。
…あれ、何かいいぞこれ…。
ストーリーというか人間関係がシンプルなので何も混乱しませんでした。しかもそこにおいしそうな料理がたくさん出てくる。橋本愛をドストライクに可愛いと思わない変わった趣味の私ですが、大好きな松岡茉優が出てるのでそれでニヤリ(変態か)
繰り返している通り、淡々と…淡々と…とにかく淡々と…
農作業と料理の描写に薄く挟まれる主人公の幼少期のエピソードや今の葛藤。うむ、混乱しないでエピソードが積み重なっていく感じが嫌じゃない。なかなか楽しいと思いながら前半の冬編を楽しみました。
冬編が終わり春編へ。春編も淡々と…淡々と…とにかく淡々と…
物語というそれは無いに等しくも、日常の中で葛藤する主人公。そして静かに進んでいく日常、春の訪れの先に彼女が決めた決意。
物語は突如5年後に移りエピローグ。このエピローグが淡々と進んできた物語がいきなり動いてちょっと空気感が変わったようにも思いましたが、それでも他の映画に比べれば淡々と、淡々と、とにかく淡々と終わっていった感じでした。
しかしこの「淡々と」は「時間を感じる魅力」であり、ハラハラ・ドキドキする映画とはまた違う魅力がありました。
「映画見た!!」という感覚とちょっと違って戸惑いましたが、何か素敵な時間をくれたという印象です。劇場で何度も…という感じではありませんが、DVDが出たらとりあえず流しておきたい映画な気がします。
そしてとにかく料理がおいしそう!調理描写も素敵でしたので、料理側面で参考にしていきたいとも思いました。
淡々と、淡々とですが飽きること無く、美しい田舎描写もあって良い時間を過ごすことができました。
□どんな話?
漫画家・五十嵐大介の同名コミックを、「春」「夏」「秋」「冬」の4部作として実写化し、「夏・秋」(前編)、「冬・春」(後編)の2編にわけて劇場公開する「リトル・フォレスト」の後編。一度は街に出たものの居場所を見つけることができず、生まれ故郷の小さな村に戻ってきた女性いち子が、東北の美しくも厳しい自然に囲まれた自給自足の生活を通じて、自らを見つめ直していく姿を描く。秋の終わりに、5年前の雪の日に突然姿を消した母・福子から1通の手紙が届き、いち子は今までやこれからの自分を思い、心が揺れ始める。そうした日々の中でも季節はめぐり、雪解けとともに春の足跡も近づいてくる。来年もここにいるかどうかわからなくなったいち子は、春一番で作付けするジャガイモを今年は植えるかどうか迷うが……。
映画.comより
前編見てなくてもいけました!
□うち、実家農家なんですよ、良い農業描写でしたw
映画の感想はもう上で書いた通りと言いますか、「時間を感じる映画」ですのでその時間を楽しんでほしいと思います。引き算の流儀と言いますか、感情も多く出てこない登場人物たちのそれから感じ取る鑑賞スタイルとなりますので各々感じるものが異なることでしょう。で、私この映画見ていてとても心地良かったのが農業描写なんですね。
私は埼玉県の農家に生まれておりまして、子供の頃は泥遊びから農業手伝いから土に触れて育ちました。
この『リトル・フォレスト』の農業はしっかりと農業を描いています。これはどういう意味かと言うと田舎の描写だからと言って、下手に古めかしい農業技法を使っていないということです。
田植機や稲刈り機もしっかり使ってますし、農業用のビニールシートでじゃがいも畑を作る描写なんかも俗にいう「今風」でいい感じです。
変に古さに特化せず、「スタンダードな農業」を描いていて見ていてとっても心地良かったです。
子供オススメ度4としたのもその理由です。農業は骨折りでとても大変ですが、「自然の恵み」を存分に感じることができ、農業とか食べ物作りって大変だけど楽しそうって思える一種の「食育」の側面をこの映画はしっかり持っていると思います。
昔ながらの知恵、今現代の農業技法、そのバランス感覚がとても良かったです。
とにかく料理がおいしそうな映画です。音があまり流れないシーンもあるのでお腹鳴らないように対策してから劇場へ行くようにしましょう(笑)
2月14日より公開です!
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