『ANNIE/アニー』感想、現代ニューヨークでアニーが元気に駆け回る!が、全体的に惜しい![ネタバレなし]
1月24日公開の『ANNIE/アニー』を一足お先に鑑賞させて頂きました!現代ニューヨーク版『ANNIE/アニー』、元気で明るくありながら惜しいと思うところが多々!
□スコア
◯私的満足度
★★☆☆☆(2/5)
=新味が弱く惜しい感があり、でも新楽曲含め好きな曲が多く楽しめた!
◯ファミリーオススメ度
★★★☆☆(3/5)
=楽曲ノリが良くハートウォーミングストーリーなので意外とオススメ。
◯子供オススメ度
★★★☆☆(3/5)
=上と同じ理由。ただし英語×ミュージカル映画なので若干子によるかも。
=上と同じ理由。ただし英語×ミュージカル映画なので若干子によるかも。
◯友人オススメ度
★★★☆☆(3/5)
=ミュージカル映画の好き嫌いで分かれる所。
◯デートオススメ度
★★★★☆(4/5)
=ストーリーの恋愛側面がベタだけどデート向き。
◯一人映画オススメ度
□一言感想
ベタな王道ストーリー×現代ニューヨーク×ノリの良い楽曲。スタンダードだけれど、そのスタンダードさが心地よいミュージカル映画に仕上がっていたと思います。私は『ANNIE/アニー』の楽曲が好きで、今まで映画化や舞台化されたものも好きです。今回新たに加わった楽曲も名曲と言えるものが多く、サントラを聴いて心地よく振り返ることができます。
黒人でアニーを演じたクワベンジャネ・ウォレスちゃんがさすがの天才子役で見事な歌声と無邪気さを披露。ジェイミー・フォックスもさすがの歌声。最後は「終わりよければ全てよし!」的に"Tommorow"で爽快に終わり満足感を得ることができます。
が…
どうも突き抜け感が無い。何かピンポイントで原因があるというより、どうも盛り上がりに欠けると感じてしまいました。
『レ・ミゼラブル』の圧倒感、『ムーラン・ルージュ』の突き抜け感、『シカゴ』の爽快感、それらを前にして新たなるミュージカル映画の伝説とはならなかったなというのが率直な感想です。
ピンポイントで良い部分が際立ちつつ、全体的な感想を述べにくく、今までの『ANNIE/アニー』とも比べてしまい、非常に惜しいなというのが本音であります。
ただし、繰り返しますが楽曲は素晴らしく、クワベンジャネ・ウォレスちゃんとジェイミー・フォックスは素晴らしいです。
□どんな話?
ニューヨーク、マンハッタン。1歳になる前に両親に捨てられ、横暴なハニガンが営む施設に引き取られた少女アニー。10歳になった現在も両親が迎えに来てくれると信じている彼女は、かつて自分が置き去りにされたレストランに通い続けていた。そんなある日、アニーは事故にあいそうになったところを市長候補の男スタックスに助けられる。アニーの存在が選挙戦に有利になると考えたスタックスは、彼女を引き取って一緒に暮らしはじめるが……。
映画.comより
楽曲のノリが良くその辺のとっつきやすさは実は『レ・ミゼラブル』以上かなと思ったりも。
□見どころは楽曲!そしてクワベンジャネ・ウォレスちゃん演じるアニー!
さて、一言感想で惜しい部分も書きましたがせっかくなので良い部分を可視化していきましょう。今回の『ANNIE/アニー』は今までのアニーと基本的なストーリーは同じです。
元々アニーの設定は大恐慌時代のどん底ニューヨークをアニーが掻き乱してニューディール政策、復興へと繋げていくというストーリーでした。今回はそれを現代ニューヨークに置き換えて、今現代の社会問題やテクノロジー、ニューヨークの美しさを付加価値として描いています。
その映画を彩るのはやはり数々の音楽!
"Tomorrow"、"Maybe"、"It's the Hard Knock Life"などアニーの名曲がここに再び蘇っています。
"Tomorrow"
→https://www.youtube.com/watch?v=ZrXXV5ut7fc
"Maybe"
→https://www.youtube.com/watch?v=eGamhQbW3ag
"It's the Hard Knock Life"
→https://www.youtube.com/watch?v=MuqqQ2nazRA
それらだけに留まらず、今回新たに加わった曲がなかなか名曲でありました。
"Opportunity"、"The City's Yours"、"Who Am I?"、特に"The City's Yours"が個人的超お気に入りです!これはカッコいい!
"Opportunity"
→https://www.youtube.com/watch?v=Vi9HcaU03lo
"The City's Yours" ※オススメ!
→https://www.youtube.com/watch?v=MWW6tBstbq4
"Who Am I?"
→https://www.youtube.com/watch?v=iQ_gFqct1j4
全体的に突き抜け感が無いなど若干文句も言いつつ、好き嫌いの尺度ではありますが楽曲が好きと思えればそれなりに楽しめるわけであります。
"The City's Yours"がかかるシーンはきつい言い方をすれば「空撮やりたかったんですね」と突っ込めるくらいストーリーに必要性を感じないのですが、でもこのシーン絵的にかなりカッコいいし頭に残るんですよね。その意味では必要性あるっちゃあるのか。
「こまけーことは置いといて良い部分は良いよね!」が楽曲とパフォーマンスの側面でたくさんある映画でした。
パフォーマンスはやはり天才子役クワベンジャネ・ウォレスちゃんが見事だなと思いました。クワベンジャネ・ウォレスちゃんは昨年公開された『ハッシュパピー バスタブ島の少女』でアカデミー賞主演女優賞の史上最年少でノミネートをされています。
黒人アニーとして見てない方々から賛否が起きていますが、映画の賛否あれどこのクワベンジャネ・ウォレスちゃんの明るく元気で素敵な歌声のパフォーマンスに私は文句なしで満足でありました。
映画的には何の予習にもなりませんが『ハッシュパピー バスタブ島の少女』のフォレスちゃん見てから本作を見ると彼女のファンになると思います。ティーン女優としても成長していってほしい一人であります。
そして『Ray レイ』、『ドリームガールズ』でも歌声を披露しているジェイミー・フォックス、やはり良いです。
キャメロン・ディアスはパフォーマンスとして正直プラスと言えるか微妙なとろこ。というかハニガンという役柄がオーバーアクトなのでその辺判断が難しいです。でもマッチはしてたので良かったのかなと。
□ニューヨークの観光ムービー的側面は申し分なし!
映画の本質の側面では冒頭であれこれ書きまして、諸々惜しいと思うわけでございますが、ニューヨーク観光ムービーとしてはもう申し分なく機能してると思います。空撮映像が入るので若干意図もしてるのかもしれませんが、現代ニューヨークをこれでもかと華やかに見せてくれます。決してバブリーな側面だけでなく、少しローカルな部分も見せつつ、「ニューヨーク行きたい!」と思わせてくれます。
例えば昨年の東京国際映画祭でグランプリを受賞した『神様なんかくそくらえ』は底辺ニューヨークを描いていてニューヨークの悪い面を浮かび上がらせていました。それが現実の一側面でもあるのは事実ですが、やっぱ華やかなニューヨークを見せられて行きたいと思わせられてしまうのがミーハーな人間の真実だったりするわけです。
□ミュージカル映画にも様々あるわけで
『レ・ミゼラブル』後のミュージカル映画はなかなか手厳しい評価をされてしまう運命にあり可愛そうだなと思うことも。だってあの映画生録音して音差し替えて無いですからね。無茶ですよ、あの撮影&録音を真似するのは。本作も音を後から入れ込んでるなという意識がちょいちょい出てしまって映画の知識があるがゆえの受難を痛感。
今までのアニーを知ってる方もその知識ゆえにあれこれ考えてしまうかもしれませんし、それは致し方ないことかもしれません。しかし『ムーラン・ルージュ』や『シカゴ』が生歌撮りしてなくても十分熱狂できるわけで、その辺ミュージカル映画も一概ではないなと思うわけであります。
『ANNIE/アニー』もこっち側だと思うわけですが、それでもやはりもう一歩工夫や改善出来たんじゃないかなと思ってしまい、感想は総括すると「全体的に惜しい!」になってしまうわけであります。
あれこれ申し上げましたが楽曲が好きでニューヨークが好きだったり憧れていれば楽しめるポイントは多々あります。1月の主要作品の1つですので是非劇場で楽しんでみてくださいね。
おしまい。
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