ウディ・アレン新作『マジック・イン・ムーンライト』感想、ウディ・アレンが『トリック』をラブコメ化したら?的なお話(マジ)[ネタバレなし]
日本での公開は2015年になりますがウディ・アレン新作でエマ・ストーンとコリン・ファース主演の『マジック・イン・ムーンライト』を鑑賞しました。
□明るいテイストでトリックぽくて満足
この映画、主人公がエマ・ストーンとコリン・ファースなんですね。若手女優と脂の乗った名優でウディ・アレンのラブコメということでこれどうなるんだ?と思いましたが、いやはやとても面白かったですね。まずですね、エマ・ストーンが霊媒師なんですね。んでコリン・ファースがそれを見破る役なんですね。
言ってしまえばエマ・ストーンはテレビ朝日の人気シリーズ『トリック』における自称霊能力者的な位置付けで、コリン・ファースが上田次郎なわけです。山田奈緒子ポジションの役は出てきませんが、トリックっぽい設定がラブコメで展開されるんです。面白くないわけがないわけですw
エマ・ストーンはあれもこれもと霊能力を発揮。彼氏の死んだ父親とテレパシー交信したりするわけです。何てインチキくさいwでもその霊媒師の正体を暴こうとするコリン・ファースは「これは本物だ」と潔く認める展開。軽いw軽すぎるw(褒めてます)
『ミッドナイト・イン・パリ』でもSFテイストというかファンタジーテイストが入ってましたが本作もその類に一見見えますね。映画後半は「おっと!そっちに転ぶか!」とちょっとびっくりなのでストーリーは言いませんが、トリックっぽい設定でラブコメなのでとてもとても「面白い!楽しい!」作品でした。
□この二人でラブコメ?お?お?お?
この映画の楽しみは、何と言ってもエマ・ストーンとコリン・ファースの掛け合いです。エマ・ストーンはもうとにかくキュート、憎いほどキュート。可愛いって表現じゃちょっと違う、キュートなんです。んで、コリン・ファースがもうこれでもかとクソオヤジw口が悪いし、自分に自信ありまくりで自分の意見に反するものには猛反発。要するにエマ・ストーンの霊能力に「そんなのインチキ」の一辺倒wクソオヤジめw
しかしですね、中盤というか序盤でコロッと霊能力を認めざるを得なくなってからは話の展開が些か驚く方向に。大きなネタバレはせず(後半結構大きな展開がありますがそれは伏せます)、二人の関係で言いますと、要するにこの二人でラブコメに突入してくのです!
20代前半小娘とクソオヤジのラブコメですwまあクソオヤジと言ってもコリン・ファースなんでカッコいいクソオヤジですけどwこれがかなり面白いんです。爆笑せずともニヤニヤの連発であります。
コリン・ファースは『英国王のスピーチ』でも『ラブ・アクチュアリー』でもそうでしたが何か微妙にコミュ障な役がホントうまいです。要するに実はヘタレ的な役がお似合いというわけです。今回もお見事でした。
□偉人名言から創作名言まで名言台詞多し
一言一句ではありませんがこんな感じの台詞がありましたよ的なものを書いていきますね。「あなたは世界の全てを知ってるかのように思ってるけど、私たちの知らない世界がこの世にはあるの。」
「金魚は誰が金魚鉢の水を変えるか知らない。」
このような人生におけるちょっと響く名言や偉人名言が数多く本作には登場します。この辺は繰り返し見てメモにしたいくらいですね。こういうオサレテイストの台詞をたくさん放り込めるウディ・アレンはさすがといったところでしょう。
それらはオサレな雰囲気を出す効果もありつつ、それら名言がちゃんとストーリーテリングの一部も担ってるんですよね。この辺ウディ・アレン印、さすがであります。
□色んな展開があって最後に言いたいことは?
今回も『ミッドナイト・イン・パリ』レベルにぶっ飛んだ設定で展開されていくわけですが、そのぶっ飛び設定の中で結局はほんわかできるラブコメに着地していきます。この辺もウディ・アレン映画だなあという満足度を得ることができます。要するに何か言いたいことがあるとかどういうことではなく「結局はウディ・アレンのラブコメですよ」となっていくわけです。これは賛否あるかもしれません。ストーリーぶっ飛んでて楽しいですが「いつもと同じかい」と思っちゃう方もいるでしょうから。
しかしこれはラブコメですからね。ラブコメなんて楽しんだもの勝ちです。うまくいきすぎな展開とか、ぶっ飛びまくりな展開とか、もう全部穴ではなく愛おしさです。
1920年代のオサレ全開なフランスとそのテイストの音楽も相まって時代旅行へ出た錯覚に陥ることができました。
日本の一般公開は2015年春頃になると思いますが、是非この映画「春のデートムービー」としてお勧めしたいと思います。
おしまい。
□『MAGIC IN THE MOONLIGHT』基本情報
タイトル=邦題未定
原題
=MAGIC IN THE MOONLIGHT
監督
=ウディ・アレン
キャスト
=コリン・ファース
=エマ・ストーン
=マーシャ・ゲイ・ハーデン
=ジャッキー・ウィーヴァー
ストーリー概要(仮)
不思議な力を持つ美女と彼女の存在をインチキだと暴こうとする男。そんな彼らが、ぶつかりあいながらも惹かれ合う。名匠ウディ・アレンが1920年代の南仏を舞台に贈るラブコメディ。
予告編
=https://www.youtube.com/watch?v=LAwbwKURvm0