『思い出のマーニー』は傑作だが、出るであろう「ある批判」を事前予想してみる
7月19日から公開となる『思い出のマーニー』。試写レビューを既に掲載させて頂いておりますが、本当に素晴らしい作品でありました。
本日はそんな『思い出のマーニー』で確実に出るであろう「ある批判」を事前予想してみます。
□確実に出るであろう批判「死生観がない」
『思い出のマーニー』は鈴木敏夫プロデューサーが「ジブリらしい作品が戻ってきて嬉しい。」と発言したように、「大人も子供も楽しめる、心あたたまるジブリ映画」に今回はなっています。
ストーリーに筋がちゃんとあり無駄な寄り道が無い。主題がはっきりしていて、暴力描写や死に関する重い命題は無し。明確に私たち大人が失ってしまった童心をくすぐるものがあるので「大人も子供も楽しめる」のです。
しかし、それ自体が批判の材料にもなるでしょう。とてもざっくり言ってしまえば、『もののけ姫』『ハウルの動く城』『天空の城ラピュタ』『風の谷のナウシカ』等で扱われた人間の争いや死生観が『思い出のマーニー』にはありません。
『風立ちぬ』『崖の上のポニョ』『千と千尋の神隠し』でも戦争、津波、破壊などが描かれていたのでそれに比べると非常にお行儀の良い世界観です。
ストーリーはまるで違いますが、安心感からいくと『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『借りぐらしのアリエッティ』路線なわけです。
それを宮崎駿監督作品、とりわけ『もののけ姫』『風の谷のナウシカ』と比較して批判することは非常に容易と考えられます。こういうと怒られそうですが、そんな記事多分だれでも書けます。
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私は『もののけ姫』が一番好きなジブリ映画で、次点は最近なぜか『魔女の宅急便』です。言ってしまえばこの2つは宮崎駿監督作品で最も破壊的な作品と最もお行儀の良い作品で対局にあるはずです。でもどっちも好きなんです。
映画好きさんが、シリアスな映画からコメディ映画まで様々好きなようにジブリ映画も路線違えど愛を持ってそれらを複数好むことは決して悪いことではないと思いますね。好きなものは好き、嫌いなものは嫌いで良いでしょう。
『思い出のマーニー』のレビューでも書きましたが、この作品は良し悪しのその先、「みなさんのマーニーだった人たちへ感謝したくなる映画」になると思います。子供から大人になる過程できっとマーニー的な人(映画を見れば正体がわかります)に接してきたはずです。そんなマーニー的な人を思い出したり、感謝して童心を思い出すことが素敵と思える映画です。
隅々まで目くじらを立てて映画を見るときっと粗も見えることでしょう。きっとどなたかそれをやってくれると思うので、私は映画批評家ではないただ映画が好きな映画ブロガーとして『思い出のマーニー』の良さをこれからも様々な角度から記事にしていきたいなと思います。
おしまい。
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