『アバウト・タイム 愛おしい時間について』感想、最高にチャーミングな愛と人生の物語、今生きることに至福を感じることができる作品![ネタバレなし]
『ラブ・アクチュアリー』のリチャード・カーティス監督の引退作品で、9月27日公開の『アバウト・タイム 愛おしい時間について』のレビューです。もう最高すぎました。ありがとうございました。
□私的満足度
★★★★★=星5+=満点以上の個人的超傑作!
【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。
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□タイムトラベル能力よりも大切なものがここに
21歳になった主人公のティムは、一家代々タイムトラベルの力を持っていることを父親から知らされます。暗闇で目を閉じてこぶしをにぎるだけで時間を少し巻き戻すことができるという、超やっつけ設定wしかしその適当極まりないタイムトラベル設定ゆえに、物語はタイムトラベル云々よりもそれを使って少しだけ良い方向に人生や大切な人を導こうとする「愛と人生の物語」に主眼が置かれています。
陳腐な言葉で恐縮ですが、今年最高レベルの充足感を得ることができる大傑作ここにあり。といったところです。
[DVD発売済み]
『ラブ・アクチュアリー』という傑作を生み出したリチャード・カーティス監督が引退作品と公言する本作。あの『ラブ・アクチュアリー』という超傑作からすると一見地味な青年の話に見えたりもしますが、それが本作では強みとして発揮されます。
主人公ティムの成長が描かれる本作。彼がスター俳優っぽさを持っておらず不器用そうな印象しかないので、とても身近な物語に感じるんですよね。
「年を取るにつれ、人生に大事なものを描きたくなった。私は車も普通のスピードで運転するし、殺人の経験もなく、スーパーヒーローに出会ったこともありません。愛、家族、友情という、普段の生活に幸せがあると気づくような映画を作りたかった」
悪役なんていない。派手なシーンなんてない。R指定ラブシーンなんてない。派手な夫婦喧嘩や家族とのいざこざなんてない。映画のスパイス無い無い尽くしの『アバウト・タイム 愛おしい時間について』。
なのに最後に感じるのはただただ満足感。見てるとき感じるのは喜びや楽しみ。
何なんでしょうこの傑作は。最後はただただ幸せで心が温かくなります。見終わってすぐ、もう一度登場人物たちに会いたくなりました。
つまりこの映画は、私にとってもう最高レベルに満足できたということであります。
□主題は「家族」にあり
本作のティムはレイチェル・マクアダムス演じるメアリーと恋に落ち、セックスのミスなどをタイムトラベルで軌道修正しながら愛を育んでいきます。通常は、特殊能力を持った主人公の映画は陰謀に巻き込まれたり悪影響が出ていくSF展開になりますが、本作はなりません。ティムはタイムトラベル能力を、ちょこっと良い方向へ軌道修正することや、家族や友人のためにしか使わないのです。だからこそ物語がトンデモ展開には発展しません。それ故にタイムトラベル能力に親近感が沸き、すんなりと受け入れようという気になるのです。
そして物語の主題をしっかりと押さえることができます。メアリーとの恋愛を含めて、本作は「家族」の物語です。メアリーとの恋愛も大切な要素でそちらも心温まるものですが、それ以上にティムと父親との物語が胸を打ちます。
父親を演じるのはリチャード・カーティス監督作品おなじみのビル・ナイです。『ラブ・アクチュアリー』のロックスター役と言えばおわかり頂けるでしょうか。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでデイヴィ・ジョーンズを演じていたのもこの俳優さんなんですよ。
そんなビル・ナイ、最高にチャーミングな父親を演じてくれています。父と息子の物語ですが、ここも変な修羅場はありません。人生を歩みながら、タイムトラベルを繰り返しながら、二人の距離はより縮まっていきます。これも変な感動とかよりもほっこりするもの。だから良いのです。
何を取っても身近に感じるエピソードの積み重ね。ちょいちょいタイムトラベル出てくるのに。
クライマックスのシーンもとても小さな物語。ある女の子が学校に登校する時、二度もパパにバイバイしに戻ってくるあの笑顔。そうそう、小さな幸せだけど最高の幸せってこういうことだと思うのです。
日常で笑顔になれることが、どれだけ幸せなことか。
世界で紛争がまた増えている今だからこそ、『アバウト・タイム 愛おしい時間について』は家族という日常の大切さをより感じさせてくれるのです。
□"The Luckiest"の神懸かり的使い方と映像のチャーミングさ
『ラブ・アクチュアリー』でもそうでしたが、リチャード・カーティス監督作品は挿入歌のセンスが抜群ですよね。あとで歌詞など再確認するとより物語を深く堪能できるので、映画を鑑賞したら是非チェックしてみてくださいね。特に今回はベン・フォールズの"The Luckiest"の使い方が神懸かりです。恋愛の素晴らしさを伝える某場面でかかるのですが、もう最高にハッピーな気持ちにさせてくれます。
ベン・フォールズ"The Luckiest"、Youtubeこちら
この曲を繰り返し聴くだけで、映画を思い出してハッピーな気持ちになります。映画のことを思い出すと同時に、いま自分が置かれている状況が如何に幸せなものかも実感できます。1曲聴くだけでこの効果。何たる映画でしょうか。
そしてロンドンを中心としたイギリスの街並みもいい味を出してます。私フランス厨でしてイギリスへ足を運んだこと無いのですが、改めてロンドン行きたいなと思いました。1〜2年以内には行ってみようかな。
□身近な物語、優しさを染みこませよう
繰り返し書いてるとおり、タイムトラベル映画でありながらとても身近に感じる物語なのです。みなさん今日まで生きている中で様々な人生の道を歩んできたことでしょう。中には家族とトラブルがあった方もいるでしょう。『アバウト・タイム 愛おしい時間について』にはそんなトラブルは描かれません。ここにあるのは最高にチャーミングな家族物語や恋模様です。それが仮にみなさんの家族エピソードと合致しなくても「こんな家族いいな」と思えることでしょう。
その意味で、今独り身であっても、家族とうまくいってなくても、恋人とうまくいってなくても、万人に見てほしい作品であります。もちろん今幸せを感じてる方々がより幸せになるヒントも詰まってます。
公開までまだ少しありますが、9月のお勧め作品です。是非覚えておいてくださいね。
あ、大事なことを言い忘れてました!レイチェル・マクアダムスが今回も可愛すぎます。これだけで元取れます。
おしまい。
□『アバウト・タイム 愛おしい時間について』基本情報
タイトル=アバウト・タイム 愛おしい時間について
英語タイトル
=About Time
監督
=リチャード・カーティス
キャスト
=ドーナル・グリーソン
=レイチェル・マクアダムス
=ビル・ナイ
=トム・ホランダー
=マーゴット・ロビー
ストーリー
イギリス南西部に住む青年ティムは自分に自信がなく、ずっと恋人ができずにいた。21歳の誕生日に、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父親から知らされたティムは、恋人を得るためタイムトラベルを繰り返すようになり、やがて魅力的な女性メアリーと出会う。しかし、タイムトラベルが引き起こした不運によって、その出会いがなかったことになってしまい、再び時間をやり直したティムはなんとか彼女の愛を勝ち取るが……。
https://www.youtube.com/watch?v=u2PUMA6nFWk
written by shuhei