12月 2013 - Cinema A La Carte

『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』感想、スコセッシ✕ディカプリオ史上最もぶっ飛んでて、"超面白いけど" 人に勧めにくい作品www[ネタバレなし]


どえらい作品を見てしまったw



私的満足度

★★★★=星4=素晴らしい作品でした!

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』基本情報

タイトル
=ウルフ・オブ・ウォール・ストリート

原題
=The Wolf of Wall Street

監督
=マーティン・スコセッシ

キャスト
=レオナルド・ディカプリオ
=ジョナ・ヒル
=マーゴット・ロビー
=マシュー・マコノヒー
=ジョン・ファブロー
=カイル・チャンドラー
=ロブ・ライナー
=ジャン・デュジャルダン

ストーリー
22歳でウォール街の投資銀行へ飛び込んだジョーダンは、学歴もコネも経験もなかったが、誰も思いつかない斬新な発想と巧みな話術で瞬く間になりあがっていく。26歳で証券会社を設立し、年収4900万ドルを稼ぐようになったジョーダンは、常識外れな金遣いの粗さで世間を驚かせる。全てを手に入れ「ウォール街のウルフ」と呼ばれるようになったジョーダンだったが、その行く末には想像を絶する破滅が待ち受けていた。ジョーダン自身による回顧録「ウォール街狂乱日記 『狼』と呼ばれた私のヤバすぎる人生」を映画化。

予告編



こんな映画です

22歳でウォール街の投資銀行へ飛び込んだディカプリオ演じるジョーダン・ベルフォートが主人公です。学歴やコネが無くても自らが持ち合わせる発想と話術で徐々に頭角を表していきます。そして26歳の若さで独立し証券会社を設立します。文字通りの億万長者へとのし上がっていく中で常識外にとんでもない金遣いを始めていきます。

タイトルの通りウォール・ストリートのウルフ(狼)になっていくジョーダン。彼の証券や金融にまつわる話だけに留まらず、下品なワードの連発やドラッグ、SEX関連の描写も超てんこ盛り。さすがのマーティン・スコセッシ映画でクオリティは高いわけですが、ある意味"マーティン・スコセッシ通常運転"という感じで人間のエグい部分てんこ盛りの決して爽快とは言えない映画に仕上がっております。

ポスターにあるように"ヤバすぎる人生"を描いた映画は"ヤバすぎる映画"に仕上がっており、「ディカプリオの映画だ!超見たい♡」とかで行ったり、家族で行ったりするとまあ青ざめて劇場を出ることになるでしょう、マジで(笑)


感想を率直に申し上げますと

「強烈なブラックコメディ」といったところでしょう。億万長者へのし上がる成功話に見えて、不正の話から人生転落の物語であり、ドラッグの物語であり、SEXの物語であります。ブラックコメディで傑作と思える尺度は、一瞬ドン引きしつつも映画を見る中で慣れてきて次第に面白く感じてくることだと思います。


[DVD発売済み]

まず主人公ジョーダン・ベルフォートがとりあえず相当ヤバいです(笑) 彼の回顧録が原作なのでTHE実話なわけですが、まあビジネス絡み、ドラッグ絡み、女絡みとぶっ飛び過ぎてて何も羨ましく感じないという(笑) でも見てて笑えてくるので面白いんです。

そのジョーダンをディカプリオが今までにないレベルにぶっ壊れながら大熱演! 正直いってぶっ壊れすぎててカッコよくないので先に「ディカプリオの映画だ!超見たい♡」とかだと青ざめると書きました(笑) でもこのぶっ壊れは超見ものです! ジャンゴの比じゃないです。これがまた面白い。

だってさ、ディカプリオがSMプレイでロウソク垂らされながら

"I like it!! I like it!!!!"

だよwww くそわろたwww

映画の尺が2時間59分とブラックコメディの"くせに"長尺なんですが、体感時間が短いんです。もちろんブラックコメディなのでドラッグやSEX描写、また不正のエピソードで生理的にドン引きしたらもう苦痛以外の何ものでも無いと思いますが、テンポよくディカプリオしゃべくりまくりで進んでくのでジェットコースターに乗ってるかのごとく楽しめます。

それはやはりマーティン・スコセッシ監督の演出の素晴らしさゆえでしょう。「ディカプリオがカッコいい映画」として見に行ったら青ざめますが、マーティン・スコセッシ監督のディカプリオと組む前の映画やディカプリオとの初タッグ『ギャング・オブ・ニューヨーク』などを見てる方は「お、スコセッシ通常運転(笑)」という感じで楽しめるでしょう。ドラッグとSEX満載ですがマフィアものでは無いのでお行儀良い方ですよ、彼の映画史の中ではwww

ブラックコメディですし、映画として何か社会への訴えをしているようにも思いませんでした。カトリックばりばりのスコセッシ監督ですので言うならばジョーダン・ベルフォートの一連のハチャメチャ行為そのものが神への冒涜であり、裁きを受ける最後は戒めということなんでしょうかね。ヘヴィーな映画ですが次はその視点でちょっと見たい所存です。

スコセッシ映画なのでカトリックに関して意識しながら見ようと最初から決めてたんですが、映画が本当に強烈で苦笑いしたり普通に笑ったりしながら見てたらそう意識することを忘れてしまったんです。それはつまるところブラックコメディとしての『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』に完全にハマった証拠でもあると思うので映画の引力が凄まじかったんだなと改めて思います。

ディカプリオ単独主演で、2番手で出演が長いのはジョナ・ヒルでしょう。予告編や宣伝でもこの2人がメインですしね。ジョナ・ヒルの役は原作の複数人を集約させたオリジナルキャラクターのようです。それ故に公私共にジョーダンに絡んできて存在感があり、インテリ"ぶってる”感じも最高でした。

そしてこの映画の魅力で語らなければいけないのはそれ以外の脇役陣でしょう。『アーティスト』主演のジャン・デュジャルダン。ジョン・ファブロー、ロブ・ライナーらが出ていて、出演時間が短いながらそれぞれ強い印象を残していきます。

が! やはりマシュー・マコノヒーの存在感と魅力は語らねばなりません。『マジック・マイク』で女性ファン大熱狂となったマシュー・マコノヒー兄さんですが本作でもディカプリオとのシーンでディカプリオを食う存在感を放っています。出演時間がそんな長くないので映画全体としてディカプリオを食うことは無く、映画としてバランスは取れてますが(映画全体で主演が食われたら映画としてあれですし)、マシュー・マコノヒー兄さんいいっすよ、マジで。登場した瞬間会場が笑いに包まれたことに笑いました(笑)見た回の客層良かったです(笑)

他にも様々魅力があるわけですが、ブラックコメディなので"ドン引きしないこと"です。肩の力を抜いて"うわ〜こんなの羨ましくねえwwww"って楽しみましょう。主人公ジョーダンに共感なんて1ミリもできませんし(笑) そうやって楽しむ映画です。


こういう理由で行くのは"やめましょう"

「大好きなディカプリオの映画だ♡」

「何か面白そう♡」

「何か楽しそう♡」

「家族と映画に行きたい」

「恋人と映画に行きたい」

やめとけ(笑)

死ぬほど繰り返してる通りこの映画はブラックコメディです。映画を多く見てる人やスコセッシ監督を知ってる方はどんと来い!くらいでしょうが、慣れてない方は結構本気で引く映画かもしれません。声を大にしてもう一度言っておきましょう。

お金にまつわる不正の話、

ドラッグ描写満載、

SEXやヌード描写満載

です。

それに対してトリックの上田教授のごとく「どーんとこーい!」な方は是非本作楽しんでほしいなと思います。スコセッシ監督好きな方は大丈夫です。いつものスコセッシ映画ですので(笑)


まとめ

私はこの映画とっても楽しめましたが、楽しめても人に勧めにくいという類の映画で、なかなか評価が難しい映画だと思います。アメリカでは批評家受けが良くて、一般客は賛否真っ二つなのは頷けます。増して日本だとドラッグとかアメリカ以上にマイナーですのでドン引きかもしれませんね。SEXもそうか。

2013年1月に公開された『テッド』。おっさんエロ熊が暴れるコメディ映画で日本でサプライズヒットしましたが、あの映画と似たところはあるかもしれません。クソ真面目に映画を捉えてマジレス批判されても困るってことです。「こんな下品な映画許せない」という批判。いや、そういう映画なんだからさ…となるわけです(笑)

本作も同じです。「不正なんて許せない」と言ってもそれジョーダンやっちゃったことだし…(笑)「ドラッグ描写が不快」「SEX描写が不快」と言っても、まあ実際あったんだし…(笑)となるわけです。

ブラックコメディやコメディは楽しめなかったら失望感が大きいですが、楽しんだらMAXまで満足できる映画だと思います。マーティン・スコセッシらしいブラックコメディ、ディカプリオのぶっ壊れ熱演もお見事でした。公開されたらもう一度見たいと思います。



※ちなみにジョーダン・ベルフォード本人が最後に出てきます! 最後のセミナーの司会者です! 胡散臭さ全開で笑いましたwww


関連作品

マーティン・スコセッシ✕ディカプリオ作品



written by shuhei


『ホビット 竜に奪われた王国』感想、1作目を凌ぐシリアスでドラマティックな物語が圧巻!早く最終章が見たくなる憎いラスト![ネタバレなし]


私的満足度

★★★★=星4=素晴らしい作品でした!

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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『ホビット 竜に奪われた王国』基本情報

タイトル
=ホビット 竜に奪われた王国

原題
=The Hobbit: The Desolation of Smaug

監督
=ピーター・ジャクソン

キャスト
=マーティン・フリーマン
=イアン・マッケラン
=リチャード・アーミテージ
=オーランド・ブルーム
=リー・ペイス
=エバンジェリン・リリー
=ルーク・エバンス
=ベネディクト・カンバーバッチ

ストーリー
魔法使いガンダルフやトーリン・オーケンシールド率いる13人のドワーフとともに、かつてのドワーフの王国エレボールを取り戻すため冒険を続けるホビット族の青年ビルボ・バギンズは、姿を変えることができる獣人ビヨルンや、巨大な蜘蛛の群れにも遭遇しながらも、やがて目指す「はなれ山」へとたどり着くが……。

予告編
http://www.youtube.com/watch?v=eVkXSCw6_H0


こんな映画です

1作目『ホビット 思いがけない冒険』の続編。ガンダルフやトーリン・オーケンシールド率いる13人のドワーフたち、そしてホビット族ビルボ・バギンズがかつてのドワーフの王国エレボールを取り戻すため旅をする物語です。


[DVD発売済み]

原作での闇の森、湖の町のエピソードを歩んでいきながら一行はエレボールへ辿り着き、そして遂にタイトルにもなっている竜スマウグと対峙していく…という話です。

2時間40分を超ざっくりとw まあネタバレは控えますので。

今作はオーランド・ブルーム演じるレゴラスやルーク・エヴァンス演じるバルドが登場したり、『ホビット』の主軸であるスマウグの登場もあり、物語のスケールが非常に大きくなっています。それゆえに寄り道は一切なし。いつも通りの長尺も1作目以上に体感時間は短く、また最終章への期待をMAXにさせられる見事な最後の締め方でありました。


感想を率直に申し上げますと

最高の2作目です!3部作と決まってる中での2作目ゆえに「クライマックスは最終章でね!」で終わるラストが憎たらしいたらありゃしません!w しかしそれも褒め言葉!最後への期待をMAXにさせて終わらせてくれますし、2作目として最高の映画だと思いました。

私は『ロード・オブ・ザ・リング』及び『ホビット』シリーズに関しては俗に言う大ファンではありません。最もよく当てはまる言葉だと"にわかファン"というやつです(笑) 映画を見ながら原作を思い返す、なんてことはまあ全くできません。ですのであくまで映画として楽しんでいます。

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズもエクステンデッド版の隅から隅まで覚えているわけではありませんので、やっぱり"にわか"です(笑) しかしそんなにわか視点でも今までで一番面白く感じました。今までとは『ロード・オブ・ザ・リング』3作と『ホビット』1作目と合わせてということです。

もちろん全ては『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』へ繋がるわけですが、あれから10年が経過しテクノロジーも進化した上でのこの『ホビット』2作目。スマウグも登場し、物語のスケールも『ホビット』1作目を遥かに凌いでるわけですのでもうとにかく「おもしれー!!」の連続といった感じでした。

しかしその面白さはエンターテイメント性だけでなくシリアスな物語あってこそ。シリアスで大スケールにエンターテイメント性が抜群という文句無しの2作目でありました。もちろんこのシリーズは単発では楽しめない欠点を持っています。本作を見る上で『ホビット』1作目はもう絶対鑑賞すべきであり、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズも鑑賞しておくに越したことはありません。

映画の後半で竜のスマウグと対峙をしますが、カンバーバッチの声も見事で非常に邪悪で鋭いスマウグに圧倒されました。特にビルボと対峙してる時にアップで映るスマウグはもうただただ圧巻でありました。


イギリスの人気ドラマ『シャーロック』を知ってる方はここで当然、
ビルボ=マーティン・フリーマン=『シャーロック』でワトソン
スマウグ=ベネディックト・カンバーバッチ=『シャーロック』でシャーロック・ホームズ
という構図を意識せざるを得ません。シリアスなシーンなのにちょっとニヤリとしてしまう憎いキャスティングでもあるなあと思いました。もちろんプラスの意味で。


映画の前半の闇の森や蜘蛛のエピソードなどもアトラクション連発といった感じで面白いですが、私はやはり後半のスマウグとの対峙シーンが最大の見どころであり魅力だと感じました。もちろん"にわか"としてですが(笑)

スマウグとの対峙があり、絶妙なところで物語はブツッと切られエンドロールへ突入します。「続き見せろ―!!」と苦笑いすらしたくなりますが、2作目単発でも成立する切り方でもあり憎いったらありゃしません(笑)

そしてエンドロールでかかるエド・シーランの"I see fire"が静かに沸々と最終章への期待を身体の奥へと染み込ませてくれます。この"Fire"は火ではなくスマウグのことで間違いありません。スマウグ自らが"I am fire"と言ってたので。
"I see fire"の歌詞翻訳はこちら



こういう方におすすめ

『ホビット』及び、『ロード・オブ・ザ・リング』が好きな全ての方へ。
『ホビット 思いがけない冒険』の鑑賞は必須ですので今回が初見という方へはオススメしません。



まとめ

映画の主題が云々とか、演出の意図云々とかはシリーズ最終章を残したここであれこれ言うものでも無いと思いますし、最終章を見て初めてわかる伏線もあると思うので置いておきましょう。

とにかく私がこの2作目を見て思ったのは、『ホビット』及び『ロード・オブ・ザ・リング』が好きな人はきっと最高の体験がこの映画ででき、ラストシーンを見てエンドロールを迎えた瞬間に「続きをすぐに見せろ!」という気持ちになるということです。

本当に本当に本当に憎いラストです(笑) しかしそれすら愛おしい素晴らしい2作目です!

最終章は『ホビット ゆきて帰りし物語』が今のところ2014年12月公開予定です。また日本だけ公開遅いとかいう焦らしプレーをされなければ良いんですけどね・・・。



関連作品

『ホビット』1作目





written by shuhei


『アナと雪の女王』感想、古き良きを重んじながら新たな境地へ挑んだ意欲作、そして傑作![ネタバレなし]


最高の1本。



私的満足度

★★★★★=星5=お見事!これは傑作です!

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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『アナと雪の女王』基本情報

タイトル
=アナと雪の女王

原題
=FROZEN

監督
=クリス・バック
=ジェニファー・リー

ストーリー
触れたものを凍らせる秘密の力を持ったエルサは、その力を制御しきれず、真夏の王国を冬の世界に変えてしまう。エルサの妹アナは、逃亡した姉と王国を救うため、山男のクリストフとその相棒のトナカイのスヴェン、夏にあこがれる雪だるまのオラフとともに、雪山の奥へと旅に出る。

予告編
http://www.youtube.com/watch?v=fO2IfRohYaw


こんな映画です

むかーしむかし、ある王国にエルサとアナという仲良し姉妹がいました。姉のエルサは訳あって不思議な力を秘めていました。物を凍らせてしまう力。それを隠しながら生きていました。

不思議な力は大人になるにつれそれは魔力と言える程の力になってしまいエルサは必死に必死にそれを隠しながら生きていました。時が経ったある日エルサは女王となり戴冠式に挑みます。魔力を手袋で必死に抑えながら。

アナはハンス王子と出会いすぐに恋に落ち結婚を決めますが、エルサはそれを認めません。アナは怒ってしまい手袋を外してしまいます。その瞬間エルサは魔力を制御できなくなり、お城や街を凍らせてしまい山へ逃げて行きました。

果たしてアナは逃げたエルサの心と身体を救うことができるのか…。

というのがプロローグでしょう。『アナと雪の女王』という邦題ゆえにアナが単独主人公にも見えますが、ダブル主人公でありアナとエルサのどちらから物語を見るかで感じるものも変わってくるのではないでしょうか。そこに正解は無いので自然の流れに任せて鑑賞すると良いでしょう。

私は終わってから振り返ると完全にエルサの物語として映画を見ていました。それゆえにクライマックスのある展開が完全に想定外でとっても楽しめました。


感想を率直に申し上げますと

古き良きディズニー映画の良さを取り込みながら、ピクサーのイズムも取り込みながら、新たな境地へ挑んだ意欲作だと思いました。私の好み上ですが、ディズニーアニメーションとしてはベスト・オブ・ベスト映画と思いました。最高です!!


[DVD発売済み]

新たな境地へ踏み込んだことに関して「古き良きディズニーアニメが見たかった」という批判意見もあるようですが、だったら古き良き既存作品見てりゃいいじゃないですか。同じものは2ついらない。宮崎駿監督も「トトロみたいなのがいいって言われたってトトロあるじゃん」と仰られているように。

好き嫌いは人ぞれぞれですが、新たな境地へ挑んでいる作品である以上、その魅力を感じ取ってこそ堪能できるものであり、私はピンポイントで(鑑賞前は事前情報あんまり入れてませんでしたが)映画の魅力にハマった次第であります。

私はディズニーに詳しくありません。というとお知り合いの方から「は?www」と突っ込まれるかもしれませんが、2〜3年ディズニーパークにハマっていただけで、"ディズニーアニメーション"に関して言えば細かな話ができるほどの知識や鑑賞経験値を持ちあわせておりません。

よって知ったかぶりで「あのシーンは◯◯の作品のオマージュで」とか「あのシーンは◯◯の作品のあれを彷彿とさせる」などはここでは一切書けません。逆に言えばディズニーアニメーションに詳しく無くても十分に楽しめる映画に仕上がっていたということなので万人に勧められると思いました。

特に原題"FROZEN"が氷の世界だけでなく"心が氷のように凍る"、"心の氷が溶ける"という意味も持ち合わせていて、映画タイトルが映画全編を見事に示していたとも思いました。ラストの今までにない展開とディズニーアニメーションらしさの融合はもう本当に素晴らしかったです。


"古き良きを重んじながら新たな境地"について

"古き良きを重んじながら新たな境地"という表現で絶賛した理由について説明します。まず古き良きミュージカル調のシーンがたくさん含まれていることです。ディズニーアニメーションとしての楽しさが美しい映像の元、存分に味わえます。『塔の上のラプンツェル』以上に色彩が限定されており(冬の氷と雪の世界なので)、その限られた色で彩られるミュージカルナンバーの映像は逆に美しさがより際立っていました。

特に映画前半(中盤)の"Let It Go"は圧巻です。このシーン既にYoutubeに公式クリップが解禁されており見ることができます(こちら)。先に見てもミュージカルナンバーなので物語の大きなネタバレにはなりませんが、このナンバーの魅力を最大限堪能するにはやはり映画を見てこのシーンに至るまでの一連の流れを把握してこそではないでしょうか。つまるところ、映画ちゃんと見ましょうねということになります(笑)

また"古き良き"としてディズニーアニメーションで何度も描かれてきた"真実の愛"を本作でも命題としています。それはドストレートに古き良きを重んじていますね。しかし本作『アナと雪の女王』ではその"真実の愛"の答えが今までの枠から飛び越えて新たな境地へ達しているのです。それ以上は言えません。"真実の愛"はただ王子様が迎えにきてくれるだけでは無いのです。声を大にして言いましょう。

「そう!こういうのが見たかったんだよ!!」

"古き良き"と"新たな境地"は別々のものではなく一つの命題に融合して我々に提示されるのです。何て素晴らしいのでしょうか。「終わりよければ全てよし」という言葉がありますが、本作は「全て良し!終わりも良し!」な映画です。ディズニーらしさ全開の中で新たな境地の着地点にもう大大大満足でありました。


原作について

※この項目は感想と切り離して原作について述べます

この映画はアンデルセンの『雪の女王』をモチーフにと紹介されてますが、『雪の女王』と『雪だるま』の融合からできたディズニー映画"FROZEN"(邦題『アナと雪の女王』)と思います。

これは実際指摘をされてる方もいらっしゃいます。こちらのツイート見て確信を持てました。感謝です。

夏やストーブに憧れる雪だるまのオラフのストーリーなんかは完全にアンデルセンの『雪だるま』からのエピソードになります。実際の過程はわかりませんが『雪の女王』と『雪だるま』の2つをうまく融合して、そしてディズニーの古き良きを重んじながらあらたなる境地へ挑んだ作品なのだなと私は思いました。

海外の評で原作『雪の女王』が好きな方が酷評されていたのですが「『雪の女王』をディズニーが映画化」で見るとそうなってしまうのかもしれませんね。ディズニーに限ったことではなく原作ファンは自らの理想を脳内で作り上げて一種の答え合わせを映画でしてしまうことがあります。私も駄目と思いつつたまにやってしまいます。もったいないです。


※日本のアニメーション"聖闘士星矢 アスガルド編"の影響を受けているとのご意見をメールで頂いたので別記事かきました。こちらの記事メールをそのままご紹介してますが、メール送信主の方のディズニースタジオ批判が含まれてのでご了承の上お読み下さい。
http://www.cinemawith-alc.com/2014/03/aboutFrozen.html


こういう方におすすめ

全ての方へ。是非とも。


まとめ

完全に好みの問題ですが私は『塔の上のラプンツェル』を鑑賞した際に好きだけれど好きなだけという感想を持っていました。けれどそれは何か不満があるというのではなく+αの何かが足りないように思いました。

それはある意味映画好きで本数だけ無駄に見てる功罪でもあるのでしょう。枠にハマってるだけでは満足できても大満足できなくなってしまってるのです。『アナと雪の女王』はそれを突き抜けてくれました。それは繰り返してる通り"古き良きを重んじながら新たな境地"ということです。

ディズニー好きな方はもちろん、映画を普段見ない方、映画大好きな方、全ての方が楽しめる作品ではないでしょうか。それはもちろんご家族とでもカップルとでも友達とでもお一人でも楽しめるということです。

一般公開までまだ時間がありますが、近くなったらまたSNS等でオススメしていきたいと思います。



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written by shuhei


『ウォルト・ディズニーの約束』感想、メリー・ポピンズ誕生のきっかけを知った時、愛着以上に胸が苦しくなる作品。完成度文句無し。[ネタバレなし]


私的満足度

★★★=星3=普通に楽しめました。

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。


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『ウォルト・ディズニーの約束』基本情報

タイトル
=ウォルト・ディズニーの約束

原題
=Saving MR. BANKS

監督
=ジョン・リー・ハンコック

出演
=エマ・トンプソン
=トム・ハンクス
=ポール・ジアマッティ
=ジェイソン・シュワルツマン
=コリン・ファレル

ストーリー
米ウォルト・ディズニーが、自社の映画製作の裏側を初めて描いた作品で、1964年の名作ミュージカル映画「メリー・ポピンズ」の製作秘話。ウォルト・ディズニーは娘が愛読している児童文学「メリー・ポピンズ」の映画化を熱望し、原作者パメラ・トラバースに打診するが、トラバースは首を縦に振らない。やがてイギリスからハリウッドへやってきたトラバースは、映画の製作者たちが提案する脚本のアイデアをことごとく却下。なぜトラバースは「メリー・ポピンズ」を頑なに守ろうとするのか。その答えが、幼い頃の彼女と父親との関係にあると知ったディズニーは、映画化実現の最後のチャンスをかけ、トラバースにある約束をする。

予告編

こんな映画です

ウォルト・ディズニーは娘が小さい頃に『メリー・ポピンズ』の映画化を約束していました。原作者パメラ・トラバースは映画化なんてまっぴらごめんと20年間拒否し続けてきました。しかし20年が経過し資金繰りがどうにもうまくいかなくなったパメラは苦渋の決断で映画化を受け入れました。

しかし…パメラは映画化にあたりアレはダメ、コレはダメを連発しなかなかうまくいきません…

なぜパメラは『メリー・ポピンズ』をそこまで大切にしているのか、大幅な改変に聞く耳さえもたないのか…幼い頃の彼女と父親との関係に理由があると知ったウォルトは映画化を何としても成し遂げるためにある約束をすることに。

その一連の『メリー・ポピンズ』製作舞台裏を主人公パメラ・トラバース中心に彼女の少女時代の回想を頻繁に挟みながら描いていきます。つまりウォルト・ディズニーは主人公ではありません。邦題の"ウォルト・ディズニーの約束"は映画内のエピソードとして"約束"の意味はありますが主人公をウォルト・ディズニーと勘違いして見ると肩透かし食らうかもしれません。


感想を率直に申し上げますと

傑作だけど辛かったです。辛いとは主人公のトラバースに感情移入し過ぎてしまい。史実を綺麗事にしてることは映画としてアリと思いつつ、「でも…でも…」と思った自分がいました。ここまで深刻に考えてしまう理由は後述します。

映画の完成度は文句無し一級品。世界観、演出、脚本、演技、音楽と、それぞれの一級品が見事に融合して傑作映画に仕上がっていたと思いました。


[DVD発売済み]

『メリー・ポピンズ』の映画化の過程とパメラの幼少期が交互に描かれていきますが、どちらも素晴らしい世界観演出でふんわりと心地よさ、時にコメディ性を持って描かれていきます。しかしパメラの幼少期の物語が進むにつれて、どうも心がざわついてしまいました。

「辛い過去なら…無理に処理しなくてもいいじゃん。ウォルトさん、それ優しい言葉だし…心意気はさすがなんだけど…でも…そっとしておいてあげてよ。」

私はそう思いもう胸が締め付けられる思いで…。ウォルト・ディズニーのパメラ・トラバースへの気遣いは素直に感動されてる方が多いので、私はかなり深刻に受け止めてしまってるようで…さっきも書きましたがその理由というか仮説は後述。


映画のタイトル、原題は"Saving Mr.Banks"です。"バンクス氏の救済"です。バンクス氏とは『メリー・ポピンズ』に出てくる銀行員のお父さん。これはパメラ・トラバースの父親を投影しているものなのです。なので映画化において原作の改変は彼女の思い出への侮辱でもあるわけです。

私たちが映画を通して『メリー・ポピンズ』映画化の苦節を知っていきます。いや、原作者パメラ・トラバースの苦節を知っていきます。その二重構成は映画的には見事ですね、そこはもう完璧。

ウォルト・ディズニーは良い人で、私達が見たいウォルト・ディズニーがそこに描かれています。ディズニー映画ですしね、悪くは描きません。ただし、神格化もしていません。そのバランスは素晴らしいと思いました。

映画のクライマックス、完成した映画を見たパメラ・トラバースの不満そうな顔からの号泣…泣き崩れ…その涙の理由は映画に感動したからではありません。涙の理由は映画を目撃してきた誰もがわかることでしょう。

「ウォルト・ディズニーはパメラ・トラバースの心を救ってあげて、映画もできた! ウォルト・ディズニー素晴らしい! パメラ・トラバースもお疲れ様! また『メリー・ポピンズ』見るよ!」というような感想が普通のようです。そう見れると温かい心になり涙を流すかもしれません。

しかし、私はそうは思いませんでした。「もうこれ・・・パメラさん可哀想だよ・・・勘弁してあげてよ・・・」という気持ちになりました。映画にのめり込んでるので映画的評価は高いですが、パメラさんが救われたとどうしても思えなかったのです。(私のオールタイム・ベスト・ムービー『つぐない』でも似た感想になってる。つまり映画としては素晴らしいのは繰り返し述べておきます)

私は仕事柄マーケティング戦略やストーリーのアイディアを出すことが多いです。電子書籍レベルですが小説も書きます。自分の作った作品て、表に出す建前以外に内に秘めた思いが必ずあるのです。言葉では説明できない、生きてきた記憶と結びついた何かが。

パメラ・トラバースにもそれがあったはずです。それを考えるともういたたまれなくて・・・アイディアを形にする仕事ではそんな地位無い私でこれですので、もっと普段から傷つきながらそういう仕事されてる方はもっと落ち込んでしまうのではないでしょうか。

繰り返しますが、そう思ってしまうほど映画は強い力を持ってるので素晴らしい出来ではあります。ぐちぐち言っててもそれは映画にハマったからということで、映画やウォルト・ディズニーを非難してるのではないことは明確にしておきます。


この映画に悪役はいません。恨む人はいません。パメラ・トラバースに同情する気持ちと同じくらいウォルト・ディズニーへ尊敬の念を抱きました。"チムチムチェリー"の心苦しいラストの後、エンドロールでかかるトーマス・ニューマン作曲のテーマ曲の温かさたるや…今現在のウォルト・ディズニーカンパニー及び製作者からパメラ・トラバースへの敬意のようなものをそのラストシーンとエンドロールで感じることができました。

エマ・トンプソンの演技は素晴らしくアカデミー賞ノミネートされなかったのが不思議で仕方ありません。トム・ハンクスのウォルト・ディズニーは意外にもチャーミングで親しみが持てました。脇を固めるポール・ジアマッティら名優陣もお見事。そして幼少期のパメラの父親を演じたコリン・ファレルがキャリア史上最高に爽やかな演技を見せます。(コリン・ファレルっていい意味で男臭い印象が強かったのでびっくりです)

映画を見て「ハートウォーミングな傑作」か「胸が締め付けられる傑作」か、はたまた「駄作」か、それは捉え方次第でしょう。私には「胸が締め付けられる傑作」でした。どのような感想であっても、ディズニースタジオ自らがディズニーを、『メリー・ポピンズ』を、ウォルト・ディズニーを、美化しつつ美化し過ぎないその姿勢には好感を抱くことでしょう。それ自体がディズニーならではの子供騙しという非難ももちろんありますが。

史実はもっとカオスだったようですが、脚色あってこそ映画ですのでそこは良いでしょう。映画としては傑作、でもパメラ・トラバースは今天国でディズニーの『メリー・ポピンズ』を良く思ってるのか、私にはわかりません。

みなさんが映画を見たあと「『メリー・ポピンズ』もう一回見たい!」と思えることを願っております。

おしまい。



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written by shuhei


【年末恒例!】2013年公開映画私的満足度ランキング!1位は『ゼロ・グラビティ』!【2014年公開作品は繰越し】

毎年恒例一年間の映画を振り返る時がやってきました。昨年は私的満足度ベスト10のみ発表しましたが今年は全部順位付けました。

"順位付けは年末の遊び、これはあくまでもわたくしの好みのランキング"

ですので怒ったりしないでくださいね(笑)となぜこんなこと言うかというと昨年『レ・ミゼラブル』を7位にしたらTwitterで抗議リプを数十件頂いたので…7位って相当上なんだけどな…(´・ω・`)

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お断りその1
2013年に日本で公開された映画で私が劇場で鑑賞した86本の映画の満足度ランキングです。2014年公開映画の先行鑑賞及びDVD鑑賞作品は除外しております。今年も好きな映画何十回とリピートする癖に翻弄され100本に届きませんでした←

お断りその2
私は「映画は何でも楽しむ」スタンスなので余程つまらない映画でなければ貶しません。よってランキング80位でも「いや、でも結構面白かったですよ」くらいです。下位5作品にのみ「ワースト5位」「ワースト4位」とか付けてるのはその5作品だけは本当に微妙だったためです(笑)それ以外は低くても楽しんでます。

あれこれ前置き長くなってもいけないので順位発表に移ります。1〜10位をまずはサクッと!

【2013年公開映画 私的お気に入りランキング】


























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1〜10位までの総括

第1位『ゼロ・グラビティ』、今年はこの1本が完全に付け抜けて格違いでした。よって1位選出には一切迷いはありませんでした。レビューに詳しく書きましたが、「好き・嫌い」、「傑作・駄作」、という粋を超え、数年に一度誰もが認めざるをえない強烈で革新的な映画だと思います。宇宙空間に放り出されてしまった宇宙飛行士の生還劇。91分の映画の中に、3D映画のあるべき姿、宇宙映画のあるべき姿、そして人間の本質である"生を直視する姿"が描かれ、最後は衝撃と感動で涙を流し圧倒される。この映画を究極と言わずに、何を究極と言うのでしょうか。文句無しの断トツ傑作でありました。

第2位『ゼロ・ダーク・サーティ』、アメリカでは2012年公開作品で『アルゴ』とアカデミー賞を争った作品でもあります。オサマ・ビンラディンの暗殺を描いておりその真意の論争が起き、プロパガンダ映画と批判された問題作でもあります。しかしこの映画の魅力はそこではありません、2時間半のうち2時間を要した綿密な捜査描写、その中で感情を無くして鬼気迫ってくる主人公マヤに圧倒されます。ラスト30分のビンラディン暗殺作戦は息を殺して見ました。暗殺という史実をこの映画は賞賛しません。映画のラスト「どこへ行くんだい?」の問いかけに主人公マヤは無言で涙を流します。それはこれからの世界がどこへ向かうかわからない、ビンラディン1人殺したところで世界なんて変わらない、それを強烈に示していました。その空虚なラスト、『ゼロ・グラビティ』に次ぐ傑作として自信を持って2位とします。

第3位『キャプテン・フィリップス』は2009年ソマリア沖でシージャックに遭ったコンテナ船の船長フィリップスの戦いと生還を描いた実話であります。冒頭すぐシージャックが起き、あとはひたすらテロリストとの攻防戦…。ポール・グリーングラス監督の揺れるカメラ×高密度編集の神業がこの題材に見事に機能。そこにトム・ハンクスの鬼気迫るキャリアベストの演技が重なりただただ圧倒されました。ポール・グリーングラス監督映画の毎度のドキュメンタリータッチの映像が私たちを不安感を与え映画の臨場感はMAXに達します。この映画の素晴らしいところは海賊をただの悪として描いていないことです。だからこそラストに残るのは安堵と空虚なのです。『ゼロ・ダーク・サーティ』に似てる感覚です。そこで起きた事件をあったままに描き、海賊にまで感情移入してしまう矛盾が生じます。そのバランスの上に見事に踊らされ、涙しました。いい意味でもやもやした映画でした。

第4位『怪盗グルーのミニオン危機一発』、エンターテイメント映画としては今年ベストでしょう。よってヘヴィー級3本に次ぐ4位です。もうただただ面白い!それでいて最後少しほろりと泣かせてくる絶妙な展開。主人公グルーと子供たちの交流、そしてグルーの婚活、これだけで十分面白い映画なんですがそれはこの映画の半分でしかありません。やはりこの映画の魅力は黄色い謎の生物ミニオンたちの愛くるしさです。何言ってるかわからないミニオンたち、でもそれがまた可愛らしくてたまりません。映画のシーン1つ1つがもうにやにやで時に声を出して笑ってしまう面白おかしさ。3Dをエンターテイメントとして"飛び出す"おかしさで活用したのも素晴らしく褒めるところしか見当たらないわけです。ファミリーエンターテイメント映画として今年最高であり、アニメーションとして今年最高でしょう。上位3本がヘヴィー級ですので「今年最高に面白かった映画」はこの作品になります。DVD3月なのでまだしばらく見れませんが全ての人に見てほしい映画であります。

第5位『マリーゴールドホテルで会いましょう』、「マリーゴールド・ホテルで、穏やかで心地良い日々を〜」という宣伝に惹かれて、イギリスからインドに移住してきたじいちゃんばあちゃんたちのドタバタコメディです。私はインドに行ったことがあるのでこの大げさな感じに見えるインドの賑やかさ、カオスさが決して大げさでないことを知っています。それにとても好感を抱き、映画の中で語られる"残りの人生でするべきこと"という意外と重い命題への取り組みにも心を打たれ、勇気をくれた作品でした。『007』シリーズでMを演じたジュディ・デンチ。『パイレーツ・オブ・カビリアン』でデイヴィー・ジョーンズを演じたビル・ナイ。『バットマン・ビギンズ』でファルコーニを演じたビル・ナイ。そして『ハリーポッター』シリーズのマクゴナガル先生を演じたマギー・スミスといった名優ドタバタやるのも面白おかしく。映画最後の台詞、その台詞だけでこの映画は傑作と言えます。安心安全の万人受け映画なので是非ご覧になってくださいね。

第6位『マン・オブ・スティール』、ご存知新生スーパーマン序章です。そして私はこの映画であることをやらかしました。1つの映画の劇場リピート自己記録を更新してしまいました。23回です、ただのアホです(笑)クリストファー・ノーランが原案を手掛けた本作はノーラン版バットマン同様にスーパーヒーローが苦悩する映画となっていました。スーパーマンは特殊能力を持っているのでCG使ってなんぼの映画です。CG嫌いのクリストファー・ノーランではなく、CG大活用のザック・スナイダー監督にしたのが功を奏し大迫力✕重厚な映画となっていました。街の壊しすぎという批判も多かったですが、私的映画の魅力はそこではなくレビューにも書いた"3人の両親"という部分だと思ってます。大絶賛をブログやSNSでしつつ6位としたのは、「今後の期待」を込めてです。昨年の満足度ランキングで私は『007 スカイフォール』を4位にしました。その時と同じことをここにも書きましょう。「この映画が本当に素晴らしいものかどうかは続編の出来を見ないとわからない」。『マン・オブ・スティール』単体で素晴らしい映画でしたが、新たなるスーパーマンの誕生映画が今後ちゃんと機能するかどうか、2015年公開の続編を期待と不安を持って待ちたいと思います。

第7位『インポッシブル』、2004年12月26日に起きたスマトラ島沖地震、M9.1の大地震により大津波が発生しインド洋沿岸地域を襲いました。死者22万人、負傷者13万人という甚大な被害が出ました。本作はその津波に襲われた一組のスペイン人家族に焦点を当てて描かれています。津波描写があまりに凄まじい映画であり、東日本大震災の心の傷に触れてしまう作品でもあると思うので万人へのオススメはできません。またこの映画は"旅行先で被災した家族のサバイバル脱出劇"的側面がありラストはスマトラ島を飛び立ちます。それを「金持ちだからって飛行機で逃げやがって」と非難する声がたくさんありました。それでも私がこの映画で最も感銘を受け、この順位に置いている理由は"人間は何のために生きるのか?"という命題の答えを得ることができたからです。哲学的な命題ですが、"人間は生きるために生きる"という答えをこの映画で得ることができました。それがこの映画を賞賛する理由でもあります。

第8位『世界にひとつのプレイブック』、心が病んでる男女が出会い、ダンスを通して心の傷を癒していくコメディ映画でジェニファー・ローレンスがアカデミー賞主演女優賞を受賞しました。出てくる登場人物みんなダメダメです。しかしだからこそ元気を貰える映画です。映画の登場人物というより何か日本にもいそうなダメ家族を見てるようでした。しかし「残念家族だって楽しくいきたっていいじゃない!」と言ってるようで涙してしまいました。実はこの映画最初はランキング5位以内に置いてたんですが12月20日に下げました(笑)理由としてはこの監督の次回作1月公開の『アメリカン・ハッスル』がこの映画の上に立つ超傑作だったためです。映画を比較するのではなく、デヴィッド・O・・ラッセル監督は『ザ・ファイター』→本作『世界にひとつのプレイブック』→次回作『アメリカン・ハッスル』で話違えど、本当の愛を得ようと必死に生きる人物たちの映画3部作を作り上げたとわかりました。この映画はその第2弾なのです、第3弾『アメリカン・ハッスル』が最高傑作。なのでポジティブな意味合いでこの位置に置きます(笑)

第9位『ジャンゴ 繋がれざる者』、タランティーノが描く西部劇(南部劇)で奴隷ジャンゴが賞金稼ぎキング・シュルツによって自由の身となり一緒に賞金稼ぎをしながら離れ離れとなってしまった妻を取り戻すお話です。どこがどうとか語ってもいいんですが、これはもう魅力はシンプルでして「タランティーノの西部劇映画!面白いんじゃボケ!!」という感想になります(笑)面白いもんは面白い!そしてクリストフ・ヴァルツの『イングロリアス・バスターズ』に続く名演技がたまりません。最後の爽快感もお見事でした。

第10位『きっと、うまくいく』、インド映画で、インド本国で歴代1位の興行収入を記録した凄い映画です。170分にとんでもない情報量が詰まってる映画なので説明不可能(笑)
たくさん笑って、たくさん泣いて、たくさん踊って、たくさん歌って…そして社会問題にまで切り込んでいく凄まじい映画です。170分の長尺中に撒かれた伏線たち最後はこれでもかと言わんばかりに見事に収り、最後に残りのは爽快感。笑顔になれ、元気が出て、涙も流して、音楽最高。映画が終わったあとはただただ「あーりーずうぇーる!」と口ずさみたくなるとっても楽しい映画です(笑)


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以上が上位10本の選出理由と魅力解説でした。

さて続いて11〜20位を発表していきましょう。惜しくもベスト10からは外れましたがここの10本も超大好きな映画には変わりまりません。1〜10位と同じように語っていては日が暮れますのでタイトルの下に一言コメントしていく形にしたいと思います。


10本からは外しましたが今年最も大人が子供のように熱狂してであろうパシリム。魅力を語り合うより一緒に叫んで応援しながら見たい映画。最高でした!続編の企画が開始されたのでその期待を込めて11位にさせていただきました!



第12位『風立ちぬ』
ご存知今年最もヒットした映画であり、宮崎駿監督の引退作品。夢のある人や物を作る人には何かしら響くものがあった映画だと思います。今までのジブリ映画同様にDVDが出たら即買して大切にしていく映画になると思います。宮さん、お疲れ様でした。



第13位『テッド』
「ちょwww」と突っ込まれそうですが、みなさん冷静に考えてください。映画の中身がどうこう、ストーリーどうこう、小ネタどうこうの前に、35歳のおっさんエロ熊って設定の時点でこの映画は勝利ですよ。こんな下品な傑作はそうは出ないですよ。最高です(真顔)



ロシア文豪トルストイ原作の再映画化はとんでもなく美しい世界観で成し遂げられました。舞台観劇のような演出に賛否があり、不倫愛憎劇であるのでそれも賛否でしたが、ジョー・ライト監督好きとしてはただただハマりました。



バズ・ラーマン監督の映画はいつも派手で賑やか。時にやり過ぎと思うこともあり本作もそんな場面も多々あり。でもですね、バズ・ラーマンの映画がある年はやっぱ嬉しいもんですよ。いないと寂しいうるさい友達のような映画でした(笑)



高畑勲監督14年ぶりの新作は動く水墨画のような超高密度な映像でありました。悲しい『竹取物語』題材の本作ですがそこに垣間見られる優しさに涙しました。興行的にコケてしまったのが引っかかりもやもやが残るのが残念です。



公開は実は今日からなんですが試写ってハマったのでこの位置です。ハンガー・ゲームは賛否真っ二つですが1が好きな人は話の展開やスケールの大きさなど非常に魅力的に映ると思います。



スティーブン・ソダーバーグ監督の劇場作品引退作。まさかの展開に口あんぐり…完全に騙され痛快でありました。ルーニー・マーラはやはりカオスな役やらせると本当に魅力的であります。



ただただ娯楽に特化したマジシャン映画。最初から最後までただただ肩の力を抜いて楽しみ、そして騙されました。『ダークナイト』好きとしてはマイケル・ケインとモーガン・フリーマンの再共演だけで5億点です(笑)



『ニュー・シネマ・パラダイス』のトルナトーレ監督新作はまさかのミステリー映画。展開の秀逸さも去ることながらダンテの『神曲』を意識した物語に感動。考えれば考えるほど混乱する迷宮のような魅力をもった作品です。


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以上20位までです。どれもこれも素晴らしい作品でベスト10に入れられなかったのが心苦しいほどです。ここからは21位〜になりますがここにきてるものも100点満点で90点級の素晴らしい作品ばかりでもう心苦しくて仕方ありません。

あれこれ語っていては終わりが見えませんのでワースト5作品を残して一気に81位までタイトルのみ掲載していきます。

※タイトルをクリックするとレビューへ飛ぶようにしてあります。

第21位『真夏の方程式』

第22位『君と歩く世界』

第23位『ビル・カニンガム&ニューヨーク』

第24位『ハッシュパピー バスタブ島の少女』

第25位『マジック・マイク』

第26位『愛、アムール』

第27位『横道世之介』

第28位『ムーンライズ・キングダム』

第29位『クロニクル』

第30位『L.A.ギャングストーリー』

第31位『夢と狂気の王国』

第32位『ライフ・オブ・パイ』

第33位『モンスターズ・ユニバーシティ』

第34位『王になった男』

第35位『セッションズ』

第36位『コン・ティキ』

第37位『許されざる者』

第38位『ウォールフラワー』

第39位『42 世界を変えた男』

第40位『トランス』

第41位『ハングオーバー!!!最後の反省会』

第42位『シュガー・ラッシュ』

第43位『ザ・マスター』

第44位『ワールドウォーZ』

第45位『言の葉の庭』

第46位『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』

第47位『フライト』

第48位『リンカーン』

第49位『アイアンマン3』

第50位『清須会議』

第51位『エンド・オブ・ホワイト・ハウス』

第52位『そして父になる』

第53位『野蛮なやつら/SAVAGES』

第54位『欲望のヴァージニア』

第55位『キャリー』

第56位『オブリビオン』

第57位『アウトロー』

第58位『クラウド・アトラス』

第59位『エリジウム』

第60位『メッセンジャー』

第61位『恋するリベラーチェ』

第62位『ローマでアモーレ』

第63位『悪の法則』

第64位『終戦のエンペラー』

第65位『キャビン』

第66位『Red リターンズ』

第67位『パッション』

第68位『スティーブ・ジョブズ』

第69位『スタートレック イントゥ・ダークネス』

第70位『トゥ・ザ・ワンダー』

第71位『96時間 リベンジ』

第72位『ローン・レンジャー』

第73位『ロマン・ポランスキー 初めての告白』

第74位『31年目の夫婦げんか』

第75位『ブロークン・シティ』

第76位『ホワイトハウス・ダウン』 

第77位『グランド・マスター』

第78位『アルバート氏の人生』

第79位『ビザンチウム』

第80位『LOOPER ルーパー』

第81位『47Ronin』

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こんな感じです。基本的に何でも楽しむので50位くらいまでは普通に楽しんだ作品です。50位過ぎた辺りからちょっと雲行き怪しく(笑)
ですがまあ81位までは楽しめました。ここからの5作品は「ちょっとなあ・・・」だったのでワースト5ということでまとめます。好きな人ごめんなさいね…。



第82位(ワースト5位)『私が愛した大統領』

第83位(ワースト4位)『ウルヴァリンSAMURAI』

第84位(ワースト3位)『オズ 始まりの戦い』

第85位(ワースト2位)『ダイアナ』

第86位(ワースト1位)『ダイハード ラスト・デイ』



こんな感じですが、まあ82〜85位は「楽しめなかったなあ」という感じです。
そう、『ダイ・ハード ラスト・デイ』が断トツで今年ワーストです(笑)レビューに書いた通りなのでレビュー読んで頂きたいんですがダメなもんはダメなんです。面白い面白くないではなく欠陥映画と思いました。バカアクション上等と言われてもねえ、これもうダイ・ハードの域じゃない感じですよ(笑)

と『ダイ・ハード』だけは許せませんがこんな感じの私的ランキングでありました。『ガッチャマン』に突撃しなかったのが悔やまれますwww

2012年が映画豊作過ぎて2013年は相当心配だったのですが2012年を超える豊作年で本当に楽しい映画年でした。100%趣味で始めた映画ブログも1日のアクセスが1万を超えることも増え、ライターのお仕事も頂けるようになった2013年。来年はより映画を楽しみ、ブログやコラムでみなさんの映画ライフを少しでもサポートできればと思っています。

来年もこのブログで映画情報を中心に様々情報発信していきます。映画の個人ブログとしては相当アクセスくるようになってきましたので、来年はより人気が出るように様々頑張っていきたいと思います。  

柳下修平