映画『セブン』の魅力とは?世紀の超バッドエンド映画!しかしこの後味の悪さは癖になる![ネタバレなし]

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本日は、映画『セブン』の紹介です。鬼才デヴィッド・フィンチャー監督×ブラッド・ピットの大傑作でして、今でも色褪せないパワフルな映画です。今回はその魅力に迫ります。






1:映画史上最も後味の悪い結末の1つ!



映画史上最も後味の悪い結末の1つとして有名な『セブン』。

しかし後味が悪いとは映画として出来が悪いのではなく、結末がありえない衝撃の傑作という意味です。本作は殺人事件を追っていくのでジャンル的にはサスペンスに当たると思われますが、監督のデヴィッド・フィンチャーは「ホラー映画」と仰っているんですよね。

言われてみれば確かに演出がホラー的です。

中盤、犯人と思われる男の家に踏み入れたら死体がそこにありました、見た方ならわかりますがあの下りは完全にホラー的でしたよね。心臓止まるかと思いましたw あとは音ですね。音楽ではなく音です。ノイズであったり、重低音であったり、雨など街の中の音であったり、重苦しい雰囲気が漂いますが、あれもホラー映画的です。

映画の前半犯人一切出てこず、後半いきなり血だらけの犯人の全貌が明らかになる出し方もそうでしょう。 音と映像でインパクトを与える手法は映画に緩急を付け、我々を驚かし、そしてその連続によりのめり込まされるのです。その連続の出口であるはずのクライマックス。そのクライマックスで我々は出口から光を見れるはずです。普通ならばw

しかし本作のクライマックスは我々を絶望の奥底で落としてしまうのです。何をどううまく解釈してもすっきりできないのです。

褒めてますよw

とにかく後味が悪いです。 劇場で見てもDVDで見てもiPadで見ても、その画面から解き放たれ外の光に触れても、 何も救いがありません。すっきりしません。そしてこう思うのです。

 「勘弁してくれ」

 ホラーの世界から解き放たれつつもそれを引きずる感覚です。 なのにまた数日後に見てしまう・・・ 取り憑かれます。

2:追いやすくのめり込むストーリー



謎が謎を呼ぶ的に思われ、難解なストーリーが進むと思われる本作ですが、 2人の刑事の視点で次から次へと殺人事件が起き、その中で犯人に接近していくというわかりやすいストーリーです。しかもその殺人事件の1つ1つが映画としてとても魅力的です。映画としてですけどね。

殺人の仕方がもうえぐくて仕方ありません。 全ては紹介しませんが、ストーリーでも書いたように 死ぬまで食べ続けるよう強制させられ、大量摂取による内蔵破裂により死亡など・・・。 もっとエグいのがあと6つほど出ますが・・・

そういったものはエグいですが、映画としてはその殺人現場に犯人からのメッセージが添えられ、その謎が謎を呼びそれを解決した矢先また殺人事件という流れになるので映画として飽きません。

ストーリー展開もゆっくりなので追いやすいです。 今作見た後に同じくデヴィッド・フィンチャー監督の『ソーシャルネットワーク』を見ると、 如何にテンポが早いかわかりますね。

しかしそのゆっくりテンポのストーリーが面白いのでちょうどいいのです。 あとは映像やら音楽やら効果音やら演技やら、 デヴィッド・フィンチャーの作品ならではの魅力によるそれなので惹きつけられる他ないのです。

3:衝撃の結末に震える



さて本作のラストは本当にひどいものです。映画を見てきてラストがこれでとても衝撃的なのですが、映画を見て無い人にラストだけ話しても「そのラストは・・・」ってなりますもん。

そこには救いがありません。残るのは絶望だけなのです。しかも「あんな行動取るからそうなるんだよ・・・」って、最後に被害者となるあいつに対して被害者なのにどこか同情し切れない部分もあるのです。最後にあの箱に入れられたあの人には同情できますけど。 あの箱に入れられたあの人は罪がないですもん。

いや、あるな・・・あとで書こうw

とにかくストーリーを追ってきて、たどり着くこの結末の衝撃は味わって損はないですね。 是非!

4:ジョーカーの原型?ジョンドウという殺人鬼



ジョン・ドウというのは本作の殺人犯です。 あの方が演じてるのですが一応伏せておきましょうw映画の前半では姿を見せず、後半に登場します。 登場シーンはその後半の中のまた半分以下なので長くありません。 しかしとにかく恐ろしいのです!

登場する前からエグい殺人方法によって異常者であることはわかっていますが、 警察を撹乱させるだけの計算ができる頭のよい男でもあるのです。映画の前半姿を見せないことで我々の頭の中でその犯人像は勝手にイメージされていきます。 そして満を持してと言わんばかりに後半に登場。

登場シーンは血だらけ。もう鮮烈としか言い用がありません。しかも本当の名前はわかりません。指紋もなければ職業もわからない。 被害者との関連性もわからない。なぜこの街で反抗を起こしたのかもわからない。無駄に冷静。

となるとある傑作映画のあいつを思い出しませんか? 『ダークナイト』のジョーカーです。やってることはスケール的にジョーカーの方がもうどうしようもありませんが、本作のジョン・ドゥの設定というのはジョーカーに影響しているでしょうね。

映画史上最強の悪役10選には確実に入ります。
(個人的に悪役1位はジョーカーと『イングロリアス・バスターズ』のランダでいい勝負w)

最後の最後までやりたい放題のジョン・ドゥ。 あの俳優さんの鬼気迫る演技は見事でしたねぇ。最後の笑顔が忘れられません。

5:オープニングロールとエンドロール



本作のオープニングロールのかっこ良さは今でも伝説となっています。とにかくスタイリッシュ! 色んな紙切れが出てくるのですが、映画見た後にもう一度見てみると意味がわかり、よりこの完成度がわかります。

とにかくかっこいい!

そしてエンドロール。 本作では殺人鬼を演じたあの俳優さんの名前がオープニングロールに出ていません。公開前ももちろん出てませんでした。今は流石に出ちゃってるので調べればわかりますw

そんな秘密に包まれた殺人鬼の俳優さんのクレジットは、映画が終わったエンドロールの最初に出てきます。やられたって思いましたね。そしてそこからロールが流れるのですが、なんとこのロール、 普通の映画と逆方向に進むのです! もうやりたい放題w

しかしかっこいい!デヴィッド・フィンチャーの映像作家性がよく出ているオープニングとエンディングでした。

6:「罪」という出口のない世界

本作では七つの大罪がストーリーを引っ張りますが、 7つがそれぞれどうということよりも、「罪」について考えさせられる映画だったと思います。ラストに絞って言及しましょう。

ネタバレを避けるため役名は出しません。 「アレ」という言葉を使用して濁しつつ書きますね。 

ご覧になられてない方はご覧になってから再度お読み下さい。

最後に箱に入れられたあの人は罪がなかったのでしょうか? いや、あの人には隠し事がありましたよね。 一番大切な人に伝えなければいけないアレを隠していました。 この街が嫌いだということも隠していました。 一番大切なあの人のためにこの街にきて、最後はああなったので同情を買いますが、隠し事をしていたことは犯人ジョン・ドゥから見れば1つの罪だったのでしょう。

だから結末はああなりました。では最後に拳銃を撃ったあの人はどうだったでしょうか? 映画全編通してあの人は感情で動いてました。感情で動くとボロが出ます。そのボロが仇となり、ジョン・ドゥの目に止まり、最後は自分は罪人になってしまったのです。それも1つの罪でしょう。

ではあの箱を明けたあの人はどうでしょう? 一見最後まで唯一まともな人の見えますが、隠し事はやはりしていましたし、 犯人を上げるためとはいいつつ、警察として違法であるあんなことまでしました。

FBIのあれです。それらは正義で片付くのか?やはりこれも1つの罪でしょう。 FBIのあれがなければ犯人ジョン・ドゥは今回と違う結末を実行したかもしれません。 警察が止められなかったにせよ、今回とは異なる結末があったことでしょう。

それが良いかどうかはわかりませんが、どこか罪が残る部分がありますね。と、罪というものは大小あるにせよ色んな所であるんだなと本作は気づかせてくれます。とんでもない絶望のラストまで添えて。しかしそれがただ説教臭く描かれるのではなく、

ホラーという演出、デヴィッド・フィンチャーのスタイリッシュな映像、ブラッド・ピットとモーガン・フリーマン、そして殺人鬼を演じたあの俳優の演技によって、 一種のエンターテインメント作品になったわけです。

世界的に大ヒットして、各サイトのレビューも高く、今でも多くの人が観るのが何よりの証明でしょう。『セブン』のレビューをネットで調べていて、気づいたことがあります。近年のほうが高評価レビューが多いことです。

1999年辺りのレビューは酷評はないにしろ結構厳しめです。 1999年辺りはウェブがそこまで発達してなかったですよね。なのでレビューもアーリーアダプターだけが書いていたからかもしれません。そしてデヴィッド・フィンチャーが近年どんどん有名になり、

名監督として認識され、 ファンによる書き込みが増えたこともあるでしょう。あの名監督の初期作品ということで『ファイトクラブ』や『ソーシャルネットワーク』との比較によって全てが組み合わさり高評価になっている部分もあるでしょう。

良くも悪くも大衆に出てくると意見は歪んでしまいますね。 私は本作のテイストが好きですし、デヴィッド・フィンチャーが大好きなので高評価ですが、それもまたバイアスのかかった意見かもしれませんからね。

それも罪なのかな? 重く考えてるわけではありませんが、そんなことをふと思ってみたり。 それもまた本作の魅力なり。



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