映画『インファナルアフェア』紹介、香港映画の最高傑作はこれだ!2と3もオススメ![ネタバレなし]
やはり香港映画はこれでしょう!
3部作ですが一先ず1作目をご紹介します。
□『インファナル・アフェア』基本情報
監督
=アンドリュー・ラウ
=アラン・マック
出演
=トニー・レオン
=アンディー・ラウ
=エリック・ツァン
=アンソニー・ウォン
ストーリー
監督
=アンドリュー・ラウ
=アラン・マック
出演
=トニー・レオン
=アンディー・ラウ
=エリック・ツァン
=アンソニー・ウォン
ストーリー
予告編
□これを傑作と言わずに何を傑作と言おう!
『ディパーテッド』の原作ともなった『インファナル・アフェア』のシリーズ第1弾。Yahoo映画のレビューでは4.5を超えるというとんでもない高評価が続出しています。そりゃねぇ・・・だってこれ凄いですから・・・
私が映画をたくさん見るようになったのは高校生の時ですが、この作品を見たのは大学生になってから。香港映画ですし、映画詳しくない当時の自分としては、今ではありえないですが、
「アンディーラウって誰?」 「トニー・レオンて誰?」
だったわけですし、まぁいつか見よう程度にしか考えていませんでした。ある時やっと重い腰を上げて借りてきて鑑賞しました。もう後悔しまくりでしたね・・・・
「どうしてこの作品をもっと早くに観なかったんだ!!!!」 と。
とんでもない衝撃を受けた大傑作でした。香港映画、アジア映画はもちろんのこと、今まで見た全ての映画の中の私的傑作25本に入るものでした。『ディパーテッド』が製作されてからはある程度有名にはなりましたが、本作は警察とマフィアの双方に潜入スパイがいるという設定。
警察の情報はスパイを通してマフィアへ流れ、マフィアの情報はスパイを通して警察へ流れるのです。バレたら一巻の終わり。緊迫感漂う映画です。そんな双方の内通によりマフィアの麻薬取引は失敗に終わり、同時に警察は逮捕に失敗しました。
このことからお互いにスパイが混ざっていることがわかってしまいます。そこからはもう驚愕の展開・・・どんでん返しとかいうレベルではなく、とにかく驚愕の展開が連発してあっけに取られました。
ラストは「そう終わるか!」という結末。
一応結末にはなってますね。もうびっくり・・・
このインファナル・アフェアは3部作です。 シリーズ2作目は1作目より時間軸的に前、 3作目は1作目の隙間のエピソードと1作目の後のエピソードが描かれています。 1を軸に2,3と見ていくとシリーズ通して1つの大きな物語として大傑作であることがわかります。ラストは「そう終わるか!」という結末。
一応結末にはなってますね。もうびっくり・・・
3はかなり複雑なので賛否割れるものでしたが、1,2とハマって見た人間であればこの3作目は素晴らしいと感じると思います。結末がかなり重いものですが、この映画の原題は『無間道』。
私詳しくないですが、仏教に基づいた映画なんですよね。そういった観点から考えると深い意味を持つエンディングとよく言われてますね。
決して終わらないという・・・2も3も面白いですが、あくまでも軸はこの1作目。これを楽しまなければ2も3もつまらないでしょう。いや、3に至っては1を観なければ意味不明でしょう。
ということでまずはこの1作目をご覧ください。
これにハマったら2と3も是非御覧ください。
□徹底されたのは脚本だけでなく全て
本作は綿密の計算された脚本が間違いなく傑作に結びついています。矛盾なく、無駄なく、スピーディーに。緊迫感を保ちながら最後まで一気に見せます。そんな脚本の上に素晴らしい演出が加わります。
本作は香港映画なので中国語がわからなければ字幕を追っていくことになると思いますが、字幕を必死に追わずとも何となく話の展開がわかります。つまり映像を見ていれば話がわかるということです。
台詞も大量にあるわけではなく必要最小限。映像で伝える映画となっていますね。いやはや素晴らしい。そんな伝えるための映像表現ですが、そこに美しさも加わります。
舞台は香港。お世辞にも美しい自然など出て来ません。出てくるのは汚い夜の街や警察なども。しかし映像の表現というかセンスが見事です。ただの街並み1つ1つが美しく映されます。
わかりやすいシーンだとラストのラウとヤンの直接対決の屋上シーン。このシーン、言うならばただの屋上です。でもスタイリッシュな美しい映像となっていますね。全体的に青みがかった映像テイストもあって緊迫感が見事に伝わります。
映像美というと美しい自然やあまりに完璧なCGなどを思い浮かべますが、普通の街並みを最大限美しく映すという素晴らしさを感じました。そんな映像にプラスして本作は音響と音楽が凄まじい出来です。
まず音響。言うならば音楽でない映画内で響く日常の音。 モールス信号や携帯電話など、普通にしていたら流してしまうような小さな音の演出が本作では見事に成されています。
「コツコツ」という音に私たちも耳をすませます。そういったシーンのおかげで、あらゆるシーンへ耳が意識的に音を拾いに行くようになります。これは無意識的に映画に集中、つまりはのめり込んでいる何よりの証拠でもありますね。
そして音楽。 緊迫感漂うカッコいい音楽が本作ではたくさん流れます。 香港映画独特と言えば独特かな。しかしそういった音楽以上に記憶に残ったのはバラード調の音楽。
例えば恋愛映画で失恋のシーンがあったら物哀しい音楽を流しますよね。要するにシーンに合った音楽を。本作は時として逆のことをします。残虐なシーンに美しい音楽です。結末を決めてしまうような驚愕のシーンと同時に流れる美しいバラードのスコア。
こうすることでその驚愕のシーンはありきたりのシーンではなく、私たちの記憶に鮮烈に残されるのです。あらゆる角度から五感を刺激されそして映画にのめり込み、最後はため息混じりに。
そのため息はもちろんとんでもない傑作に出会ってしまったという意味でのため息。映像、音響、音楽からそれを感じた作品でした。
□アンディーラウ×トニー・レオン、他出演者も完璧
警察に潜入したマフィア役にアンディーラウ。 マフィアに潜入した警察役にトニー・レオン。この2人が主役です。文句なし。
アンディーラウはカリスマ警官を華麗にこなしつつ実はスパイという衝撃。トニー・レオンはマフィアとしてそれなりに信頼を置かれていると思いきや警察の人間。
アンディーラウは徹底的に頭脳戦を行い、トニー・レオンは心の病などが印象的でした。アンディーラウの心の病というか悩みは3で描かれるので。そんな二人の緊迫感漂う演技には拍手です。
しかしそんな二人以外のキャストがまた見事ですね。特にウォン警視を演じたアンソニーウォン。そしてマフィアのボスサムを演じたエリックツァンはお見事でした。マフィアのボスサムは一見普通のおっちゃんです。いつも何か食べていてそして愛嬌のあるおっちゃん。しかしマフィアのボス。リメイクの『ディパーテッド』のジャック・ニコルソンがこの役に相当してましたが、迫力はジャック・ニコルソンの方が上でした。
しかしそれは比べるものではないようですね。なぜなら香港マフィアのボスは街を歩いてる分には普通なのが一般的。アイルランドマフィアは、まぁあのジャック・ニコルソン演じるコステロのような感じ。設定と言うか現実からして異なるわけです。
そういった意味から迫力は置いておいて忠実に演じたエリックツァンはホント素晴らしいなと思いましたね。2作目も3作目もこの人はホント凄い。2が1番光ってたかな?1を見た後気になったら是非どうぞ。他にもドクターリーや、ラウの妻マリーも良かったですね。
恋愛も少し織りまぜつつも全面的にそっちへシフトせず緊迫感漂うサスペンスに仕立て上げた監督の手腕はホント素晴らしい。それでいて2作目、3作目もファンなら満足するものへとしたのはホントお見事。
□とにかく1度ご覧アレ!
『ディパーテッド』という映画はその年の状況や他の作品の出来もあって、 評価の割にアカデミー賞を始め多くの映画賞を受賞しました。しかし「こんなのがアカデミー賞?」というレビューを多く見つけるのも確かです。
私はまぁまぁ好きという感じですかね。まぁマーク・ウォールバーグ演じるディグナム刑事だけは神がかってると思いますがwそんな『ディパーテッド』が好き嫌いに関わらず、本作は是非観て欲しいです。
設定こそ原作なので同じものの、テイストなどは全く異なります。何が魅力かはここまでに述べてきたとおりです。まぁ言うならば全部ですw素晴らしいサスペンス映画です。
ラストの結末はしっかりと結末ですが、その結末が腑に落ちない人も多く出るでしょう。しかしそのもやもやは2,3と見ることで少し和らぐと思います。3の結末があまりに重いものなのですっきりすることはありませんが、どんな罪を持っても生き残ったら生きていくしか無いという重くも明確なメッセージがシリーズから伝わってきます。
まずはこの1作目を。是非お楽しみください。