映画『ボーン・アルティメイタム』紹介、アクション映画最高の1本!シリーズ最高の高揚感を体感せよ![ネタバレなし]
□『ボーン・アルティメイタム』基本情報
タイトル
=ボーン・アルティメイタム
原題
=THE BOURNE ULTIMATUM
監督
=ポール・グリーングラス
出演
=マット・デイモン
=ジュリア・スタイルズ
=デヴィッド・ストラザーン
=ジョーン・アレン
=アルバート・フィニー
ストーリー
重傷を負って海上を漂流していたところを助けられ、記憶喪失状態の男ジェイソン・ボーンは、銀行口座を手がかりに自分の身元を探し始め、その過程で自分が格闘や銃器の扱いに優れていることに気が付く。彼は元はCIAの敏腕エージェントであったのだ。彼は暗殺作戦に失敗し、それにより海を漂流することになってしまっていたのだ。しかし彼が記憶を失ったのは漂流以前のこと。そう、彼はCIAとしてはジェイソン・ボーンであるが、実名は異なる名前。なぜ彼は記憶を失ったのか?自分は誰なのか?任務に失敗した彼を消そうとする古巣CIAをかわしながら彼は本当の自分の記憶を辿っていくのであった。
重傷を負って海上を漂流していたところを助けられ、記憶喪失状態の男ジェイソン・ボーンは、銀行口座を手がかりに自分の身元を探し始め、その過程で自分が格闘や銃器の扱いに優れていることに気が付く。彼は元はCIAの敏腕エージェントであったのだ。彼は暗殺作戦に失敗し、それにより海を漂流することになってしまっていたのだ。しかし彼が記憶を失ったのは漂流以前のこと。そう、彼はCIAとしてはジェイソン・ボーンであるが、実名は異なる名前。なぜ彼は記憶を失ったのか?自分は誰なのか?任務に失敗した彼を消そうとする古巣CIAをかわしながら彼は本当の自分の記憶を辿っていくのであった。
予告編
□アクション映画の最高傑作!
アクション映画の最高峰と言えばやはりこの映画ではないでしょうか。 マット・デイモン演じるジェイソン・ボーンが主人公のアクション3部作の最終章です。アカデミー賞では編集賞、録音賞、音響効果賞の3部門を受賞しています。
ストーリーはアクション映画なのにかなりしっかりとしています。スパイ映画?サスペンス映画?的な感じ。脚本がしっかりしてる上に、映画は全編とにかくアクション!アクション!アクション!
モスクワで逃げるわ、ロンドンで駆け引きして殴り合いするわ、タンジールでバイクチェイスして屋根飛び越えるわ、ニューヨークの市街地でカーチェイスしちゃうわ、もうありとあらゆるアクションのてんこ盛り。
今作はアクションシーン1つ1つが本当にすごい。その凄さの要因はアクションシーン統括にアクション演出の達人ダンブラッドリーを置いたことでしょう。 アクション1つ1つが現実的でハラハラすること、CGに頼らず本当にアクションしたり車ぶっ飛ばしたりぶっ壊したりしてること、などダンブラッドリーだからこそ成し得たのでしょうね。
例えば車の横転1つ取っても『007 カジノロワイヤル』と今作を比べてしまえば、007はどこかやっぱり映画っぽい感じがあります。いや、映画『007 カジノロワイヤル』は傑作ですけどね。この部分だけ取ると。それくらいド迫力。
そんなアクションをダメ押しで最高なものに仕上げている要因はやはり ポール・グリーングラス監督の揺れるカメラと高密度編集でしょう。元々ドキュメンタリー映画上がりのポール・グリーングラス監督。カメラは手持ちカメラを多用するので画面が揺れまくりです。 しかしこれが臨場感を生み出すんですよね。
そしてとにかく編集が凄まじい!! 現在はわかりませんが、今作は公開当時映画のカット割りがギネス記録だったとか。 映画の中で切り替わる画面の回数です。見ればわかるけど本当に凄まじい映像のつなぎ方。
しかもそれら1つ1つが計算されている。この揺れるカメラと高密度編集はポール・グリーングラス監督の 『ユナイテッド93』や『グリーン・ゾーン』でももちろん堪能できます。
どちらも傑作ですので是非!
さて軽くまとめると、
「記憶喪失という奇抜な設定」
「計算された素晴らしい脚本」
「見事なアクションシーン」
「揺れるカメラと高密度編集による臨場感」
まずマット・デイモンはやはりこのジェイソン・ボーンが一番のハマリ役ですねぇ。 いやまぁ『オーシャンズ11』のライナスとかマヌケなのもいいですけどw そしてシリーズ通してCIAの中でジェイソン・ボーンに割と同情をし、真実を探ろうとするパメラランディーを演じるジョンアレンが本当に素晴らしい!!
またそんなパメラとぶつかり、ジェイソン・ボーンを捕まえようとする、本作の実質悪役のノアボーゼンを演じるデヴィッド・ストラザーンがまた渋い演技ですね。嫌な上司とはこういう人いうのでしょう。役として最低ですが演技として見事なものです。
極めつけは前作『ボーン・スプレマシー』でも出演し、今作ではボーンに協力をする ニッキーを演じるジュリア・スタイルズ。 正直ヒロインという括りでは地味というかスタンダードというか、しかしそれが本作では見事にマッチするんですよね。
見事!
□見せ場が多い素晴らしきストーリー
本作は見せ場が非常に多いです。最終章なので言ってしまえば全編クライマックスです。めまぐるしく変わっていく場面、みなさんはどの場面が一番好きでしょうか?私はウォータールーステーションでの新聞記者との電話やり取りで、CIAのエージェントを回避するシーンが1番好きです。
ただ歩いているだけのシーンでここまでハラハラさせられたことはありません。シーンとしての終わりもいいですよね。スナイパーを追うボーン、しかし電車に乗られ捕りのがしてしまう。電車でドア閉められたらシーンとして終えざるをえないので、こういった細かい設定も見事だなぁと思いました。
□全2作を見ておいた方がより楽しめます
『ボーン・スプレマシー』だけでも何とかなります。『ボーン・アイデンティティー』だけ監督が異なるのでテイストが若干異なること、そしてこのレビューで少し説明した「記憶喪失から自分探しを始めるまでの過程」が 『ボーン・アイデンティティー』なので。
今作『ボーン・アルティメイタム』と前作『ボーン・スプレマシー』は時間軸が前後というか 被る部分があるのでこの2作で1作品とも捉えられます。
『ボーン・スプレマシー』を見た方だと、『ボーン・アルティメイタム』のオープニングに違和感を覚えるのです。 なぜなら『ボーン・スプレマシー』のラストシーンと『ボーン・アルティメイタム』のオープニングシーン、場所が全く異なるからです。
しかしそんな疑問は『ボーン・アルティメイタム』の中盤で解決し、もうにやにやもの。 これは脚本のトニー・ギルロイの技ですね。
見事!!
というように、この映画は感動したり共感したりではなく、 脚本、アクション、演出、映像、編集、演技、音楽というあらゆる職人の技が融合した まさに職人芸アクション映画を体感するものです。
□そして最後の爽快感はもう最高!!
3部作の3はやはり続編を感じさせないビシッとした終わり方がいいじゃないですか。 仮に4をやるとしても。 となるとやはりまだまだ続く感が出まくりだったパイレーツ3のラストなどは爽快感には欠けるんですよね。
いや映画としては好きですけどね。 本作はビシッと終わります。まだまだ続けられるけれども物語としてここでちゃんと終わる。 そんな素晴らしいラストでした。
私、映画館で初日に見に行きました。 初日なのでシリーズのファンが詰めかけていましたが、 ラストシーン、ニッキーの言葉を発さない表情だけでのあのラストシーンは、 あちこちで「おー」というため息がw
もう「やられた!」と言わんばかりの声があちこちで漏れてましたね。 最高のラスト!こんなににやにやしてエンドロール迎えたことないと思います。 気持ち悪いですね、ごめんなさいw
という感じで、娯楽アクション映画ですが、全てがしっかりとしている職人芸映画の 「ボーン・アルティメイタム」 、1時間55分に3時間以上の素晴らしい内容が詰まっています。 是非この映画を駆け抜けてください!
そして、最後に1つだけ。
この後作られた『ボーン・レガシー』というマット・デイモンが主演でない続編、これは3部作大好きな人間からは大酷評されました。これはダメです…。以上。