10月 2013 - Cinema A La Carte

『パッション』感想、女と女のどろどろをノオミ・ラパスとレイチェル・マクアダムスが好演!なのでそれだけでもう満足(笑)[ネタバレなし]



『パッション』基本情報

タイトル
=パッション

原題
=Passion

監督
=ブライアン・デ・パルマ

出演
=ノオミ・ラパス
=レイチェル・マクアダムス
=カロリーネ・ヘルフルト
=ポール・アンダーソン

ストーリー
野心家のクリスティーンは、狡猾さと大胆な行動力で広告会社の重役へとのぼりつめる。部下のイザベルは、最初はあこがれの存在だったクリスティーンに手柄を奪われ、同僚の前で恥をかかされた上に、恋人にも裏切られたことから、クリスティーンに対して殺意を抱くようになり……。

予告編
http://www.youtube.com/watch?v=WnI5wN-o8zQ


感想「どろどろ(笑)主演2人がお見事で他をカバー。」

ブライアン・デ・パルマの最新作は広告業界を舞台にした女と女のどろどろ劇です(笑) この映画には、はっきり魅力と欠点があります。

・魅力はどろどろ劇ゆえの主演2人の好演

これに尽きるでしょう。ノオミ・ラパスは『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』『プロメテウス』などでキャリア順調ですがドラゴン・タトゥーの経験もあってホントこういうどろどろはお見事ですね。

[DVD/Blu-ray発売済み]

レイチェル・マクアダムスも清純派を抜けてヘヴィーな役ができるようになってきており、本作でもお見事でありました。この2人がガイ・リッチー版『シャーロック・ホームズ』の紅一点をそれぞれ1と2で演じてるのも面白いです。

広告会社に勤めるノオミ・ラパス演じるイザベルが宣伝アイディアを思い付くも、それをレイチェル・マクアダムス演じる上司のクリスティーンが横取りしてくという女同士の汚い争い。しかしその後クリスティーンが殺害されてしまいその容疑はイザベルに…。

という展開ですがサスペンスの紐解きは意外と単純。このブライアン・デ・パルマ監督の作品であるのでデ・パルマ節で描かれるそれを楽しむという感じでしょうね。なので賛否真っ二つなのでしょう。デ・パルマ節は感じられるけどストーリー薄いかなと私は思いました。

でもそれを冒頭にも書いたように主演2人が完全にカバーしてるので映画としてとても面白いものになっていたなと私は思いましたね。

ストーリー概要と言いますかネタバレだけ読んだら「え?それだけ?」となるようなシナリオでありながらどこか怪しい雰囲気でどろどろを楽しめるのはデ・パルマの良さでもあるのでしょう。でももっと濃ゆいデ・パルマ映画を見たいと思うのが映画ファンの本音ではあります(笑)


written by shuhei


そろそろ『かぐや姫の物語』の話をしよう。11月23日公開、ジブリ高畑勲監督14年ぶりの新作。

ジブリ最高傑作の気がする
高畑勲監督14年ぶりの新作『かぐや姫の物語』。
公開まで1ヶ月を切ったのでそろそろ話を始めましょう。


かぐや姫の物語 基本情報 by Cinema with X Written by 柳下修平

宮崎駿監督最後の作品『風立ちぬ』は大人向けの題材ながら興行収入100億円を超え、賛否渦巻きながら有終の美を飾りました。書きおろし特集記事はこちら

そしていよいよ11月23日、高畑勲監督14年ぶりの新作『かぐや姫の物語』が公開されます。

予告編の映像やエピソード、主題歌など事前に出ている少しの情報だけでとんでもない期待を抱かされます。そして漂うジブリ最高傑作のにおい…。まずは基本情報をまとめましょう。


□『かぐや姫の物語』基本情報

タイトル
=『かぐや姫の物語』


公開日
=2013年11月23日


公式サイト
http://kaguyahime-monogatari.jp/


上映時間
=137分(2時間17分)


監督
=高畑勲


脚本
=高畑勲
=坂口理子


製作
=氏家齊一郎


プロデューサー
=西村義明


音楽
=久石譲


主題歌
=いのちの記憶 (二階堂和美) …→Youtube



声優陣
=朝倉あき(かぐや姫)
=高良健吾(捨丸)
=地井武男(翁・かぐや姫の育ての父)
=宮本信子(媼・かぐや姫の育ての母)
=高畑淳子
=田畑智子
=立川志の輔
=上川隆也
=伊集院光
=宇崎竜童
=中村七之助
=橋爪功
=朝丘雪路
=仲代達矢

予告編



□ストーリー・あらすじ

簡潔なストーリーやあらすじの文章はスタジオジブリから発表されてません。
ただし原作は『竹取物語』で、忠実に丹念にそれを描いているとのことです。

かぐや姫は数ある星の中から、なぜ地球を選んだのか。
この地で何を思い、なぜ月へ去らねばならなかったのか。

この疑問文が明示されてるのでその側面を掘り下げてくるのは間違いないでしょう。


□エピソードとまとめ

期待しかありません。「画が動く」という表現がこれほど相応しいアニメ映画って今までにあったでしょうか。褒め言葉として凶器の沙汰ですよほんとこれは。

久石さんの音楽はまだ表に出てきてませんがこれも期待ですね。ちなみに意外と思われるかもしれませんが久石譲さんがジブリ映画で宮崎駿監督以外の作品を手がけるのは何と今回が始めてです!

そして主題歌が素晴らしい。どこか懐かしいというか心にすーっと入ってきますね。
既にリピートですよ、ええ。

原作の『竹取物語』はみなさんもご存知の方多いでしょう。よく考えると2時間もかかる物語ではないんですよね。しかし高畑勲監督はかぐや姫の内面もしっかり描くことで深いドラマへと掘り下げていったようです。

鈴木敏夫プロデューサー(かぐや姫ではクレジット入ってませんが)が中間報告会で興味深い発言をされました。"『かぐや姫の物語』の物語を見る前にハイジ見ておくといい"と。
(中間報告会の音声はこちら)

『アルプスの少女ハイジ』と言えば誰もが知る高畑勲監督×宮崎駿監督の最初のアニメ作品。今回の『かぐや姫の物語』を見る上で予習しとくといいそうです。

理由は製作の意思と言いますか掘り下げるという概念が一緒だからだそうです。
ハイジの原作はたった18ページのようですが、それをアニメ化では30分×50本のドラマとし内面を掘り下げていきました。それを今回もやっているということなのです。

驚いたのが1971年に宮崎駿監督が「いつの日か日本を舞台にハイジをやりたいと」と仰っていたそうなのです。それに高畑勲監督も同意をしており、40年の時を経て『かぐや姫の物語』という形で日本版ハイジを高畑勲監督は形にしたのです。宮崎駿監督もさぞ喜んでいることでしょう。


そんなエピソードまで知ってしまったらもう期待するしかないのです。
私はジブリ映画ではお気に入りベスト10中9本が宮崎駿作品であるくらい宮崎駿監督の大ファンです。しかし高畑勲監督の作品も大好きなのです。

というか14年前私は中学生でした。映画なんて自発的に見ない年頃。その頃から映画が好きになったここ数年、高畑勲監督の作品に公開のリアルタイムで触れてない世代なのです。だからそこまで過去作にも思い入れが無いというだけです。

しかし、今回の予告編やエピソードを見るだけで事前期待値は『風立ちぬ』を超えるものとなっています。きっと素敵な物語と凶器のような映像に圧倒されることでしょう。11月23日まで1ヶ月を切りました。

今年2度目のジブリ祭り。みなさんと楽しみたいです。

『ブロークン・シティ』感想、この手の陰謀ものは実世界のあれこれとリンクしてもやもやを助長する。映画は素晴らしい。【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]


この手のサスペンスは日本ではヒットしませんが『消されたヘッドライン』とラッセル・クロウ好きとしては飛びつきました。

『ブロークン・シティ』基本情報

タイトル
=ブロークン・シティ

原題
=Broken City

監督
=アレン・ヒューズ

出演
=マーク・ウォルバーグ
=ラッセル・クロウ
=キャサリン・ゼタ・ジョーンズ

ストーリー
元警察官で私立探偵のビリー・タガートは、警察を辞職するきっかけとなったある事件の秘密を知るニューヨーク市長のホステラーに呼び出され、妻の浮気調査を依頼される。ビリーが調査を開始すると、浮気相手はホステラーの対立候補バリアントの右腕的存在であるアンドリュースと判明。しかし、ほどなくしてアンドリュースは何者かに射殺されてしまう。

予告編


感想「素晴らしかった!日本にも置き換えることができる皮肉があるな…」

どうもこの手の政治サスペンスは人気出ないですし評判も良くないんですよね。まあ日本が舞台でもそういうもんですしね。

私は『消されたヘッドライン』や『スーパチューズデー 正義を捨てた日』などが大好きなので今回も無条件でお気に入り認定です。しかもラッセル・クロウが政治家役。必然的に『消されたヘッドライン』の対局(あの時ラッセル・クロウは記者役)に位置付けしたくなるわけです。

[DVD/Blu-ray発売済み]

本作はマーク・ウォルバーグ演じる元警官で探偵のビリーが主人公で、ラッセル・クロウ演じるホステラー市長があれこれやっていく映画であります。あれこれやっていく、って曖昧すぎますが(笑) まあ内容言いにくいので。

一つ明確にしても問題無いと思われるのが、“本作は浮気調査の切り口で物語が進んでいくがそれは切り口に過ぎない”ということです。本作は市長選挙の紆余曲折と言いますか陰謀と戦略の駆け引きの物語です。The政治物語なのでお堅い部分はどうしてもあります。

ただそのお堅い中で、ラッセル・クロウ演じるニューヨーク市長がかなりいいんですよ。ラッセル・クロウはホント演技の幅が今でも広がっていて素晴らしいなといつも思います。またキャサリン・ゼタ・ジョーンズのスパイスもお見事です。

本作最大の見どころは何と言っても市長選でのテレビ討論シーンでしょう。この辺政治に興味が無いとおそらく時間が永遠に感じるほど退屈かもしれませんが…。私はここがもうとんでもなく面白かったです。

そして最後はきっちりサスペンスのオチが付きます。伏線回収素晴らしかったです。しかしもやもやも残ります。いや残しました、自分の中で。

それは映画中盤に出てくる再開発におけるエピソード。そこで"公然の秘密"というキーワードが出てきます。「みんな知ってるけど言わないよね」というやつです。

他にも同じ考察されてる方が数名いらっしゃいましたが、日本だと中間貯蔵施設の建設あれこれ。中間といいながらそこに一旦それを建てたら、まあきっと最終処分施設もそのままそこでできることでしょう。そんなこと政府は言ってない? 言ってないならやりませんかね?

そういう事実と映画がリンクして、日本でも様々思惑が交錯しえるんだろうなと改めて思いますね。(中間貯蔵施設に関してはそれを連想しただけで私がそれに関してこの記事でどうこうコメントしたり立場を表明する意図は一切ありません)

政治サスペンスは実世界を如実に反映させます。本作も映画的である面が多分にありますが全くあり得ない話のラインを攻めてきてる映画なのでとても見応えがありました。娯楽性はそこまで高くないですね。なので色々考えながらみないと退屈になるかもです。

レビュー書くのが遅くなってしまい、既に公開は打ち切りになってると思われます。DVDが出ましたら政治映画興味ある方中心に是非チャレンジしてほしい作品であります。


written by shuhei


"Together"の歌詞を映画に即して和訳してみた!The xxが唄う『華麗なるギャツビー』のメイン曲&エンディング曲

『華麗なるギャツビー』のメイン&エンディング曲である
The xxが唄う "Together"。
その歌詞を映画に即して和訳してみました!



6月に公開されて日本でもスマッシュヒットを記録した『華麗なるギャツビー』。

様々な歌手が楽曲を提供しており挿入歌として映画を彩っています
その中でもメインとなっている楽曲は2曲。
Lana Del Reyの"Young and Beautiful"。そして今回取り上げるThe xxの"Together"です。

"Young and Beautiful"の歌詞和訳はこちら



歌詞の直接の訳ではなく、映画『華麗なるギャツビー』に即した解釈訳としました。
短い歌詞ですが映画の内容を見事に反映させています。

最初男性が歌うところはギャツビーが映画で途中まで抱いたデイジーとの壮大な夢物語そのもの。言ってしまえば痛い宣言そのもの。

そして次に女性が歌うところはそれに釣られたデイジーが今ある空虚な結婚生活を放棄してギャツビーと結ばれたいと思う気持ちです。

そしてその後連発される
"Together, to be
Together and be"
は二人のその絶頂時の幻想愛を確かめ合ってる姿でしょう。

しかしその呪いのように連発される
"Together, to be
Together and be"
は本当に呪いとなり、映画の結末はああなったわけです。

そう考えるととんでもない歌詞(褒めてます)だと思うわけです。
おー怖い怖い。

さて英語歌詞と独自訳まとめます。

----------------------------------
The xx "Together"

I know to be there
When and where, I'll be there
いつどこでも僕は君のそばにいるよ。


You know what's to be said
We said out loud, we never said
君は何を言うべきかわかってるよね。
僕たちが大声で言った、
今まで言えなかったあの言葉だよ。


My premonition of the world comes to me
A sun in your hands from the middle life
Says I'm alright
僕が予感してた世界が遂にきた。
普通の生活を送っていた君の手に包まれた光が、
大丈夫だって教えてくれる。



You said you don't have to speak
I can hear you
I can't feel all the things you've ever felt before
あなたは言ったわ。話す必要なんてないと。
聞こえるわよ。これまであなたが感じた全てのことを
理解することはできないのだけれど。


I said it's been a long time
Since someone looked at me that way
わたしは久しぶりだって言ったわ。
こんな風に誰かが私を見てくれるのを。


It's like you knew me
And all the things I couldn't say
あなたは私をわかっていたみたい。
私が言えなかった全てのことを。



Together, to be
Together and be

Together, to be
Together and be

Together, to be
Together and be

Together, to be
Together and be......

これからは
2人で一緒に

これからは
2人で一緒に

これからは
2人で一緒に

これからは
2人で一緒に.....

----------------------------------

以上になります。
恐ろしい歌詞…。


『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う』感想、ビールはしご酒なだけの映画なのに爆笑連発最強コメディ!!www[ネタバレなし]



私的満足度(5つ星評価)

★★★★★=星5=お見事!これは傑作です!

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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『ワールズ・エンド』基本情報

日本公開日
=2014年春

公式サイト
http://www.worldsend-movie.jp/

監督
=エドガー・ライト

出演
=サイモン・ペッグ
=ニック・フロスト
=マーティン・フリーマン
=パディ・コンシダイン
=エディ・マーサン
=ロザムンド・パイク
=ピアース・ブロスナン
=ビル・ナイ

ストーリー
20年前、一晩で12軒のパブをめぐる「ゴールデン・マイル」に失敗したことが忘れられないゲイリーは、再挑戦するために当時の仲間アンディら4人を集め、故郷ニューヘイブンに舞い戻る。やがて5人は、町の人々の様子がおかしいことに気づくが、戸惑いながらもひたすら12軒目のパブ「ワールズ・エンド」を目指して飲み続ける。

予告編

感想「ビール飲むだけの映画なのに大爆笑www 大満足www」

エドガー・ライト監督×サイモン・ペッグ×ニック・フロスト。
この3人の名前を知ってる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。
簡単に言えばこの3人でいつもふざけた映画を作ってて、そこそこヒットしてます(笑)

ワールズ・エンド…一見世界の終わりを彷彿とさせますが、パブの名前です(笑)
昔の悪仲間5人が中年になってから再会して、昔のごとくパブ12件をビールはしご酒する話ですw

「え?それだけ?」・・・ええそれだけですwww
"何があっても"ひたすらビースを12件はしご酒しようと本気出す映画なのですwww
とにかくセンスよく爆笑に次ぐ爆笑で進む物語。

あ、あと宇宙人出てきます(笑) ビールを飲み続けることで宇宙人から地球を守ろうとするのです。意味不明ですwww


[DVD発売済み]

最高にくだらない設定で壮大な事をやらかすエドガー・ライト監督はもう馬鹿としか言えませんwww しかもこれ大ヒットで評論家も大歓迎www みんな馬鹿だねwww 自分含めてwww

爆笑設定に織り込まれる大迫力のアクションシーンの数々にまた爆笑。
だってアクション言ってもカーチェイスとかじゃなくておっさんVS宇宙人の殴り合いですよwww

くだらねえwwwwwwwwww

でもおもしれえwwwwwwwwww

紅一点のロザムンド・パイク嬢もいい味出してますw
そしてなぜか出てきた名優ピアース・ブロスナンとビル・ナイ。
何やってんのあんたたちwww

全編に渡りとにかく下らない『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う』。
腕組んで評論なんてしないで楽しみましょう!
最初から作り手がふざけてるわけなんだからwww

日本公開は来年春!!
おっせええええええええええ!!!!!!!!!!






関連作品

サイモン・ペッグ×ニック・フロストのコメディ


サイモン・ペッグはミッション・インポッシブルでも活躍


サイモン・ペッグ、スタトレでも大活躍


マーティン・フリーマン出演作品


ロザムンド・パイク出演作品



written by shuhei


『ビフォア・ミッドナイト』感想、インディーズの隠れた名作シリーズ最終章、見事にキマる![ネタバレなし]


私的満足度(5つ星評価)

★★★=星3=普通に楽しめました。

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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『ビフォア・ミッドナイト』基本情報

日本では1月公開となる『ビフォア』シリーズの最終作『ビフォア・ミッドナイト』。一足先に鑑賞できましたのでレビュー書きます。


日本公開
=2014年1月18日

監督
=リチャード・リンクレイター

出演
=イーサン・ホーク
=ジュリー・デルピー

ストーリー
ウィーンでの運命的な出会いを描いた『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』(’95)、パリでの再会を描いた『ビフォア・サンセット』(’04)。あの余韻のラストから9年、美しいギリシャを舞台に2人の新たな試練を描く待望の最終章。

予告編


感想「リアリティあるもやもや。2人の新たな道筋に心が揺れた!」

1995年『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』、2004年『ビフォア・サンセット』。そして最終章が本作『ビフォア・ミッドナイト』。多分最終章。もしかしたら9年後またあるかも(笑)


9年間隔の3部作であるが故に話題のシリーズという感じではありますが、私も後追いして今までの2作大好きな作品です。インディーズの隠れた名作シリーズ、といったところでしょうか。

今回も濃い時間を堪能できました。ラブストーリー映画なのですが、映画を超えた普遍的な二人の愛の模様を目撃した印象を抱きます。リアルで等身大で少し笑えて切なくもなって…二人に焦点を絞ることで広義のラブストーリーとは異なる印象になるわけですが心に残る素晴らしい傑作になっていたと思いました。


[DVD発売済み]

本作含めて、アメリカ人のジェシーとフランス人のセリーヌ、二人の24時間を描いています。本作観て改めて思ったのは3つで1つの大きな物語になってるということです。物語は独立してますが、過去あっての未来で二人の物語なので過去2作の予習は必須です。

私たちは18年前の二人の24時間、9年前の二人の24時間しか知りません。
しかしその24時間の会話の節々からその間に何があったかを知っています。
そして本作ではその積み重ねもありより深いところへと話が進んでいきます。

1作目ウィーン、2作目パリときて今回はギリシャ!
そのセンスある場所が淡々と進む映画になぜかよく似合うのです。
今回は双子の子供もストーリーに絡んでくるので色々と今までに描かれなかった感情も表に出てきます。

よくよく考えると20代、30代、40代と映画では描かれてるのです。
しかも実際の時を経るのと同じ9年間隔で製作。つまり主人公のイーサン・ホークとジュリー・デルピーは特殊メイクをするわけでもなく等身大で歳をとっていき演技をしているのです。この自然な縁起たるや…

インディーズ映画が好きな方はこのテイスト大好物だと思うので是非シリーズ通してオススメしたいです。同時にシリーズで20代、30代、40代と年代別に描かれているので恋愛と時の経過に興味ある方も是非観て頂きたいです。

私はまだ27歳です。よって映画で言えば1作目しか人生で経験していません。
30代になったり、子供を持ったりするとまた違った印象を抱くのかなと思ったり。
今でも凄く好きなシリーズなので時を経てまた何か感じることがあったら別に記事書いてみたいと思います。

それまでブログを続けねば(笑)



関連作品
リチャード・リンクレイター監督作品


イーサン・ホーク出演作品



written by shuhei


『恋するリベラーチェ』、スティーブン・ソダーバーグ監督によるTV映画。娯楽と現実の間が見事な同性愛映画。【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]

『恋するリベラーチェ』観賞レビュー


『恋するリベラーチェ』基本情報
日本公開日
=2013年11月1日

公式サイト
http://liberace.jp/

監督
=スティーブン・ソダーバーグ

出演
=マイケル・ダグラス
=マット・デイモン

ストーリー
1950~70年代アメリカで派手な衣装やパフォーマンスで一世を風靡し、同性愛者でもあった実在の天才ピアニスト、リベラーチェの晩年を描く。1977年夏、ラスベガスで出会ったリベラーチェと青年スコット・ソーソンは、年齢や住む世界を超えて互いにひかれ合う。スコットは運転手兼愛人としてリベラーチェを支え、リベラーチェはスコットの親代わりにもなり、2人の秘められた関係は順調に続くかと思われた。しかし、薬物への依存やマンネリ化した日々が次第に2人の間に溝を深めていく。

予告編


スティーブン・ソダーバーグ、新たなる境地へ
9月に公開された『サイド・エフェクト』でスティーブン・ソダーバーグ監督は劇場映画の監督を引退すると言いました。その後のこの作品なので「??」な方も多いと思いますが、実はこの映画はTV映画として製作されたものなのです。

本作は実在したパフォーマー、リベラーチェが67歳で亡くなるまでの最後の10年間の伝記映画になります。マット・デイモン演じる秘密の恋人スコット・ソーソン著作に基づいて描かれます。

[DVD/Blu-ray発売済み]

リベラーチェは派手なパフォーマーで人気がありますが、ゲイであることを隠しています。富を手にしたリベラーチェの豪邸や調度品の数々は、その内面を隠す象徴としても描かれているのかなと思ったり。

そんなリベラーチェの恋人になったのがスコット。スコットはリベラーチェと同性愛の恋に落ちながら仕事としてリベラーチェの運転手を務めます。リベラーチェはスコットを恋人であると同時に息子とも思っており、お互い心が惹かれ合っていることが様々な視点から描かれます。

さすが良くも悪くもスティーブン・ソダーバーグ映画であり、そこに感傷的なものは感じません。淡々と心の動きと共に時は過ぎ平穏もいつか終わり…と進んでいくのです。この点今までのスティーブン・ソダーバーグの映画とジャンルが異なりつつも毎度のスティーブン・ソダーバーグ演出は健在といったところでしょう。

言ってしまえばこの映画に『ブロークバック・マウンテン』の切なさを求めてはいけないということであります。

むしろ二人の最後の切なさよりもリベラーチェという人物はパフォーマーとしては成功したが人生は何だか喜悲劇のようだったなと苦笑いしたくなる結末。後味が良いのか悪いのかわからないということです。しかし後を引く不快感はない。この辺りはさすがスティーブン・ソダーバーグ。

アメリカのTV映画というものをそこまで多く見てきてないので、TV映画としてのあれこれという視点で語ることができない点申し訳ないわけですが、劇場で鑑賞したこのTV映画。スティーブン・ソダーバーグ監督の次への第一歩として十二分に楽しんだ次第でありました。


関連作品
スティーブン・ソダーバーグ監督×マット・デイモンの数々






written by shuhei


愛おしく切なく…リアルな高校生の一部を見事に切り取った『ウォール・フラワー』、傑作!【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]



『ウォールフラワー』基本情報
日本公開日
=2013年11月22日
(アメリカでは昨年公開だったのですよ…)

公式サイト
http://wallflower.gaga.ne.jp/

監督
=スティーブン・チョボウスキー

出演
=ローガン・ラーマン
=エマ・ワトソン
=エズラ・ミラー

ストーリー
小説家を志望する16歳の少年チャーリーは、高校入学初日にスクールカースト最下層に位置付けられてしまう。誰からも話しかけられず、「壁の花(Wallflower)」のようにひっそりと息を潜めて毎日をやり過ごすことに注力していたチャーリーだったが、陽気なパトリックとその妹で美しく奔放なサムに出会い、生活が一変。初めて友情や恋を知るが、過去のある事件をきっかけに、3人の青春の日々は思わぬ方向へ転がり始める。

予告編


こういう高校生ではなかったけれど、思い出話をしたくなる
アメリカで昨年公開されてから随分経過してやっと公開。
海外に住むTwitterのフォロワーさんも大絶賛してた映画だけに期待して少しお先に見てまいりました。

映画的完成度どうこうではなく、この映画を対象物として自らの高校生活を懐かしんでしまいました。私は幸いとても楽しい高校生活を送れました。というか付属高校ということもありちょっと早めの大学デビュー的な高校生活でした。調子に乗ってた感じです、要するに(笑)

なのでこの映画で描かれているような、THE青春!ではありませんでした。
しかし「そうそう、高校生活って色々あったよね、学校以外でも!」と海外の高校生活映画であっても思ったわけでありまして。

この映画のようなことがあった方も多いと思うので、そういった意味で映画的評価どうこう以上に自らの青春を思い出し、そして切なくなったり懐かしくなったりする映画なのではないかなと思います。

映画としては全く内容違いますが『桐島、部活やめるってよ』に似てるかもですね。
映画について語る以上に自分について語りたくなる映画です。

自分を語りたくなるということは映画が体にすっと入ってきたということでもあると思います。よって映画的完成度が高かったなと改めて思いますね。

ローガン・ラーマンの演技の素晴らしさも当然ですが、ハーマイオニーことエマ・ワトソンの魅力が溢れています。完全にハリポタ路線を脱却できてると思います。

個人的には車で大音量の音楽を浴びるように聴いてるあの瞬間の表情が好きです。高校生の成長は何か社会的地位の獲得ではなく自らの心のハードルを超えていくことだと思うのです。その超えた後の一つの充足感を感じることができたあのシーン、一瞬ですが大好きです。

ただ綺麗なだけの青春ではなく、ドラッグだったり、精神病だったり、同性愛だったりも絡ませてきている本作。しかし最後感じるのは爽快感。映画的爽快感と自らの記憶を呼び起こし少しほろ苦くなるこの絶妙な感覚。

もう何度か劇場で味わいたい次第であります。


関連作品
ローガン・ラーマン出演作品


エマ・ワトソン出演作品


written by shuhei


驚きの"体験型映画"『クロニクル』、デハーンの勢いとどまるところを知らず!【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]


『クロニクル』基本情報
日本公開
=公開中、当初都内限定だったが好評につき拡大中

公式サイト
http://www.foxmovies.jp/chronicle/

監督
=ジョシュ・トランク

出演
=デイン・デハーン
=アレックス・ラッセル
=マイケル・B・ジョーダン

ストーリー
平凡で退屈な日常生活を送る3人の高校生アンドリュー、マット、スティーブは、ある日、特殊な能力に目覚める。手を触れずに女子のスカートをめくったり、雲の上まで飛んでアメフトをしたり、3人は手に入れた力を使って刺激的な遊びに夢中になっていく。しかし、そんなある時、あおってきた後続車両にいら立ったアンドリューが力を使って事故にあわせたことから、3人は次第に自らの力に翻弄され、事態は予期せぬ方向へと発展していく。

予告編


口コミ熱狂納得!コレは勧めたくなる!!
最初ノーマークだったんですが口コミ絶賛を多く見かけたので見てきました!
いやはや、確かにこれは勧めたくなる一本であります。
あれがいい、これがいい、とかではなくて「いいから見て!!」の部類です。

基本情報でだいぶネタバレしてますが、まあいいでしょう。
要は超能力映画です。『キャリー』でもそうでしたが超能力を持っていることが決して良い方向に人生を導くわけではない、というのが本作でも描かれていきます。

と、それだけなら何も勧める理由にはならないのです。
勧める本当の理由はその設定がどう活かされてるかの部分にあるんです。
少年3人が超能力を持ちそしてそこからの一連の流れの描き方が面白いんです。

いや、厳密に言えば最初から最後まで描き方が面白いんです。
それが本作の最大の魅力なのであります。

[DVD/Blu-ray発売済み]

説明がとっても難しいです。
だから「いいから見て!!」にやっぱりなってしまいます。
体感型とも少し違うしな…目撃型!!この表現が最も合うのではないでしょうか。

あなたにもこの超能力を持ったが故の結末を目撃してほしいです。
劇場のスクリーンで。

そしてもう一つの魅力も語っておかねばならないでしょう。
そう、主演のデイン・デハーン。
まだまだ知名度は低いですが、映画ファンの一部には熱狂的ファンも増えています。

今年公開された映画だと『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』『欲望のバージニア』にも出演。どんどん出世していってます。これからのハリウッドを担う俳優の1人へ爆進中と言っても過言ではないでしょう。是非そんな彼の演技も堪能してほしいです。

体感型で上映時間も80分ちょっとと非常に変わった作品。
多くの劇場で1000円上映のようですし、少し時間を作って行ってみてはいかがでしょうか。

というか12月4日iTunesリリース出てた!



関連作品
『クロニクル』と同系統の作品


written by shuhei


『大統領の執事の涙 』感想、一人の黒人執事から見たアメリカの歴史、積み重ねがじーんとくる傑作[ネタバレなし]

私的満足度(5つ星評価)

★★★=星3=普通に楽しめました。

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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『大統領の執事の涙』基本情報

日本公開
=2014年春

監督
=リー・ダニエルズ

キャスト
=フォレスト・ウィテカー
=オプラ・ウィンフリー

ストーリー
セシル・ゲインズは8人の米大統領のもとで34年間もの間、ホワイトハウスのバトラー(執事)として働いた。幼いころの黒人差別の傷を心に抱えながらも自らの仕事に誇りを持ちホワイトハウスでの仕事に従事していく姿を描く。

予告編


感想「アメリカの長き歴史を振り返り今のアメリカを考えたくなる傑作」

一つ気をつけたいことがありまして、この映画は実話にインスピレーションを受けたフィクションだということです。ユージン・アレンというバトラーの方がいるそうですが、その方の新聞記事を読んだリー・ダニエルズ監督が映画化を企画していったそうです。

『12 YEARS A SLAVE』も黒人を描いており、そちらの方がアカデミー賞有力とも言われているので比較されることは避けられませんがストーリーは全く違います。あちらは黒人奴隷というものを正面から描いている映画です。こっちはそうではなく(時代も違うし)、根強く残る黒人差別の中でも自らの仕事に誇りを持って従事する真摯的な姿がアメリカの歴史とともに語られていきます。

目を背けたくなるような描写はそこまでなく、苦節ありながらもひたむきに勇気を与えてくれる素晴らしい映画でありました。


[DVD発売済み]

人種差別が残る時代、そこからの公民権運動の時代。そして黒人が自由を獲得していく時代。一つの出口としてオバマが大統領として就任したあの時。その時代の流れが1人のバトラーを中心に描かれていくのです。

そこには我々日本人も知っている歴史の数々も登場します。公民権運動は当然のこと、キング牧師暗殺、JFケネディ暗殺、ベトナム戦争、太平洋戦争、9.11、オバマ就任と。歴史の細部まで知っておく必要はありませんが、高校世界史のアメリカ現代史を知ってる方が確実に映画をより深く堪能できるでしょう。

主人公セシル・ゲインズが本当に素晴らしい人物。公民権運動が強まる中、黒人は当然白人への抗争を強めていきます。しかし彼は白人を憎みません。彼は仕事に従事します。彼らが良きアメリカを作ってくれることを信じて。演じたのは『ラストキング・オブ・スコットランド』でアカデミー賞を受賞したフォレスト・ウィテカー。アカデミー賞ノミネートは固いのではないでしょうか。

そして妻を演じるオプラ・ウィンフリーの貫禄たるや。オプラ・ウィンフリーはご存知の方も多いであろうアメリカの超有名司会者。有名過ぎて一つのアイコンでもあるので映画ではよく本人役で登場します。身近な作品だと『オーシャンズ13』ですね。そんな彼女が今回は役柄を演じてます。素晴らしかったです。

そしてまさかのところにマライア・キャリー登場。あのカリスマ的・セレブ的様相を廃した、言ってしまえばノーメイクのオーラ無しの人物を演じてます。事前に出てることを知ってたのでわかりましたが、これ事前情報無しだと出てることすら気付かないかも?

アメリカの歴史をなぞる形で展開される物語。各大統領が出てくるのも面白いですね。そしてニクソンてやっぱりクソですね(笑)オバマのシーンは感動しました。

今のアメリカの政治的混乱を見ていると「何やってんだかね」と改めて思いますね。私的今年のアカデミー賞作品賞は『ゼロ・グラビティ』を推しますが、今の政治的混乱の時代性を考えるとこの作品が時代に最も合っている作品かなとも思いますね。

是非アカデミー賞では健闘してほしいですし、何気に笑えるシーンも多くユーモアにも溢れてるので日本公開時にSNS等でまたお勧めしていきたいと思っています。



関連作品

リー・ダニエルズ監督作品


フォレスト・ウィテカー出演作品


オプラ・ウィンフリー出演作品


黒人関連の作品



written by shuhei


『オンリー・ゴッド』感想、レフン監督×ゴズリングの『ドライブ』コンビ再タッグだが…シュールだし何だかよくわからんぞこの映画w[ネタバレなし]



私的満足度(5つ星評価)

★★=星2=ん〜イマイチ乗れませんでした。

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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『オンリー・ゴッド』基本情報

日本公開
=2014年1月25日

公式サイト
http://onlygod-movie.com/

監督
=ニコラス・ウィンディング・レフン

出演
=ライアン・ゴズリング
=クリスティン・スコット・トーマス
=ヴィタヤ・パンスリンガム

ストーリー
訳あってアメリカを追われたジュリアン(ライアン・ゴズリング)は、いまはタイのバンコクでボクシング・クラブを経営するが、実は裏で麻薬の密売に関わっていた。ある日、兄のビリーが、若き売春婦を殺した罪で惨殺される。巨大な犯罪組織を取り仕切る兄弟の母、クリスタル(クリスティン・スコット・トーマス)もアメリカから駆け付けた。だが、復讐を果たそうとするジュリアンたちの前に、“神”を自称する謎の男・チャン(ヴィタヤ・パンスリンガム)が立ちはだかる。

予告編

感想「良い悪いを超えて「ぽかーん」となってしまいつつもレフン節は健在」

『ドライブ』の監督×主演の熱狂再びとかいう宣伝したら多分詐欺になりますね、これ(笑)
当たり前のことなんですが他の映画含めて同じ陣容だからって同じ映画作りませんし(笑)

さて、ということで『ドライブ』のあの高揚感を期待していくと痛い目に遭います。
ただニコラス・ウィンディング・レフン監督の他の作品を見たことある方ならレフン節が健在なのは感じ取れる一作ではないでしょうか。『ヴァルハラ・ライジング』とか『ブロンソン』とか。


[DVD発売済み]

最後は正直「ぽかーん」で感想なし、な状態になったわけですがこれ別に駄作なわけではなくて気づいたら終わってたという『ヴァルハラ・ライジング』の時と似た印象でした。映画は全然違うけれども。

つまり『ドライブ』の熱狂再びではなくて、『ドライブ』という映画ファンの愛された作品の後でまた好き勝手にニコラス・ウィンディング・レフン節炸裂させてみましたよ的な作品と考えれば作品の存在意義は割と腑に落ちます。

とは言っても何とも不思議な映画でありまして…。
ブログタイトルにも書いたんですがシュールなんですよ。
ゴズリングの硬派な魅力は『ドライブ』的で健在なのですが、相手のタイ人チャンが謎過ぎてですね…。

何が謎って途中途中カラオケ挟むんですよこの映画(笑)
見た目普通のタイ人のおっさん(神と呼ばれる凄い人だけどw)がマイク持って微動だにせず切ない曲を歌い上げるんです。どんな表情で映画みればいいんだかわからないよ…(笑)

でも何かニコラス・ウィンディング・レフンの演出が効いてるんだか安っぽいシーンでは決してないんですよね。使われてる曲の歌詞や製作意図など調べたら神と繋がってる気もしなくもないかなと思ったり。

暴力描写は結構きつめ。まあそれもレフン印ですね。
そしてここまで言及してませんでしたがクリスティン・スコット・トーマス良かったですね。化けてました。これも見どころでしょう。

ということで、『ドライブ』期待して行かないようにしてください。
レフン好きの方は「ぽかーん」含めて楽しめると思います。
しっかしあんな「ぽかーん」とするエンドロールは初めてだったよ…(笑)



関連作品

ニコラス・ウィンディング・レフン監督作品



ライアン・ゴズリング出演作品


written by shuhei


『それでも夜は明ける』感想、アメリカの黒歴史を痛烈に描く傑作。悲しさを打ち消すのは小さな希望[ネタバレなし]

祝!アカデミー賞作品賞受賞!


私的満足度(5つ星評価)

★★★★=星4=素晴らしい作品でした!

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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『それでも夜は明ける』基本情報

タイトル
=それでも夜は明ける

原題
=12Years a Slave

日本公開日
=2014年3月7日

監督
=スティーブ・マックイーン

出演
=キウェテル・イジョフォー
=マイケル・ファスベンダー
=ベネディクト・カンバーバッチ
=ポール・ダノ
=ポール・ジアマッティ
=ルピタ・ニョンゴ
=サラ・ポールソン
=ブラッド・ピット

ストーリー
南北戦争以前の1841年、自由の身でニューヨークに生まれた黒人ソロモンが奴隷制度が根強く残る南部ルイジアナに売り飛ばされ3か所の綿花農園で奴隷として12年間の月日を過ごすことになった実話

予告編


悲しさよりも"生きる力"が全面に

本作はソロモン・ノースアップ著作の自伝が原作となっています。つまり実話です。
南北戦争以前の1841年にソロモン自由の身でニューヨークに生まれました。黒人が奴隷として扱われる時代ですが自由の身を持つ人もいたのです。(タランティーノのジャンゴでも触れられてますね)

自由の身で博識高い音楽家のソロモンでしたがある日誘拐によって奴隷制度が根強く残る南部ルイジアナに売り飛ばされてしまいます。身分を示すものを携帯していない以上黒人である=奴隷として扱われます。増してルイジアナです。

そして彼は自由の身から奴隷へと落ち、そこで12年もの苦節を味わうことに…。その模様が描かれます。彼は基本的に綿花農園の奴隷でした。その12年がとても苦しく痛々しく描かれていきますが、そこに宿るのは生きる希望、もう一度自由の身に戻りたいという希望でありました。

スティーブ・マックイーン監督の前作『シェイム』はセックス依存症を描いており、傑作ですがトラウマ的苦痛を伴う作品でした。それ故に本作は傑作と信じつつもかなり肩に力が入った状態で挑んだのですが、辛さの中の希望を私は感じました。

黒人奴隷制度の残虐さをこれでもかと見せつける本作。増して生まれつきの奴隷ではなく自由人から奴隷へ転落という悲劇。この辺りスティーブ・マックイーン監督、本気出しまくりです。それ故にかなり痛々しく心にも突き刺さります。

『ジャンゴ 許されざる者』ではそこまで非道に描かれていなかった奴隷制。しかしそれでも奴隷ファイトなどはなかなかきつい描写でした。本作はその比ではありません。白人の態度や拷問紛いのムチ打ちなど…辛い描写が満載でした。

それをあざ笑うかのようなルイジアナの美しさが皮肉の拍車をかけます。美しい映像がここまで悲しくなる映画も珍しいです。(褒め言葉です)

しかしその絶望の中、主人公のソロモンの希望を持つことを、諦めることをしない不屈の精神が私たちに勇気を与えてくれます。決して大げさではなく、内に秘めた希望が静かに静かに私たちに伝わってきます。

ソロモンを演じたキウェテル・イジョフォーの静かなる熱演、とにかく素晴らしい。そして新進女優ルピタ・ニョンゴがこれまた光ります。この方イェール大学出身なのですね。

そして脇を固める名優陣がアンサンブル映画的にいい味を出してます。
マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチ、ポール・ジアマッティ、ポール・ダノ、クヮヴェンジャネ・ウォレス、ブラッド・ピット…。

各俳優陣の魅力を上げたら枚挙に暇がないありません。
特に凄い、いや凄まじかったのがマイケル・ファスベンダーとポール・ダノ。

マイケル・ファスベンダーといえば毎回スティーブ・マックイーン監督の映画に出てますが今回は残虐な農園主としてその力を存分に発揮しています。ポール・ダノと言えば『リトル・ミス・サンシャイン』のお兄ちゃん。あのお兄ちゃんも成長し残虐な白人に…。鬼気迫りまくりの二人でありました。

黒人奴隷という暗黒の歴史を直視したスティーブ・マックイーンの意思、そこには映像美やハンス・ジマーの音楽が映画的魅力を格段に上げ、傑作であるとしか言えないレベルに本作を押し上げます。

文句無しの大傑作だと思いました。

日本で戦争関連の映画は時として大ヒットすることがあります。『硫黄島からの手紙』など。本作はアメリカの歴史的悲劇の1つである黒人奴隷制度を描いている以上そういった類で評価される作品なのだと思います。

つまり、作品は悲劇を含むので見ていて決して楽しいものではありません。しかし"見るべき"映画であり、歴史の一部を直視する意味、意義を持ち合わせています。日本人としてこの映画を見た時とアメリカ人としてこの映画を見た時、感じるものが全く違うと思います。

よってアカデミー賞を受賞しても、日本人が同じようにこの映画を評価するとは思いません。ただドラマ性は非常に優れている完成度の作品ではありますので映画好きな方や歴史好きな方、シリアスな映画が好きな方は必見の1本かなとも思います。

良い映画を早い段階で見れて良かったです。おしまい。


関連作品

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written by shuhei