『バットマン・ビギンズ』冒頭30分で描かれたバットマンの定義をしっかりと押さえてみる【ダークナイト・シリーズ徹底解説コラム Vol.9】

2013/07/07

09:『ダークナイト』シリーズコラム

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今回は3作通してとても重要なバットマンの存在定義をまとめたいと思います。

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(1)冒頭30分で描かれたバットマンの定義

『バットマンビギンズ』をご覧になられた方は、復習になりますので「そうだったなぁ」と思って頂けると幸いです。

まだ『バットマンビギンズ』をご覧になられていない方は今後の参考になれば幸いです。

『バットマンビギンズ』の冒頭30分を何度も見ると、クリストファー・ノーラン監督のバットマンの世界観をかなり楽しめるようになると思います。

クリストファー・ノーラン監督はこの『バットマンビギンズ』を製作する前は、一言で言えば頭の使う非大衆向け映画の名匠でしたので、今作のようなエンターテイメント作品を製作するにあたって普通には作らないだろうという期待がありました。まぁ期待通りでしたがw

3作品通しての徹底的な世界観はもちろんですが、この冒頭30分、深い人間ドラマを時間軸を入れ替えながら展開していきます。

映画の冒頭少年時代のブルースが井戸に落ちたと思ったらいきなり15年以上経過したであろう時期の刑務所から始まるんですよね。主人公のブルースウェインが捕まっています。でもなぜ捕まってるかわからない。

しかもアジアのどっか果ての刑務所。そこで謎の人物ヘンリードュッカートの助けを得てヒマラヤへと導かれます。この謎の展開が冒頭です。しかしその少年時代と刑務所服役の理由、ヒマラヤへのエピソードが徐々に接近していきます。

そして紆余曲折あった後ゴッサムへと戻ることとなったブルース。
このゴッサムへと戻る前まででバットマンの定義は一通り成されたことになります。

(2)時系列を整理

1:少年時代のブルースは井戸に落ちてコウモリに襲われトラウマとなります。

2:井戸へ落ちたブルースを助けたのは父親です。父親はブルースにある言葉を伝えます。「ブルース、なぜ人は落ちるのか?這い上がるためだ。」この言葉は執事のアルフレッドのいる場面で発せられたため、映画のクライマックスでバットマンがピンチになった際にアルフレッドが今度はブルースに、「人はなぜ落ちるのですか?這い上がる為です。見放しません。決して。」と言います。後半の「見放しません、決して。」、英語ではNeverの一言。冒頭30分の中に同じやりとりがあり、父親とのこのシーンとリンクすると泣いてしまう感動的なシーンの伏線となっています。

3:回復したブルースは両親とゴッサムの街へオペラを見に行きます。この時使った移動手段はモノレール。ブルースの父親はゴッサムシティー大企業ウェインカンパニーの会長でした。不景気で腐敗の進む街を救いたいということで安価な移動手段のモノレールを作ったのです。

4:オペラを鑑賞している際にコウモリを連想させるシーンが登場します。ここでブルースはコウモリに襲われたことを思い出し絶えられなくなり、オペラを出るように父親にお願いをします。母親も連れて3人でオペラを後にするも、オペラの会場を出た所で強盗に襲われてしまいます。結果的に父親も母親もブルースの目の前で射殺されてしまう悲劇が起きます。貧困層のために力を尽くしてきた父親が貧困層に撃たれて亡くなるといういたたまれないシーンなのです。

5:警察に一旦保護されたブルース。ここで落胆するブルースをなだめたのがゴードン警部、ここで初登場です。子供心にこの警官は腐敗する街の中でもきっとまっとうな警官なんだろうとブルースは思ったのでしょう。それが映画の後半、そして「ダークナイト」でゴードンと手を組むきっかけになっているはずです。

6:時は経ち、大学生となったブルース。日本語字幕では消されていますがプリンストン大学の中退が最終学歴になります。大学のあるプリンストンからゴッサムへとブルースは戻ってきますがブルースが戻ってきた理由は両親を殺したチルの公聴会に出席するため。アルフレッドも幼なじみのレイチェルもブルースに公聴会に出ないように説得するも、ブルースは両親のためにと出席をすることにします。ここでブルースはぐだぐだ文句を言うがアルフレッドは見放しません。ブルースの「見放さないのか。」に対してたった一言「Never(決して)」で反応。このアルフレッドのブルースを絶対に守る、両親から託された大切なブルースに最後まで仕えるという意思がバットマンが存在し続けられる理由ともなってきます。

7:ブルースが公聴会へ出席する本当の理由はチルを自らの手で殺すためでした。銃を装備し公聴会へ出席したブルース。撃ち殺そうとチルへ近づいていくも、何と他の人がチルを射殺してしまいました。ブルースはどこかすっきりしたようでした。死に際を見届け、レイチェルと車で公聴会を後にするブルース。ここでブルースは正義が下されたというも、レイチェルは反論します。「正義は秩序のため。復讐は自己満足のため。」この台詞もバットマンの定義に深く関わる台詞です。なぜならこの後バットマンになったのは街の平和のためだからです。秩序のために正義を行い、復讐決してしない。だからバットマンは絶対に人を殺さないのです。

8:街のマフィアのボス、ファルコー二に会うことにしたブルース。マフィアのボスにはどんなことを言っても通用しません。「お前はあくまでもブルースぼっちゃまだ。」と御曹司であることを馬鹿にされ殴られて見せを叩き出されたブルース。ここでブルースは決意します。今あるしがらみを脱却し、何にも縛られない自分として人生を切り開きたいと。そこで彼は世界を旅することにします。

9:ブルースの決意は固いもので、決して優雅な旅行などしませんでした。盗みをする身まで自らを落としたのです。そんな中盗みを警察にバレてしまい逮捕されます。そしてチベットの刑務所へ服役することに。ここで映画の冒頭の刑務所のシーンに繋がるわけです。

10:謎の男ヘンリードュッカートの力によってブルースは釈放されました。ヒマラヤの山奥にあるヘンリードュッカートのボス、ラーズ・アル・グールへ謁見するためにブルースは山奥を目指します。

11:ラーズ・アル・グールのアジトへ到着したブルースは、恐怖(コウモリのトラウマなど)を克服し、鍛え上げられる訓練を受けることに。ここで肉体的な強さを得るのです。

12:しかし肉体的な強さだけでなく、ここで彼が得たものは精神的な強さでした。ドュッカートはブルースに様々な言葉をかけます。「忍術は爆薬を使う。目眩ましだ。演出とトリックで敵には只者でないと映る。」これはその後バットマンそのものになります。「鍛錬は重要ではない、大切なのは意思だ。戦う意思だ。」
「ダークナイト」であり得ない狂気ジョーカーへ立ち向かう場との意思はこれに基づき、次回作「ダークナイト・ライジング」でベインに屈しないその精神もここに基づくことになるのでしょう。
「私には愛する妻がいた。しかし彼女が殺されて私は学んだ悪は倒さなければならないと。怒りは原動力となるしかし身の破滅にもなりかねない。大切なのは復讐だ。」
ここでブルースはレイチェルの言葉を思い出し、ドュッカートの全てが正しいとは思わなくなります。レイチェルの言葉とは「正義は秩序のため、復讐は自己満足のため」です。

13:訓練の最後に彼は処刑をすることを言い渡されます。盗みを働いた農民の処刑です。しかし彼は拒否します。このエピソードは「バットマンビギンズ」「ダークナイト」通して、バットマンが自らの手で絶対に人を殺さない哲学の根底になっています。

14:処刑を拒否し、ラーズ・アル・グール、ヘンリードュッカートと別れたブルースは、ゴッサムへと戻ることに。ゴッサムへ戻り、犯罪のない街を作りたいと彼はアルフレッドに言います。自らできることは何か、それを探す彼の旅がここからまた始まっていくのです。


ここまでが冒頭役30分の話です。


凄まじいドラマ性でストーリーとしても大好きな部分です。このシーンは言葉よりもやはり映像で観てほしいので、気になった方是非観てくださいね。

どうして彼がバットマンになったのか。
『ダークナイト』で瀬戸際まで追い込まれても、『ダークナイト・ライジング』で死にかけても"這い上がった"のは、全てこの過去のエピソードによるものなのです。

そこからの『バットマンビギンズ」』の後半1時間半は失礼ですが『ダークナイト』『ダークナイト・ライジング』を作るための1時間半です。もし冒頭の30分が存在しなかったら悪役がはっきりしない陳腐なヒーローものになってしまう危険性すらあります。

つまり、良くも悪くもこの1時間半だけ見ると割りとヒーロー映画の典型的な形の収まっているのです。もちろん冒頭30分が効いているのでそんなことないんですけどね。最初の30分を「バットマン出ないしつまらない」とぼーっと見てしまっていた方は後半もあまりよろしくは映らないでしょう。

なぜなら存在定義が明確でないため敵を殺さなかったり人間として弱さを見せるバットマンに満足が得られないためです。全ては冒頭30分あってこそなのです。是非しっかりチェックしてみてくださいね。

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(3)『ダークナイト』3部作を見る!

『ダークナイト』3部作は、Netflixをはじめとした動画配信サービスで閲覧できる時もあります。「時もある」というのは、動画配信サービスでは常に配信作品が入れ替わるためです。2020年1月27日現在は、Amazon Primeビデオでの有料レンタル等有償に限られているようです。変わったのを確認次第、案内文も書き換えます。

『バットマン・ビギンズ』


『ダークナイト』


『ダークナイト・ライジング』


(4)徹底解説コラムもくじ(全24記事)

























(5)付録:オススメの動画配信サービス

※この章は、映画紹介の各記事共通の項目です。2020年1月現在の情報になります。

時代は移りゆくもので、映画館での公開が終わった作品の視聴はBru-Ray/DVDと併せて、動画配信サービスで視聴される方が増えてきました。

私自身は、普段映画メディアの編集長をしている関係で映画に触れる機会が多めですが、その中において現在契約している動画配信サービスを「正直なお気に入り順で」紹介してまいります。

ただし、下位のものも契約している時点で支持をしているものです。それぞれに特性があり、私の好みやライフスタイルから以下の順番で重宝をしております。

オススメ1:Hulu



私は映画が大好きですが、普段民放テレビ局で最も視聴しているのは日本テレビです。テレビドラマに限らず、「Another SkyⅡ」も毎週楽しみにしており、ふと見返すことも多いです。よって、映画外の好みのコンテンツの側面からHuluを最も重宝しています。
日本テレビ系のドラマや各テレビ番組、「名探偵コナン」などを好きな方にはオススメのサービスです。映画のラインナップは日々変動しますが、他社に比べて劣ってると感じる事は少ないです。
金額:933円(税別) ※無料トライアル期間が2週間あり

オススメ2:Netflix



映画切り口でいくと、やはりNetFlixが現時点では王者の風格だなと個人的には思います。「さて、今日は何の映画を見ようか」と思ったら、とりあえずNetFlixを開きます。

併せて、日米それぞれオリジナル作品も多いです。「アイリッシュマン」「ROMA/ローマ」「全裸監督」などなど。今最も目の離せないサービスと言っても過言ではありません。なお、スタジオジブリの配信権獲得が発表されましたが、これには日米は含まれていません。日本で始まるとするならば、日本テレビ資本の入っているHuluの可能性が高いと勝手に思っています。

金額:3種類あり(ベーシック:800円/スタンダード:1200円/プレミアム:1800円 各々税別)
※無料トライアル期間が1ヶ月あり

オススメ3:Disney Delexue



名前の通り、ディズニー作品を楽しむことができるサブスクリプション動画配信サービスです。時によって見れる作品は異なりますが、ディズニー作品のアニメ・実写。ピクサー作品、スター・ウォーズ、マーベル作品と、ディズニー系列の作品の多くを見ることができます。

常に誰もが知っている作品が配信されており、安心して一度見た映画を鑑賞したいときにはこれで間違いありません。なお、2020年1月現在、ディズニーによって買収された20世紀フォックスの作品はまだ配信されておりません。今後されるとは思いますが。

金額:770円(税込)
※無料トライアル期間が1ヶ月あり

オススメ4:Amazon Primeビデオ


NetFlixと並んで知名度が高いのはこれでしょう。映画やドラマといった映像作品を鑑賞するためのサービスではなく、「Amazon Prime会員」向けサービスの中の一つとして、映画やドラマも見れるよという触れ込みなのが他と異なります。

年間契約での割引が用意されていますが、月額支払いでもたったの500円という破格の仕様。しかもAmazonの他のあらゆるサービスもそれで使えるわけです。普段Amazonを使う方なら「とりあえず入っとけ」サービスでもあります。

金額:500円(税込)
※年会費だと4900円
※無料トライアル期間が1ヶ月あり


オススメ5:Paravi



Huluと同様で、特定のテレビ番組をリピートしたい方向けなのはParaviです。こちらはTBS系列およびテレビ東京系列の番組を楽しむことができます。質の高いドラマの多いTBS系列ドラマを見たい方は入るべきサービスと言えるでしょう。

私自身もそのTBSドラマと、テレビ東京系列のビジネス番組の鑑賞目的、よって映画向けには使ってないです。テレビ東京のビジネス番組は質が高いので、教養目的と考えると日々の出費も投資考えることができて心に優しいです。

金額:925円(税込)
※無料トライアル期間が1ヶ月あり

オススメ6:U-Next



U-Nextは異色です。定額料金で各作品を鑑賞できると同時に、新作を有料で販売、レンタルもしています。言うならば、サブスクリプション系サービスとiTunes等販売・レンタル系サービスのハイブリッドと言えるでしょう。

と聞くと、割が悪いようにも思ってしまいますが、ポイントも貯まっていくので、そのポイントで新作をいち早くレンタルして自宅で鑑賞することができます。どうしてもサブスクリプション系サービスでの配信は少し時差が出てしまうので、ここまで紹介してきた各サービスをうまくサポートする役割として利用をしています。

金額:1990円(税込)
※無料トライアル期間が1ヶ月あり


以上が、2020年1月現在私が契約しているサブスクリプション系サービスです。仕事柄多めです。これら全てを契約することはオススメしません。それぞれ特性があるので、何を目的にするか、頻度はどれくらいかをみなさん自身でお考えの上で選択してみてください。

また、ここにはないサービスもたくさんあります。その旨も理解の上で参考になれば幸いです。

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