5月 2013 - Cinema A La Carte

神話のごとく語られる禁酒法時代の泥沼劇『欲望のバージニア』、俳優陣の演技が光る【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]


基本情報
監督
=ジョン・ヒルコート

出演
=シャイア・ラブーフ
=トム・ハーディ
=ジェイソン・クラーク
=ジェシカ・チャステイン
=ミア・ワシコウスカ
=デイン・デハーン
=ガイ・ピアース
=ゲイリー・オールドマン

ストーリー
1931年、バージニア州。密造酒ビジネスで名を馳せたボンディランド3兄弟の次男フォレストは、シカゴから来た女性マギーに心を奪われ、三男ジャックは牧師の娘バーサに恋をしたことから、兄弟の力関係に変化が起こり始める。一方、新しく着任した特別補佐官レイクスは高額の賄賂を要求するが、兄弟はこれを拒否。するとレイクスは、脅迫や暴力によって兄弟の愛する女性や仲間たちに危害を加えていく。

予告編


神話のごとく
禁酒法時代のバージニア州。絵に描いたようにそれぞれ個性的な三兄弟が行う密造ビジネス。腐敗した権力に蔓延る役人は悪徳そのものでその利権を自ら欲しいままにしようとする。同時にそのビジネスに切り込もうとするギャングと三つ巴に。

兄弟は「絶対に屈しない」という漫画的な迷信を信じどこまでも抵抗をする。血が流れようと死人が出ようとも。そこの絡む友人と二人の女。何とも絵に描いたような漫画的な設定にも思えますがこれが笑いなく本格的な神話のごとく語られる映画が『欲望のバージニア』です。

『華麗なるギャツビー』『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェイソン・クラークが長男。
『ダークナイト・ライジング』『インセプション』のトム・ハーディが次男。
『トランスフォーマー』シリーズのシャイア・ラブーフが三男。

それぞれ個性的な兄弟と『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』のデイン・デハーン演じる友人の酒の密造ビジネスが物語の中心となります。禁酒法の時代の片田舎バージニアという設定に悪徳役人よギャングですよ。

しかも役人がガイ・ピアースでギャングのボスがゲイリー・オールドマン!
二人の美しい女にジェシカ・チャステインとミア・ワシコウスカ!

これでもかと絵的な魅力が溢れており、物語的な重さもあり"どこをどう転んだらつまらなくなる?"と好材料しかない時点で本作は見る前から安心の一作なわけです。

結論としてはタイトルの通り神話のごとく楽しめました。
重苦しい物語でありながら、どこかありえない不屈の物語が大いに魅力的であり、
俳優陣の熱演が光っていました。

そしてラストは爽快に幕を閉じる。
R15指定で非常に暴力的でありますが、それは当時を描く上で必要なものとして描かれます。あれだけ刺されても不屈の精神で立ち上がるトム・ハーディが特に素晴らしい。

娯楽要素は少ないながら"本格的な時代物映画"という言葉がビシっと似合う映画だなと思いました。素晴らしかったです。

暴力描写はとにかく血を持って描かれるので苦手な方はこの時点でこの映画はNGといったところでしょう。しかしそれには必要性も感じます。それくらい暴力も物語の重要な役割を持っています。

抗争はエスカレートしていきバイオレンス描写も満載な展開の連続。非常に見応えがあります。そこからの平穏な空位漂うクライマックス。これはおとぎ話のごとく平和な空気感。しかし呆気無い物語のラストが用意されています。

その呆気無さに批判もあるのでしょうが、この呆気なさこそこの映画に爽快感を与えてくれたと私は思います。

あんなに刺されてもを撃たれても死なない男があんなに呆気無く…
世は非情ですな。しかし素晴らしい作品。

しかしこの映画に私は大きな不満もあります。
それは「もっと見せろ!」ということです(笑)
ゲイリー・オールドマン演じるギャングのボスが脇役すぎるんじゃ!!
もっと見せてよ!あと1時間くらい見せてよ!というかスピンオフやれよ!!(笑)

と半分ネタですが、魅力的故にこういった不満もあるわけです。

あと映画好きの間で人気急上昇中のデイン・デハーンね。
彼は本当に魅力的な俳優です。
童顔ですが27歳で既婚というギャップ。てか私と同い年(どうでもいい)

ディカプリオの再来とも言われハリウッドで活躍の幅も広がっており、今後日本でもファンが増えたらいいなと思います。

というように大きな不満はなく、魅力的だからもっと見せろ!的な作品でありました。
見る人を選ぶ映画ではありますが、禁酒法時代の物語やリアルな暴力的な描写など好きな方は是非ご覧になってほしいと思います。


関連作品
シャイア・ラブーフ出演作品


トム・ハーディ出演作品


ジェシカ・チャステイン出演作品




バズ・ラーマン節炸裂!『華麗なるギャツビー』| 華麗なる演出・映像・衣装・音楽が織りなす切なく悲しいラブストーリー【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]



バズ・ラーマン節炸裂の素晴らしき映画体験!
試写会にて一足先に鑑賞してきました。

『ロミオ+ジュリエット』『ムーラン・ルージュ』のド派手演出で知られるバズラーマン監督の魅力が炸裂しておりました!F・スコット・フィッツジェラルド原作の映画化としてもこのスタイリッシュテイストはベストなのではないかと思うほど見事な映画でありました。

どこまでもスタイリッシュな映像と音楽と衣装、どこまでも切なく悲しく痛く儚いストーリーと演技。

少しばかり不安視してたバズ・ラーマンのやり過ぎ演出も大丈夫でした。『ムーランルージュ』以上に計算されて抑制効いてスタイリッシュなものになってて何度も息を飲みました。

悲恋モノであり、原作同様後半がごたごたするので後味スッキリせずそこは賛否割れるでしょう。これは原作に紐付けられるもの。しかしバズ・ラーマン演出に関してはもう心から拍手を送りたいと思います。ホント見事でありました!

ド派手演出を繰り広げながらも抑制を効かせた演出が垣間見られ、それにより物語にも奥深さが生まれ、主人公ギャツビーや語り手のニックの苦悩という内面もしっかりと炙りだされており見事なものでありました。


ディカプリオが実に『タイタニック』以来のラブストーリー主演。ベテラン俳優としてキャリアを積んできたディカプリオですが、本作ではどこまでもピュアで切なく痛い好青年となっていました。好青年という表現は変か?とにかくはまり役でありました。

トビー・マグワイアの抑制の効いて脇に回る演技。
キャリー・マリガンの揺れ動く気持ちの見事な表現。
ジョエル・エドガートンの横暴だけれど心情も垣間見られる巧みな演技。

これらキャストの熱演も映画をとても魅力的なものに仕上げていました。

決して幸せな気分になる映画ではありませんし、バズ・ラーマン監督映画である以上賛否割れるのは当然のことでしょう。しかし私はこの映画に惜しみない拍手を送りたいと思います。ホント素晴らしい作品でありました!

2Dでも問題ない演出ですが、3Dでこそ味が出るのがバズ・ラーマン映画でしょう。パーティーシーンは特に!今回の試写会は2Dだったので公開されたら3Dで観たいなと思ってます。

ということでより細かな魅力や演出に関する解説、本作(原作)がなぜアメリカ人の心を掴むのかなどをここからは書いていきたいと思います。



バズ・ラーマン映画でしか成し得ない映画
アメリカ文学の最高傑作とも言われるF・スコット・フィッツジェラルドの『華麗なるギャツビー』の再映画化となった本作。しかし私からすれば再映画化として過去作と比べることや原作と比べることなど最初からするつもりはありませんでした。

なぜなら本作の監督はバズ・ラーマンだからです!

オーストラリア出身の監督さんで、ディカプリオの出世作『ロミオ+ジュリエット』や、ユアン・マクレガー×ニコール・キッドマン主演でアカデミー賞にもノミネートされた『ムーランルージュ』でご存知の方も多いでしょう。

この2作どちらか観たことある方ならこの監督の持ち味と言いますか特徴はわかるでしょう。そう"ド派手演出"です(笑)

特に『ムーランルージュ』はどうやったらそんな色彩表現、映像表現できるんだという程計算された先にあるカオス映像が中毒性を生み、そして一部で拒絶反応を生んだ映画でもありました。私は大好きな大好きな映画であります。

その後撮った『オーストラリア』に関しては語りたくありません。あれは評価も興行もコケた映画でして・・・いいです語りません、私は触れません(笑)

そんなバズ・ラーマン監督による『華麗なるギャツビー』ですから公開前から"華麗なる映画"になることが予想されました。それは楽しみでもありやり過ぎないかという不安も持つものでありました。

しかし最初に書いたように今回はド派手な部分は今までにないくらいド派手でありながら、抑制の効いた部分はしっとりと切なく演出されており見事なバランスな映画となっていました。

『ムーランルージュ』と『華麗なるギャツビー』のオープニングの温度差がそれを象徴します。『ムーランルージュ』は配給会社が最初に出るクレジットからド派手にスタート。『華麗なるギャツビー』は1920年代に作られた映画であるかのような質素で粗い映像から始まります。しかもとても静かな音楽で。お見事でありますホント。

そして主人公のディカプリオがまあなかなか出ない。最初30分はトビー・マグワイア主演と言っても過言ではないほどです。いや、まあ彼の視点の物語ですから原作通りではありますが。

しかしその30分も華麗なる映像が徐々にヒートアップしていき私たちはわくわくしながらその映像を堪能するわけです。そしてギャツビー邸でのパーティーシーン、映画の演出テンションが最高潮を迎えたところでディカプリオ演じるギャツビーが登場!

しかもその登場シーンが笑ってしまうくらい豪華で計算されたものに!
これ笑うところだと思ったのですが静かだったので笑い堪えました(笑)
いやいや、あれは笑いましょうよいい意味で(笑)あんなド派手な主人公登場シーンありますかね?(笑)

さて話を戻しましょう。
そしてそこからも映画中盤まで豪華でスタイリッシュな映像が物語を牽引していきます。
バズ・ラーマンでしかできない演出が炸裂するのです。

細かくこれ以上書くと1万字超えそうだと今気づいたのでブレーキかけます(笑)
何を言いたいかといいますと、バズ・ラーマンという監督が作った映画として観るべきなのです。

それを意識しないと色んな批判が出ると思うのです。
「派手すぎる」「音楽が現代風」「衣装が時代に即してない」「うるさい」「演出かかりすぎてる」「原作に即してない」などなど。
それらは意味を成しません。なぜならバズ・ラーマンの映画だからです。

『ロミオ+ジュリエット』でも『ムーランルージュ』でもそうでした。
この監督の映画は楽しんだもの勝ちなのです。
楽しみましょうよ、その華麗なる映像を!


華麗なる予算(笑)、華麗なるセット、華麗なる装飾品、華麗なる衣装
本作はとにかく豪華絢爛!!
どれだけ凄いかを数字で見ていきましょう。

製作費が1億2700万ドル。
1ドル100円換算で127億円。
ラブストーリーですからねこれ。あり得ない高額です(笑)

スワロフスキーから提供されたクリスタルの数は28万8000個。
そのクリスタルを手作業で繋ぐのにかかった時間は250時間。
シャンデリアフレームにかけるのにかかった時間は100時間。

ソルティスから購入した高級レースの合計の長さは1400メートル。

ティファニーのアクセサリーは150点。

ミウッチャ・プラダのデザインドレス40着。

ブルックス・ブラザーズのメンズアイテムは2291点。

フォーガルから提供されたストッキングとガーター・ベルトは1080点。

エキストラ1000人規模。
スタッフ約1200人。
メイクアップ担当70人超え。

そして数字関係ないですが、
映画内で飲んでるシャンパンは水ではなく本物!
しかもモエ・エ・シャンドンの高級シャンパン!

もう一度言います。
この映画はラブストーリーです(笑)
SG大作でもアクション映画でもありません(笑)

それらをかけただけあって映像が演出によるものだけでなく本物の輝きを持っているのです。うっとりであります。

原作の特性上前半にそれらは偏っているのですがホントこれお見事です。
人生の崩壊劇を辿る後半は前半に比べ映像的には地味になります。
しかし前半でこれらとんでもない豪華絢爛なものを見せてくれるからこそ後半の空虚さが増すのです。

演出やストーリー、そして俳優陣の演技以外のこれら衣装やアクセサリー、セットの輝きが本作の大きな魅力ではあります。ストーリーに苦言を呈しているレビューでもここは認めてるものが多いですね。認めるしか無いですよ、だって本物なのですから(笑)


豪華アーティスト集結の音楽、2曲を事前に押さえてより堪能しましょう
JAY・Z
ビヨンセ
ウィル・アイ・アム
Florence+The Machine
ラナ・デル・レイ
ファーギー
The xx
エミリー・サンデー
ゴティエ
ジャック・ホワイト
シーア
Nero

とんでもない豪華アーティストの楽曲が集結している本作。
本作のために書き下ろされた楽曲も多いです。

私は映画を観る前これら音楽が順番に出てくるものかと思ってましたがいい意味で期待を裏切られました。各所でこれらアーティストの楽曲が映画を彩るわけですが、
2曲が中心にその他は脇役に回っていたのです。

1曲目はラナ・デル・レイの"Young and Beautiful"


2曲目THE xxの"Together"です。


この2曲は映画内で繰り返しかかるだけでなくバックミュージックとして旋律だけがかかるシーンもありました。これって映画を堪能する上で実はとても重要なものなのです。

なぜならこの2曲の歌詞は映画のストーリーとリンクしているからです。
つまり"Young and Beautiful"のメロディーが流れていたらその切ない歌詞が歌われて無くてもそれを暗示しているのです。"Together"もまた然り。

なのでこの2曲、是非予習してから映画を堪能してほしいです。

特に重要な"Young and Beautiful"は私独自の訳詞を掲載してます。
こちら
この曲はギャツビーが幸せの絶頂の時にかかります。

一生幸せでいようねとデイジーに語りかけているかのように・・・
それを心で願っているかのように・・・
それは痛い幻想でありながらもとても切ないのです。

"Young and Beautiful"を鑑賞前から聴き倒していた私はここでボロ泣きしてしまいました。それくらい楽曲を知っていると映画を深く堪能できるのです。是非この2曲、メロディーだけでも予習してから映画をご堪能ください。


ギャツビーはアメリカ人の象徴、『ソーシャル・ネットワーク』の元もここ
『華麗なるギャツビー』の主人公であるギャツビーはアメリカ人そのものを表しているとの言われています。

アメリカは移民の国です。日本のように何千年も歴史のある国ではないのです。
つまり上流階級そのものは実際は存在しないのです。
短い歴史の中で人々はのし上がっていきあの大国を作り上げていったのです。

だからこそ映画の中で名家云々とか言ってるその外の構造はアメリカそのものを象徴しているのです。ギャツビーは両親が金持ちではないのにのし上がってきた男と非難をされます。しかしそれはアメリカ人そのものでもあるのです。

この構造こそ原作『華麗なるギャツビー』の魅力でもあるわけです。

そして後半の人生崩壊劇は紛れもなく世界恐慌の象徴。
その後アメリカは詠歌盛衰を繰り返すわけですが、それは『華麗なるギャツビー』のストーリーを何度も何度も繰り返しているようなものなのです。

ここに気づくかどうかで本作の魅力、理解が何倍にも変わってくるのです。
サクッとここに書いたわけなので是非それを意識して映画を見てほしいです。
一人の男の物語であると同時にアメリカという国の物語でもあるのです。


また、『市民ケーン』という名作映画がありますが、この映画の主人公はウィリアム・ランドルフ・ハーストという実在の人物が元になっています。

惚れた女を振り向かせようとと汚い手を使ってでもお金持ちにのし上がっていく部分がウィリアム・ランドルフ・ハーストの実際の人生においてあった事なのです。これは言うまでもなく今回の『華麗なるギャツビー』の主人公ギャツビーとも被るわけです。

映画評論家の町山智浩さんが、映画『ソーシャル・ネットワーク』の解説の際に『市民ケーン』を元にしていると仰っていました。惚れた女を振り向かせようという部分です。あれ実際のfacebookの設立意義ではなく『市民ケーン』に着想を得たフィクション部分なのです。

つまり『華麗なるギャツビー』も『市民ケーン』も『ソーシャル・ネットワーク』も主人公の行動原理は"惚れた女のためにのし上がる"なのです。しかも『ソーシャル・ネットワーク』に関しては主人公マーク・ザッカーバーグだけでなく、後半登場するショーン・パーカーがナップスターを設立した理由もこれと同じことを言っていて二重構造になっています。

何て面白いのでしょうか!!

"女"を"欲望"に変えてみましょう。
"欲望"のためにのし上がるも"欲望"により死せり。
今の時代でもよくあることですよね。

『華麗なるギャツビー』は決して対岸の火事的な物語ではないのです。
私たちの延長線にある物語なのです。
これに気づくともう『華麗なるギャツビー』の虜になり、
かつ『市民ケーン』や『ソーシャル・ネットワーク』すらもセットで考えてしまうわけです。

世界観が無限に広がっていくのです。
そして映画に取り憑かれるのです。
しかも今回の『華麗なるギャツビー』は豪華絢爛でスタイリッシュ。

もう取り憑かれるしか無いのです。

どんな小説も物語も、いや、人間だって何だって、深く知ることで表面ではわからなかった魅力に気づくのです。表面を好き勝手解釈して嫌うことや批判をすることなんて簡単なんです。魅力を探求することがどれだけ素晴らしいことか。そんなことをこの映画を通して改めて痛感しました。

一本の映画としてもバズ・ラーマン監督らしさの魅力に溢れいくらでも深く堪能できます。『華麗なるギャツビー』『市民ケーン』『ソーシャル・ネットワーク』が示すアメリカの象徴という概念で考えると無限に世界が広がります。

哀れな男の物語として恋愛を深く考えることもできます。

それこそが映画の魅力そのものであり、人生の魅力でもあるのです。
素晴らしい映画でした。もう何度か劇場通いたいと思います。

おしまい。



基本情報
日本語タイトル
『華麗なるギャツビー』

原題
"THE GREAT GATSBY"

監督
バズ・ラーマン

出演
レオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイア、キャリー・マリガン、ジョエル・エドガートン

公式サイト
http://www.gatsbymovie.jp/

ストーリー
ニック(トビー・マグワイア)が暮らす家の隣に建つ、ぜいを凝らした宮殿のような豪邸。ニックは、そこで毎晩のように盛大なパーティーを開く若き大富豪ジェイ・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)と言葉を交わす仲になる。どこからやって来たのか、いかにしてばく大な富を得たのか、なぜパーティーを開催し続けるのか、日を追うごとに彼への疑問を大きく膨らませていくニック。やがて、名家の出身ながらも身寄りがないこと、戦争でさまざまな勲章を受けたことなどを明かされるが、ニックはこの話に疑念を持つ。(シネマトゥデイより)

予告編



DVD/Blu-ray、あと本


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「カンフーには縦か横しかない」圧巻の映像美が放つパワー『グランドマスター』【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]



感想
息を呑むほどの映像美、トニー・レオン演じるイップマンの静かなる情熱、チャン・ツィイーの見事なカンフーと美しさ、格言的な台詞の数々。本作において魅力を放っているものは数多くあり、もう一度劇場で見たいと思った作品です。


実際に中国武術に嗜む方が武術のシーンを褒めていらしてました。
これトニー・レオンらは4年ほど実際に習ったようなのです。
なのでこの辺りは小手先ではない本格的なものが映画で見ることができるのです。

トニー・レオンの良さは当然のこととして、チャン・ツィイー演じるルオメイの存在感たるや・・・武術シーンのチャン・ツィイーのキレの良さたるや・・・美しさたるや・・・チャン・ツィイーを観るだけでもこの映画には価値があります。麗しく切なく美しく・・・もっと美しさを表す日本語表現が必要なほどです。お見事でした。

そして幻想的に描かれる雨の中でも格闘シーン。
スローモーションを多用し雨のしぶきを芸術的に描き、静かなる格闘を描き出していく様、息を呑む美しさでありました。特にオープニングと終盤のルオメイの駅での武術アクションはこの映画の中でもとりわけ素晴らしいシーンであったと思います。

その他音楽の良さ、エンディングで不意を打つブルース・リーの名言提示など、加点方式で映画を評価していけばこれでもかこれでもかと美しさを中心に評価ができる映画なのです。





絶対評価をすると素晴らしい作品、相対評価をすると難あり作品(笑)
美しさ底なしの本作。絶対評価では底なしの評価となります。

しかーし!(笑)

本作とても評価が悪いです。

Yahoo映画のサイトでは5点満点で平均2.8という平均の3を下回り言ってしまえば駄作に分類される位置に落ち着いてしまっています。

これまず想定していたものと全く異なる映画が提示されてるのが要因ではないかと。
私もそうでしたが、詠春拳、形意拳、八卦掌、八極拳のマスターたちの頂点を極める対決だと思っていたのです。全く違いました(笑)

それらしいスタートをするのですが決して対決を全面に押し出すこと無く、時代の波(戦争等)に流され、それでも各派の伝統を忘れてはならないという意思を持って生きていく様が主人公イップマンを中心に描かれていくのです。

レビュー見てると私だけでなく多くの方が頂上決戦映画だと思っていたようなのでこれ宣伝ミスではないですかね?良い意味で少し異なるテイストで宣伝する手法はありますが、この評価を見てる限り完全に宣伝ミスの方向に働いてしまってると思うのです。

脚本という脚本が用意されていなかったようでエピソードを積み重ね、それを編集することでストーリーを作り上げていったものと思われます。よって所々ストーリーがわからなくなったり、今何をしてるんだろうと疑問に思い置いてけぼりになる部分がありました。

私中国武術に関して知識皆無のためこれは私の知識不足なんだなと思ってましたが、ストーリーへの苦言が多いので・・・そういうことなのかもしれません(笑)

繰り返している通り映像美を中心とした芸術面では大絶賛したい部分が多いのですが、ストーリーが理解できてない部分が出てしまっており、そういった意味でこの作品を超大絶賛している方ほどまだ理解が及んでないのかなと思いました。

超大絶賛してる方が多いのも事実なので「わからない=つまらない」の構図から抜け出し、本作が放つまだ気づかぬ魅力に気づくまでもう少し勉強して再鑑賞に挑みたいと思ってる次第です。

ストーリーに難ありなので相対評価では私の評価も低くなりますが、それでも圧倒的な映像美だけでも観る価値ありの作品だと私は思っています。

あ、あと日本軍の使い方は都合よくやられてますが・・・まあいつものことなのでこれは感情的にならずにスルーするくらいで良いかと思います(笑)


トニー・レオン抜擢の理由/チャン・ツィイーの役者魂
トニー・レオンは中国武術の経験が一切無かったようです。
「彼の役は、顔つきや所作で、民族の精神を表現しなければならない。普通のアクションスターには無理だろう。彼ならその資質があると思った」。
そのようにウォン・カーウァイ監督がインタビューで答えています。

この映画のために実際4年間も修業をさせたようです。

「映画用の振り付けではなく、本当に学んでもらった。八極拳の伝承者を演じるチャン・チェンは、実際の八極拳の大会で優勝したほどだ」

何という役者魂・・・素晴らしいです。
そう考えると冒頭書いたようにこの映画の武術シーンは大いに楽しむべきですね。
ストーリーがもう少し万人に受けられるように整備されていれば・・・うむ・・・残念w

「カーウァイ監督作品だから脚本があるわけじゃないし、どんなキャラクターになるか、どんな性格をしているのか、最初は全然わからないところがおもしろいの。監督にも、私にも、他のみんなにもそれはミステリー。完成した映画を見て『ああ、3年かけてこういうキャラクターを演じたんだな』ってわかるの」

そうインタビューで答えたのはチャン・ツィイーです。

「とにかくたくさんテークを重ねて、いろいろ演じてみているの。その中から最終的にどれを選ぶかは監督が決めること。まるで演技学校に戻るようなすばらしい機会よ。笑っている日があれば、泣いている日もある。そういったプロセスを通して成長できる。いろいろなことにトライしていると、知らなかった自分の演技の幅がどんどん広くなって、ああ、こんなこともできるんだと思えるの」と続けました。

脚本がちゃんとないことはいくらでも批判できることかもしれませんが、これを把握してチャレンジした俳優陣がいたからこそあの圧巻の武術シーンに仕上がったのかなと思うと、これはこれで良かったのかなとも思いますね。

ホントにチャン・ツィイーの演技が見事でして・・・チャン・ツィイーのシーンだけ編集したものDVDにつけてほしいほどです。そしたら即買いですよええ(笑)


まとめ
負けて横たわるか、勝って立つか 

この台詞がとても印象的に残っています。
あれですね、このブログを読んでから鑑賞する方には以下の心構えをお伝えしておきましょう。よくあるアレですけどね、これで挑めば大丈夫!(笑)

理解しようとするな!感じるんだ!!

これですよこの映画を楽しむ醍醐味は!(笑)
せっかくお金を払って映画を観るのです。
楽しだもの勝ちですよー!!(笑)


基本情報
日本語タイトル
『グランドマスター』

原題
"一代宗師"

監督
ウォン・カーウァイ

出演
トニー・レオン、チャン・ツィイー、チャン・チェン

公式サイト
http://grandmaster.gaga.ne.jp/

ストーリー
20世紀初めの中国。北の八掛拳の宗師・宝森は、流派統一を任せられる継承者として、弟子の馬三と南の詠春拳の宗師・葉問(トニー・レオン)のどちらから選ぼうとする。六十四手の達人にしての宝森の娘でもある宮若梅(チャン・ツィイー)も候補者として手を挙げる中、馬三が宝森の命を奪うという謀反を企てる。それを機に、宝森の敵(かたき)を討つ復讐と後継者の座を奪い合うすさまじい戦いの火ぶたが切って落とされる。
(シネマトゥデイより)

予告編





ガツンと衝撃を受け、余韻がいつまでも残る傑作『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]



絶賛レビュー続出に見に行かざるを得なくなった
『ブルー・バレンタイン』のデレク・シアンフランス監督とライアン・ゴズリングの再タッグ作品です。

私が普段チェックしているTwitterのフォロワーの方々がこぞって大絶賛されてまして。それですぐチェックしたんです。
とはいっても粗筋みてもどうもストーリーの核がわからない。まあみんな絶賛してるし心配せずまずが観ようと思い劇場へ行きました。

そしたらみなさん仰るとおりの傑作だったわけでして・・・。
いや、傑作と言いますか衝撃を受け、感想に困るほどガツンとやられましたね。
劇場では泣かなかったのですが、余韻で帰りながらうるっとくるレベルでして。

本当に本当に素晴らしかったですよ。
それを整理してサクッとまとめてみます。



3つのストーリーにガツンとやられた
まず私完全に勘違いをしていたのです。
どう勘違いしていたかというと"ライアン・ゴズリング主演"と。
ライアン・ゴズリングは主演です。ただブラッドリー・クーパーも主演なのです。

しかし二人同時に出るシーンはほとんどありません。
いや、一瞬しかありません。
二人はある事件をきっかけに交差し、その後の人生に影響を及ぼしますが共演シーンは皆無なのです。

映画はまずライアン・ゴズリング演じる天才ライダーのルークのパートからスタートします。
ルークは元恋人との間に子供がいることを知り、ライダーを辞め二人と暮らそうと努力します。
しかしその願望は善悪の価値観を歪めてしまい悲劇が連鎖していくことに。

その悲劇は大いなる取り返しの付かない悲劇を生みます。
そしてここで映画は第1幕を終了し、第2幕のエピソードへと進んでいきます。
ここからはライアン・ゴズリングに変わってブラッドリー・クーパー演じるエイブリーが主人公のエピソードになります。

彼は警察官です。取り返しのつかない悲劇に警察官として巻き込まれ、その後の人生を狂わせる事態に。
第1幕のゴズリングの善悪を超えた熱いエピソードとは対照的に内的に内的に葛藤を描くこのエピソードは見ていてとても辛くもありました。
しかしそれがデレク・シアンフランス監督も映像センスもあり、心に響く場面として私たちに降り注いでくるのです。

第2幕が私は最も心を打たれました。
『世界にひとつのプレイブック』もそうでしたが、ブラッドリー・クーパー本当にいい役者です。
涙とは別の熱い感動を覚えた第2幕でした。

そして衝撃の第3幕へ映画は進み、全ての話が1つに集約されていきます。

3幕のストーリー概要に関しては細かくは書きません。
是非劇場でご覧になってほしいです。


"The Place Beyond The Pines"というタイトルの意味と"血縁"という運命
"松を超えた場所"というタイトル。
一見何を意味しているのかわかりませんよね。
映画を見ても実はこれすぐ理解できるものではないのです。

以下間違ってるかもですが、私の見解です。

"Pine"="松"という意味なわけですが、同時に"思いこがれる" "恋い慕う" "切望する"といった動詞の意味、また文学的活用として"悲しみ" "後悔" "苦しみ"といった意味を持ち合わせます。

松は木であると同時に花であります。
花言葉は「同情」「あきらめ」「逆境の望み」です。

つまり、"The Place Beyond The Pines"="苦しみ悲しさの先に"という解釈ができます。
やりすぎ解釈な気もしますが、映画のラストまさにこの言葉のとおりではないでしょうか。

私たち人間は自ら人生を切り開くことができます。
しかし過去を変えることはできず、宿命や運命というものに左右されるのも事実です。
勘当により親子の血縁関係を法律面で変えることができても血を変えることはできません。
本当の生みの親を変えることはできないのです。それは宿命であり運命なのです。

ルークとエイヴリーという二人の主人公には子供がいました。
その子供はその親の元に生まれた宿命や運命を背負うしか無いのです。
そして親も同時にその子を持った宿命や運命を背負うしか無いのです。

そういったメッセージを受け取ることができた映画でした。

しかしそれは決して悪い意味ではありません。
宿命や運命を背負いながら自らの道を切り開いていくのです。
それは逆境を伴うものでもありますが、人間逆境に立ち向かうと強くなるのです。

そして宿命や運命は自らの意思によって自ら手にすることもできます。
それは血縁関係にない子供を育てる父親のエピソードが明確に示していました。
血縁関係にない子供、妻が連れてきた前夫との子供でも愛を持って育てようとする宿命、運命を自ら持つことができるのです。

実は映画の中で一番ガツンとやられたのはここだったり。
どんなに問題児に育っても愛を持って接するその姿にやられました。


そう、この映画はそういう映画なのです。
明確なメッセージを受けることができ、映像センスや音楽センスが見事で演技も完璧。
素晴らしい映画です。しかしそこには娯楽性はありません。我慢の映画でもあるでしょう。

しかし、こういう映画は心にすっと溶けこむのです。
私はまだ結婚してません。ですので子供もいません。
きっと親になった時に見たらもっと映画が心に響くと思いました。

いつまでも大切にしたい映画がまた増えた喜びを感じています。
素敵な映画を作ってくれた関係者の方々、そしてこの映画を薦めてくれたTwitterのフォロワーのみなさんありがとうございました。



基本情報
日本語タイトル
『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』

原題
"The Place Beyond The Pines"

監督
デレク・シアンフランス監督

出演
ライアン・ゴズリング、ブラッドリー・クーパー、エヴァ・メンデス、レイ・リオッタ、ブルース・グリーンウッド

公式サイト
http://www.finefilms.co.jp/pines/

ストーリー
天才ライダーのルーク(ライアン・ゴズリング)は移動遊園地でバイクショーを行う刹那的な日々を送っていたある日、元恋人ロミーナ(エヴァ・メンデス)と再会。彼女がルークとの子どもを内緒で生んでいたことを知ると、二人の生活のためにバイクテクニックを生かして銀行強盗をするようになる。ある日銀行を襲撃したルークは逃走する際、昇進を目指す野心的な新米警官エイヴリー(ブラッドリー・クーパー)に追い込まれるが……。(シネマトゥデイより)

予告編


『君と歩く世界』でも使われた名曲"The Wolves"
本作『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』のエンディング曲



『ビル・カニンガム&ニューヨーク』感想、世界一カッコいいじいさんここにあり!![ネタバレなし]



『ビル・カニンガム&ニューヨーク』基本情報

タイトル
=ビル・カニンガム&ニューヨーク

監督
=リチャード・プレス

出演
=ビル・カニンガム
=アナ・ウィンター
=カルメン・デロリフィチェ
=トム・ウルフ
=エディッタ・シャーマン

ストーリー
ニューヨーク・タイムズ紙で人気ファッションコラムと社交コラムを担当する名物フォトグラファー、ビル・カニンガムを追ったドキュメンタリー。50年以上にわたりニューヨークの街角で毎日ファッショントレンドを撮影し、ニューヨーカーたちに愛されているカニンガム。しかし、親しい業界人ですら、そのプライベートを知る者はほとんどいないといわれている。そんなカニンガムに2年間にわたり密着し、カニンガムの知られざる私生活や仕事ぶりを映し出す。

予告編
http://www.youtube.com/watch?v=x2HU-iaiPgo


感想「圧巻・・・!!」

海外旅行は多々行けど、なぜかニューヨークに上陸したことのない私。『フレンズ』『ゴシップガール』とニューヨークが舞台のドラマも大好きでニューヨークにニューヨークに行ってないのに地図を覚えてるほどの私(笑)今年は上陸したいと思います!

そんなニューヨーク、このビル・カニンガムというじいさんがいることもちろん知ってました。けれどファッション業界で働いてるわけでもないので詳しくは知らなかったわけです。そのじいさんの生き方に迫ったドキュメンタリー映画が本作です。

・じいさん自体が魅力的なので見どころは全て!

じいさんが魅力的過ぎて映画もドキュメンタリー映画を突き抜けて超傑作と言わざるを得ません!!ニューヨークを自転車で縦横無尽に疾走し気に入った人の社員を撮るじいさん。じいさん自体はお洒落でもなく食事もジャンクフードばっかり。住んでるのもボロいアパート。何なのこのじいさん!?

「彼の撮ったファッションは半年後にはブランドとなっている。」と言われるほど業界に絶大な力を持つじいさん。『VOGUE』の編集長のアナ・ウィンターも「私は彼の為に服を着てるのよ」と言うほど。じいさん、今まで詳しく知らなくて本当にごめんよ。

ファッションはその服単体ではなくその人自身を表すものだとじいさんは言ってます。それは難しいハードルではありますが、言ってしまえば自己表現ができれば誰でも社交界に出る権利があると言ってるようなものです。じいさんの評価基準何て素敵なんだ!

じいさんは本当に素晴らしいものを求めていてそこに柵はありません。なのでお金を貰わないし、企業のパーティーとかもほぼ行かない。じいさん凄えよ。そのブレなさ凄えよ。

しかしそんな凄えじいさん当然波瀾万丈もあったわけで…家族と共に通った教会に今も通うじいさん。きっと家庭を犠牲にしてきた部分もあるのだろう。じいさん…泣かさないでくれ…。

何事もブレない生き方とはこうもカッコよく美しいものなのか!と思いました。そうじいさんに熱狂してしまうドキュメンタリー映画であったわけなので、この映画は傑作以外の何物でもないわけであります!!


12月1日追記)じいさんのDVD

Amazon
=ビル・カニンガム&ニューヨーク [DVD]





全ての日本人に観てほしい!『きっと、うまくいく』レビュー、日本よ!世界よ!これがインド映画だ!!!!【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]



全ての日本人に観てほしい!、本当に!


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感想

インド映画で、インド本国で歴代1位の興行収入を記録した話題作!

今レビューを書きながら私はとても困ってます。
なぜなら文字では伝えきれないほどの傑作だったからです!
言葉が整理できず1週間以上レビュー書けずに今日に至りましたw

試写会に呼ばれたので何も前情報を入れずに試写室へ。
ニューデリーと思われる空港からコミカルに物語が始まり…
気づいたら映画に登場する主要人物たちの魅力に完全にハマっていました。

たくさん笑って、たくさん泣いて、たくさん踊って、たくさん歌って…
そして社会問題にまで切り込んでいく!
170分の長尺中に撒かれた伏線たち最後はこれでもかと言わんばかりに見事に収まる!
しかもその最後の爽快感たるや!!!!

映画の魅力の全てがここにありました!
全ての人、全ての日本人に観てほしい、本当に本当にオススメの映画なのです。

ここから長文書いていきますが細かいことはいいですから劇場行ってくださいよ!

笑顔になれますよ。
元気出ますよ。
涙も流しますよ。
音楽最高ですよ。
踊りたくなりますよ。
そして何度も観たくなりますよ。

本当に本当に本当にオススメです!
しつこいですが最初にとにかく凄い作品であることをこのように伝えておきましょう!



インド映画の魅力が詰まっている

私インド映画は時たま観るくらいで全く詳しくないですが、
このタイミングを良いことに少しばかり調べてみました。

インド映画は別名マサラムービーと呼ばれているようです。
マサラ=ミックススパイスのことです。カレーの国ならではですよね。
つまりミックスてんこ盛りムービーと言うことです。

ナヴァ・ラサという9つの情感を取り入れるのがインド映画の基本のようです。
9つとは以下の通り。

・シュリンガーラ (恋心/ロマンス) 
・ハースヤ (笑い/ユーモア) 
・カルナ (悲しみ/涙) 
・ラウドラ (怒り/復讐) 
・ヴィーラ (勇猛/アクション) 
・バヤーナカ (恐怖/スリル) 
・ビーバッサ (嫌悪/敵) 
・アドブタ (驚き/サスペンス) 
・シャーンタ (平安/ハッピーエンド) 


要するに全部入り(笑)
しかしこれがインド映画の基本なのです。
よってマサラムービーと呼ばれるのです。

その極限を極めたのが本作『きっと、うまくいく』なのでしょう。
そりゃインド映画歴代興行記録を持っていて、
公開年のインドアカデミー賞16部門受賞とかとんでもない記録持ってますから(笑)

ちなみにインドはアメリカ以上に映画が製作されているんですよ。
カースト制度が未だ残る国、格差も当然ある国です。
そんな国だからこそエンターテイメントに集中できる映画はテレビ以上に国民的な娯楽なのです。

映画の最中くらい世の辛さは忘れて楽しもう!
そういうことなのでしょう。
苦しい中でもそういった国民性ってとても素敵だなと思いましたよ。

全部入りだからこそ、どんな人にも楽しめる要素がそこにあるのでしょう。
シンプルな映画も大好きですが、このてんこ盛り感から日本にはないパワーを貰えました。
未だ成長の続くインドのパワーをこういった映画事情からも垣間見ることができます。

一度インドに行ったことがあるのですが久々に行きたくなってきました。
インド映画の最高峰ですし是非この1本くらい観ましょうよ、皆さん!


全部入りでも破綻せず見事に機能している完璧な脚本

この映画の何が魅力かと聞かれると正直困るんです。
なぜなら前述の通り全部入りだからです(笑)
しかし全部入りでも脚本が見事に機能していてわかりやすく、そして着地点が完璧です。

料理において全部入りだとバランス良ければ贅沢だけれど、
バランス悪いと胸焼けしますよね?
映画もそれと同じだと思うんですが本作はバランスが良く本当に贅沢な映画になっております。

インドの超エリート大学ICEでの学生生活を3人の学生を軸に描いていく本作。
自由人で天才な実質主人公のランチョーとファラン、ラジューの2人。
この3人の笑いあり、涙あり、悲劇あり、喜劇あり、歌あり、踊りありの生活がメインストーリーです。

それと別に10年後のある1日が同時進行で描かれます。
その2つの時間軸を行ったり来たりする構成がまあ見事でして。
とんでもない情報量なのに最後は完璧に幕を下ろします。いやはや見事。

ナヴァ・ラサという9つの情感を取り入れているので一瞬足りとも飽きさせません。

プラスして本作はインドの社会問題からも逃げずに扱う姿勢を示しています。
インドは学生の自殺が多い国なのです。
プレッシャーから自殺する大学生が後を絶たないようです。
そういった悲劇も本作は描きます。

その描写は胸を打ち、苦しくなるシーンでもありますが、
それら悲劇を克服し一歩ずつ未来へ向かって歩いていく学生たちの姿に元気を貰えます。
ナヴァ・ラサ(9つの情感)が見事に機能している証拠でもあるのでしょう。


歌とダンスがムカつくくらい楽しいw

インド映画お決まりの歌とダンス、正直言って細かい脚本とか置いといてこれだけでも観る価値ありますw

日本語タイトル『きっと、うまくいく』が示すメインテーマ曲"Aal izz Well"。
この歌とダンスがまあ面白くて面白くてw
この中に混ざりたいと思いましたもんw

そして"Give me more sunshine"には泣かされる…
このやろ!人の感情を弄びやがって!とでも文句いいたくなりますよw
これもまた名曲です。

そしてエンディングへの伏線にもなっている"Zuuby Dooby"。
このミュージカルシーンが映画内で最もお金かかってますw
まあ面白い面白いwこの曲調は鑑賞しながら少し意識的に記憶しておいてください。
クライマックス大爆笑できますからw

3曲、音源的な動画だけペタッと貼っときますねw
映像は劇場で観てください!劇場へ行くんだ皆の衆!!


"Aal izz Well"


"Give me more sunshine"


"Zuuby Dooby"


中毒性高すぎる曲たちwww



たくさんのエピソード1つ1つが私たちの明日の糧となる

とにかく面白くて感動できて笑えて笑顔になれる全部入りの傑作映画です。
観た方々と語り合いたくて仕方ないですよホント!!

お気に入りのシーンや感動したシーン、関心したシーンを上げたらキリがないですよ。

・飛行機引き返すオープニング
・汚い裸での007オマージュw
・ランチョーの登場シーンで即席武器で応戦したとこw
・宇宙ペンのエピソード(これは最後感動エピソードへの伏線!)
・"Aal izz well"のミュージカルシーン
・学生自殺という現実を見せつける苦しいシーン
・いきなりモノクロになり演出で爆笑しつつ実はシリアスなシーンだったとこw
・値段にうるさい馬鹿男のエピソードw
・下ネタヒンディー語で場内大爆笑なシーンwww
・ランチョーVS学長のやり取りで見られる問題提起の数々

あーもうこれキリがないのでやめます!!w
本当に素晴らしい映画だったのです。
褒めるシーンがてんこ盛りとか恐ろし過ぎるだろこの映画www


年間ランキングはその時の気分もあるので後で変わる可能性もありますが、
現時点では熱量もあって今年ナンバー1の傑作だと私は思ってます!!
小規模公開ですが、『最強のふたり』のようにロングランでヒットになることを心より願っています。

この映画実はインドでは2009年に製作されたのです。
やっと・・・やっと・・・やっと日本で公開となったのです。
遅いなあ・・・とも思いつつ、この映画を日本で公開させるために尽力された配給会社の方々には最高の映画を観る機会を作ってくれたこと、心から感謝申し上げます。

劇場公開したらもう一度足を運びます。
いや何度でも運びますとも!
ランチョー始め、奴らに会うために!!
何度でも!何度でも!何度でも!!


基本情報


邦題
『きっと、うまくいく』

原題
"3idiots"

監督
ラージクマール・ヒラニ

出演
アーミル・カーン、カリーナ・カプール、R・マドハヴァン、シャルマン・ジョシ、オミ・ヴァイディア

公式サイト
http://bollywood-4.com/index01.html

ストーリー
 行方不明だったランチョー(アーミル・カーン)が街に戻ってくると聞き、ファルハーン(マドハヴァン)とラージュー(シャルマン・ジョシ)は母校に向かう。10年前、三人は名門大学の学生だった。真っすぐなランチョーは異議があれば学長にすら物申し、好きなことに打ち込んでいた。しかし、ランチョーと学長の娘・ピア(カリーナー・カプール)が接近したことから、3人は卒業目前で退学を言い渡されてしまう。(シネマトゥデイより)