『マネー・ショート 華麗なる大逆転』感想、すんげえ面白い!!まさかの爆笑を伴うリーマンショックの舞台裏!! - Cinema A La Carte

『マネー・ショート 華麗なる大逆転』感想、すんげえ面白い!!まさかの爆笑を伴うリーマンショックの舞台裏!!

(C)2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

アカデミー賞有力候補である「リーマンショックの裏でボロ儲けしたアウトローたち」の実話、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』をお先に鑑賞させて頂きました。リーマンショックまでの2年間をシリアスに綿密に描きながら、何度も爆笑させる緩急見事な作品でした!

スコア

◯私的満足度
★★★★★(5/5)
=最高に面白かった!!!!!

◯ファミリーオススメ度
★★★☆☆(3/5)
=噛み砕いて入るが金融の話なので人を選ぶかと。

◯子供オススメ度
★☆☆☆☆(1/5)
=害は無いが金融の話なので厳しいかと。

◯友人オススメ度
★★★★☆(4/5)
=予告編で興味が湧いた友人と是非!

◯デートオススメ度
★★★☆☆(3/5)
=予告編で興味が湧いたカップルなら是非!

◯映画リピーターオススメ度
★★★★★(5/5)
=この作品の持つパワーは目撃すべし!

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感想:すんげえ面白い!!

2月23日現在『レヴェナント:蘇りし者』と並んでアカデミー賞作品賞レーストップ争いを繰り広げる本作。

「リーマンショックの裏側でいち早く経済破綻の危機を予見し、ウォール街を出し抜いた4人の男たちの実話」

という文言を聴くと「あー、アカデミー賞が好きそうな小難しい映画なのかな」と敬遠したくなる方もいらっしゃるでしょう。


しかし!違う!違います!

この作品!シリアスな映画ではありません!コメディです!


2008年の住宅ローン破綻からの市場崩壊(リーマンショック)を描いているので金融を扱ってはいるのですが、そこの複数の笑いやまさかの大爆笑の金融用語説明シーンを伴って、私たちを映画的満足度マックスに楽しませてくれるのです。

それでいながら、リーマンショックが出口の作品なのでシリアスさも同時に持ち合わせます。シリアスとコミカルが見事に融合し、心の奥底に映画的満足度と「今ある安心はバブルでいつか崩壊するかもしれない」という疑心暗鬼の二つを植え付けられます。

傑作です。何でしょうね、「傑作です」という単刀直入でわかりやすい言葉が似合う作品です。映画も傑作だった『マネーボール』と同じ原作者ですが、『マネーボール』に比べて格段にコミカルですね。あれそもそもコミカルではないし。


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まさかの用語解説×3

この映画ではライアン・ゴズリングが一部ナレーションも兼ねます。

「金融市場は難しい言葉だらけだ。こんなんじゃ混乱してしまう。マーゴット・ロビーに説明してもらおう。」

とライアン・ゴズリングが発するといきなり入浴中のマーゴット・ロビー(『ウルフ・オブ・ウォールストリート』にも出演したセクシーな女優さん)が「住宅ローンの危険性について説明するわ」とシャンパン片手にわかりやすく解説www

わかりやすいけど、あまりに笑いすぎて逆に頭に用語入ってこないんですけどwww


このようなトリッキーな用語解説が3箇所あります。マーゴット・ロビーは表に出まくってる情報なので出しておきましたが、あと2人(厳密には2組3人)は伏せておきましょう。

最後の"合成債務担保証券"の用語解説とかもう最高に面白かったです。しかもわかりやすい。(笑いすぎて全部覚えてないけどw)

専門用語連発の小難しい話ではなく、観客に寄り添ったサービス精神溢れる作品であるということであります。
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3つの物語は交わらない!

 この映画は3組が別々に市場の崩壊を2年あまり予期して行動していく映画です。

1:クリスチャン・ベイル演じるマイケル・バーリの物語
=アメリカ・サンノゼに拠点を置く元神経科医の資産運用家

2:スティーブ・カレル演じるマーク・バウムとライアン・ゴズリング演じるジャレド・ベネットのチームの物語
=モルガン・スタンレーの子会社フロントポイント社とドイツ銀行

3:ブラット・ピット演じるベン・リカートと、フィン・ウィットロック演じるジェイミー・リプリー&ジョン・マガロ演じるチャーリー・ゲラーのチームの物語
=伝説の銀行家と若手投資家チーム


この3つは最後の市場崩壊で儲けたという着地以外は交わりません。途中ラスベガスのシーンで同じ場所にはいますが、物語は別モノとして進行していきます。

それぞれシリアスな展開を含みつつやはり笑えるシーンも多数。クリスチャン・ベイル演じるマイケル・バーリはヘビメタ爆音でかけながら市場解析。

ライアン・ゴズリングは終始ドヤ顔。意外なことにスティーブ・カレルは真面目な演技に終始でそこが逆に魅力。

ブラピは電話での「◯◯洗浄に行かなきゃ」発言でもう大爆笑。若手の二人も何度も笑わせてくれます。

映画として面白いよなあと思えるものがたくさん詰まっている作品であるということです。

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バブルは崩壊するという疑心暗鬼を植え付けられる

実際にリーマンショックは起き、世界経済は一気に衰退しました。その事実を知っていて本作を見ると「住宅ローンは安全だ」と高を括る人々に唖然とします。しかし、それが当たり前と思われていたわけです。

この映画の主人公たちは住宅ローンの危険性を探り危機に備えていくわけですが、「バブルじゃないから」と何度も冷笑されます。

これって私たちが今信じて疑わないものがいつか崩壊するかもしれないというとても大切な警笛の映画でもあるなと思いました。

今目の前にある当たり前、豊かさや幸せなどは当たり前にそこにあってもいつ崩壊するかわからないわけです。

決して疑心暗鬼の上で何も行動できなくなるのは良くないですが、過度な自信だったり思い込みって良くないよなと改めて当たり前の気持ちを植え付けられた次第です。

コミカルさで何度も笑わされる本作ですが、リーマン・ブラザーズの破綻シーンはとても重いもの。「明日は我が身かもしれない」と思うと恐怖心に支配もされました。


映画的魅力と世の中の当たり前を疑えという警笛、その二つが詰まった『マネー・ショート 華麗なる大逆転』。正直「華麗なる大逆転」では無いですが、素晴らしい作品でした。

アカデミー賞作品賞、応援します!


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どんな映画?

リーマンショックの裏側でいち早く経済破綻の危機を予見し、ウォール街を出し抜いた4人の男たちの実話を描いた。「マネーボール」の原作者マイケル・ルイスによるノンフィクション「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」を原作に、「アントマン」脚本などを手がけてきたアダム・マッケイ監督がメガホンをとった。05年、ニューヨーク。金融トレーダーのマイケルは、住宅ローンを含む金融商品が債務不履行に陥る危険性を銀行家や政府に訴えるが、全く相手にされない。そこで「クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引でウォール街を出し抜く計画を立てる。そして08年、住宅ローンの破綻に端を発する市場崩壊の兆候が表れる。

公式HP


予告編

written by shuhei