ホラーマスター・ジェームズ・ワンから学ぶホラー映画の怖い見せ方。直接見せなくても怖く見せられる!恐怖と人間ドラマの見事な配合 - Cinema A La Carte

ホラーマスター・ジェームズ・ワンから学ぶホラー映画の怖い見せ方。直接見せなくても怖く見せられる!恐怖と人間ドラマの見事な配合



『SAW』や『インシディアス』『死霊館』などホラー監督としてお馴染みジェーム・ワン。彼のホラー映画には実はある工夫がされております。それが怖さを引き立てております。ではどんな見せ方で恐怖感を演出しているか、紹介していきたいと思います。


ジェームズ・ワンって誰?

1977年生まれ現在38歳。中国系の子としてマレーシア・クチンで生まれオーストラリアに移住。大学で映画製作のパートナーとなるリー・ワネルと親友に。そして『SAW』の企画を売り込み、低予算、短期撮影で作品を仕上げ、サンダンス映画祭に出展したところ、熱狂的に支持された。

直接見せない手法

『SAW』がグロいと勘違いされがちですが、実は最初の1作に関してはほとんどそういうシーンがありません。最初の作品でグロいシーンといえば、カミソリだらけのワイヤーでつられた部屋からでるため自分の身を切りながらでる部屋くらい。最後にして一番目玉のシーンもちゃんと見るとキャストの顔のアップしか写ってないのです。『SAW』は2作目以降は製作に回ったためかどんどんグロい殺しかたを見せる映画にシフトしていきます。

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『インシディアス』も序盤は同じで、怖いもの、この映画では幽霊ですがほとんどでてきません。中盤以降悪魔が直接写ってきますが……。そして、大きな音を突然出して驚かすという手法も使ってません。またグロいシーンはまったくありません。でもなかなか怖いと感じられる作品です。

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『死霊館』でも同様で、幽霊とかがでてきそうなタイミングで俳優の驚きの表情で場面転換が行われるなどしています。基本的にこの映画の恐怖や驚きのシーンというのは直接恐怖の対象を見せるのではなく、俳優の演技で想像させるという手法を取っているのです。

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ジェームズ・ワンTwitter画像。『死霊館』の続編の撮影風景




ホラーマスターだけで終わらない!人間ドラマにも定評あり

ジェームズ・ワンは『死霊館』のインタビューで「ホラー映画の怖いところは、次のシーンで何が起こるか客に想像させること」といってます。それゆえに直接見せるのではなく、次のシーンを想像させるため恐怖感を煽る演出を施しています。例えば常に鏡を置いてキャストの後ろに何かがでてきそうという雰囲気をだしたり、暗がかりを多くしたりと。

また『インシディアス』のときも「僕がドラマ、ストーリーやキャラクターに気を配っていて、流血や暴力は避けていることを示すことだったんだ。ほとんどの暴力は暗示されているだけで、決してスクリーンには出てこない」と断言しています。

想像力があるからこそ、次にどんなシーンがくるかとイメージしてしまい、想像したものに恐怖する。またはストーリー展開で怖くなる。そんな手法でホラーマスターの異名をとるジェームズ・ワン。決して怖いだけでなく、人間ドラマも深く、心理描写にも定評があります。

『ワイルド・スピード スカイミッション』で深い人間ドラマやアクションシーンを撮れることも実証しております。決してホラーマスターだけで終わらないジェームズ・ワン。これからの作品も期待しつつ、原点回帰という意味で、『SAW』や『インシディアス』『死霊館』をご覧になってはいかがでしょうか?


written by Yukikaze