第28回東京国際映画祭『私は、マララ』、最年少ノーベル平和賞受賞者マララ。16歳の少女が世界に求めたもの。 - Cinema A La Carte

第28回東京国際映画祭『私は、マララ』、最年少ノーベル平和賞受賞者マララ。16歳の少女が世界に求めたもの。

© 2015 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

第28回東京国際映画祭パノラマ部門上映作品『私は、マララ』を紹介します。2014年に世界最年少でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイ。彼女がどのような経緯を経て同賞の受賞をしたかを追いつつ、彼女の素顔に迫るドキュメンタリー映画です。12月11日から日本でも公開します。


どんな映画?

2014年ノーベル平和賞の最年少受賞者となったタリバンに銃撃された少女マララ・ユスフザイ。その素顔を『不都合な真実』のデイヴィス・グッゲンハイム監督が追ったドキュメンタリー。パキスタンのスワート渓谷でスクールバスに乗って下校途中だったマララと友人は、銃で撃たれ負傷した。当時15歳だったマララは、パキスタンのスワート渓谷で少女の教育支援について発言していたために標的にされていたが、頭を撃たれ、この事件は世界中のメディアを憤激させた。その後、マララはパキスタンの教育活動家として、マララ基金を通し、子供の権利のため世界規模の活動を始め、14年12月、ノーベル平和賞の最年少受賞者となった。
参照:http://2015.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=119


子供達の明るい未来のため

イスラム教では、女性は教義以外の教育は受けなくていいといわれているようです。しかしマララは女性も知識を身につけるべきと教育を訴えていきます。

普段の彼女は、年頃の少女らしくブラッド・ピットやプロテニス選手をネットで検索したり、理不尽な理由で弟と喧嘩したりしています。至極普通、だけど勉強の必要性がわかっている女の子です。

「無料の義務教育を」彼女はそう訴え続けます。子供達の未来が明るく平和であるため。そしてそうした声を世界にあげられない人たちに代弁して、彼女が声を発します。

彼女の戦う相手は貧困、無学、テロリズム。それらにペンと本を手に取り知識を身につけるという形で抵抗します。

彼女が立ち上がった理由は、07年タリバンが彼女の村へやってきて、女子が学校へ行くことを禁じたからです。彼女はイギリスBBC放送のブログに彼女の村の現状を切実に訴えます。

© 2015 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.


そして彼女がインタビューに応じタリバンを批判したため、ついに彼女の身元がタリバンにも知られてしまうことになります。それ以前からも彼女の父親が運営する学校がもとで殺害予告などの脅しはしょっちゅうあったそうです。

言葉は世界を変えられる

そんな彼女にもついにタリバンの襲撃が。バスで下校中に銃弾を受け重傷を負います。かなり深刻な状態で国内の設備では対応しきれないため、イギリスへ運ばれます。一時は死ぬかもしれないと両親も覚悟したそうですが、奇跡的に一命を取り留めます。

彼女の16歳の誕生日、彼女が回復したことを伝える国連の様子はとても爽快で感動的でした。彼女の回復を祝って世界各地の若者リーダーのほか、国連の潘基文事務総長、国連世界教育特使のブラウン前英首相らによる会合を企画したそうです。

そして、彼女のそこでの演説もとても感動的です。終わりのところの「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペンで世界は変えられる」は結構有名ですね。

彼女の生き方は凄い。現在18歳、当時16歳の少女がここまで女性教育や女性の社会について考えて行動できるなんて。こういう映画では大抵普通の少女として見てほしい、と望まれることが多いのですが、敬意を払わざるを得ません。

同じ理由で『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』という映画があるのですが、この映画を見てからアウンサンスーチーを尊敬せざるを得ませんでした。そして、『私は、マララ』を見てからマララという少女を尊敬しています。

尊敬理由は映画を見ればすぐ分かります。公開は12月11日から。普通の少女が世界を変えようとするところをぜひともご覧ください。


written by Yukikaze