『ロックストック&トゥースモーキングバレルズ』から『コードネームU.N.C.L.E.』まで、ガイ・リッチー監督の作風変遷 - Cinema A La Carte

『ロックストック&トゥースモーキングバレルズ』から『コードネームU.N.C.L.E.』まで、ガイ・リッチー監督の作風変遷


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先週末からついに公開したガイ・リッチー監督の『コードネームU.N.C.L.E.』。オシャレでユーモアたっぷりなスパイアクション映画でした。この監督は熱狂的なファンが多く、この作品でも新しいファンを獲得していることでしょう。では、ガイ・リッチー監督の過去作にどんなものがあったか?作風はだいぶ変わってきています。どのように変わってきたかを解説したいと思います。



初期作品は緻密な群像劇

ガイ・リッチー監督のデビュー作といえば『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ 』。ほんの少しずつ関係しあってる集団が「風が吹けば桶屋が儲かる」のように一斉に関わりだす終盤の展開が、緻密で秀逸でした。こんな凄い計算されつくした映画は現在でもあまりお目にかかれません。演出の妙ともいいましょうか。

本当にあの絡ませ方と動かし方は凄いです。バラバラだったものが集まって1つの大きな絵になる、まさにパズルのように仕掛けられた映画でした。

何気にマシュー・ヴォーンも製作に関わっていたり、ジェイソン・ステイサムのデビュー映画だったりします。


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スナッチ 』でも見られる作風で、ロックストックのノリに大金をかけキャストを豪華にした作品になっております。ブラッド・ピットがでていることで、日本でも話題になりました。他にもベニチオ・デル・トロ、そしてこの作品でもジェイソン・ステイサムがでております。

スナッチ 』でガイ・リッチーの名前を知った人は多いかもしれません。ガイ・リッチーの名前を一躍有名にした作品でもあります。


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ここまでが初期作品なのですが、『リボルバー 』。こちらは群像劇のような体裁をとってはいますが、作り方がまったく違い、かなりの異色な作品となっております。ちなみに主人公は珍しく挑発のジェイソン・ステイサムで、製作にはリュック・ベッソンが入っていたりします。


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原点回帰とも呼ぶべき作品が次の『ロックンローラ 』。久しぶりにロンドンの下町を舞台にした群像劇で、いろいろな集団が少しずつリンクしあっていく作風でした。主人公はジェラルド・バトラー。ほかにもマーク・ストロングや売れる前のトム・ハーディなどがでております。


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アクション系ブロックバスター作品へシフト

人気監督の地位を不動にしたのが『シャーロック・ホームズ 』。ロバート・ダウニーJr.がホームズ、ジュード・ロウがワトソンを演じております。ほかにもレイチェル・マグアダムスがヒロインをやっていたり、悪役にマーク・ストロングがでてたりもします。

ホームズは原作のようなミステリーではなく、またガイ・リッチーの得意とする群像劇でもなく、アクション映画になっていました。スローを取り入れた緩急のあるアクションはとてもスタイリッシュでした。

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続く『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム 』でも同じで、ガイ・リッチーの新境地といえるかもしれません。この映画もとてもスタイリッシュでオシャレな映画でした。しかし初期の緻密に描かれた群像劇のような要素は一切ありませんでした。この辺りを組み込めるともっと面白くなったような気がしないでもないです。キャストにはジャレッド・ハリスやノオミ・ラパス。


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最新作『コードネームU.N.C.L.E.』でもホームズから継続してバディ・アクション映画となっています。こちらは初週第3位にランクインされています。この作品はタイトルロゴからとてつもなくオシャレでした。そして相変わらずのユーモアセンス。若手のヘンリー・カヴィルとアーミー・ハマーを起用しているところもいい。

群像劇からアクションへ

ガイ・リッチー監督の作風はそのように変化しています。アクション映画はどれもスタイリッシュでオシャレに撮っているので、新規ファンを獲得しやすいといえるでしょう。

しかし初期作品ファンには少し物足りない気がします。また『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ 』や『スナッチ 』のように入り組んだ群像劇も見てみたいと思います。いまのガイ・リッチー監督ならものすごい豪華キャストで群像劇を作れることでしょう。

でももしかしたら、また新しいタイプの映画を作るのかもしれません。それはそれで楽しみです。


written by Yukikaze