『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その7〜ゴラム祭り編〜 - Cinema A La Carte

『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その7〜ゴラム祭り編〜

(C)2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.

お待たせしました「いとしいしと」!今回は『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』の人気キャラであるゴラムの実態や動向、そして彼の映像がどのように作らているのかを解説していきたいと思います!


何者なのよ、いとしいしと!

『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』と言えば! というほどの知名度と人気を誇るキャラクター、ゴラム。「映画は見たことないけどゴラムは知ってる」という方も多いのではないでしょうか?

彼が何者なのかは『王の帰還』の序盤で説明されていましたが、ここでもう一度おさらいしておきましょう。

ゴラムはもともとスメアゴルという名前のホビットでした。彼が指輪を見つけたのは、親戚のデアゴルと釣りをしていたときのことでしたね。デアゴルが川底で見つけた指輪を奪うため、彼はデアゴルを絞殺。次第に指輪に心を支配されてしまい、喉を鳴らす癖がつき、その音にちなんで“ゴラム”と呼ばれるようになりました。

村を追放されたスメアゴル(ゴラム)は、600年近くの間、霧ふり山脈の洞窟で指輪と共にひっそりと生きながらえていました。彼は長い年月を経てかつての面影をなくし、化け物のような姿へと変化していったのです。

そんなある日、彼は洞窟に迷い込んだビルボに指輪を奪われてしまいました。このときのことは『ホビット 思いがけない冒険』で描かれていたとおりです。

どこにいたのよ、いとしいしと!

映画でゴラムが登場するのは、先述の『ホビット 思いがけない冒険』での場面と『ロード〜』三部作ですが、彼は映画で描かれていた以外にも、実はいろいろな場所に行っていたのです。

指輪を取り戻すべく約600年ぶりに外界へ出たゴラムは、ビルボを追って湖の町エスガロスの方まではるばるやってきました。そこで“シャイア(ホビット庄)”というところにビルボがいることを盗み聞きしたゴラムは、シャイアに向かおうとするも、指輪の力の影響でかモルドールへと引き寄せられてしまいます。

ちなみに『王の帰還』に登場する大蜘蛛のシェロブとは、このころに出会っていたようです。

その後サウロンに捉えられたゴラムは拷問にかけられ、「シャイア」「バギンズ」の言葉を漏らしました。『旅の仲間』序盤で、ガンダルフがフロドにこのことを説明しているシーンも出てきていましたね。

拷問の末、指輪捜索のためにゴラムを泳がせようと考えたサウロンは彼を釈放。ゴラムは今度こそシャイアに向かおうとしましたが、次はなんとアラゴルンに捉えられ、スランドゥイルの王国へ連行されました。

やがてそれを知ったサウロンがオークの軍にスランドゥイルの王国を攻撃させ、その混乱に乗じてゴラムは逃げ出し、追手を逃れてモリアの坑道へ侵入。しかし東側の壊れた扉から入ったは良いものの、西側の扉(『ロード〜』でガンダルフが呪文を忘れて足止めされた所)を開けられず、道に迷ったゴラムは外に出られなくなってしまいました。

そうして途方に暮れていたところで、指輪を持ったフロドら旅の仲間がモリアにやってきたので、彼らの後をつけることとなったのです。その後のゴラムの動向については、映画で描かれている通りです。

(C)2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.

どうやってできてるのよ、いとしいしと!

ゴラムの映像は、モーションキャプチャーというシステムを使って作られています。このシステムは、体や顔の動きをコンピューターに取り込み、人の動きをそのまま画面上で再現するという仕組み。今や多くの映画に登場するクリーチャーがこのモーションキャプチャーを使って撮影されています。

『ロード〜』の撮影では、まず動きの確認のためのリハーサルをし、次にゴラム以外の役者で撮影、最後にゴラムの役者だけでモーションキャプチャーを使った撮影を行い、その二つの映像を組み合わせるという段取りを踏んでいます。手間のかかる撮影ですが、これによって普通のCGや特殊メイクでは表現できない細かい動きを再現でき、よりリアルな映像を作ることができるのです。

中の人って誰よ、いとしいしと!

ゴラムを演じたアンディ・サーキスは、今やモーションアクターの第一人者とも言えるでしょう。彼はゴラム役以外にも、ピーター・ジャクソン版『キングコング』のコングや、リブート版『猿の惑星』シリーズのシーザーなども演じ、非常に高い評価を得ています。

モーションアクターとしてよく知られているアンディ・サーキスですが、サイモン・ペッグと共演した『バーク・アンド・ヘア』ではイギリスに実在した人物を演じており、また最近は『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』に敵役として出演していたりと、普通の役者としても活動しています。

『バーク・アンド・ヘア』でのアンディ・サーキス(右)
(C)2010 Burke & Hare Films Limited and Entertainment Film Distribution Limited

が、やはりモーションアクターとしてのイメージが強いので、彼が素顔で出演していると驚く映画ファンが多い様子。素顔だと観客に驚かれるというのは、なかなか珍しいパターンではないでしょうか(笑)

また特徴的なゴラムの声ですが、ボイスチェンジャー等は一切使わず全てアンディ・サーキスが実際に出しています。身体表現もでき、声も自在に操れれる。まさに天性の才能と言えるでしょう。



ということで、今回はゴラム祭りと称してひたすらゴラムについて解説してみましたが、いかがでしたか? 次回は全く違った観点からの解説をしてみたいと思います。それでは!


[徹底解説リンク]
第一弾:『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その1〜基本のおさらい編〜
第二弾:『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その2〜キャスト編〜
第三弾:『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その3〜指輪とフロド編〜
第四弾:『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その4 〜よくある質問・前編〜
第五弾:『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その5 〜よくある質問・後編〜
第六弾:『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その6〜両シリーズの繋がり編〜


written by ayako