東京国際映画祭、ジョン・ウー監督スペシャルトークショー!伝統と新しい感覚を合わせた新スタイルの邦画に期待 - Cinema A La Carte

東京国際映画祭、ジョン・ウー監督スペシャルトークショー!伝統と新しい感覚を合わせた新スタイルの邦画に期待



東京国際映画祭で第2回「SAMURAI賞」を受賞したジョン・ウー監督は10月24日、映画を学ぶ学生や若手監督を対象にスペシャルトークショーを行いました。トークショーでは、どんな映画監督に影響を受けたか?邦画についてなど興味深い内容を話されていました。


ジョン・ウー監督はまず「日本にまたきました。いつも応援してくださりありがとう。毎回日本に来る時リラックスしている。私はいま北京で映画の仕事をしている。悩みがあったり心配があったりしている。日本ではゆっくり過ごすことができる。景色も綺麗」とあいさつ。

また「ゆっくりとはいうものの、あちこち見る機会はなかなかない。京都もいったことがない。これから時間がちょっとあるので日本の各地をみまわっていきたい。東京国際映画祭は来年京都でやっていただきたい。真剣に考えてください」と話し会場を笑わせました。

Q&A


Q
映画業界に入ったきっかけ

ジョン・ウー
小さいころから映画が大好きでした。映画を見てよく批評なんかも書いていて、その流れで自分で映画を撮ってみたいと思うようになりました。1960年代の香港の映画業界は師弟制度がメインで、コネや知り合いがいないと世界に入れませんでした。

ヨーロッパに留学していたときに、オープンマインドな映画会社のマネージャーに受けれいてもらい就職できたのです。



Q
影響を受けた映画監督は?

ジョン・ウー
私は日本映画とフランス映画が大好きです。1番影響を受けたのは黒澤明監督。あともう1人はジャン=ピエール・メルヴィル監督です。

Q
ターニングポイントとなった作品は?

ジョン・ウー
『男たちの挽歌』という作品を撮影したとき、新しい試みをしました。それまでの香港映画はいい人、悪い人で展開していき、登場人物の感情はあまり気にされず、事務的な映画がメインでした。

そこで私は、監督のいいたいこと、感情を登場人物に投影してはどうかと提案しました。当時はなかなか人間同士の感情を入れる人はいなかった。私も過去失敗し笑われたことがあり、自分自身を認めようとする気持ちが強かったです。劇中どのセリフも私の感じ取ったこと。そこでアクションプラス人間の感情を入れるようにしました。そしてこの映画は無事成功を納め新しいスタイルが確立されました。

Q
ハリウッドでの映画製作スタイルは?

ジョン・ウー
ハリウッド映画は全世界に配信できる市場ができています。そしてどのスタッフもプロフェッショナルです。また世界各国からハリウッドにやってくる映画の関係者に敬意を払っています。ハリウッドは映画の人材を大事にするところがいいところだと思いました。

撮影を始めた当初は私にとって慣れないことも多かったです。制度で信じられなかったのが、大スターは映画の編集権や脇役の決定権を持つことがあること。自分が撮った映画を終わったあと、役者がまた別バージョンを編集するということもありました。それは私にはとても受け入れられない話でした。ハリウッドは名声やお金、権力というものを最重要視するところがあるのではないでしょうか?

香港の場合は監督中心のやり方でした。脚本がなく、監督が現場で考え、脚本を書きながら撮影していました。

『ブロークン・アロー』は数千万ドル稼ぎ、ハリウッドでの私の地位を固められあました。そこでであったプロデューサーや俳優はどれも素晴らしい人でした。

『フェイス・オフ』を撮ったとき、製作会議で社長が「ジョン・ウーの映画が欲しい」といってくれました。ハリウッドでは、映画を撮影するとき周りが口を挟んだり、いちいちやり方をいってくれるのでうるさく感じることがありました。

でも私はこの社長の一言のおかげで好きなように撮影し、好きなように直すことができました。そのおかげで大成功でした。この2作が成功したおかげでハリウッドでも5人の監督しか持っていない最終編集権を手に入れることができたのです。

Q
邦画について

ジョン・ウー
日本はいまでも映画がたくさんあります。でもわたしは古い邦画が好きです。黒澤明とかよく見みます。いまの監督は現代感覚をもっていてそれはとても大事。

でも日本の映画の古い伝統と、現代感覚と融合するといい作品が生まれるのではないかと思います。古い映画の真髄を取り出し、若者の完成と合わせると新しいスタイルの邦画ができたらといいなと期待しています。

ハリウッドに行くときに師匠からいわれた「西洋のテクニックを駆使して、東洋の精神を描ければそれでいい」といわれました。みなさんもハリウッドに憧れるかもしれないが、日本にいても現代感覚やテクニックと邦画の真髄をあわせるといい映画ができると思う

学生や若手監督に向けて


最後に、ジョン・ウー監督は「東京国際映画祭でこの話をする機会をいただいて、本当ににみなさんに感謝します。若手の方に言いたいこと。過去の作品について飽きられることはありません。日本は素晴らしい作品がいっぱいあり、それを取り入れ、みなさんの力でよりよい映画を作って欲しいです。邦画も大好き。みなさんの健康を祈りつつ感謝いたします」と学生や若手監督に向けてエールを送った。


written by Yukikaze

photographed by Keisuke