東京国際映画祭コンペティション部門審査委員記者会見。アメリカに影響を与えた映画はやはりゴジラ - Cinema A La Carte

東京国際映画祭コンペティション部門審査委員記者会見。アメリカに影響を与えた映画はやはりゴジラ

10月22日から始まりました、東京国際映画祭(以下TIFF)。23日の本日は審査員記者会見が行われましたのでレポートしたいと思います。


審査員の面々

今回のコンペティション部門の審査員長は『ユージュアル・サスペクツ』や『X-MEN』シリーズのブライアン・シンガー監督!

ほかのメンバーは、

・『夏至』や『ノルウェイの森』などのトラン・アン・ユン監督

・『1001グラム はかりしれない愛のこと』や『酔いどれ詩人になるまえに』のベント・ハーメル監督

・『ドラゴン・ゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』、『ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪』などのナンサン・シープロデューサー

・『アフター・ウェディング』や『真夜中のゆりかご』などのスサンネ・ビア監督

・『ゴジラVSビオランテ』や『悲しき天使』の大森一樹監督




一言コメント


ブライアン・シンガー
「昨日の開会式で伝えたように95年のユージュアルサスペクツで来日した。今回で日本は7回目で、TIFFの審査員。素晴らしい審査員たちと仕事ができて光栄に思う」



トラン・アン・ユン
「私自身大好きな日本。東京国際映画祭で仕事ができることを幸せに思う」


ベント・ハーメル
「去年以来1年ぶりに審査員の一人としてこれた。また日本で映画が公開されるということは嬉しい来日」



ナンサン・シー
「私はみなさんより近い香港にいるということで、日本には100回くらいきている。日本食大好き」



スサンネ・ビア
「初来日です。このような素晴らしい審査員たちと仕事ができて幸せ」



大森一樹
「日本の代表の審査員として仕事をすることは光栄に思っている。でもプレッッシャーにも感じている」



記者会見Q&A

Qこの映画祭、映画を見るときの基準としてどういうことを見ようとしているか、聞かせてください

ブライアン・シンガー
「自分の意見をいうといま時差っています。眠くなった場合は映画とコネクトしないということです。時差を感じず見られるということはコネクトしているということです。なんて冗談!でも半分は本気です」
「いろいろな国のものがあり、ジャンルも多岐にわたっています。ジャッジをするぶんにはどこと比較してということを真剣に取り組むことが課題となります」

ベント・ハーメル
「審査員長と同意見で、文化・習慣の違うところだらけなので難しいです。ひとつの審査基準はどういう風にうまい話をしているかだと思います。スポーツと違うのは明確な勝ち負けがありません。審査された立場になったときもありますが、審査員として他の映画祭にもでてるので、最終的には観客の気分で作品を見てその作品をどう評価していくかだと思います」

トラン・アン・ユン
「私にとってはジャンルは大変な違いがあると思うが、すばらしい作品は万国共通で物語をうまく語っている作品です。私はそういう基準でみていきたい」

ナウンサン・シー
「私たちはそういう意味において、映画製作のプロだと思う。みなさんそれぞれ間違った意見ではない。私がいうのはコネクション。ジャンルがどうであろうと自分の心と作品に通じる絆やコネクションができたとき。その作品をみたとき、自分の経験にプラスになった情報が出たときにコネクションが生じます」

スサンネ・ビア
「みなさんの答えをリピートすりかもしれませんが、映画にひこ込まれ、流れに自分も流されてしまい、映画を見ていることを忘れ、自分の中に落とし込こみ、『すごかったな』というリフレクションがでた作品。審査員長も話しましたが、映画祭というのは特殊な場所、作品、興行的に成功するものではありません。しかしすばらしい作品がでてくる場だと思います。すばらしい作品がでてくるということを得られるのが映画祭です」

大森一樹
「映画祭がはじまり30年になるが、映画にとって産業革命といわれるくらい形がかわってきました。まずフィルムからデジタルに変化しています。日本でも様変わりしてきて、私も混迷の中にいます。そして世界中の映画を見て産業革命できているか見ています。そして30年後にも通じる作品があるかどうか見ていきたいです。


Q影響を受けた邦画は?

スサンネ・ビア
「黒澤明」

ブライアン・シンガー
「私自身も大学時代に黒澤明の影響が強かった。リトル東京シネマで黒澤作品がよく流れた。三船敏郎がらい米したときに会う機会がありました。スティーブン・スピルバーグやジョージ・ルーカスといった巨匠も黒澤の影響があります。スピルバーグを見て黒澤を見るなどしていました」

ナウンサン・シー
「私自身も日本映画が盛んで、小津安二郎などを見ました。黒澤監督の舞台挨拶では『年を取っていたにもかかわらず毎日学ぶことがある』という言葉が心に残っています。いまでも黒澤作品を見るたびに新しいなにかを学ぶことがあります」

トラン・アン・ユン
「日本映画がとても好き。日本映画から学ぶことはいっぱいあります」

ベント・ハーメル
「私自身もおず監督、黒澤監督の映画が気に入っている。来る前に羅生門を南米の友達に見せたばかり。たまたま友達は4つの物語がリンクして思うことが多くある。そこで新しい脚本を思いついた。いわゆる4人の妻が亡くなるのではなく、結婚した夫が亡くなり、葬儀で4人の奥さんがあつまり亡き夫について語る。そして死人が棺桶の中で夫は彼女たちのいってることは嘘っぱちだと叫ぶ物語。それを脚本にしてTIFFに出展しよう」

大森一樹
「やっぱり黒澤が世界のフィルムメーカーに影響を与えたことがうれしく思います。大学時代に黒澤映画の『赤ひげ』を見て医学部に入りました。しかし、医学部で黒澤作品を見続けて、『あ、医学じゃなくて映画監督になろう』と思ったのです。それも間違ってませんでした」

ナウンサン・シー
「音楽で影響を受けたのはゴジラで、自分は大森監督の影響をうけていることを 感じている」

ブライアン・シンガー
「確かにその通り。映画人の私たちは黒澤監督の影響がありました。しかしアメリカ人3000万人以上はゴジラの影響を受けています」


最後にブライアン・シンガーが「多くの映画を見ることができうれしく思います。いい作品に出会えたらますます嬉しいです」と話し記者会見は終了となりました。



written by Yukikaze

Photographed by Daisuke