『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その5 〜よくある質問・後編〜 - Cinema A La Carte

『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その5 〜よくある質問・後編〜

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なぜビルボは選ばれた? サルマンはいつ裏切った? 前編につづき『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』でよく聞かれる質問にまとめて回答!の後編です。


前回に引き続き、本記事は盛大に『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』のネタバレをしていますので、未見の方はご注意ください。







それでは……










いきますよー!








Q, なぜビルボが忍びの者に選ばれた?

A, 冒険心のあるホビットだったから
そもそもトーリンたちは、はなれ山に巣食う竜スマウグを倒すためにアーケン石を手に入れる必要がありました。アーケン石は全てのドワーフを統べる王が持つに相応しいとされている宝石なので、トーリンがアーケン石を手に入れればドワーフの軍隊を指揮してスマウグと戦うことができるからです。

アーケン石は、はなれ山の中、スマウグの懐にあります。それをこっそり奪うために、忍びの者が必要となりました。そこでガンダルフが目をつけたのが、ホビット族でした。ホビット族は身を隠す術に長けていて、いざという時には他の種族よりも素早く動いて姿をくらますことができるのです。

普通のホビットは、冒険なんて危険なことをしようなどと、絶対に思いません。しかしビルボは違いました。

ビルボは由緒正しい名家バギンズ家の父親と、トゥック家の母親の間に生まれました。トゥック家は『ロード〜』シリーズに出てくるいたずら好きホビット、ピピン(ペレグリン・トゥック)の生まれた家系です。このトゥック家も名家なのですが、時たま好奇心旺盛なホビットらしくないホビットが生まれるという、少し変わった一族でした。そしてビルボも幼いころは、トゥック家の血筋を受け継いだ冒険好きのホビットでした。

ビルボは大人になるにつれ、だんだんと“バギンズ的な”ホビットらしいホビットへと成長していきましたが、“トゥック的な”冒険好きの性質は消えていませんでした。冒険好きで、尚且つバギンズの血も受け継いでるからトラブルメーカーでもない。そこを見抜いたガンダルフが、彼を忍びの者として推薦したのです。


Q, アラゴルンって結局何者?人間じゃないの?

A, 人間だけど、普通の人間よりも寿命が長いんです
 『ホビット 決戦のゆくえ』の終盤、スランドゥイルがレゴラスに、(名前は出していませんが)アラゴルンに会いに行くよう言う場面がありました。ここで「え、これって60年前の話なのに、アラゴルンもう生まれてるの?」と思った方は多かったはず。実は彼、『ロード〜』の時点で87歳(途中で誕生日を迎えたので88歳) なので、『ホビット』の時点で既に20代後半だったのです(原作と映画は時間のズレがありますが、本記事は映画に即して解説しています)。

アラゴルンはヌーメノールという王家の末裔です。この王家の始祖はエルロスという半エルフで、エルロスは裂け谷のエルロンド卿の兄弟にあたります。半エルフとはエルフと人間の間に生まれた者とその子孫のことで、彼らはエルフとして生きるか人間として生きるかを選べました。

エルロスは人間として生きる道を選び、ヌーメノールという島で最初の王となりました。これがヌーメノール王家の始まりで、『ロード〜』『ホビット』の時代から6000年以上前の出来事です。

ヌーメノール人(ドゥーネダインとも呼ぶ)は、普通の人間の3倍近い寿命をもっていましたが、長い年月を経て徐々に衰退していき普通の人間と同じ寿命となりました。しかし王家の者たちは長寿を受け継ぎつづけ、王家の末裔であるアラゴルンはなんと210歳まで生きたのです。


Q, サルマンはいつ裏切った?

A, 『ホビット』の時には既に……
『旅の仲間』でその裏切りが発覚したサルマン。彼は『ホビット』のときにはもうサウロン側だったのか、それともあの後からか、これもよく聞かれます。結論から言うと、『ホビット』のときはサウロン側じゃないけど既に腹黒い計画を目論んでました

サルマンはガンダルフと同じくイスタリとして中つ国に派遣されました(イスタリについては前回の記事参照)が、彼は知識や力を求めるあまり堕落し、やがて一つの指輪を手に入れて中つ国を支配しようと考え始めたのです。本来はマイアである彼らですが、中つ国に来る際に人間に近い体となったため、人間のように欲に負けて堕落することもあり得たのです。

『思いがけない冒険』で、ドル・グルドゥアを攻撃すべきだというガンダルフの意見をサルマンは却下していました。あのころサルマンは、既に指輪を手に入れようと考えていて、サウロンを放置しておけば指輪のほうからサウロンを求めて現れるだろうと踏んでいたのです。

『ロード〜』の時代になるとサウロン側に付いていたサルマンですが、表面上はサウロンに従いつつも、実はサウロンを出し抜いて指輪を手に入れようと画策していました。ということで、彼もまた一つの指輪に翻弄された者のうちの一人だったということなのです。



以上、よくある質問の後編でした! 次回はまた違った視点から解説をしていきたいと思います。それでは!


[徹底解説リンク]
第一弾:『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その1〜基本のおさらい編〜
第二弾:『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その2〜キャスト編〜
第三弾:『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その3〜指輪とフロド編〜
第四弾:『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その4 〜よくある質問・前編〜
第六弾:『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その6〜両シリーズの繋がり編〜
第七弾:『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』徹底解説その7〜ゴラム祭り編〜


written by ayako