仕事に疲れた女性に贈る『わたしに会うまでの1600キロ』の魅力 - Cinema A La Carte

仕事に疲れた女性に贈る『わたしに会うまでの1600キロ』の魅力

(C)2014 Twentieth Century Fox

女性がたった一人、大自然の中をひたすら歩く姿が描かれた映画『わたしに会うまでの1600キロ』。今回はそんな作品の魅力をご紹介します。ちょっと仕事で疲れている方、何かを変えたいと考えている方におすすめです!


実話という力強さ

ベストセラーになった原作を映画化した本作は、主人公でもあるシェリル・ストレイドの自叙伝であり、実際に彼女が経験したことを基に書かれています。

そのため、映画の中で彼女がぶつかる困難の数々が非常にリアルで、できることなら体験したくないようなものばかりが描かれています。

そんな状況を一人で、時には誰かの助けを借りながらも乗り越えていくシェリルの姿は本当に力強く、次第にたくましくなっていくので観ていて気持ちがいいです。

もちろん上手くいくことばかりではないですが、人生をやり直すために痛みを越えていこうとする彼女に勇気付けられました。

悩みは人ぞれぞれ色々とあると思いますが、人生をやり直すために1600キロを歩くことを決意して、大自然の中で生きるか死ぬかのような体験をしながら歩いていく彼女が自分と向かい合う姿に何かしらを感じられると思います。

(C)2014 Twentieth Century Fox



大自然の中を歩く映像美

映画の舞台はパシフィック・クレスト・トレイルというメキシコからカナダまで南北に続いているアメリカの自然歩道です。

歩道と言ってもアスファルトで舗装された道路を歩くわけではなく、道なき道を歩いていくという方が正しいような大自然の中を進んでいくのが映画を見ていてもわかります。

(C)2014 Twentieth Century Fox

トレイルは全長4200キロほどあり、そのほとんどが自然公園を貫いています。美しい自然と認められた景色がスクリーンいっぱいに広がるので目を奪われ、そして癒されます。

そんな美しい自然の中とはいえ、女性がたったひとりで山道を歩いていくのですから、美しいだけでは済まされないですよね。そこもしっかりと体当たりの演技で描かれています。



ほぼ一人芝居のリース・ウィザースプーンの演技

(C)2014 Twentieth Century Fox
主人公が人生をやり直すために1600キロを一人で歩く映画なので、ひたすらリース・ウィザースプーンがああだ、こうだと文句を言いながら大自然の中を歩いていく姿を見ることになるわけです。

しかし、そこはアカデミー賞女優、ほぼ一人芝居にも関わらずしっかりと女性としての苦悩、大自然と人という対比を見事に演じています。

第87回アカデミー賞の主演女優賞ノミネートも納得できるむき出しの体を張った演技を魅せてくれます。

一人芝居と言っても他の人が出てこないわけではないです。トレイルを歩いていく中でも出会いはあって、そして助けられ、一人で歩くことがいかに難しいかを表現している部分もあります。

リース・ウィザースプーンの演技だけではなく、母親役で出演しているローラ・ダーンの迫り来る演技も必見です。助演女優賞にノミネートされているだけあって、印象的な笑顔と共に、お見事としか言えない演技を見せてくれます。

二人のアカデミー賞ノミネート女優の演技には何だかヒリヒリとさせられました。

(C)2014 Twentieth Century Fox

2月に公開された『きっと、星のせいじゃない』でも母親を演じていますが、また違った演技を見せてくれているので合わせて観てみるといいかもしれません。


大自然と女性という組み合わせとしては美しいものではありますが、現実的に少し醜いところまでしっかりと描いている映画です。だから、その姿に何かを感じることができると思います。

ちょっと仕事で疲れている人、何か変えたいと考えている人は大自然に癒やされながら、この作品を通して自分と向き合ってみてはどうですか?

written by Manabu