『バケモノの子』感想、親は子に学び、子のために人生を全うする[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『バケモノの子』感想、親は子に学び、子のために人生を全うする[ネタバレなし]

(C)2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS

細田守監督最新作『バケモノ子』を公開二日目に通常鑑賞。世代によって見方が変わる不思議な映画だなと思いました。色々考えさせられますね。


スコア

◯私的満足度
★★★☆☆(3/5)
=娯楽として楽しみつつ色々モヤっと。

◯ファミリーオススメ度
★★★★☆(4/5)
=親子のお話。親こそ色々考える。

◯子供オススメ度
★★★★☆(4/5)
=成長する話。成長する苦難も知れる。

◯友人オススメ度
★★★★☆(4/5)
=娯楽性抜群なので楽しめる。

◯デートオススメ度
★★★☆☆(3/5)
=楓ちゃんが女性ウケ良くないっぽい。

◯映画リピーターオススメ度
★★★★☆(4/5)
=細田守最新作、ですので(笑)

◯WATCHAでレビューをチェック&書いてみる



(C)2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS

感想「作品を楽しみつつ色々モヤっと」

渋谷を彷徨っていた少年九太がバケモノと出会ってひょんなことからバケモノの世界へ。そこで熊徹という厄介な熊の弟子になって成長していく姿を描いていきます。まあド直球ファンタジーというところ。

渋谷の街がとてもリアルで、そのリアルな現実の世界観から異世界へ誘われ映画が始まる様はまるで『千と千尋の神隠し』のオープニングのワクワク感の再来でした。

バケモノの世界でコメディタッチ全開で衝突しながら成長していく熊徹と九太。その師弟関係と言うか親子関係が後半シリアス展開になっていき、最後は胸熱な展開へと進んでいきます。

この映画、凄いと思ったのがかなり多角的に楽しめるということ。大人と子供、既婚と独身、それぞれの境遇で見えるもの、感じるもの、かなり違うと思います。私は色々考え過ぎて消化不良に陥ったので評価は3ですが、作品クオリティはお見事だなと思います。

劇場は日曜の昼下がりでお子さんたくさんでほぼ満席。『妖怪ウォッチ』の時もそうでしたが大人と子供って笑うところ違うんですよね。そういう空間好きなんです。

九太の成長物語として見ると、恋愛っぽい要素も含みつつド直球に「成長とは?」が見えてきて、大人になる子供を親心として見ることが出来ます。

それ以上にこの映画は熊徹の事を色々考えると深く探求できると思いました。熊徹は言ってしまえば「子離れできない大人」です。こういう大人、いるいる。うちの両親そうでもないので冷静に客観的に見れました(笑)

大人は子供を育てようとします。大人は模範になろうとします。しかし大人だって人間なわけで、子供が成長し始めると実は子供から色々教わることになるんですよね。それはスキル的なことだけでなく、心の支えとしても。

そんな熊徹のずっと穏やかになれないで子(=九太)への熱い親心が不器用で愛おしい。最後のシーンなど見ると熊徹の方こそ成長したなと感動しました。

というように感動的な仮想親子の物語なわけですが、同時にこの映画は心の闇を描いていきます

思春期特有(大人でもあるけど)の制御の利かないもやもやがある二人の人間を中心に描かれています。これが結構見ていて色々考えましたね。私あまり感情的に怒るタイプの人間では無いのですが自然とストレスを抱えてしまう弱点もあるので見ていて結構痛かったです。わかるようなわからないようなという意味で。

ある意味そうやって色々と考えさせてくれたので映画がしっかりと心にアプローチしてきたということなんだと思いますが、結構へとへとになりました。

なので、「とても良い映画、娯楽としても申し分なし、そして感動的」でありながら「自分の境遇には合わない作品」でありました。もう少しゆるーく見るのもありですね。

子供ができたらまた違った見方ができるでしょう。また教科書的にもなりそうです。

どなたでも楽しめるor考える映画です。大ヒット中ですので気になる方は是非劇場で!


(C)2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS


どんな映画?

渋谷の街とバケモノたちが住まう「渋天街(じゅうてんがい)」という2つの世界を交錯させながら、バケモノと少年の奇妙な師弟関係や親子の絆を描く。脚本も細田監督が自ら手がけ、声優には、渋天街のバケモノ・熊徹に役所広司、人間界の渋谷から渋天街に迷い込み、熊徹の弟子となって九太という名前を授けられる主人公の少年に宮崎あおい(少年期)と染谷将太(青年期)、ヒロインとなる少女・楓に広瀬すずと豪華キャストが集結している。

参照:http://eiga.com/movie/81500/ 


予告編

楓ちゃんが男性の理想過ぎるというお話

この映画のヒロインの楓ちゃん。可愛い女の子で、親の制限を受けながらも九太を愛情たっぷりに支えます。

「何があっても君を守る」が女性から男性へなので、楓ちゃんはとってもチャーミングでありながら男勝りのカッコいい一面もあると思いました。

が、この楓ちゃん「ちょっと男性の理想的過ぎて不快」という意見がちらほらと。言われてみれば確かに超が付くほどお利口で容姿端麗頭脳明晰と言ったところ。こういう女の子はリアルにいたらオシャレに着飾っている派手めな女の子よりモテると思います。

でもいない。こんな完璧な子いない。いたとしても付き合うと彼氏に厄介なタイプ。そういう女には二度と引っかからないからなオレは!!

すいません、話が逸れました。

『風立ちぬ』の菜穂子さんは「男性の幻想、女性の理想」という論がありましたが、『バケモノの子』の楓ちゃんが「男性の理想」で止まってるのかなと思いました。

それは映画的にプラスでももちろんありますよね。理想を描くのは映画だからこそできることですからね。ただ「こういう女の子嫌だ」とハッキリとした意見を終わってすぐに一緒に行った人から聞いたので「あちゃー^^;」って思いましたw

夏休み映画で誰でも何かしら楽しめる『バケモノの子』ですら男と女について考えるきかっけになるわけですから、性と言うのはホント底なしに探求のしがいがありますね。

AMで「バケモノ恋愛論」書けば良かった(笑)(AM=私が寄稿している女性向け過激恋愛メディア)


という感じで色々語れる映画ではありますので夏休みの代表的な1本でしょう。語り甲斐あるので意義ある映画に間違いなし。気になる方は是非劇場で。


おしまい。


公式HP
http://www.bakemono-no-ko.jp/index.html