映画『駆込み女と駆出し男』感想、少しの欠点がある方が、人も映画も愛おしい。[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

映画『駆込み女と駆出し男』感想、少しの欠点がある方が、人も映画も愛おしい。[ネタバレなし]

5月16日公開の大泉洋主演の『駆込み女と駆出し男』、「映画ファンの集い」&「A La Carte」独占試写会を開催しました!映画もとても素晴らしい!老若男女皆楽しめる作品です

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スコア

◯私的満足度
★★★★★(4.5/5)
=本当に面白い時代劇!

◯ファミリーオススメ度
★★★★★(5/5)
=誰もが楽しめる時代劇!

◯子供オススメ度
★★★★★(5/5)
=子供だって笑える!

◯友人オススメ度
★★★★★(5/5)
=友だちとだって笑える!

◯デートオススメ度
★★★★★(5/5)
=恋人とだって笑えるし、愛を確かめられる!

◯映画リピーターオススメ度
★★★★★(5/5)
=原田眞人監督らしさ全開の時代劇を堪能すべし!

◯WATCHAでレビューをチェック&書いてみる




感想:おもしろい!素晴らしい!

大好きな『クライマーズ・ハイ』の原田眞人監督が初時代劇!ということで良テンポでハイセンスな時代劇がくると超楽しみにして鑑賞したわけですが期待を遥かに超える素晴らしい作品でありました。

本当に驚くくらい魅力の詰まった映画です。何か凄いって欠点を上げればたくさん出てくるのに「そんなことは小さなことで!」「そんなことはどうでもよくて!」と言って、とにかく良いところを褒めたくなるんですね。

オープニングの大泉洋の台詞から聞き取れなくて「おいおい大丈夫か」なんて思ったり。途中も台詞があまりに膨大で一部理解できなかったり。

とかあるわけですけど、前述の通り「そんなことはどうでもよくて!」この映画は本当に面白かったです。

一部の台詞がわからなくても、それでも面白いですし、感動もしますし。江戸時代の話ですが、今現代の存在すべき時代劇に仕上がっていますし、もう文句なしに面白い映画なんです。

江戸時代は女性側から離婚を申し出ることができない時代で、その救済として駆け込み寺というものが存在していました。

配給の松竹さんが1分解説動画をアップしてるので貼っておきましょう。

女性に力が一切なく自由が利かなかった時代。その時代を懸命に生きる女性を戸田恵梨香と満島ひかり中心に描き(=駆け込み女)、医者の駆出しである(=駆出し男)を大泉洋が演じています。

実質主演は大泉洋と戸田恵梨香でwith満島ひかりといった感じで認識差し支えありません。

その周りを堤真一、山崎努の『クライマーズ・ハイ』コンビや、樹木希林、内山理名、キムラ緑子、陽月華ら超豪華キャストが固めます。そして揃いも揃って名演技!

シリアスな題材を扱いつつ、大泉洋が持つコミカルさをそのまんま有効活用!最初の方静かに見守っていた劇場がすぐに大泉洋の顔芸で爆笑の渦に。わかりやすく「この映画は笑って良いんですよー!」というポーズになっていて良かったです。

そしてシリアス⇒コミカル⇒シリアス⇒コミカルと、テンポ良くストーリーが進んでいき、その中で『駆込み女と駆出し男』というタイトルにマッチした展開になっていくわけですね。

笑えるシーンはクスクスを超えて大爆笑、シリアスと言いますか切ないシーンや迫力あるシーンも含んでクライマックスへと突き進んでいきます。

現代の映画として楽しめる良テンポで演出されながら、時代劇として、江戸時代映画としてその時に美しき鎌倉を映像がしっかりと表現して私達に降り注いでくれます。

音楽の美しさも映画の美しさを際立て、余韻を大きく残します。たくさん笑った記憶を残しながら、しんみりとエンドロールは至福でありながらどこか切ない余韻に浸ることができます。

つまり!!

確かに欠点はあるけど、そんなことがどうでも良くて、大満足だし、大傑作と言わせて!

と言うことです。

「映画ファンの集い」×当ブログ「A La Carte」の合同試写と言うことで、洋画を中心に普段は鑑賞する人大半で構成された時代劇試写会。

しかし劇場の盛り上がりや終わった後それぞれが映画の良かったところを笑顔で語り合う姿を見て、「普段見ない映画だからこそ、試写会を開催出来てよかった」と嬉しくなりました。私だけでなく多くの方が笑顔になれた、心が浄化できた素敵な映画です。

たくさん笑って、しんみりして、時代劇の良さを是非劇場で体験してみてください。



どんな映画?

舞台は江戸時代の鎌倉。幕府公認の駆込み寺・東慶寺には離縁を求める女たちがやってくるが、寺に駆け込む前に、御用宿・柏屋で聞き取り調査が行われる。柏屋の居候で戯作者に憧れる駆出しの医者でもある信次郎は、柏屋の主・源兵衛とともに、ワケあり女たちの人生の新たな出発を手助けすることに。
参照:http://eiga.com/movie/80976/

予告編


テンポと台詞回しの神様が降臨!

シリアスで知的な映画を作ることに定評のある原田眞人監督。洋画好きさんなら監督業ではなく、『ラスト・サムライ』の嫌味全開の通訳大村を演じた俳優さんとしての方が記憶されているかもしれませんね。

『ラストサムライ』では俳優として参加された原田眞人監督。

原田眞人監督作品『クライマーズ・ハイ』などもそうですし、ご本人も「テンポの良い作品が好き」と仰っており、『駆込み女と駆出し男』も例に漏れずテンポが良いです。

本作の上映時間は2時間23分。ちょっと長めですが、全く長さを感じさせません。かなり膨大な台詞があり、間延びなんて一切なし。

どんどん進む物語は前述の通り、シリアスとコミカルの山と谷を何度も超えていくのでそりゃ間延びするはずもないです。

とにかくテンポが良くスピード感のある時代劇になっているのです。


そのテンポをより引き立てるのが大泉洋とお勝を演じたキムラ緑子。大泉洋主演で大泉洋の独壇場になるコミカルシーンもあり、キムラ緑子のナイスアシストで二人で超ハイペースの言葉遊びを含んだコントのようなシーンも大爆笑必須です。

この二人の超早口のやり取りが映画のテンポをより引き立てていたわけです。

最初の方で信次郎(大泉洋)が目覚めたところのやり取りも爆笑でしたし、口から出まかせで入り込んできた役人の手先たちを返り討ちにするシーンも大泉洋×キムラ緑子で大爆笑。

大泉洋はインタビューで「台詞は多かったけれど、監督が喋りやすい言い回しを書いてくださって」と仰っていたので、原田眞人監督自ら執筆した脚本がナイスアシストをしたのが間違いない感じでしょうね。

テンポとセリフ回し、特にセリフ回しは大泉洋やキムラ緑子の演技的側面と原田眞人監督の脚本の台詞側面の両面で神が降臨したようにお見事でした。

あまりのセリフ量に面白いセリフでも記憶に全部留めておけてないので、是非劇場でまた見たりDVD買ったりしたいです。

それくらい、何度もリピートしたいくらい、素晴らしい映画だと言うことです!



終わった次の日の余韻に唸った

映画の試写から一夜経って、映画の感想を書くに辺りいくつかインタビュー動画をチェックしました。

そこでかかるテーマ曲を耳にして映画のことをあれこれと思い返していました。まだサウンドトラックが発売していないのであれですが、インタビュー中にかかる曲を一応載せておきましょう。

https://youtu.be/N2LnbaaxVF8?t=8m41s

この曲を聴いたら見た直後は爆笑エピソードばかり記憶から蘇ったのと対照的に感動的なシーンがいくつもいくつも蘇ってきたのです。戸田恵梨香演じるじょごと満島ひかり演じるお吟中心にです。

四季折々に美しい東慶寺の映像や、そこで生活する女性たちの映像が蘇ってきました。記憶に住み着いてくれたわけですね、この映画は。

そして今は「今すぐにもう一回見たい」と思っています。嫌な人物も出てきますし、理不尽な世相も描かれます。しかしその中で必死に生きた人間たちには心動かされます。

大泉洋演じる真次郎からは「どんなに辛い時でもベストを尽くし、笑いも忘れずに」という勇気を貰えます。

戸田恵梨香演じるじょごからは「真面目さ、ひたむきさ」の大切さを教えられます。

満島ひかり演じるお吟と堤真一演じる三郎衛門には現代にも通じる「大人の愛」を教わります。

他にも大小様々な人物たちの膨大な台詞とエピソードが人生の教科書のように私達にエンタメ要素を含みながら語りかけてくれます。

本当に何から何まで素晴らしい映画なのです。

前述の通り「確かに欠点もある」という映画です。しかし、人間も映画もその他でも、完璧なそれよりもちょっとの欠点を含んでた方が愛おしいんです。そういうもんです。

だから私は、この映画に満点評価を付けなくても愛すべき映画の切り口では100点満点で1000点以上の点数を付けたいです。

『駆込み女と駆出し男』、全ての年代の男女へオススメです!是非劇場でお楽しみ下さい!

公式サイト▶ http://kakekomi-movie.jp/