映画『インヒアレント・ヴァイス』感想、なんじゃこりゃ!?という最高の褒め言葉![ネタバレなし] - Cinema A La Carte

映画『インヒアレント・ヴァイス』感想、なんじゃこりゃ!?という最高の褒め言葉![ネタバレなし]


第87回アカデミー賞にも2部門ノミネートされたポール・トーマス・アンダーソン監督作品『インヒアレント・ヴァイス』の感想です。公開は4月18日からとなりますが、こりゃあとんでもない作品です!



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スコア

◯私的満足度
★★★★★(5/5)
=正直言って理解できてない!でもそれが至福!何ですかこれ。繰り返し見たら満点超えそう。

◯ファミリーオススメ度
★★☆☆☆(2/5)
=マリファナ上等!な映画なのでw

◯子供オススメ度
★☆☆☆☆(1/5)
=上の理由&裸とかセックスとか、うんw

◯友人オススメ度
★★☆☆☆(2/5)
=一般受けする映画ではない。

◯デートオススメ度
★★☆☆☆(2/5)
=デート映画ではないけど愛の本質は描いてる。

◯映画リピーターオススメ度
★★★★☆(4/5)
=ポール・トーマス・アンダーソン×ホアキン・フェニックス新作!見ようw

◯WATCHAでレビューをチェック&書いてみる



一言感想「なんじゃこりゃ!?」

映画の冒頭でかかる曲のYoutube貼りますね。この曲でも聴きながらまったりこの記事読んでみてください。そういう映画です。


Vitamin C


さて、『マグノリア』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ザ・マスター』のポール・トーマス・アンダーソン監督最新作ということで強烈な映画体験を予想して鑑賞したわけですが、

はい、強烈でした!w

ホアキン・フェニックス演じる私立探偵が元カノの依頼に乗って色々と探っていく話なんですが、もう次から次へと登場人物が増えていって物語も二転三転。

途中で「これ、何の話でしたっけ?w」と混乱に陥る始末。

しかし!これは批判ではありません!それがたまらないのです!


偉大なる現代作家であるトマス・ピンチョン、その著作『LAヴァイス』が原作の映画です。


原作本

ピンチョンの作品と言えば『重力の虹』をはじめとして複雑怪奇で有名。その中でもちょっとはやさしいはずの『LAヴァイス』を原作とした本作『インヒアレント・ヴァイス』ですが、わからんもんはわからん!この映画も複雑怪奇です!

でもそれで良いのですこの映画は。なぜなら物語を全て理解すること=この映画の本質理解ではないからです。複雑な物語の中に蔓延る1960年代のアメリカカリフォルニア州の闇と言いますか悪と言いますか。それをブラックユーモア全開に浮かび上がらせ現代社会に発することがこの映画の本質だからです。

この映画には「100%の善」なんていう綺麗事はありません。主人公であり、観客のとっては応援する対象でもあるホアキン・フェニックス演じる探偵ドッグはマリファナ中毒。救いようがありません。というかマリファナ上等な世界観。もう知らん、そういう世界はそういう世界。そのぶっ飛びを楽しむべきなのです。

書いていておわかりでしょう。ブラックユーモア全開のコメディ映画でありつつもこの映画は一般受けが非常にしにくい映画なのです。しかし!ハマる人はハマる映画です。カオスな世界観は中毒症状に陥るかもしれません。

表面を掬うだけでは楽しめない映画。しかしカオスが楽しい映画であり、無限に湧き出る泉のように奥に魅力が溢れる映画なのです。映画が描く本質を探求する映画。それは難しいかもしれませんが、そういう映画を求める人にはたまらないでしょう。

しかもそれが「大真面目に計算された、超ぶっ飛んでいてカオスな世界」。暴走トラックを事故らないぎりぎりで2時間半走らせた感じの映画です。そのぎりぎりのところで「なんじゃこりゃ!?超おもしろい!」にするポール・トーマス・アンダーソンという監督はやはり鬼だなと改めて思いました。

まとめましょう。

・1回見ただけじゃよくわからないところあり!

・超カオスでぶっ飛んでる!

・物語が計算された一貫性の無さ、でも本質は常に内在。

・俳優陣の演技も最強!特にホアキン・フェニックスとジョシュ・ブローリン!

・見る人を選ぶけどハマったらたまらない。

・ポール・トーマス・アンダーソン好きは全員見ること!

ざっとこんなところです。もう一回見ます!


どんな映画?

ロサンゼルスに住む、私立探偵のドックの前に、今も忘れられない元カノのシャスタが現れる。不動産王で大富豪の愛人になったシャスタはドックに、カレの妻とその恋人の悪だくみを暴いてほしいと依頼する。だが、捜査に踏み出したドックは殺人の濡れ衣を着せられ、大富豪もシャスタも失踪してしまう。ドックは巨額が動く土地開発に絡む、国際麻薬組織のきな臭い陰謀に引き寄せられていく。果たして、シャスタの行方は?この事件の先に“愛”はあるのか!?
参照:http://wwws.warnerbros.co.jp/inherent-vice/

予告編

ポール・トーマス・アンダーソンの映画だなあやっぱ!

ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画、様々な評論の仕方があると思いますが私が彼の映画で魅力的と感じるのは「脳にこびりつくような鮮烈な映像表現」です。『マグノリア』然り、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』然り、『ザ・マスター』然りです。

そんなこびりつくような映像は本作でも健在です。鮮烈で、美しく、カオスで、中毒性のある映像。これがやはりたまりません。

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』や『ザ・マスター』は、物語の構成がシンプルゆえにその鮮烈な映像に良くも悪くも頼っていたところがありますが、本作では一辺倒なそれではなくなっています。

一つ一つの映像が鮮烈で記憶に残りつつも、物語の進行を決して邪魔しない良い塩梅になっているのです。如何せん前述の通り物語が複雑怪奇。元カノを助ける話だったのが途中からオーウェン・ウィルソン救出作戦になってまして混乱であります。もちろん計算された二転三転のストーリー構成です。それが凄い。

直近二作のシンプルさと真逆をいくので、直近二作の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ザ・マスター』しかポール・トーマス・アンダーソン監督作品を見ていないとちょっとびっくりするかもしれません。

ポール・トーマス・アンダーソン監督作品の中でもファンの多い『マグノリア』辺りでウォーミングアップしてみても良いかもしれませんよ。

繰り返しますが、

ポール・トーマス・アンダーソンが好きな人はいいから一人残らず初日に劇場へ行け。いいから行け。←


俳優陣のぶっ飛び演技はたまらねえ!!

ホアキン・フェニックス
=大事な時にラリってしまうヒッピー探偵のドック

ジョシュ・ブローリン
=凍らせたチョコバナナ中毒のLA市警刑事

オーウェン・ウィルソン
=死んだはずが、洗脳されていたミュージシャン

リース・ウィザースプーン
=おカタイ検事補なのに、なぜかドックの今カノ

ベニチオ・デル・トロ
=ドックが頼る弁護士

キャサリン・ウォーターストン
=ドックの元カノ、誰もが認める最高の女

エリック・ロバーツ
=ナチスに憧れるユダヤ人の土地開発業者

ジェナ・マローン
=ドラッグのやりすぎで歯を失くした元ヒッピー

マーティン・ショート
=コカインとセックスに目がない歯科医


どうですかこの豪華ラインナップ×酷いキャラクターwwwみなさんがいつもと違い役柄を熱演しながら「これ超楽しんでんだろうな」と思える演技でたまりませんでした。

超豪華ラインナップなのにしっかりと主役はホアキン・フェニックスで際立ってるバランスも良い。いや、ジョシュ・ブローリンは良い感じでちょいちょい存在感食ってますかね。

あ、どうでも良いし、ストーリーにほぼ関係無いんですが、ジョシュ・ブローリンが日本語を話すシーンがあります。しかもその日本語の台詞が

「モット!!パンケーキ!!モット!!パンケーキ!!」

ですwwwかわいいwww

ってかジョシュ・ブローリンの役柄、突っ込みどころ満載なんですよw

凍ったチョコバナナを終始なめてるんですね。凍ったチョコバナナを終始ぺろぺろ・・・バナナぺろぺろ・・・バナナを舌でぺろぺろぺろぺろ・・・バナry(以下卑猥につき自主的削除)

ちなみにホアキン・フェニックス×リース・ウィザースプーンは『ウォーク・ザ・ライン 君へ続く道』以来の共演ですが、『インヒアレント・ヴァイス』の二人は完全に頭狂ってる二人なので面影なし!見終わってから「あ、そういえば」と気付く始末でしたw

とにかくホアキン・フェニックスとジョシュ・ブローリンが際立って見事!この演技、一見の価値あります!


まとめ

もう何回か見て表面的な楽しみと、内在する楽しみを探求したいです。

あ、インヒアレント・ヴァイスの意味をちゃんとまとめておきましょう。


インヒアレント・ヴァイス/Inherent Vice
=物事に内在する欠陥

物でも場所でも、あるいは時代、状況、もしかすると人間でも、目には見えないかもしれないが、もともとそこに存在する欠陥や不備など、ネガティブな性質のようなものが、何かをきっかけに表に出て不都合や悪い結果をもたらす場合がある。それは、時に最悪の事態を招くことさえあるが、その性質を考えるとどうしても避けられないことであり、その責任を追求することは難しい。その性質が「インヒアレント・ヴァイス」である。
公式プレスシートより引用

この映画は計算されまくったカオスでありますが、もしかしたら計算されて入れ込まれた「映画自体の内在する欠陥」があるかもしれませんね。ポール・トーマス・アンダーソンの力量ならできるはずです。

そう考えると探求する中でこの映画の欠点が見えた時、それは製作者が意図するものなのかもしれません。よってこの映画を否定することは言えなそうです。

恐るべしポール・トーマス・アンダーソン!!星は理解不足もあるので4にしてますが、繰り返していく中で魅力のガルガンチュアにハマってしまって年間トップレベルの満足度になってしまうかも。

恐いよ恐いよ恐いよ恐いよw

4月18日から公開です。


公式HP
http://wwws.warnerbros.co.jp/inherent-vice/