映画『龍三と七人の子分たち』感想、「北野武」が「ビートたけし」のコント力全開で作った爆笑必須のジジイヤクザ映画![ネタバレなし] - Cinema A La Carte

映画『龍三と七人の子分たち』感想、「北野武」が「ビートたけし」のコント力全開で作った爆笑必須のジジイヤクザ映画![ネタバレなし]



4月25日公開の北野武監督最新作『龍三と七人の子分たち』をお先に鑑賞させて頂きました!今までの北野武映画の中で最も腹抱えて笑った「超楽しい映画」でした!




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スコア

◯私的満足度
★★★★☆(4/5)
=完全なる娯楽映画!『HANA-BI』とか『ソナチネ』ではなく、『座頭市』の路線です。

◯ファミリーオススメ度
★★★☆☆(3/5)
=死体を粗末に扱うのでそこがちょっとw

◯子供オススメ度
★★★☆☆(3/5)
=上に同じくw

◯友人オススメ度
★★★★★(5/5)
=バイオレンスシーンはゆるめなので普通に娯楽映画として楽しめます!

◯デートオススメ度
★★★☆☆(3/5)
=害はないけどちょっと違うと思うw

◯映画リピーターオススメ度
★★★★☆(4/5)
=娯楽路線ですが、北野武×ビートたけしテイストの新境地を是非劇場で!

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一言感想

何も考えずただただ「楽しい!」「面白い!」な映画でした。

全く泣きません。特に感動もしません。しかし如何せん楽しい!面白い!

娯楽路線へと完全に振り切りつつも、北野武監督らしいヤクザ話をしっかりと入れ込みあれこれ他の北野映画も思い出す謎の懐かしさ。これがとっても至福でした。

ここには『HANA-BI』や『ソナチネ』の衝撃、『アキレスと亀』のような感動はありません。しかし『アウトレイジ』が直球に「面白い!」だったようにこの映画も直球で「面白い!」んです。

話は引退した元ヤクザのじいさんたちが、詐欺をかましてるエセ会社を撲滅しようとするお話。オレオレ詐欺にひっかかりかけたのでまあ要は復讐劇ですね。元ヤクザVSヤクザまがいのエセ会社(詐欺会社)、その外からマル暴の警察が静観という構図。

もうこの元ヤクザのじいさん7人組がこれでもかと言わんばかりにクセがあって個性的!ストーリーではなく、そのキャラに突っ込みどころ満載w一人のじいさん街中で拳銃ぶっ放し過ぎだしw

この映画は今までの北野武監督映画における娯楽側面の良さを継承しながら、お笑い芸人ビートたけしとしての漫才のような掛け合いが楽しめる映画です。じいさんたちがもうとにかく喋る!喋る!喋る!

これはもう複数人漫才です。50人いない劇場でのマスコミ試写でしたがもう会場は次から次へとゲラゲラと笑い声が。もうとにかく面白おかしく、キャラに突っ込みどころ満載。

クライマックス倫理的に大問題の描写が続きますが、あまりにそれがぶっ飛び過ぎてて笑うしかないw「はい!そこまで!」の畳み掛けが漫才の強制終了みたいでなぜか心地よくニヤニヤしてたら映画が終わりました。

『HANA-BI』の感動、『ソナチネ』の衝撃。この映画には全くありません。しかし、それらを撮ってきて、迷走もして、『アウトレイジ』という娯楽悪人映画を撮ってきた北野武だからこそ撮れたであろうこの映画。

北野武とビートたけしが脚本構成レベルで会議したんじゃないかと妄想したくなる面白さ。何も感動しなかったのにもう2回目を見たい自分がいます。

つまり、それは、この映画が、超面白かったというわけであります!


どんな話?

北野武監督が、引退したヤクザの元組長とその子分たちの活躍をコメディタッチで描いた作品。北野組初参加となる藤竜也を主演に、近藤正臣、中尾彬、小野寺昭ら平均年齢72歳のベテラン俳優陣が主要キャストとして顔をそろえた。金も居場所もなくなり、毎日くすぶった生活を送っていた元ヤクザの元組長、龍三。ある日オレオレ詐欺にひっかかってしまった龍三は、詐欺で人々を騙す若者たちを成敗しようと、昔の仲間を呼び寄せて世直しに立ち上がる。
参照:http://eiga.com/movie/81333/

予告編

『アウトレイジ3』ではなくこの映画を撮った理由

『アウトレイジ』『アウトレイジ:ビヨンド』が大当たりした北野武監督。私も大好きでして、当然3を期待しているわけです。今も。しかしそれを意識的に遮断して本作の撮影に舵を切ったそうです。

森昌行プロデューサー:「『アウトレイジ3』への期待感は理解できますが、ここでパート3を撮ってしまうと、様々なジャンルの映画を撮る監督と認知されているのに、作風が固定化してしまう怖さがありました。そこで今回は違うテイストの作品を撮ってほしいとこちらの希望を伝えました。」
公式プレス資料より

ということで、この切り口から『龍三と七人の子分たち』は製作がスタートしたわけです。ちなみに原作的なのは無いように思えて一応あるんですね。

企画のベースとなったのはビートたけしとしてWeb新潮に発表した『ヤクザ名球会』という短編小説です。ググったけどサクッとは出てこなかったです。

その短編小説に北野武×ビートたけし全開で脚色をした結果、とんでもなく面白い会話劇全開のおもしろジジイヤクザ映画が出来てしまったわけですね。『TAKESHIS'』などで苦悩していた時に比べて余裕が垣間見られました。



武っぽくもあり、武っぽくなくもある

北野武映画といえば「北野ブルー」と言われる独特の色彩があります。本作ではそれがあまり感じません。これ考えてみたんですが、あれですね、セットや衣装などの色が多色なんです。

と思ってプレス見たら、

色を抑えるモノトーンに近い作品が多かったが、本作では「懐かしい感じを出したい」という理由で総天然色にこだわっていたという。
公式プレスより

とありました。納得です。

あと音楽は『座頭市』から組む、鈴木慶一さん。今回も独特の北野武ワールドを展開するのに一役買ってました。シリアス作風×久石譲をもう1本見たい気もしますが、本作に関しては鈴木さんで大正解でした。

シリアスな映画でも、コミカルな映画でも、北野武映画といえば倫理観を問う側面があれこれと出てきます。本作でもそれは健在でした。今回のそれは「これをブラックジョークと割り切れるか」という倫理面かもしれません。

オレオレ詐欺、神風特攻隊ネタ、食品偽装ネタ、右翼ネタ、ヤクザネタ、死体の粗末な扱いなどなど。これらがじっくり描かれてたら何か問題に思えるかもしれませんが、高速な漫才のごとくこういった要素がネタとして盛り込まれていくのでもうゲラゲラ会場が大爆笑でした。

神風特攻隊ネタは、あれアメリカ人大丈夫なのかなw

敵側のボスの苗字が「西」なんですが、これ『HANA-BI』と同じなのは何でですかね?気になるじゃんw


という感じで、何かあれこれ深い話ではなく笑顔であーでもないこーでもないと喋りたくなる映画なんですよ。

もう1回見て、是非映画ファンの人たちと語りたいです。公開までまだ2ヶ月以上…ぐええ・・・つらい!

でも本当におもしろい!見る人を選ぶ倫理観も確かにありますが、北野武×ビートたけしが出会った漫才を彷彿とさせる抱腹絶倒のジジイヤクザ『龍三と七人の子分たち』、4月25日を是非心待ちにしてみてくださいね!


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