東京国際映画祭『寄生獣』感想、気持ち悪グロ面白い!その裏で人間の本質やドラマもしっかりと描く![ネタバレなし] - Cinema A La Carte

東京国際映画祭『寄生獣』感想、気持ち悪グロ面白い!その裏で人間の本質やドラマもしっかりと描く![ネタバレなし]


東京国際映画祭クロージング作品『寄生獣』、早速見てまいりました!この作品は2部作となっており、本日レビューするのは11月29日に公開される前編であり、後編は2015年4月25日に公開予定です。


私的満足度

★★★★=星4=素晴らしい作品でした!

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。


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まずは率直な感想

※私原作読んでません!よってこのレビューは原作を知らないというとんでもない視点からの率直な感想となります。

で、まず感想を単刀直入に申し上げますと、

「寄生生物気持ち悪くて、わりとグロい描写あり!でも普通に面白くて、強烈な描写の根底に人間の本質(命題)や人間ドラマや青春ドラマを描いてた!良くも悪くもてんこ盛りなお腹いっぱい映画でありました!」


[DVD発売済み]


まずですね、私がどれだけ素人視点で映画を鑑賞したかと言いますと、

公開されている1分足らずの予告編で「染谷将太くんの手が何か変な寄生生物に乗っ取られた」という情報しかない状態です。つまりどんな話か全く知らずに見たわけです。とりあえず変な生物出てくるくらいの情報だけで。

そしたらですよ、もうオープニングから寄生生物が全力なわけですよ。うじゅうじゅした(←表現不明)寄生生物が人間の身体に入って大暴れ。タイトル出る前からキモ&グロで全力で攻めこんできます。これ前情報無しでデートで連れてこられたりしたら拷問もいいとこかとwいや、でも耐性ある分にはキモ&グロですが普通に楽しいですw

で、そこからは染谷将太くんの脳への寄生に失敗したミギーくんが染谷くんの手を使って大暴れw いちいち律儀に人間への疑問を投げかけてくすくすっと笑わせてくれますw いや、普通に「あはは」と笑いました。

その裏で脳に寄生した生物たちが大暴れで人間食いまくり、世間では連続猟奇殺人が起き・・・となかなかカオスな冒頭部分であります。これがまぁグロいグロい。

これ前情報入れてなかった身としてはグロさ耐性ありつつも疲れましたねえ。「このキモグロ2時間は得意じゃないっす・・・」なんて思ったりもしました。冒頭部分では!

しかしですね、深津絵里が登場してから話が一気に動きます。そう、私がちょこっと文句ある冒頭部分は前編×後編両方を楽しむ準備運動だったわけであります。これくらいの準備運動なら耐えられます。深津絵里が出てきてからとっても面白くなりました。

基本的には染谷くんと手に寄生したミギーとその他というストーリー展開なのですが、高校生で多感な年齢であることがいい感じにドラマ性も生んでいました。寄生生物のお話なので言ってしまえば非現実的なお話なのですが、その非現実的世界観はいたって現実的に描かれていて「普通のヘタレ高校生が運命に立ち向かう」的構図がなかなか好感でした。

脇を固める俳優陣が無駄に豪華なのも見ていて飽きない! というか橋本愛ちゃんと東出昌大くんを同じ映画に出すとか何ですかその『桐島、部活やめるってよ』は!(褒めてます)

全編通してもう何もかもが大サービスな展開物語もてんこ盛りで、映像もアクション的な描写からグロ描写やキモ描写までもうてんこ盛りの大迫力、喜怒哀楽も様々な人間で描かれます

このてんこ盛り大サービスは褒める要素にも貶す要素にもなるでしょう。ここ好みでしかないと思います。

寄生生物は本当にキモいし、人間が食われるのでそれは本当にグロい。しかし驚くほどのサービス精神で展開される映画に物足りなさは微塵も感じず、お腹いっぱいの満足な映画に仕上がっておりました。

原作ファンの方とそうでない方で全然受け止め方が変わってくると思いますが、原作未読組としては、

「キモ&グロ耐性があればあとは問題なく楽しめるよ!でもこれ前編だからおいしいところは後編だよ!」


というのがみなさんへお伝えすることになります。

『るろうに剣心 京都大火編』や『レッドクリフ PartⅠ』のように「これから!」ってところで終わります。お楽しみの後編は2015年4月25日だそうですw



強烈なビジュアルの根底で描かれる人間ドラマの王道

さて、前述の通り本作はてんこ盛りな大サービス精神に溢れた映画なのですが、私がそれを好意的に受け止めている理由は根底で描かれているドラマにあります。

至って王道に母と子、友情、青春などのドラマを描いていきます。

まず母子家庭故の母と子の物語が、このぶっ飛んだ映画の根底でしんみりとしっかりと描かれていきます。昔起きた油の悲劇に罪悪感を抱きながら生きる染谷くん演じる新一にウルッとさせられます。

本作はこの母子の物語に容赦なく悲劇性を被せてくるのですが、染谷くん演じる新一が母親を大切に思っていた感情を爆発させるシーンには胸を締め付けられました。


友情は大きくは描かれませんが、言ってしまえば新一とミギーは一心同体のコンビみたいなもんですからそれを友情と私は捉えます。これが後編でどうなっていくのか楽しみであります。


そして青春ドラマですねえ。これはホント何ていうか、率直に申し上げまして「橋本愛ちゃんでドーピング」ですね。橋本愛ちゃんは超美人女優さんですが、本作ではその美人さがいい感じに魅力的に栄えております。これで反則レベルに加点方式で3億点です←

染谷くん演じる新一がヘタレ高校生で、橋本愛ちゃん演じる里美がちょっと気の強い女の子なのでこのバランスがたまりません!こんな女の子と高校の時仲良くしたかったわもう!ふざけんな!

言葉が乱れました。申し訳ございません。

とにかくこの王道青春物語もぶっ飛んだ寄生生物物語の中でいい味を出しておりました。橋本愛ちゃん、あんたホント可愛いっす。





強烈なビジュアルは命題でもある

時折笑いが起きたミギーの台詞の数々。これらは確かに面白おかしい台詞でもありましたが、かなり強烈に人間を皮肉ってる台詞の数々でもあるんですよね。

「動物を殺して食べといて、なぜ私たち(寄生生物)が人間を殺して食べるのはいけないのだ?」

的な台詞だったり、(一言一句はうろ覚えなので合ってないです)

「死んだらただの肉の塊だ。」

的な台詞だったり、(一言一句はうろ覚えなので合ってないです)


要するに寄生生物には「感情」が無いので、人間の喜怒哀楽を痛烈に皮肉ってくるんですよね。もしこれらの命題に明確に答えようとしても、私はある程度必死になって寄生生物に明確に納得させられる説得はできないと思います。


何で人間て喜ぶんでしょうね。


何で人間て怒るんでしょうね。


何で人間て哀しむんでしょうね。


何で人間て楽しむんでしょうね。


ミギーの言うとおり「自分のことだけ考えて」「自分が生きることだけ考えて」「他人なんてかばわないで、自分だけ守って」そうやって生きていけばいいのに。言葉では言えても感情を殺すことはできないのです。


ぶっ飛んだキモ&グロ物語の根底にはこのとても重く出口などない人間への痛烈な皮肉が漂っているのです。



ある程度の解決を見せつつ本題は後編(2015年4月25日へ!)

さえ、キモ&グロであれこれてんこ盛りの大サービスで展開される本作『寄生獣』ですが、11月29日に公開される本作は2部作の1作目になります。

つまりいいところで、これから!というところで映画は終わりますw 最後の最後に超大物俳優を少しだけ出すところとか、もうマジで『るろうに剣心 京都大火編』の福山雅治状態ですねw

全てが中途半端ではなくある程度の物語的解決を見せて、大きな解決は2015年4月25日ね!な終わりなので割と締まってはいますけれども。

とにかく物語の最終着地点や様々な皮肉と言いますか、命題である「人間と寄生生物は共存できるか」は全てこの前編では解決に持っていかれません。


後編を見て、総括して前編の評価も多少は変わるかもしれません。


この映画は大変ぶっ飛んでいます。気持ち悪い描写はグロい描写も多いです。しかしその裏でドラマを描き人間を皮肉り、ただ表面だけ豪華にコーティングした映画にはなっていません。お見事だと思います。

映像的に拒絶反応を見せる人がいるのは間違いないでしょう。この映画を見て気分が悪くなる方もいらっしゃるでしょう。どうぞご無理はなさらずに。

でも、もしこの映画を楽しみたいのであればキモ&グロやコメディ性、迫力ある映像を楽しむだけでなく、ドラマや人間への皮肉も感じ取ってみてくださいね。


公開は11月29日です。



おしまい。

『寄生獣』基本情報

タイトル
=寄生獣

監督
=山崎貴

キャスト
=染谷将太
=深津絵里
=阿部サダヲ
=橋本愛
=東出昌大
=大森南朋
=北村一輝
=余貴美子
=ピエール瀧
=新井浩文
=國村隼
=浅野忠信


ストーリー
ある日、人間の脳を乗っ取って肉体を操り、他の人間を捕食する「パラサイト」と呼ばれる謎の寄生生物が出現。平凡な高校生活を送っていた泉新一も、一匹のパラサイトに襲われる。しかし、新一の脳を奪うことに失敗したパラサイトは、そのまま右腕に寄生し、自らを「ミギー」と名乗って新一と共生することに。当初は困惑した新一も、次第にミギーに対して友情に近い感情を抱くようになるが、やがてパラサイトと人間とが殺し合う事態が発生。新一とミギーもその争いに巻き込まれていく。

公式ウェブページ
http://kiseiju.com/

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=DKEI4A95wSg


written by shuhei