東京国際映画祭 、台湾映画『共犯』感想、自殺の真相の先に描かれる真実(本質)が脳にこびり付く…[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

東京国際映画祭 、台湾映画『共犯』感想、自殺の真相の先に描かれる真実(本質)が脳にこびり付く…[ネタバレなし]


東京国際映画祭ワールドフォーカス出品作品『共犯』を東京国際映画祭のプレス上映で鑑賞して参りました。


私的満足度

★★★★★+=星5+=満点以上の個人的超傑作!

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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なぜ少女は自殺したのか?からの超展開…

ネタバレ厳禁系、というほどではないのですがサスペンスなので一応ネタバレ無しで。

台湾の高校を舞台にしたサスペンス、と見せかけた人生の物語といったところでしょうか。痛烈に脳にこびり付く凄まじい作品でありました。

ある少女が自殺し、「彼女はなぜ自殺したのか?」という真相に迫っていくのですがその展開が面白いです。

この真相を追うのは警察でも親族でもありません。真相を追うのはこの少女が飛び降りた数秒後にそこを通りかかった第一発見者〜第三発見者の同じ高校の生徒。この三人はたまたま同じタイミングでそこを通りかかっただけで、今までの学校生活では面識がありませんでした。そんな三人が興味本位から真相に迫っていくのです。

表向きではな!!(笑)

少女の部屋に侵入したり、交友関係を調べたりして徐々に明らかになっていく「孤独だった美少女」の真相。そして虐められていたと思われる形跡。Facebookに侵入してわかったその虐めの犯人…。

話は自殺の真相を追う展開からまさかの虐めた犯人お仕置き映画に。と思いきやそうではなくて、次は◯◯でそうだと思ったらまさかの△△。そこから話は180度展開して主人公が変わって✕✕。

という感じで話が二転三転していき当初は予想していなかった結末へと進んでいくのです。このストーリーテリングが素晴らしく、映画にのめり込んでしまいました。お見事!

ストーリーテリングを楽しめただけで満足なのですが、それと合わせて本作はしっかりと社会問題も描いているのです。次の章で書きます。


描かれるFacebookと若者との闇

本作ではがっつりとFacebookとFacebookメッセンジャーが登場します。一応現代の台湾の設定ですので。

その使い方がツールとしての使い方に留まらず、若者特有のFacebook中毒だったり、Facebookでのトラブルだったりを描いていくのです。わかりやすく言えば、勉強や友達そっちのけでFacebookメッセンジャーいじったりとか。日本だとこれLINEでよくありますね。

また本作は人が死んでその真相を追うサスペンスですので、Facebookを介して広がる噂(デマを含む)の恐ろしさも描いています。また、隠していた真実がFacebookを介してバレそうになって当事者が取り乱すシーンなども恐ろしくもリアル。

Facebookが事件の発端になっていたりはしないのですが、それ故に若者特有のFacebookの使い方の倫理的問題がリアルに描かれていたと思います。


自殺や承認欲求の極限が脳にこびり付くからこれは凄い作品

少女の自殺の真相と「捜査の真相」(←意味深)が明らかになると唖然とします。「そういうことだったのか・・・」と。あれこれ自然と事が進んでいく何気ないシーンに隠された伏線の活かし方が見事でした。

結末を見て「ああそうだったのか!」で終わらず、自殺と価値観の問題や承認欲求の極限を見せつけられ、心に重石を置かれて脳に記憶を焼き付けられるような暴力的印象(例えです)すら感じました。

それくらい本作はドスンとくる作品でした。価値観を問う映画であり、若者とSNSも描いていて、サスペンスときた。製作国は日本とは友好的な台湾。

現時点で日本公開は未定のようですが、東京国際映画祭での大絶賛ぶりを見るとどこかしらが買い付けて公開してくれることでしょう。

こういった優れた作品をサクッと見せるのが東京国際映画祭の醍醐味でありますね。一般公開を心待ちにしつつ「とんでもない傑作だ」ということを改めて宣言しておきたいと思います。

おしまい。

『共犯』基本情報

タイトル
=共犯

監督
=チャン・ロンジー

キャスト
=ウー・チエンホー
=トン・ユィカイ
=チェン・カイユアン
=ヤオ・アイニン
=サニー・ホン
=ウェン・チェンリン

ストーリー
通学途中で3人の男子高校生、ホアン、リン、イエは、同じ高校の女子生徒シアが変死しているのを見つける。彼らはそれぞれの理由から、彼女の死の真相を突き止めようと調査をはじめる。シャーは秘密の日記をつけていたらしく、すべてのことがそこに書かれている可能性が高い。日記が見つかれば真相が解明されるはずと考えた3人は、日記を探しにシャーの部屋に忍び込む。ここから事態は予期せぬ方向に…。

東京国際映画祭特設ページ
http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=123


written by shuhei