『ケープタウン』感想、正義と恐怖と怒りのクライム・サスペンス[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『ケープタウン』感想、正義と恐怖と怒りのクライム・サスペンス[ネタバレなし]


『ケープタウン』、公開劇場が少なくスルー予定でしたが、オーランド・ブルームが来日する力の入れようでしたのでサクッと鑑賞して参りました。


私的満足度

★★★=星3=普通に楽しめました。

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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This is South Africaに色々考える

南アフリカが舞台のクライム・サスペンス映画、ということでこれは単純なクライム・サスペンスとしては見ることができず、南アフリカという国の事情を知っていればいるほど様々考えさせられる映画になっています。

ちなみに原作はフランスの推理小説の『ZULU』で、映画の原題も『ZULU』となっています。「ズールー」と言えばズールー族やズールー戦争などを世界史で習ったわけでして、それらの暗喩も垣間見られる作品となっています。


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子供の失踪事件がスタートとなるサスペンスではありますが、やはり「This is South Africa」な内容でして、アパルトヘイトを始めとする、南アフリカという国に根強く残る憎悪が全編を邪魔します。

主演コンビのオーランド・ブルームが白人で、フォレスト・ウィテカーが黒人。この対比も南アフリカという視点で見ると様々考えさせられるところがあります。

最後の最後に至るまで「嫌な展開」が連発し、爽快感は無し。しかしその展開にモヤっとしつつも「This is South Africa」を感じる映画でありました。


思った以上にフォレスト・ウィテカーな映画

オーランド・ブルーム主演作という考えて劇場に行ったのですが、フォレスト・ウィテカーが見事な存在感を発揮しており非常に見応えがありました。変にオーランド・ブルームを輝かせる映画になっておらず硬派な作りは非常に良かったと思います。

心の奥に留めていたアパルトヘイトを始めとした感情の数々、その感情が爆発してしまわないのか注視していましたが・・・なるほどそう来ましたか・・・と。

オーランド・ブルーム演じるブライアンはクソ刑事で、フォレスト・ウィテカー演じるアリは後半豹変。そのどこか理想的でないにしろ人間味溢れるキャラは魅力的であり、二人の名演技が堪能できる映画ともなっておりました。


バイオレンス描写とドンパチ描写は見る人を選ぶ

本作のバイオレンス描写はなかなか凄まじいものがありました。「アフリカの命」という視点で『ブラッド・ダイヤモンド』などでもサクッと描かれていましたが、腕を切り落としたりとかそういうバイオレンス描写ですね。残虐だけど実際に起きてるそれらです。

ホラー映画等の猟奇的なバイオレンス描写ではなく、現実に起きているバイオレンス描写。フィクションでありながらも同じようなことがそこで起きている、起きていたと思うからこそ心にグサッと来るものがあります。

私はバイオレンス耐性はありますが、こういうバイオレンス描写は心をエグられるので厳しいところがありますね。というかそれが目的のバイオレンス描写であると思うので演出上は成功しているわけでありますが。

そして思った以上に銃撃戦と言いますか、ドンパチ描写が多いです。これは見応えありますが本作にいて「描くべきとこはそこではないだろ」と思ってしまうと冷めてしまうかもしれませんね。


107分と潔い作りになっており、決して後味は良くないにせよ何を訴えたいかは明確な映画でその点とても良かったと思います。今一歩何か欲しかった気もしますが「This is South Africa」を感じることができる力強い作品でありました。



『ケープタウン』基本情報


タイトル
=ケープタウン

原題
=Zulu

監督
=ジェローム・サル

キャスト
=オーランド・ブルーム
=フォレスト・ウィテカー
=コンラッド・ケンプ
=ジョエル・カエンベ

ストーリー
南アフリカの都市ケープタウンで、元ラグビー選手の娘が殺害された。捜査に乗りだした刑事ブライアンとアリは、事件の夜、少女が薬物の売人と会っていたことを知る。その薬物は、街で頻発している子ども失踪事件の現場で発見されたものと同じだった。薬物を手がかりに捜査を進めるうち、刑事たちは事件の裏側にひそむ組織的な陰謀の存在にたどり着くが……。

予告編
= https://www.youtube.com/watch?v=9M4lvNSI6SQ


written by shuhei