『リスボンに誘われて』感想、ミステリアスに今と過去の人生が交差してゆく…[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『リスボンに誘われて』感想、ミステリアスに今と過去の人生が交差してゆく…[ネタバレなし]


『ウィークエンドはパリで』とセット鑑賞割してたので『リスボンに誘われて』も鑑賞しました。こっちの方が格段に良かったですw

私的満足度

★★★=星3=普通に楽しめました。

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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ミステリアスに歴史と絡めて人生を描く

自殺しようとしていた女性を助けたスイスの大学教授ライムントが、その時手にした書物に魅せられポルトガルへ衝動的に旅立ちます。そしてこの本の著者アマデウ・デ・プラドの謎に迫っていく物語です。


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ライムントの現代パートとアマデウの過去パートが交差し、真相が明らかになっていき、そして人生が変化していく。なかなか痛烈に突き刺さる映画でありました。ミステリアス×人間ドラマといったところでしょうか。静寂の中に宿る激しさを感じる作品でした。

印象的には『ダ・ヴィンチ・コード』の渋い版ですね。謎に迫りつつもアイデンティなどパーソナルな部分もあぶり出していきます。というかそのパーソナルな方が着地点では重要だったり。それを主演のジェレミー・アイアンズはじめ渋いキャスト陣が彩っていきます。

いきなりポルトガルへ旅立つことや人生を捨ててまで謎に迫るライムントに???になったらある種負けで(笑)「ここまで情熱的になる本なんだ!すげえ!」の温かい目線が必要です。

その根幹だけ受け入れた上で、ポルトガル史を少し知ってるとより楽しめますね。というか知らないと楽しめないかも。「カーネーション革命」と聞いて???な人はネットでいいので少し予習をしてからの鑑賞をお勧めします。

ポルトガル民主化のもっと昔の流れとかも知っておくとより楽しめますが勉強しすぎも大変だと思うのでとりあえず「カーネーション革命」だけは押さえてください。



『ダ・ヴィンチ・コード』的な悪さの露呈が傑作への昇華を邪魔する…

原作あり映画の永遠の課題でもあるのですが「活字だと面白いのに映像になると単調」というアレ。ホント難しい課題ですよね。


原作はこちら

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例えば『ダ・ヴィンチ・コード』のシャトーヴィレットのシーン。ティービングが登場してここから盛り上がるところなのですが、映画では単調な会話が続くシーンとなってしまい一気にスピードが失速してしまいました。

描くべきところを捨て、描かなくて良いところをなぜか残して原作ファンがそっぽ向くのも多いですね。まあ私は「原作は原作!映画は映画!」スタンスにしてから『天使と悪魔』とか超楽しめましたが。

私は本作の原作を未読ですが、未読でも原作からの脚色の甘さを感じたのでその点もったいないなと思いました。だって渋い超名作シナリオだと思いますもん、これ。傑作になれたのに、なれなかったのがもったいないです。

本作、言ってしまえば過去パートが薄いんですよね。私の変な感覚かなと思いきや同じこと言及されてる方多かったですね。アマデウの考えや悩みが「で、具体的には?」となってその先がわからなかったり。

「描くべきはそこではない」という製作側の回答かもしれないので一概に「惜しい」とは言い切れませんが、過去パートが映像的にも物語的にもなかなか熱かったのでもっと見たかったという感はありますね。

現代パートはポルトガルへいきなり行く衝動さえ受け入れれば、ジェレミー・アイアンズの渋い名演もあって見応え十分だったなと思いました。



初めて気付いたリスボンの美しさ

ポルトガルのリスボンが舞台である本作ですが、私はポルトガル行ったことないですし、やはりフランスやドイツやイギリスの各街に比べて「どんな街か」ってパッとイメージできないんですよね。私の知識ではスペインのマドリードやバルセロナで限界です。

そんな中本作で目一杯描かれるリスボン。その街の美しさには衝撃を受けました。ちょいちょい見たことある気もしつつ、古めかしくも歴史を感じ美しさの残るリスボンの街に身を置いてみたいと思いました。

やはり直行便が無いことやポルトガル語さっぱりわからないことなどが起因して今まで全く眼中に無かったわけですが、本作を見てこの映画の舞台の旅をしてみたくなりました。

ヨーロッパの美しさ、私はパリが大好きなのでこのリスボンの少し変わった街も是非人生の中で目に焼き付けてみたいです。そう思えたのでこの映画は一つ私に新しい目を植え付けてくれたということです。

改善してほしいと思う点もある映画でしたが上質な渋いミステリー映画でありました。




『リスボンに誘われて』基本情報

タイトル
=リスボンに誘われて

原題
=Night Train to Lisbon

監督
=ビレ・アウグスト

キャスト
=ジェレミー・アイアンズ
=メラニー・ロラン
=ジャック・ヒューストン
=マルティナ・ゲデック
=トム・コートネイ

ストーリー
スイスの古典文献学教師ライムント・グレゴリウスは、妻と別れて以降、ひとり暮らしの単調な毎日を過ごしていたが、そんな日々に特に不満も疑問も抱いていなかった。しかしある日、一冊のポルトガルの古書を手に入れたライムントは、その本に魅了され、アマデウ・デ・プラドという謎の著者について知るため、衝動的にポルトガルのリスボンへ旅立つ。旅先でアマデウの家族や友人を訪ね歩き、徐々に明らかになっていくその素顔や人生を知ることで、ライムントもまた、自らの人生と向き合っていく。

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=cd1mzrKQdyI


written by shuhei