『フランシス・ハ』感想、アラサー等身大女子の等身大ニューヨーク&パリ物語[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『フランシス・ハ』感想、アラサー等身大女子の等身大ニューヨーク&パリ物語[ネタバレなし]

Mod

一部で話題となっている『フランシス・ハ』、気になったので鑑賞です。映画好きがドハマりする潜在的魅力に溢れた作品でありました。


私的満足度

★★★★=星4=素晴らしい作品でした!

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。


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アラサー女子の疾走に自らを重ね合わせて痛いと思い笑顔になる

映画好きとしてはジャック・ロジエ作品やウディ・アレン作品だったりを思い出させるテイストに「映画的喜び」を感じる作品なわけですが、どうやらそれ以上に本作を愛したくなるのがアラサー独身女子だそうな。


[DVD発売済み]


27歳で地味に老け顔、ナイスバディとほぼ遠いガタイ良い系女子。おっちょこちょいで何だかんだ流されて今日まで生きてきた。そして周りが結婚し始めてる中、自分は彼氏と別れるという事態に。ルームメイトとも仲違いでニューヨークを放浪する羽目に。

言うならば30歳曲がり角でもう救いようのない将来性のない女子が主人公のフランシス

しかーし、彼女を見ていて不快に思うところはなし。そう、彼女はその辺にいそうな雰囲気のいい女子なのです。可愛くないけど。ナイスバディじゃないけど。まあぶっちゃけ彼女にしたいとか思わないけど(笑)

それが等身大過ぎてアラサー独身女子の方はどこかしらにご自身を重ねあわせるのだとか。「とか」と言うのは周りで3人ほど同じこと言ってたので(笑)私の持論では無いのでディスらないでくださいね(笑)

等身大アラサー女子のロードムービーである本作は、等身大のニューヨークやらパリやらも見せてくれます。モノクロで描かれる映画は背伸びを感じさせない映像で、私たちが憧れるニューヨークやパリはそこには無し。

何かに気付いた時には映画はクライマックス。最後に明かされるタイトルの意味に感激。素敵な素敵な、等身大アラサー女子の物語でした。



嘲笑いつつもどこか愛のある音楽

本作はコメディとして見て差し支えない作品だと思いますが、主人公フランシスのドタバタ災難は描き方を変えればシリアスな人間ドラマにもできるほど災難だったりもします。

だって冷静に考えてくださいよ。彼氏と分かれてルームメイトと仲違いですよ。しかも27歳アラサー。仕事も特に天職とかじゃないし。ダメダメなんです。

しかしこの映画ではそのダメダメな感じを音楽が嘲笑います。まるで馬鹿にしているかのようにセンスの良い、テンポの良い音楽が流れます。

しかし同時に、それはどこかフランシスを応援しているようにも思えたり思えなかったり。そんな愛あるセンスのある音楽、エンディングで流れるデヴィッド・ボウイの"Modern Love"がまた素晴らしいのです。

「フランシス頑張れ!てかこれ私!」と叫びたくなった女性はどれだけいることでしょうか。私が見ていても「あーいるわこういう友達w」となりました(笑)



等身大ニューヨークがとても良かった

本作では等身大のニューヨークが描かれます。って「等身大ニューヨーク」って何さと思うかもしれませんね。

例えばアメリカの人気ドラマを3本ピックアップしてみましょう。『フレンズ』『セックス・アンド・ザ・シティ』『ゴシップガール』。これらドラマの舞台はニューヨークです。どのニューヨークもセンスあるニューヨークでした。

特に『ゴシップガール』では高級住宅街のアッパーイーストサイドが舞台だったので「憧れの中の憧れのニューヨーク」が描かれていました。これらドラマを見てニューヨークに行きたくなった方も多いのではないでしょうか。

しかし本作『フランシス・ハ』を見ても「ニューヨーク行きたーい!」とはならないんですよね。パリのシーンもありますが、こちらもやはりそう思えない。ウディ・アレン監督映画で見るノスタルジックに憧れるニューヨークでもありません。

そう、これは主人公フランシスのように背伸びしてないニューヨークなわけです。私は普段の生活は東京が中心ですが、そこで生活しているとその土地に過度な憧れは持たなくなります。

私は休みとお金があれば東京なんて出て行って、温泉行ったり海外行ったりしたいといつも思ってます。しかしそんな東京に大金をかけて旅行に来る外国人が多数います。そして多くの方が"Amazing!"などと行って笑顔で満喫しています。私の日常である東京を。

それと似ているのでしょうね。監督のノア・バームバックはニューヨーク出身だそうで。そんな彼が今の等身大ニューヨークを描いたんだと思います。変に社会問題的明示はしないさじ加減で、絶妙なニューヨークがここにはありました。



まあ頑張りましょうや!

主人公フランシスのついてないっぷりに「頑張れ!」とか言いつつ「自分も頑張りましょうかね!」と思えちゃうんですね。これがまたたまりません。私アラサー男性ですが、それでこの共感です。

人生ちょっとうまくいってないアラサー女子が鑑賞したら「あーーーー!!!!もう!!!!私だって頑張るんだからーーーー!!!!」と映画館出たあと走り出したくなるのではないでしょうか(笑)

『フランシス・ハ』、まだまだ絶賛公開中、ですが公開劇場少ないのでお早めに!

『フランシス・ハ』

タイトル
=フランシス・ハ

原題
=Frances Ha

監督
ノア・バームバック

キャスト
グレタ・ガーウィグ
=ミッキー・サムナー
=アダム・ドライバー
=マイケル・ゼゲン
=パトリック・ヒューシンガー

ストーリー
ニューヨークを舞台にモダンダンサーを目指す主人公の女性フランシスと、彼女を取り巻く奇妙な友人関係を、モノクロの映像でいきいきと描いたドラマ。モダンダンサーを目指し、ニューヨーク、ブルックリンで親友ソフィとルームシェアをしながら楽しい日々を送っていた27歳のフランシス。しかし恋人に振られ、ソフィとの同居生活も解消になってしまったことから、居場所を求めて町を転々とするはめになる。周りの友人たちは次々と身を固めていき、焦りも感じたフランシスは、自分の人生を見つめ直していく。


written by shuhei