9.11を題材にした3つの映画を紹介して、個人的オススメに関しても書いてみる - Cinema A La Carte

9.11を題材にした3つの映画を紹介して、個人的オススメに関しても書いてみる


2014年9月11日、本日で9.11から13年となりました。(同時多発テロという言葉は好ましくないとの意見もありますので「9.11」とします)

改めまして亡くなられた方々、被害に遭われた方々、心に傷を負った方々へお見舞いとお悔やみを申し上げます。

当時私は中学3年生でした。今は無きニュースステーションの速報ニュースに震えたのを覚えています。そこから長きに渡った紛争、今もその延長戦に続く紛争に意見を持っていないわけではありませんが、当ブログらしくそういった意見ではなく「9.11と映画」について書いていきたいと思います。

様々ある9.11映画から3つ紹介します。

9.11を扱った映画は大なり小なり様々製作されておりますが、本日は3つの映画を紹介します。

まずは、最も傑作であり私もみなさんへ是非見て頂きたいのがこちら。

『ユナイテッド93』


こちらは9.11でハイジャックに遭った飛行機で唯一建造物に当たらず、ペンシルバニア州ピッツバーグに墜落した「ユナイテッド航空93便で何が起きたのか?」に迫ったドキュメンタリータッチの映画です。

遺族の許可を持って製作され、事件の朝、搭乗前、ハイジャック、そしてハイジャック犯と乗客との戦い、墜落までが描かれます。

事実が「墜落」ですので絶望感しか無い映画です。しかしこの映画は傑作であります。

この映画を監督されたのはポール・グリーングラス。『ボーン・アルティメイタム』『ボーン・スプレマシー』『キャプテン・フィリップス』などの監督としてご存知の方も多いのではないでしょうか。

元々ドキュメンタリー映画出身のポール・グリーングラス監督だけあって、この『ユナイテッド93』はまるでそのハイジャックそのものを目の前で見せられている錯覚に陥ります。

この映画の凄いところはその臨場感だけでなく、映画の切り口です。当然ハイジャック犯は犯人ですが決して悪魔のようには描いていません。人間として描いています言うならばドキュメンタリータッチで淡々と犯人を描きます。

誰か1人の乗客をクローズアップしたりもしません。様々な乗客や乗務員の台詞(シーン)や管制官や空軍のその時を繋ぎ合わせていくことで「その時何が起きていたのか」を私たちにしてしてくるのです。

最後は墜落しておしまいです。

「言葉を失う」とはまさにこの映画のためにあるようなものです。映画が終わったあと絶望感しか残りませんが「ずーん」とした絶望感ではなく、何も考えられない絶望感がそこにはあります。

変なプロパガンダも無く、「事件がそこにあって、それに戦った乗客や乗員がいて、飛行機は墜落した」だけを描きます。だからこそ、いつまでも風化させないための1つの歴史を語り継ぐ資料としてもこの映画は多くの人が見るべきだと思います。



続きましてこちら。

『ワールド・トレードセンター』 


タイトルがそっくりそのままワールドトレードセンターなわけですが、こちらもプロパガンダ的な面はありません。こちらはワールドトレードセンターへ救助に向かった消防士とその家族のドラマになっています。

二人の消防士がワールドトレードセンターへいたところビルが倒壊。閉じ込められつつも奇跡の生還を果たしたそのドラマを、二人の死闘を家族のエピソードを交えつつ描いていきます。

この映画、正直初見時はあまり好みませんでした。なぜなら『ユナイテッド93』が完璧過ぎたからです。また実話ではありつつも美化されている感は拭えず「描くべきはそこではないだろ」というツッコミをしたのも事実です。

今でも少し引っかかる所はありますが、この映画が描いているのは「生きること」「家族の元へ帰ること」「大切な人を信じて待つこと」とある意味基本的なことだったりするんですよね。

ですので大人になって少しわかってきたところがあります。特に家族側ですね。「もし自分なら?」を考えながら見ると色々と改めて考えることが多かったです。


以上。最後にご紹介するのは少し異なる視点の映画。


『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』


アカデミー賞作品賞にもノミネートされたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

9.11で亡くなった父親が残した鍵の謎を追い、ニューヨーク中を駆け巡るオスカー少年を描いた"フィクション"です。これフィクションなんです。

悲劇の歴史をフィクションにした点やオスカー少年が明らかなアスペルガー基質で正常で無い点などに苛つき、初見時は「好きでない」どころか「大嫌い」な映画でした。過去形です。今は大好きな映画です。

まずフィクションという点に関してですが、9.11をいいようには扱っていません。

「こんなことを思っていた家族もいたんだろうな。」

「あの悲劇は人々の運命をこう変えたんだろうあ。」

「悲劇の中で残された人たちは支えあって頑張ってるんだな。」

という今日まで表に出ていない無数の一般人のエピソードを凝縮して代弁しているような気がするのです。フィクションだからこそ丁寧に気持ちを掬った映画になっていると思います。

オスカー少年は父親を亡くしたショックもあって混乱しまくりのアスペルガー基質出まくりなのですが、これ、なぜイラッとしたかというと私と少し被るからなんですね。アスペルガーでは無いと思いますがムキになると歯止めがかからなくなるんです。

なので、無意識的に「何か嫌だ」と嫌悪感を抱いてしまったのでしょう。

しかし、数年経ってこの映画を見た時に『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』というタイトルの本質を改めて考えて、家族の絆や家族でない人との絆。1人の少年が赤の他人を救った奇跡などを冷静に噛み締め考えを改めました。

この映画が描いているのは「未来の希望」です。9.11は多くの人々の心を傷つけましたが、そこから未来へ、今を生きている人々の心をこのフィクションが代弁してくれてる気がするのです。

もちろん全ての人が納得できる救いのある映画では無いかもしれません。9.11に直接関係の無い私たちであっても、この映画の示す「未来への希望」は生きる糧となることでしょう。


私のオススメ順は正直申し上げて『ユナイテッド93』>『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』>『ワールド・トレードセンター』です。

みなさんそれぞれ好みがあるとは思いますが、あの悲劇から13年が経過した今日、そしてこの週末にでも一度ご覧になられてはいかがでしょうか。

おしまい。