『思い出のマーニー』の原作の良さは「大人になる過程で失っていったものを思い起こさせてくれる」こと。 - Cinema A La Carte

『思い出のマーニー』の原作の良さは「大人になる過程で失っていったものを思い起こさせてくれる」こと。


『思い出のマーニー』特集連載、第3弾は原作本の感想を書いていきたいと思います。本記事では結末のネタバレはしませんのでご安心ください。


<DVD・Blu-ray発売済み>



『思い出のマーニー』の原作本概要(著者/ストーリー等)

著者
ジョーン ロビンソン

上巻内容紹介
養い親のもとを離れ、転地のため海辺の村の老夫婦にあずけられた少女アンナ。孤独なアンナは、同い年の不思議な少女マーニーと友だちになり、毎日二人で遊びます。ところが、村人はだれもマーニーのことを知らないのでした。

下巻内容紹介
ある日、マーニーは、無人のさびしい風車小屋でアンナを置き去りにし、姿を消しました。彼女をさがすうちにアンナは、マーニーの思いがけない秘密を知りました……。ドラマチックな体験をした思春期の少女の物語。

商品概要
岩波少年文庫の上下巻、及び一冊になっている特装版あり

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『思い出のマーニー』原作の率直な感想

「子供の頃のこと色々思い出したなあ。何か心がすーっと軽くなった。」

これが原作本を読んだ率直な感想です。

映画の感想でもそうですが、「傑作です!」とか「面白かった!」とかを超える感想になります。「傑作!」や「面白い!」は映画や本を評価してるわけですが、気持ちの面で冷静さを保っていて客観的に作品を見れている節があります。

それはそれで良いのですが、それを突き抜けて自分自身の何かに作品が触れると作品と自分とを結びつけて熱く語りたくなるのです。どんな映画や本でもそれはあるでしょう。

近年で多くの方が映画を通して自分を熱く語りたがったものは『桐島、部活やめるってよ』でしょう。あの作品はリアルな高校生活を描いており、「俺は◯◯ポジションだった!」「私は△△に共感した!」と自らを登場人物と重ねて語りたがりました。

『思い出のマーニー』の場合はもっとシンプルで、好き嫌いの尺度で嫌いとなった方以外は誰もが主人公アンナと自分を重ねあわせ、マーニーを◯◯と重ねあわせたのでは無いでしょうか。(ネタバレを避けるため◯◯としました)

誰もが子供の頃、孤独を感じたことがあるでしょう。仲間はずれにされた経験ある方然り、グループに属していたりリーダー的存在でもふとした時不安になり孤独を感じたりも。そして「でも私は一人が好きだから!」と強がってみたりも。

『思い出のマーニー』の主人公アンナはなかなか友達の輪に入れない不器用な子です。しかし本人はそれで良いと思ってる節があり一見悩んでは無いように思えます。

大人でもあることですがみんなが楽しんでる輪に入れないと「何が楽しいのかわからない」と強がってそれらを批判的に見たりしちゃいますよね。アンナにはそれがあります。本音どうこうじゃなくバリアを張って同調を拒絶して一人でいるのです。

そんなアンナが不思議な少女マーニーと出会います。このマーニーとの出会いを通してアンナはバリアを張っていた心を解きほぐしていくのです。そのやり取りが実に素晴らしい。時に不思議に、時に恐ろしく、時に優しく、まるで私たちが忘れてしまった幼少期を思い起こさせてくれるようにマーニーは私たち(アンナ)に語りかけてくれるのです。マーニー素敵過ぎる。

そんなマーニー、下巻ではアンナを置き去りにするシーンが出てきたり素敵で不思議な少女感に陰りが出てきます。しかし、そんな暗雲立ち込めるシーンもマーニーの正体がわかり、アンナとマーニーのやり取りが何だったかわかった後振り返ると、全てが優しさに包まれていたように思えるのです。

マーニーの正体は別記事でネタバレありで語ろうと思いますが、このマーニーの正体を知った時、私は子供の頃だけでなく反抗期だった時など大人ではなかった全ての時代を思い出しました。そして気づくと作品どうこうという物思いからから、自分のことをひたすら考えていました。

ある意味で『桐島、部活やめるってよ』と同じそれでありました。作品を通して自分のことを考えるのです。しかし桐島と違って特にほろ苦くも無いのです。驚くほど爽やか。大人になる過程でどこかに置いてきてしまった子供らしさを少し取り戻せた気がしました。

大人になった時、別に子供らしさって無くさなくて良いんですよね。『ピーターパン』を大人になって見ても同じこと思います。『思い出のマーニー』を通して子供の頃の大切な何かを取り戻せました。

その「何か」は、ネタバレが必要なのでそのうちじっくりと好き勝手語る記事を書きたいと思います。

さて、軽い読書感想文はおしまい。次の記事ではいよいよ『思い出のマーニー』の映画の感想を書きたいと思います。しばしお待ちを!(現在7/3の午後6時、7/4のお昼前にはアップします!)

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