『美しい絵の崩壊』感想、禁断の愛が崩れ落ちた時になぜ爽快感が訪れるのだろうか…[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『美しい絵の崩壊』感想、禁断の愛が崩れ落ちた時になぜ爽快感が訪れるのだろうか…[ネタバレなし]


『ココ・アヴァン・シャネル』のアンヌ・フォンテーヌ監督最新作で、ロビン・ライトとナオミ・ワッツの名女優の共演の『美しい絵の崩壊』を鑑賞しました。


私的満足度

★★★★=星4=素晴らしい作品でした!

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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『美しい絵の崩壊』基本情報

タイトル
=美しい絵の崩壊

原題
=Two Mothers

監督
=アンヌ・フォンテーヌ

キャスト
=ロビン・ライト
=ナオミ・ワッツ
=ゼイヴィア・サミュエル
=ジェームズ・フレッシュヴィル
=ベン・メンデルソーン

ストーリー
子どもの頃から親友として育ったロズとリルは、お互いの10代の息子たちも交え、家族ぐるみの付き合いを続けていた。しかし、ある夏の日、ロズに思いを寄せていたリルの息子が、その思いを告白する。次第に2人は真剣に愛し合うようになるが、母の不倫を知ったロズの息子もリルに接近し・・・

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=hMrj32FIO90




それでは感想を!

タイトル通り、美しく全てが崩壊していきました。

タイトルやあらすじからしてわかると思うので言っちゃいますが、まあハッピーエンドなんて訪れないわけです。しかし、最後に待ち受ける結末は決してもやもやするものでも落ち込むものでもなく、残虐なのに驚くほど爽やかな味わいを残しました。



[DVD発売済み]

原題は”Two Mothers”っですが、『美しい絵の崩壊』というタイトル非常にマッチしてますね。むしろ原題をこれにしても良いくらい。

私はこの映画を見るとき、多くの方と少し異なる視点で構えていたと思います。監督がアンヌ・フォンテーヌだからとか、主演がロビン・ライトとナオミ・ワッツだからとか、ストーリーが禁断のラブストーリーだとか、そういう視点で期待をしていたわけではないのです。

私の歴代ベストの映画は『つぐない』です。監督ジョー・ライト、主演ジェームズ・マカヴォイ&キーラ・ナイトレイ、脚本クリストファー・ハンプトン。そう、『美しい絵の崩壊』の脚本は『つぐない』を手がけたクリストファー・ハンプトンなのです。完全にその視点で期待をしてました。

ストーリー概要など見てもかなり危なっかしい恋愛模様が想像できました。『つぐない』に似た感覚を抱くことになると私は思いました。その世界観に入り込んで静かにその模様を目撃し、映画が終わったら心に何か重い石ころが置かれてるような感覚です。クリストファー・ハンプトン脚本ならそうさせてくれると期待をして鑑賞しました。

結果は期待に応えてくれました。しかし、心に重い石ころは置かれませんでした。『つぐない』では心に石ころを置かれて絶賛しましたが、本作は終盤心に置かれた石ころがすーっと消え去るエンディングが用意されてました。それが見事でした。



禁断の愛にもほどがある…

ロビン・ライト演じるロズの息子はナオミ・ワッツ演じるリルを愛してしまう。
ナオミ・ワッツ演じるリルの息子はロビン・ライト演じるロズを愛してしまう。
双方の息子と関係を持つ母親という設定…禁断にもほどがあるだろ…その結果何が起こるか?

設定はこれだけ。でもそれがまあかなり深い物語になっています。”建前と本音”という言葉がありますが、本作で描かれてるのはまさにそれですよね。いや、厳密には”建前と本能”でしょうか。ダメだとわかっていても愛してしまったらもう後には戻れない…

本作は浮気や不倫とは少し違いますが禁断の愛を描いてるという意味で映画やドラマ、小説で数多く描かれてきたそれと同じ類ではあるでしょう。

だんだん深みにハマっていく母親と息子にこちらは「あー」「あー…」「あー……」となりますが、崩壊の兆しが見えてからは半端なく同意したくなる展開の連続でした。「そうそう…幼い男ってこうなるよね……」「典型的なガキ思考だわ…あとで後悔すんぞその言動…」「そうそう、女性もね、いざとなるとこうなっちゃうよね……」などなど。

起こってることが悲惨なのになぜか同意をしてしまい、冷静で少し爽快感すら思えてしまう。それはサム・メンデス監督の『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』を見た時のそれと非常に似ていました。好きな人は好き、嫌いな人は嫌いな物語と言えるでしょう。

そして最後は美しく崩壊…お見事です。

一番印象に残ったセリフは「あなたを一生許さない」です。そういう発言て、その時の勢いで言うので彼は一生後悔することになるでしょうね。死ぬ時まで。

なんて思いながら映画を見終えました。

崩れゆく人間関係の映画が好きな方、是非ご覧ください。




written by shuhei