『レイルウェイ 運命の旅路』感想、史実に基きながらも一歩引いて冷静に鑑賞。俳優陣の演技が素晴らしい。[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『レイルウェイ 運命の旅路』感想、史実に基きながらも一歩引いて冷静に鑑賞。俳優陣の演技が素晴らしい。[ネタバレなし]


コリン・ファース、二コール・キッドマン、真田広之らの共演で、第2次世界大戦下で日本軍の捕虜となった英兵と日本人通訳の時を越えたドラマ。実話です。


私的満足度


★★★=星3=普通に楽しめました。

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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『レイルウェイ 運命の旅路』基本情報

タイトル
=レイルウェイ 運命の旅路

原題
=The Railway Man

監督
ジョナサン・テプリツキー

キャスト
=コリン・ファース
=真田広之
=ニコール・キッドマン
=ステラン・スカルスガルド

ストーリー
鉄道好きで平凡な人生を送るはずだった英国軍兵士のエリックは、シンガポール陥落時に日本軍に捕らえられ、タイとビルマを結ぶ泰緬鉄道の建設現場で過酷な労働を強いられる。それから約50年後、当時の記憶に苦しめられながらも、愛する妻と平穏な日々を送っていたエリックは、鉄道の建設現場にいた日本人通訳の永瀬が、戦争体験を伝えるためいまもタイに暮らしていることを知る。永瀬の存在が心の奥の傷をよみがえらせ、動揺するエリックだったが、意を決して永瀬に会うためタイへと向かう

予告編

感想を率直に申し上げますと、

戦争体験の悲惨さを描きつつ、心の傷の癒やしというか修復を人間関係の回復と併せて描いた素晴らしい作品だと思いました。

本作は実話を基にしています。コリン・ファース演じるエリック・ローマクスの自叙伝が原作です。実話いえども"実話の自叙伝を原作とした映画"であることを意識しなければなりません。


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第二次世界大戦で日本が加害者であり、本作のエリック・ローマクスは被害者です。また監督が日本人ではない以上、ここで描かれている拷問が本当にそうなのかはわからないのです。本当にそうであっても演出が加えられています。それが実際の拷問より酷いか酷くないかはわかりません。

本作ではかなり酷い拷問シーンがあります。それを「日本人こんな酷かったのか…申し訳ない…」と思ってしまってはいけないのです。過去を反省し未来を展望することは必要ですがこの映画として描かれた過去に落ち込む必要はないのです。あくまでも"実話の自叙伝を原作とした映画"なのですから。

日本人だからこそ、本作のそれへは冷静に見る目を忘れないでいたいところです。



本作において問答無用に素晴らしいと思ったのが俳優陣の演技です。

過去の悲惨な戦争体験が今でもトラウマとして残る主人公のエリック。コリン・ファースの演じる苦悩や葛藤は鬼気迫るものがあり、言葉少なに演じつつ迫力を持っていました。

ニコール・キッドマンの存在感あるけど出すぎない感。ニコール・キッドマン時折こういう繊細な演技で威力を放つのが素晴らしいと思います。

ステラン・スカルスガルドはもう最近の演技安定ですね。名脇役というか名キーパーソンの演技が見事です。コリン・ファースと並ぶと『マンマ・ミーア!』思い出しちゃうのがマイナスですが(笑)

そして日本人通訳の永瀬を演じる真田広之。この演技がまたお見事です。真田さん、こういう葛藤の演技うまいんだから『ウルヴァリン SAMURAI』とか出ないでこういうのもっと出て欲しいです(笑)


冷静な目で本作を追いましたが、戦争という悲劇、時を経て和解するエリックと永瀬の姿は心を打ちました。

当時の英国兵と日本兵という立場で俯瞰すると被害者と加害者かもしれませんが、日本兵一人ひとりが戦争を始め拷問したわけではありません。彼らは上からの命令に従ったまで。

と書くとまるで戦争を美化しているようにも見えますが、そうではありません。悲劇を乗り越えた2人の姿に感動を覚えたということが言いたいのです。

その2人を演じるコリン・ファースと真田広之のぶつかり合い。そしてその脇で2人を超える程の名演技を見せるニコール・キッドマンとステラン・スカルスガルド。

この魂の演技合戦、それこそがこの映画において史実の映画化における戦争や拷問の悲惨さを伝える以上の魅力を持つものではないかと思った次第であります。


written by shuhei