映画『ブラック・スワン』紹介、人の極限をホラー映画のごとく見せ付けてきたアロノフスキーの演出とナタリー・ポートマンの狂気に圧倒される映画![ネタバレなし] - Cinema A La Carte

映画『ブラック・スワン』紹介、人の極限をホラー映画のごとく見せ付けてきたアロノフスキーの演出とナタリー・ポートマンの狂気に圧倒される映画![ネタバレなし]



『ブラック・スワン』基本情報

タイトル
=ブラック・スワン

原題
=BLACK SWAN

監督
=ダーレン・アロノフスキー

キャスト
=ナタリー・ポートマン
=ヴァンサン・カッセル
=ミラ・クニス
=ウィノナ・ライダー

ストーリー
ニューヨークのバレエ団に所属するニナ(ポートマン)は、元バレリーナの母とともに、その人生のすべてをダンスに注ぎ込むように生きていた。そんなニナに「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが巡ってくるが、新人ダンサーのリリー(クニス)が現れ、ニナのライバルとなる。役を争いながらも友情を育む2人だったが、やがてニナは自らの心の闇にのみ込まれていく。

予告編




こんな映画です

バレエ映画ですがジャンルで言うとホラー映画だと思ってます。主人公、そして我々の神経にじりじりと負荷をかけてくる強烈な映画です。2011年公開映画で私的満足度1位です。

主人公ニナはニューヨークのバレエ団に所属しています。日々懸命に努力をしてきた結果『白鳥の湖』のプリマを演じるチャンスが巡ってきます。しかしライバルリリーが強烈だったり、コーチからもっと女らしくなれと自慰行為を促されたり…

白鳥はまだしも、黒鳥(ブラック・スワン)を演じるには内面から出る迫力がないニナ。ニナは様々な重圧から次第に精神をおかしくしていき、凶器の沙汰となっていきます。そして本番当日を迎え…

というのような単独主人公の精神面のお話であります。幻覚が見えたり、壁の絵が動いたり、辺り一面が血に染まったり、とまるでホラーのような映画でありますが、あまりに圧巻な映画で恐怖を超える何かを感じ極度の満足度を感じられる映画であります。



魅力を語らせて頂きますと

"凄い映画"です。どう凄いのか、映画をあれこれ語るよりもわかりやすい初日の劇場の雰囲気をお伝えしましょう。私はこの映画を公開初日の新宿バルト9で見ました。大きなスクリーンでした。

ほぼ満席の客席、圧巻の映画にみなさん息を殺して見てました。映画が終わりエンドロールへ。真っ白なエンドロール、静かな音楽、観客は映画の時と同様に息を殺して見入ります。エンドロールが始まっても誰一人として席を立ちませんでした。

そしてエンドロールが終わり、劇場が明るくなった途端、場内がざわめきました。初日なので見るのを待ち望んでいた人たちの集まりです。あまりの凄さに言葉の整理も付かず「凄い・・・」「何これ・・・」とみなさん困惑していました。

私も友人と「いやあ・・・すげえわ・・・これ」みたいに言葉を整理できずに圧倒されてたのを今でも思い出します。映画の凄さは今でも繰り返し見ながら感じますが、劇場の雰囲気や大スクリーンで見れた初見の体験は言葉では表しきれないものでありました。

登場人物は少なく、ナタリー・ポートマン演じるニナが完全に単独主人公です。他は脇役です。コーチや母親はもう凶器の沙汰です。あまりに厳しくニナを精神的にも肉体的にも追い詰めていきます。しかしそれは愛あってこそだったのでしょう。

次第に精神的におかしくなっていくニナを見ててもう苦しくて仕方ありませんでした。そして様々でてくる"痛い"描写の数々。バイオレンス映画で首が飛ぶのとかより"痛い"と感じる描写が連発でした。例えばゆびのささくれを思いっきり"ビリっ!"と剥くシーン…もう書いてるだけで嫌な気分になってきます。

ニナを追い詰める人たち、様々な痛さ、追い詰められ次第に幻覚すら見るようになるニナ…そして真の黒鳥となえうクライマックス…もう圧巻の一言です。

この映画は映画の魅力と共に、ナタリー・ポートマンの成長物語的裏事情も持っています。ナタリー・ポートマンは子役上がりで魅力的な女優さんですが、どこか優等生なイメージ、清純なイメージを持たれていました。それを本作でエロさを爆発させ、彼女自身が自らの映画女優の壁を超え黒鳥へとなった気がしました。その熱演は当然認められアカデミー賞主演女優賞を受賞しました。納得の演技でありました。

とんでもない傑作で今でも恐怖を感じながら鑑賞してます。恐怖を感じるのに見てしまうという…その完成度や魅力すら恐怖であります。R15指定で非常に痛く恐い映画ですが圧巻であります。

是非チャレンジして頂ければと思います。


こんな方にオススメ!

万人向けではありません。

ホラーテイストへチャレンジしてみたい方、バレエが好きな方、ナタリー・ポートマンが好きな方は絶対に見てほしいです。

また監督のダーレン・アロノフスキーが好きな方は今すぐ見るべきでしょう。同監督の『レクイエム・フォー・ドリーム』を彷彿とさせる恐怖がありました。

そして本作、今敏監督の『パーフェクト・ブルー』と類似するシーンが多発してます。パクリではありません。実はダーレン・アロノフスキー監督、『パーフェクト・ブルー』のリメイク権持ってるのです。なので公の事実として『ブラック・スワン』は『パーフェクト・ブルー』から生まれた作品なのです。

よって『パプリカ』など含め今敏監督が好きな方は是非ご覧になってくださいね。

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