『アメリカン・ハッスル』、史実と異なる箇所解説、史実と異なるラストの意図とは?【ストーリー上のネタバレは無し!】 - Cinema A La Carte

『アメリカン・ハッスル』、史実と異なる箇所解説、史実と異なるラストの意図とは?【ストーリー上のネタバレは無し!】




いよいよ31日に公開控えた『アメリカン・ハッスル』アカデミー賞作品賞有力候補の一角ですので楽しみにしてる方も多いと思います。昨年末にお先に鑑賞させて頂きましたがもうとにかく最高に面白い作品です。万人へ安心して勧められるサスペンスエンターテイメントコメディと言えるでしょう。

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本作は実際に起きたアブスキャム事件を題材としておりますが、"明確に実話ではありません"。意外とここ誤解されてたりします。映画では「史実を元にしたフィクション」みたいな文字で映画が始まるのでみれば全て本当と信じることは無いんですけどね。


ネタバレを控えながら書いていきます。

ストーリーのベースは史実に近いようですが、明確に史実と異なるのは登場人物たちの名前です。

・クリスチャン・ベイル演じる主人公のアーヴィン・ローゼンフェルドは詐欺師です。この人物は実在の詐欺師メルヴィン・ワインバーグを元に形成されたキャラクターです。クリスチャン・ベイル自身この方の会って仕草や喋り方など真似たそうです。お腹が出ていてバーコードハゲな頭に本気でしちゃう辺りもさすがクリスチャン・ベイルで(笑)

・エイミー・アダムス演じるシドニー・プロッサーは実在の人物イヴリン・ナイトがベース。

・ブラッドリー・クーパー演じるリッチー・ディマーソは実在のFBI捜査官のジョン・グッドとトニー・アモロッソの二人がベース。二人を混ぜたキャラクターになってます。

・ジェレミー・レナー演じるカーマイン・ポリート市長はニュージャージー州カムデン市長のアンジェロ・エリチェッティをベースにしたキャラクター。

・そしてジェニファー・ローレンス演じる詐欺師の妻ロザリン・ローゼンフェルドはワインバーグの妻マリーがベースのキャラクターとなっています。

こんな感じで主要登場人物たちは実在の人物をベースにしているにしろ名前が違ったり少しずつ違っているのです。

その中で最も注目してほしポイントがジェニファー・ローレンス演じる詐欺師の妻ロザリンです。実在のマリーは何と1982年に自殺しています。自殺した理由はアブスキャム事件で得た利益で生活しているとテレビで叩かれたため。実際ワインバーグとマリーは1980年には離婚しているのでそんなことなかったわけです。何て皮肉な…。

映画ではその近辺の辛い描写は一切ありません。ジェニファー・ローレンス演じるロザリンの結末は映画を見てのお楽しみとしておきますが、不幸な終わらせ方はしていません。むしろかなりおいしい結末を迎えています。

これはなぜなのか。賛否ありますがこれは「製作陣から不幸な最後を迎えた彼女への敬意」なのでしょう。最後においしいところを見せて彼女を光らせることで、実在のマリーへ製作陣からの一つの理想化したプレゼントになっているのでしょう。

映画を見てる最中はこんなこと気にしなくて良いので、映画が見終わってエンドロール中にでもこのことを思い出してほしいなと思います。ジェニファー・ローレンスの演技、最高でありました。