ウィーンから届いた『ラッシュ/プライドと友情』レビューへの感想メールが非常に嬉しかった件 - Cinema A La Carte

ウィーンから届いた『ラッシュ/プライドと友情』レビューへの感想メールが非常に嬉しかった件



2月7日から"やっと"公開される『ラッシュ/プライドと友情』。残念ながらアカデミー賞にはノミネートされませんでしたが、とんでもなく熱い傑作になっております。既に鑑賞させて頂きましたがもちろん公開されたらまた行くつもりであります。

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さて、私が『ラッシュ/プライドと友情』を鑑賞したのは10月とずいぶん前のことだったのですが、10月中旬にレビューを読んでくださった方から感想のメールを頂きました。



非常に嬉しく、素敵なメールでしたのでシェアさせて頂きます。


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柳下修平 様

初めまして。映画「Rush ラッシュ プライドと友情」の日本人の方による批評はないかと探しておりましたら、柳下さんの熱烈な批評を見つけまして、大変楽しく読ませていただいたところです。私はまだ鑑賞しておりませんが、日本の方にとって、この映画はどういう印象なのだろうと、興味がありました。というのは、私個人のこの映画への見方とだいぶ違うだろうと思ったからです。この映画を調べていたら、本当にたくさんの発見があったんです。

当方、映画の登場人物Niki Laudaの出身地ウィーンに長年在住の日本人で、映画の大ファンです。と言っても、ハリウッド映画はそれほど好きではなく(ヨーロッパの監督のファンでして)、F1は普段は全く興味がないどころか、自動車運転免許すら持っておらず、ロン・ハワード氏の映画は「ダ・ヴィンチ・コード」しか見たことがなく、何百ページもある原作を読んだ後に見たものだから、大変精緻でかなり原作に忠実な描写にもかかわらず「なんだかあっという間に終わったなあ」という印象しか残らなかった、といった有様でした。

私事ばかりで恐縮ですが、私にとってのロン・ハワード氏は、氏がまだ二十歳前に出演したジョージ・ルーカス監督の「アメリカン・グラフィティ」のスティーブ役をやる男の子だったんです。それが大きくなって映画監督になって、「ビューティフル・マインド」を作ったと、この映画が発表されて何年もたってから聞いてびっくり仰天しました。ちなみに、この「アメリカン・グラフィティ」にもちょっとした「カーレース」が登場しますね。ロン・ハワード氏は、F1レースの映画を撮影するにあたり、このレース(ハリソン・フォードが乗っている)のことをちょっと思い浮かべたかもなあ、と思ったりしました。

また、ニキ・ラウダはウィーンでもドイツでも知らぬものがいない「伝説」化した人物ですが、当時を知らぬ私個人としては、テレビの芸能番組やセレブのパーティーなどにしょっちゅう登場する、(前)ラウダ航空の社主というイメージ。最近30歳近く若い奥さんとの間に双子の娘が生まれたし。ということで遅ればせながら、往年の故ジェイムズ・ハントのように、ちょっとした「遊び人」と化した感じでした。レース中の事故のことはもちろん聞いたことがありましたが、ラウダ氏は、あの大事故でのやけどの傷も半分しかない耳も、少しも隠すことなく公衆の面前に顔を出す方です。最近までその姿しか知らず、若いころの映像は見たことがなかったほどです。ところが、私の父が当時ニキ・ラウダを覚えて
いるそうで、日本でもそんなに有名な人だったのかと驚きました。ラウダの事故後の決勝戦が、なんと富士山のふもとのサーキット場で行われたということを、映画関連で初めて知りましたし。そのシーンは映画にあるのかと、ネットで探し回ってたのですが、柳下さんのブログでどうやら再現されていると分かりました。日本で撮影したのではないようで残念ですが。

ニキ・ラウダとそのライバルだったハントの映画が、ハワード監督他ハリウッドのスタッフにより製作されることが決まり、撮影のほんの一部はウィーンでも行われると聞き、ちょっと興味は沸きました。しかし、ドイツ人のダニエル・ブリュールがラウダ役と聞いて、「グッパイ・レーニン」以来この俳優の大ファンにもかかわらず、なんだかイメージが合わない気がして、正直「いったいどんな映画になるんだろう」とさっぱり想像もつきませんでした。

今年ウィーンでの映画初公開のテレビ中継を見ていたら、台本作家であるピーター・モーガンがウィーンに住んでいるらしいと聞き、「英語の名前の台本作家がウィーンに住んでいるなんて、一体どういうことだろう」と調べたら、奥さんがオーストリア人だからだそうでびっくり。それはそうと、この台本作家が既に拝見した「クイーン」とか「ブーリン家の姉妹」を書いた人と知って、映画好きなのに知らなかったと恥じ入りました。モーガン氏の奥さんは、これまた大変セレブリティな方なので、そういう人が集まるパーティーには常連のラウダ氏とも以前から知り合いだっただろうことは、想像に難くありません。

いくらハリウッドの監督の作品だとしても、この手の映画がアメリカで受けるのだろうか、と疑問に思っていたのですが、とりあえず批評は絶賛のようで。英国やオーストリアの一般の方が鑑賞後に投書したコメントなどを読んでも、大絶賛の嵐ですし、F1に興味のなかった人たちの間でも話題を呼んでいるようです。こんな映画を見に行かないとはもったいないことです。柳下さんのブログを読んで、これはもう迷うことはないと確信しました。もう友達と見に行く約束しています。この映画のクライマックスであるレースは、とりあえず日本で行われたということで、日本でも話題になるかもしれないなあ、とは思っています。早く見に行って、みなさんとこの映画の楽しさを分かち合いたいものです。

また、柳下さんのブログを見て、ロン・ハワードの作品もこれからどんどん見ていきたいと思いました。「ビューティフル・マインド」を見ないのは、とりあえず人生で損をしているかなと。たった一つだけ見た映画「ダ・ヴィンチ・コード」を思い返しても、この人は「真面目」というか、通をうならせるような作品を作るなあと思いました。ハリウッドといえば、商業的で、演技そっちのけで要領のいい人気俳優ばかり使って、不必要に大音量でみたいなイメージでした(「ラッシュ」は、多少音が大きいでしょうが、まあそれはF1なので仕方ないですね・・・)。ハワード監督のように、その悪印象を吹き飛ばしてくれる作品を、最近ハリウッドでもたくさん発見できて実に喜ばしいです。

まとまりのない長文にてあしからず。

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とても素敵なメールを頂き嬉しかったです。

メールの中で脚本担当のピーター・モーガンの奥様がオーストリア人であることを初めて知りました。

"モーガン氏の奥さんは、これまた大変セレブリティな方なので、そういう人が集まるパーティーには常連のラウダ氏とも以前から知り合いだっただろうことは、想像に難くありません。"

という文章を読んで「なるほどな!」と思いました。なぜ『ラッシュ/プライドと友情』がなぜこのタイミングで映画化されたのか、なぜピーター・モーガンが脚本を担当したのかがよくわかりました。

いよいよ、やっと、2月7日より公開です。2月1日・2日に先行上映も行われます。万人受けする素晴らしい作品ですので是非みなさんにもご覧になっていただきたいと思います。

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