『MUD マッド』感想、少年期のほろ苦い経験は人生の糧になる。マコノヒーの演技が見事過ぎる。[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『MUD マッド』感想、少年期のほろ苦い経験は人生の糧になる。マコノヒーの演技が見事過ぎる。[ネタバレなし]


私的満足度

★★★=星3=普通に楽しめました。

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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『MUD マッド』基本情報

タイトル
=MUD マッド

原題
=MUD

監督
=ジェフ・ニコルズ

キャスト
=マシュー・マコノヒー
=タイ・シェリダン
=ジェイコブ・ロフランド
=リース・ウィザースプーン
=マイケル・シャノン

ストーリー
アメリカ南部、アーカンソーの川岸に暮らす14歳の少年エリスは、親友ネックボーンと出かけた川の中州でマッドという男と出会う。いわくありげで身を隠して暮らしているマッドに興味を抱いたエリスは、次第に友情を育んでいくが、ある日、マッドがテキサスで人を殺し、警察や賞金稼ぎに追われているということを知る。マッドは幼なじみで最愛の女性ジュニパーと再会することを夢見ており、年上の女の子に初恋中のエリスは、同情心から逃走の手助けをすることになるが……。

予告編


こんな映画です

14歳の少年二人の夏休み。二人で川の中洲の小島へ冒険に向かう。そこで秘密基地でも作ろうかとなるも何とそこには怪しい男が住んでいて・・・怪しい男はマッドと名乗り、愛想が悪いわけではないので徐々に心を通わせていくことに。

しかしマッドには殺人歴があり、今は逃亡の身。少年たちはマッドの純粋な心に感銘を受け逃亡を手伝おうとする……というようなお話です。

ただし、これは逃亡のお話でもサスペンスでもないです。いや、それも描かれているのですがそこの倫理観云々を考える映画では無いのです。そこ問い詰めて文句言うのは勿体無い。だってそういう人の話なんだから。

これは少年の一夏のほろ苦い経験とそれによる成長にスポットを当ててる映画なのです。


感想を率直に申し上げますと

「素晴らしい」という言葉が似合う映画でしょう。割とヘヴィーな内容を扱ってることもあって「面白い」には該当しないかなと。ただ前述の通りあくまでも少年の心に我々は迫るべきなのでそう考えると冷静に「ほろ苦いけどこういう経験で成長できたかな、君は」と声をかけたくなるのです。

心に爽やかな風が通り抜けたような感覚になりました。良い映画です。


[DVD発売済み]

さて、この映画を見た理由ですが、これは単純明快にジェフ・ニコルズ監督作品だからです。多くの方はどちらかというとマシュー・マコノヒー主演だからという側面での選択が多いと思いますが、それも加味しつつやはり一番はジェフ・ニコルズ監督作品だからとの理由になります。

この監督の『テイク・シェルター』の傑作っぷりたるや・・・その時は本作の感想で前述したような爽やかな風など感じず、むしろ凶器の沙汰という側面での傑作だと思いました。今回も心にどっしりと何かを置いてもらおうじゃないかと思ったわけですが、いやはや良い意味で違う作品でありましたね。

この映画は新たなる『スタンド・バイ・ミー』と言われることもあります。物は違えどその例えには部分的に納得がいきます。その比較は正直どうでもいいっちゃいいと思っていて、本作でポイントとなるのは『スタンド・バイ・ミー』を見たことあるか無いかだと思います。

どっちでもいいんです。ただ見たか見てないかで本作の印象変わってくると思うんです。要は少年の冒険です。冒険の描写の規模や結果ではなく、冒険を通しての少年の成長を描いている点で共通します。その意味で『スタンド・バイ・ミー』を知ってると自然と成長物語と思うことができ、主題から何かしら感じるものがあると思うんです。ちょっと痛い目にあって傷ついたと思いますが、少年は必ずこれを糧としてより成長するはずです。仮にそうでなくても観客はそれを願います。それで良いのです。


さて、本作の最大の魅力は何と言ってもマシュー・マコノヒー。ちょこっと語りましょうかね。

Alright, alright, alright...! ←

映画的でありつつも映画的でない人間味溢れるおっさんを見事に演じています。殺人歴があるけど心をちゃんと持っている。それは行動から伝わってきます。このマッドとかいうおっさんは良い面と悪い面が諸にわかります。それって言ってしまえば映画として感情移入しにくそうなんですが、あまりに人間臭くて魅力的で、時折感情移入してしまいました。

その感情移入したりしなかったりという私の感情の推移は、もしかしたら少年が感じていたそれと同じなのかもしれません。映画を通してでもマッドが現実に存在しているように思い、尊敬の念なんて全く抱かないけどどこか魅力的に思えるのです。それはやはりマシュー・マコノヒーの演技あってこそなのでしょうね。

映画全体が醸し出す雰囲気、音楽や映像などもお見事。リース・ウィザースプーンやマイケル・シャノンらのベテラン演技も出すぎず引きすぎずで良かったです。というかマイケル・シャノンの普通のおっさん演技久々に見ました。ゾッド将軍更生したのね(笑)

良い映画、というより映画を見て良い時間を過ごせました。満足です。


こんな人にオススメ

マシュー・マコノヒー好きは必見!

『スタンド・バイ・ミー』好きな人も是非。


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ジェフ・ニコルズ監督作品


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written by shuhei