『セッションズ』感想、全身麻痺の主人公がセックス・サロゲートとのセッションの中で生きる喜びを感じていく様に笑って泣いて優しさを貰った。【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『セッションズ』感想、全身麻痺の主人公がセックス・サロゲートとのセッションの中で生きる喜びを感じていく様に笑って泣いて優しさを貰った。【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]



アメリカで昨年公開されゴールデングローブ賞やアカデミー賞にもかかってきた『セッションズ』がやっと国内公開。ということで見てまいりましたよ。


『セッションズ』基本情報

タイトル
=セッションズ

原題
=The Sessions

監督
=ベン・リューイン

出演
=ジョン・ホークス
=ヘレン・ハント
=ウィリアム・H・メイシー

ストーリー
障害者の性を題材に、首から下が麻痺してしまった男性が愛する女性と肉体的にもつながりたいという願いをかなえるため奮闘する日々を、温かなユーモアとともに描く。幼少期にかかったポリオが原因で首から下が麻痺し、重度の呼吸障害を抱えるマークは、それでも人生を悲観することなく生きてきた。38歳になり、若く美しいヘルパーのアマンダに恋したマークは、健常な男性同様に「愛する女性と肉体的にもつながりたい」と願うようになる。周囲の励ましもあり、意を決したマークはセックスセラピストのもとに通い始めるが……。


[ Blu-ray/DVD 発売済み ]



予告編
http://www.youtube.com/watch?v=3EJ5QtgK0p8


感想「実話だからこそ成せる笑いありの障害者物語に感動しました。」

子供の頃小児麻痺(ポリオ)により、全身麻痺になってしまった主人公の性を中心とした奮闘記です。単刀直入に言えば"38歳の全身麻痺男、童貞喪失大作戦"です。「障害者の話をふざけて言うな!」と思われるかもしれませんが、笑い多々ありのコメディタッチ作品なのです。

そうするとこう思われる方も。「障害者の話をコメディタッチに描くなど甚だしい!」と。いやいや、これ実話なんですよ。『世界にひとつのプレイブック』は監督の息子さんが同じ病気で、当事者だからこそ温かみのある笑い溢れる映画になっていました。そういうもんです。

全身麻痺で身体は動かず童貞な主人公ですが、頭の回転は普通の成人で性的欲求もあります。そこでセックスセラピストと相談し、セックス・サロゲートを紹介してもらうことになります。セックス・サロゲート=性生活実地指導員という仕事です。言ってしまえば介護的にセックスをさせてくれる女性です。

そこで一つ壁となってくるのが宗教です。愛してもない女性と繋がることは罪ではないのかと思い始めます。これは信仰心と童貞特有の葛藤が混ざったものでしょう。その辺り真面目と笑いが絶妙でありました。

セックス関連の描写は正直もう笑いまくりました。いや、当の本人は頑張ってるんですが作り手の優しさで笑わせてくれます。「頑張れ!踏ん張れ!」と何度思ったことか(笑)
R18ですが扱ってることがセックスで裸が少し出てくるくらいなのでR15くらいで抑えてほしかった気もします。というのも若者にこそ見て欲しい映画だと思ったからです。

性欲からのセックスか、愛からのセックスか。はたまたよく恋愛コラムなどでも議論される「セックスからの愛はあるのか」についても本作は考えさせてくれます。結果として「あり」と私初めて思えたかもしれません。愛って形ないですからね。人それぞれですよ。始まりが何であれ愛が芽生えたらそれでいいんじゃないですかね。

映画では描かれませんが出来婚とかに関しても寛容な気持ちになったと思います。その良し悪しではなくて、その後、子供含めて幸せな家庭を築ければ良いのです。大切なのは愛と優しさ、決めた心向きですね。表面的な議論なんて意味ないとわかりました。

複数回のセックスセッション(=セッションズ)を通して、主人公のマークを通して、同じ境遇ではない私たちもセックス、性、愛について考えさせられます。別に重く考える必要はないですが何か色々思うところがありますね。"愛することって素敵なことだ"なんて思ったり。

主演のジョン・ホークスとセックスサロゲート役のヘレン・ハントの掛け合いが本当にお見事。ジョン・ホークスは惜しくも昨年度のアカデミー賞ノミネートは逃しましたが大熱演でした。ヘレン・ハントは緩急がお見事。美しい脱ぎっぷりも素敵でした。

映画のラスト、どうなったかは言えない系の映画ですが、様々考えさせられると同時に私たちの心に「優しさ」が宿る映画です。素敵な素敵な映画でした。


written by shuhei