『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』感想、ボケた親父と息子のヘンテコ1500キロ物語に優しさを貰った[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』感想、ボケた親父と息子のヘンテコ1500キロ物語に優しさを貰った[ネタバレなし]


私的満足度(5つ星評価)

★★★★★=星5=お見事!これは傑作です!

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』基本情報

タイトル
=ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅

原題
=Nebraska

監督
=アレクサンダー・ペイン

出演
=ブルース・ダーン
=ウィル・フォーテ
=ジューン・スキッブ
=ステイシー・キーチ
=ボブ・オデンカーク

ストーリー
頑固者の父親と、そんな父とは距離を置いて生きてきた息子が、旅を通して心を通わせる姿をモノクロームの映像で描いたロードムービー。モンタナ州に暮らす大酒飲みで頑固な老人ウディのもとに、100万ドルを贈呈するという明らかに胡散臭い手紙が届く。すっかり信じ込んでしまったウディは、妻や周囲の声にも耳を貸さず、歩いてでも賞金をもらいにいくと言って聞かない。そんな父を見かねた息子のデイビッドは、無駄骨と分かりつつも父を車に乗せてネブラスカ州を目指すが、途中で立ち寄ったウディの故郷で両親の意外な過去を知る。

予告編


感想「モノクロの趣も好影響で心に静かに染みこんでくる傑作でありました」


一般公開は2014年2月28日になる本作ですが、ひと足お先に鑑賞して参りました。

小さな小さなしょうもない物語ですが、くすくす笑いながら楽しめるハートウォーミングなロードムービーでありました。


[DVD発売済み]

カンヌ国際映画祭でブルース・ダーンが主演男優賞を受賞し、しかも『サイドウェイズ』や『ファミリー・ツリー』のアレクサンダー・ペイン監督の最新作。今年のアカデミー賞レースでも最有力ではないものの主演男優賞、助演女優賞、脚本賞を中心に健闘してます。

ってこれだけ事前に高材料が揃ってればまあ期待しないわけ無いんです(笑)

典型的なロードムービーですが、設定が相当ぶっ飛んでます。

モンタナ州に住むじいちゃんが1500キロ離れたネブラスカ州から送られてきた宝くじ当選のはがきを信じてネブラスカを目指す話なんです。もちろんそんな宝くじはインチキなのは誰もがわかっててもじいちゃんは信じてて言うこと聞きません。ってことで仕方なく次男坊が現実が明らかになるまでの数日間夢を見させてあげようと車でネブラスカまで送ってきます。

1500キロ=青森県→山口県くらいの距離みたいですね。その距離を車で頑張ります、ぶっ飛び過ぎです(笑) しかしその過程の物語と最後の結びがもう素晴らしくて素晴らしくて。

ロードムービーであって何かサスペンス的な要素があったりはしません。衝撃的な事実とかもありません。しかし、物語が進む中で次男坊の心境の変化とじいちゃんの過去のエピソードがわかってきます。小さなエピソード、しょうもないエピソードの積み重ねがなぜか胸を打ちます。最後の結末、感動的でした。




じいちゃんは宝くじを本当に信じてました。しかし使い道と信じ込んだ理由が明らかになった時、じいちゃんの暴走エピソード連発を許したくなるほどじいちゃんが愛おしく思えてくるのです。

ロードムービーですからね、言葉では説明しにくい感動なんです。小さなエピソードの積み重ねが大きな、いや内なる感動を呼び温かな心で劇場を後にできるのです。

主演のブルース・ダーンがもうぶっ飛びじいちゃんでこの演技に圧倒されます。実際カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞してますし、アカデミー賞レースでも『それでも夜は明ける』のキウェテル・イジョフォーに続きて2番手で善戦してます。痴呆のやっかいなじいちゃん全開なんですが一切憎めないというバランス加減、素晴らしかったです。

そしてその奥さん(ばあちゃん)演じたジューン・スキッブもまたぶっ飛んでて素晴らしいです。アカデミー賞の助演女優賞レースでこちらも善戦してます。納得の演技です。その2人を受けとめるウィル・フォーテ演じる次男坊も典型的な"結婚できない男だけど優しい男"感が出てて素晴らしかったです。



映像がモノクロなんですが、プレスを読む感じだと「監督には最初からこの映画がモノクロに見えていた」とのことです。「控えめで飾り気のない物語と登場人物たちを描くには、荒涼として平坦で直接的なビジュアルスタイルがうってつけ」と語ってます。その通りだと思いました。

ネブラスカ州が舞台ですが本当に何もないところだと思いました。そして驚いたのがネブラスカ州だけで日本の本州と同じ大きさらしいです。こりゃびっくり。しかも人口はたった180万人、ど田舎の州でした。

なぜネブラスカ州が舞台なのかというとアレクサンダー・ペイン監督の出身地なのだそうです。監督の作品『Citizen Ruth』『ハイスクール白書』『アバウト・シュミット』もネブラスカ州が舞台でしたので今回が4作目となります。ネブラスカ州の何もない風景は言ってしまえば雑念が無いとも言え、シンプルな物語の骨格をしっかりと捉える上でモノクロ映像とリンクして見事に効いていたと思いました。

本当に小さな小さなしょうもない物語です。しかしとてもハートウォーミングで親子を描いている点で誰もが見れる、そして誰もに見てほしい作品だなと思いました。

2014年2月28日より公開です。


関連作品

アレクサンダー・ペイン監督作品



written by shuhei