『ラッシュ/プライドと友情』感想、 ロン・ハワード監督の最高傑作であり生涯大切にしていきたい熱きF1映画 [ネタバレ解説あり] - Cinema A La Carte

『ラッシュ/プライドと友情』感想、 ロン・ハワード監督の最高傑作であり生涯大切にしていきたい熱きF1映画 [ネタバレ解説あり]



※字幕なしの英語版で鑑賞した感想です。つきましてKinKi Kidsが務める吹替に関する言及は本記事にはございません。しかし映画がどれほど素晴らしいものかはまとめ上げておりますので、KinKiファンの方含め映画を見る前の参考になれば幸いです。万人に勧められる本当に素晴らしい作品です。

私的満足度(5つ星評価)

★★★★★+=星5+=満点以上の個人的超傑作!

【評価の参考値】
★★★★★+・・・満点以上の個人的超傑作!
★★★★★・・・・お見事!これは傑作です!
★★★★・・・・・素晴らしい作品でした!
★★★・・・・・・普通に楽しめました。←平均評価
★★・・・・・・・ん〜イマイチ乗れませんでした。
★・・・・・・・・ダメなもんはダメ!クソ!
※通知表のような5段階評価で、個人的にツボった作品は例外で5+にしています。
ちなみに私は映画は楽しむ&褒めるスタンスなので評価相当甘いです。

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『ラッシュ/プライドと友情』基本情報

日本語タイトル
=『ラッシュ/プライドと友情』

原題
="RUSH"

日本公開日
=2014年2月予定

監督
=ロン・ハワード

出演
=クリス・ヘムズワース
=ダニエル・ブリュール
=オリヴィア・ワイルド

ストーリー概要
マクラーレンのジェームズ・ハントとフェラーリのニキ・ラウダが王座を賭けて争った1976年のF1を舞台にした作品。キャラクターも走りも正反対という両者のライバル関係を中心に、再起不能とまでいわれたニュルブルクリンクでのラウダのクラッシュシーンから、衝撃的な姿でグランプリの舞台に舞い戻ったラウダがタイトルを賭けてハントに挑んだ最終戦の富士スピードウェイまでが描かれている。ふたりの天才同士によるスピードバトルに加え、ライバル以上のつながりを感じる両者の友情、壮絶な事故、そして再生へと続く世紀のヒューマンドラマ。

予告編


感想「ロン・ハワード最高傑作…こんな素敵な映画を作ってくれてありがとう。」

『ビューティフル・マインド』、『シンデレラマン』『アポロ13』などが私自身歴代ベスト20に入ることもあり大好きな映画監督でもあります。それ故に公開前から大熱狂しており、日本公開が来年2月と知るや荒ぶってこんな記事も書いてみたり(笑)

何とか機会に恵まれ一足お先に鑑賞して参りました。

記事のタイトル通りです。最高傑作でした。

本作は史実に基づきますが、史実を知らずに見るのも面白いと思います。私的ロン・ハワード監督最高傑作は『ビューティフル・マインド』、最新作『ラッシュ プライドと友情』は遂にその『ビューティフル・マインド』を超えるロン・ハワード監督の最高傑作であり大熱狂、そして熱い、熱い、とにかく熱いラストに涙が止まりませんでした。

ロン・ハワード監督

この映画でロン・ハワード監督は一つの集大成を成し遂げたと思います。

得意な実話をどこまでもドラマティックで盛り上がりを持って演出。しかしそれらは大げさな脚色や演出ではなく地に足付いたもの。F1という特性を活かした盛り上げや迫力とロン・ハワード得意の人間描写の融合。

迫力のF1レースで始まったと思ったら、ジェームズ・ハントのプレイボーイっぷりが画面で炸裂してコメディチックになったり。と思ったらまたレースシーンで緊迫感溢れるシーンになったり。水と油のごとくプレイボーイのジェームズ・ハントと、真面目一徹のニキ・ラウダとの対比がまた素晴らしい。

ジェームズ・ハントの勢いを真面目さと些かの嫉妬を持って追い抜いていくニキ・ラウダが痛快でした。しかしF1レースはシーズンで何度も行いチャンピオンを決めるもの。ニキ・ラウダは大事故で生死の境を彷徨うも奇跡の復活を遂げる。その痛々しい描写は私たち観客の心を締め付けます。

そしてチャンピオンの決定は最終戦に持ち込まれることに。これが何と日本の富士スピードウェイ! しかも豪雨の超危険レース! 実話です、これは実話なのです。

最初から最後までF1マシーンのようにハイスピードで駆け抜けながら心に残るものがある。その心に残るものがラストシーンで何倍にも重く濃いものに。二人のライバル関係と友情に涙、涙、涙のラスト。

ドラマ性とアクション性、そして娯楽性が見事に融合したロン・ハワード監督の最高傑作と言えるでしょう。詳しくは後述しますが、同時に今までの様々なロン・ハワード監督作品があったからこそこの作品は出来上がったと思うのです。だから集大成でもあると思うのです。

毎回ブログやSNSで言ってるように映画には好き嫌いがあり、最高傑作と思っている映画も人それぞれです。本作を超駄作という人はおそらくいないだろうと思えるハイクオリティ映画ですが、好き嫌いはあるでしょう。

私は映画的な魅力、ロン・ハワード監督の集大成としての感情の高まり、そして今まで見てきた様々な映画との兼ね合いや映画以外の私を取り巻く境遇などからとくかく『RUSH-ラッシュ-』にやられました。日本では2014年2月の公開なので今年の映画ランキングには入れないと思いますが入れるなら断トツの傑作です。

それくらい素晴らしかったのです。

と軽々記事のまとめに入りましたが、このまま日が暮れるまで語りたくなるので感想はここでひとまとめ、ということにします(笑)

画像を挟んで超長文でこの映画が如何に素晴らしいかをより詳しく語っていきたいと思います。ネタバレと言いますか歴史解説もしますが、その時は赤字で警告文付けますのでご安心ください。



実話!ジェームズ・ハントVSニキ・ラウダの1976年のF1世界選手権全てを描く映画!

本作は実話です。F1レーサーのジェームズ・ハントとニキ・ラウダのライバル関係と友情の物語です。彼らの半生を追う映画ではなく、彼らが直接対決をし大接戦を繰り広げた1976年のF1世界選手権の1年間を中心に追った映画となっています。

1976年のF1世界選手権は16戦に渡って開催されました。つまり16回レースやったということです。そのポイントで優勝を競います。

映画の切り口は"1976年のF1世界選手権"ではなく、"1976年のF1世界選手権のジェームズ・ハントとニキ・ラウダの物語"です。つまり二人に焦点は絞られてます。
結果は後編まで伏せますがジェームズ・ハントとニキ・ラウダが闘いを繰り広げたことは想像できると思います。

私は当時生まれる10年前で、F1も時たまテレビ中継を見る程度なので詳しい結果は知りませんでした。ただ私自身どの映画も事前に様々情報を入れるタイプなので、今回の結果は調べて知った上で映画を鑑賞しました。結論からいくとロン・ハワード監督の映画なので結末を知ってても手に汗握る映画になっています。

わかりやすい例を上げれば『シンデレラマン』です。ロン・ハワード監督の傑作群の1つである『シンデレラマン』は、世界恐慌時に家族のために奮闘したボクサー、ジェームズ・J・ブラドッグのサクセスストーリーです。

ボクサーとして成功するも怪我で戦力外通告、時代は世界恐慌で仕事もなく困難な時代。
そんな中唯一得た復活のチャンスを逃さず再びチャンピオンを目指す男の物語です。
誰もが結末を予想できる映画でした。ブラドッグが優勝するシーンがラストです。

しかし、そんな結末を知っていても手に汗握り、勝つか負けるかわからない感覚を味わい、ブラドッグを応援し…判定の時を不安な心で待ち…最後は歓喜するのです。そう、ロン・ハワード監督映画は結末を知っていても演出のうまさ故に熱狂するのです。

『ラッシュ/プライドと友情』も同じです。結末を知ってる方、結末どころか細かなエピソードを知ってるF1好きの方でも大熱狂できます。そして何も知らない方はどうなるかわからない物語を追うことでこれまた大熱狂できます。

何も知らなくてもF1に興味がなくても楽しめるでしょう。この辺りロン・ハワード監督、安定の演出とクオリティです。



レースシーンの大迫力さ!そして完璧な脚本を盛り上げる演出、音響、音楽!

最大の見所は何と言ってもレースシーンでしょう!とにかく大迫力でまるでF1カーに乗ってる錯覚すら感じます。2Dなんですが3Dに匹敵する大迫力です。

ロン・ハワード監督作品の撮影監督は『ビューティフル・マインド』でロジャー・ディーキンスが一度務めた後は前作『僕が結婚を決めたワケ』までずっとサルヴァトーレ・トッティノが務めてましたが、本作で久々の撮影監督交代となりました。

その撮影監督はアンソニー・ドッド・マントル。ダニー・ボイル監督の『スラムドッグ・ミリオネア』でアカデミー賞撮影賞を受賞し、その他ダニー・ボイル監督『127時間』や『28日後』最新作『トランス』も手がけています。

ダニー・ボイル監督映画の映像は躍動感溢れるものであり、今回の起用はF1シーンを素晴らしく躍動的なものに仕上げていたので起用は大成功と言えるでしょう。そんな素晴らしい映像がロン・ハワード監督の職人芸とも言えるハイクオリティの演出でまとめらるわけですから…もう何も文句言えない素晴らしいものに仕上がっているわけです。

これだけの大迫力映像を持ってして映画の製作費が3000万ドルというハリウッドにしては低予算に驚き…費用対効果半端ないです…。

ロン・ハワード監督(左)と撮影監督アンソニー・ドッド・マントル(右)


そんなF1シーンの大迫力だけでもお腹いっぱいになる『ラッシュ プライドと友情』ですが、やはり映画が傑作と呼べるに昇華するには脚本が良くないといけません。本作の脚本は『フロスト×ニクソン』でも組んだピーター・モーガン。元々劇脚本をやっていただけあり人物の描写がうまいうまい。

大迫力で躍動的なアンソニー・ドッド・マントル撮影の映像に、
×
ロン・ハワード監督の職人芸演出に、
×
ピーター・モーガンの脚本、

言うことないです。

とまだまだまとめられません(笑)

音響と音楽について語らねばなりません! 音響は総合的に完成するのでどなたか上げるものではありませんが、F1映画なのでエンジン音を中心とした音響のリアルさに圧倒されました。これがないと映画はここまで盛り上がらなかったのではないでしょうか。

F1映画故にアメリカでは大絶賛の割に中規模ヒットに留まっているためアカデミー賞候補は微妙なところですが、間違いなく音響関連はノミネートされるでしょう。これは間違いありません。

そして!! 音楽です!! 『ダークナイト』シリーズ、『パイレーツ』シリーズ、『インセプション』、『ライオンキング』などで有名な巨匠ハンス・ジマー先生のスコアです。

ロン・ハワード監督映画では『バックドラフト』を担当した後、しばらく開きましたがその後2006年『ダ・ヴィンチ・コード』で再起用。その後はずっとロン・ハワード監督作品を手がけています。今作は久々のギター全開のレーシングスコアでした。

こちらでも書きましたが、本当に素晴らしい音楽でした。サントラを試聴した際は"Car Trouble"という曲に最も惹かれましたが、映画が終わってからだと"Lost but won"という曲が最も頭に残ります。これはクライマックスを見れば理由がわかります(笑)

一流のスタッフが揃ったからといって傑作が生まれるわけではないということが時たま証明されるのがハリウッドの皮肉めいたあれですが、本作『ラッシュ プライドと友情』は一流のスタッフが力を発揮し融合した素晴らしい仕事ぶりでした。何も文句ありません!完璧です。


俳優陣の見事さ、二人の男のライバル心と友情

一流のスタッフが第一級の働きっぷりをしても演技が良くないといけません。
当たり前ですが(笑)

本作『ラッシュ プライドと友情』の主人公二人、完璧です。

プレイボーイの天才レーサージェームズ・ハントを演じたのはクリス・ヘムズワース。
真面目一徹孤高のレーサーニキ・ラウダを演じたのはダニエル・ブリュール。

クリス・ヘムズワースは『THOR-ソー』『アベンジャーズ』と言えばわかるかな?
ダニエル・ブリュールは『イングロリアス・バスターズ』のフランスパートに出てきた軍人を演じてた方です。こちらはハリウッドではあまり知名度ないかな?

この二人、最後に出てくる当時の映像にそっくりで驚きました。

クリス・ヘムズワースなんて特殊メイク何もしてないのに似てるという(笑)でもこれって見た目がたまたま似てるから似てたんじゃないと思うんです、立ち振舞いを似せられたからこそそっくりに思えたのでしょう。

そしてそれ以上に驚いたのがダニエル・ブリュールの熱演。途中大やけどを負い痛々しい傷を追うのですが、その熱演が光りまくりでした。真面目一徹で感情をあまり表に出さないニキ・ラウダを、表情でなく雰囲気で表現していました。アカデミー賞助演男優賞ノミネート、是非してほしいです。

この二人がとにかくメインで、他の役者はいい意味で脇役に回ります。オリヴィア・ワイルドの美しさも素晴らしかったですし、名脇役で『天使と悪魔』にも出演したピエルフランチェスコ・ファヴィーノも素晴らしかったです。『ボーン・アルティメイタム』にも出てたコリン・スティントンも出演しており脇役陣素晴らしかったです。

とは言えとにかく主演二人ですよ。クリス・ヘムズワースは少し抜けたキャラいい感じに演じますねホント。ダニエル・ブリュールは今後ハリウッドでの活躍が増えたら嬉しいなと思ってます。

クリス・ヘムズワース(左)とダニエル・ブリュール(右)

実際のジェームズ・ハント(右)とニキ・ラウダ(左)
 ニキ・ラウダは事故後の大やけどを負った痛々しい顔。

ロンハワード監督のあらゆる作品を思い出し涙、涙、涙

本作はロン・ハワード監督映画としては実話である以外は全く異なる題材です。
F1映画って今までなかったですしね。しかし、いい意味で今までのロン・ハワード監督の集大成となっており、映画を見ている時様々なロン・ハワード映画を思い出しました。


・まず男と男の闘いと友情、これは『フロスト×ニクソン』のフロストとニクソンのよう。
二人のうち片方が勝者、もう片方が敗者になるしかない運命。
しかしそこには友情も芽生えるという様。
ラストシーンは『フロスト×ニクソン』を思い出しました。


・大クラッシュの火災シーンの物理的な熱さは『バックドラフト』を彷彿とさせました。
この辺物理的な熱さや痛さを感じさせるのやはりロン・ハワードうまいですね。


・1960年代を何となく映像から感じさせるのも見事。
これは時代こそ違えど『ビューティフル・マインド』『ミッシング』でも感じた時代性を映像テイストから感じました。


・レースシーンはクオリティこそ何百倍も上がってるにしろ、
ロン・ハワード監督デビュー作の『バニッシング・In Turbo』を彷彿とさせました。


・ニキ・ラウダが一般車で疾走するシーンは『天使と悪魔』を彷彿とさせました。


・クライマックスの富士スピードウェイのレースは実況でまくし立て映画の観客である私たちまで大熱狂! これは『シンデレラマン』のクライマックスのラジオ実況を彷彿とさせました。


・結末を知る前の数秒の不安からの大熱狂のカタルシスは『アポロ13』『シンデレラマン』で感じたのと同じそれ。いや、それを超えるカタルシスでした。


このように映画を見ながら様々なロン・ハワード監督作品を思い出したのでした。
その意味で単純に映画を楽しんだと同時にロン・ハワードの集大成を感じ、言葉にならない感情が溢れ泣くしかない始末でありました。



死んでもいいと思えたからきっとこれが私的歴代ベストの1本

映画の感想はここまで長文で述べてきた通り! とにかく最高で文句無しに熱狂し、感動し、満足しました。そして感じたロン・ハワード監督の集大成という要素。

見終わった後に感じたことを一言で表すと「これが人生最後の映画鑑賞になっても悔いなし」ということでした。

それくらい素晴らしかったのです。見終わった後の興奮冷めやらない感じもちろんありますが、最後でもいいと感じたくらいなので、

きっとこれは私にとっての歴代ベストの1本となっていくのでしょう。

本当に素晴らしかったです。
映画が好きで良かった。ロン・ハワード監督、ありがとう。


※映画の感想はここまでです。画像の下から史実解説に入ります。


注:ここから先は史実解説です。映画のあらすじを一言一句書くことはありませんが、史実を掘り下げていくので結果的にネタバレとなる記事です。それで映画を楽しめるので躊躇しませんが、一切の情報を入れたくない方はここから先は鑑賞後にご覧頂ければと思います。


『ラッシュ/プライドと友情』の大まかなあらすじ

マクラーレンのジェームズ・ハントとフェラーリのニキ・ラウダが王座を賭けて争った1976年のF1世界選手権を舞台にしています。走り方だけでなく正確も真反対の二人のライバル関係と友情が描かれています。

二人の壮絶な闘い、ライバルとしながらも友情を持って接する二人の姿を描いていき、中盤ではニュルブルクリンクでのラウダのクラッシュシーンと生還劇、そしてクライマックスはタイトルを賭けた最終戦の富士スピードウェイの模様が描かれます。

その結果は史実の通り。そしてラストシーンはその後別に用されており、熱く感動的な物語は幕を閉じます。


ジェームズ・ハントとは?

映画ではクリス・ヘムズワースが演じたジェームズ・ハント。
リアルタイムで存じ上げなかったのでネット記事を中心に情報まとめてみました。

F1レーサーとしては1975年オランダグランプリで初優勝します。
その後マクラーレンに移籍しエースに。

映画の中心である1976年のレースでは2度の失格処分に遭いつつもニキ・ラウダのクラッシュ欠場もあり最終レース前に2位に。最終戦のF1世界選手権イン・ジャパンで3位になり、そのレースを途中リタイアしたニキ・ラウダをポイントで逆転、その年のチャンピオンとなりました。

1977年の世界選手権では3勝を上げるも総合成績ではニキ・ラウダに破れました。
1979年のシーズン途中に現役引退を表明します。
現役引退後はBBCのF1中継解説者として活躍するようになります。

1993年に心臓発作が原因で45歳の若さで亡くなりました。

そんな彼の人生において語られるのはF1レーサーとしての凄みだけではありません。
いやむしろ彼の自由奔放で女たらしのプレイボーイっぷりの方が今でも語り継がれています。5000人の女と寝たとも言われるジェームズ・ハント。映画でもそのプレイボーイっぷりが描かれています。

こちらの記事が面白かったのでプレイボーイとしてのジェームズ・ハントに関してはこちらにお任せしたいと思います。
http://blog.livedoor.jp/markzu/archives/51702776.html

ジェームズ・ハント(本人)

ニキ・ラウダとは?

資産家階級の長男として生まれ、跡取りとして歩んで欲しかった家族はF1レーサーになりたいというラウダに協力的でなかったようです。初レースは家族に内緒で参戦するもいきなり2位になりバレることに。次のレースでは優勝し追い出され暫く勘当されることになってしまったようです。

映画でも描かれる不屈の精神はここからもきてるのでしょうね。

1971年9月にマーチからF1デビュー。何と父親の圧力でチームへの持参金が足りず、銀行に融資してもらうことに。スタートを切ったかに見えたが、1972年末にいきなりマーチから解雇される。苦労が続きますね…。

BRMへ持参金を持ち込む条件で1973年シーズンのシートを確保。その後フェラーリへ移籍。
そして1976年、映画で描かれる世界選手権の闘いへと進んでいきます。

前述のニュルブルクリンクで開催された第11戦ドイツグランプリでクラッシュ。
大火傷とボディーワークが燃えて発生した有毒ガスを吸い込んだため全身のおよそ70%の血液を入れ替え、生死の境を彷徨うことに。

しかし不屈の精神で回復し、事故発生からたった6週間後の第12戦イタリアグランプリでレース復帰を果たし4位に入賞しました。クラッシュ後にいくつかのレースの欠場を持ってしても最終戦まで首位を維持したラウダ。最終戦で文字通りハントとの一騎打ちとなります。

詳細は後述しますが、このレースで途中棄権しハントが3位になったため首位陥落。シーズンタイトルを逃すことになりました。

その後もF1人生を続け紆余曲折、波瀾万丈ありの人生を歩みます。
そして1985年引退します。

その後の人生がまた凄い。1978年にラウダ航空を設立。現在もオーストリア航空グループとして残ってます。2003年には格安航空会社のニキ航空を設立、2011年に共同出資者のエア・ベルリンへ会社売却、エア・ベルリンの社外取締役に就任。

2012年9月にはエア・ベルリンの役員を辞任し、メルセデスAMGの非常勤会長に就任。
何という人生なのでしょう(笑)
今日現在も元気に生きており、『ラッシュ プライドと友情』の映画内でも姿を表しています。

ニキ・ラウダ(事故前)

ニキ・ラウダ(事故後)

映画のクライマックス"F1世界選手権イン・ジャパン"について

1976年のF1世界選手権は、1月25日にブラジルで開幕し、10月24日に日本で開催される最終戦まで、全16戦が行われました。日本でのレース場は富士スピードウェイでした。

大人の事情で"F1世界選手権イン・ジャパン」"のが正式名称ですが、大人の事情につき普通に"1976 Japanese Grand Prix","日本GP","日本グランプリ"と言われることも多いです。

映画のクライマックスを見るに辺り、この最終戦でどうなったらハントが逆転できるか条件を押さえておくと非常に楽しめると思います。


 -ジェームズ・ハントが最終戦で逆転する条件-
・ハントがこのレースで優勝(74点)
・ハントがこのレースで2位(71点)でラウダが4位(71点)以下の場合
・ハントがこのレースで3位(69点)でラウダが6位(69点)以下の場合
・ハントがこのレースで4位(68点)でラウダ無得点(68点)の場合

→ハントが5位以下(67点)の場合はラウダが無条件にチャンピオン



この最終レースは豪雨により開催が危ぶまれました。
結果的にはほぼ強行の形でレースが開催されることに。

ニキ・ラウダは2周目に危険なコース状況という理由で自主リタイアすることに。
この時点でジェームズ・ハントが逆転優勝するには4位以内入賞ということになります。

レース終盤は天候が回復し、上位勢はレインタイヤで乾いた地面を走ることを余儀なくされました。
しかしタイヤの磨耗が激しくトップを走っていたジェームズ・ハントは3位に転落。
残り5周というところでたまらずにピットイン、5位に転落する自体に。

しかし懸命の追い上げで最終的には3位でゴール。
ハントはタイヤ交換後に自分の順位が分からなったため優勝を逃したと思っていましたが、
マシンを降りる際にクルーに優勝を告げられる、というドラマティックな展開で優勝となりました。

これだけドラマティックなのになぜ今まで映画になってなかったのかが不思議なくらいです(笑)


以上が史実まとめになります。
とにかくドラマティックなシーズン!
それを映画では2時間で描きます。

スピーディー、しかし押さえるところは押さえた最高の映画になっています。


映画を見た関係者の感想

※喋った通りではなく意訳・要約してます。

・英国人F1ドライバーのジェンソン・バトン
「2009年F1チャンピオンのバトンはふたりのライバルの戦いと感情を本当にうまくとらえている。レーシングも本物のように見えた。かなりよかった」

・トム・ハント(ジェームズ・ハントの息子)
「ロン・ハワード監督が父親のプレイボーイ的ライフスタイルを描いたことには納得している。父の人生にはそういう要素があった。あれは父という人間の一部だった。あれほど有名で人気があった理由のひとつだった。」

『ラッシュ プライドと友情』プレミアに登場したニキ・ラウダ本人とピルギット夫人


ニキ・ラウダのQ&A

F1通信から一部引用。全文はこちらを御覧ください
http://blog.livedoor.jp/markzu/archives/51900695.html


Q:あなたの立場からみて、この映画はどうやって生まれたのですか?

A:ニキ・ラウダ: 脚本を書いたピーター・モーガンからアプローチされた。彼は「1976年シーズンに関する映画の脚本を書きたいので手伝ってほしい」と言った。わたしは「もちろん」だと答えた。ロン・ハワードはレーシングについて何も知らなかったが、わたしに500万もの質問をしたよ。彼はまばたきを始めると、突然F1ファンになった。2年前だったか、彼をシルバーストンに招待した、そしてその後、映画全体の構想が生まれた。


Q:明らかに正反対の人間の戦いでしたが、友好的な対立でしたか?

A:ニキ・ラウダ: 彼のことはF3時代から知っていたし、常にある種の友情とは言えないが、何かがあった。そう、友情というのは間違っている。なぜならF1ドライバーには友情などないからだ。彼らは敵であり、互いに戦いたがっているからだ。しかし、ジェイムズはかなり思いやりがある男だった。彼と一緒に時間を過ごし、ビールを飲んだりした。だが、シーズン中でさえ、互いのことにあまり関心を持たなかったが、彼は当時にしてはいい奴だった。


Q:当時は信じられないほど危険でした。今のマシンを見てどう思いますか?

A:ニキ・ラウダ: 今は全く危険ではない。ドライバーが亡くなったのは、19年前のかわいそうな(アイルトン・)セナが最後だ。だから改善した。比較することはできない。なぜなら、当時のわたしたちは、自分の命を賭けたいかどうかを自問しなくてはならなかったからだ。わたしは、マシンをドライブしレースに勝ちたかったので、イエスと言った。当時のエゴと恐怖心のなさで、そうしたんだ。


※その他Q&AはF1通信を御覧ください
http://blog.livedoor.jp/markzu/archives/51900695.html


まとめ

映画ではドラマティックに二人の内面と最後の勝敗にエキサイトしますが、映画を見ながらは理解が難しい二人の生い立ちがグランプリファイナル、富士スピードウェイでの優勝条件など、この記事が映画をより楽しめる材料になれば嬉しいです。

日本では来年2月公開の『ラッシュ プライドと友情』。最高傑作映画、ここにありです。

まだまだ先ですが、是非2月になったら多くの方がこの映画にエキサイトしてくれたら嬉しいなと思っています。


おしまい。

written by shuhei