神話のごとく語られる禁酒法時代の泥沼劇『欲望のバージニア』、俳優陣の演技が光る【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし] - Cinema A La Carte

神話のごとく語られる禁酒法時代の泥沼劇『欲望のバージニア』、俳優陣の演技が光る【映画紹介/2013年公開作】[ネタバレなし]


基本情報
監督
=ジョン・ヒルコート

出演
=シャイア・ラブーフ
=トム・ハーディ
=ジェイソン・クラーク
=ジェシカ・チャステイン
=ミア・ワシコウスカ
=デイン・デハーン
=ガイ・ピアース
=ゲイリー・オールドマン

ストーリー
1931年、バージニア州。密造酒ビジネスで名を馳せたボンディランド3兄弟の次男フォレストは、シカゴから来た女性マギーに心を奪われ、三男ジャックは牧師の娘バーサに恋をしたことから、兄弟の力関係に変化が起こり始める。一方、新しく着任した特別補佐官レイクスは高額の賄賂を要求するが、兄弟はこれを拒否。するとレイクスは、脅迫や暴力によって兄弟の愛する女性や仲間たちに危害を加えていく。

予告編


神話のごとく
禁酒法時代のバージニア州。絵に描いたようにそれぞれ個性的な三兄弟が行う密造ビジネス。腐敗した権力に蔓延る役人は悪徳そのものでその利権を自ら欲しいままにしようとする。同時にそのビジネスに切り込もうとするギャングと三つ巴に。

兄弟は「絶対に屈しない」という漫画的な迷信を信じどこまでも抵抗をする。血が流れようと死人が出ようとも。そこの絡む友人と二人の女。何とも絵に描いたような漫画的な設定にも思えますがこれが笑いなく本格的な神話のごとく語られる映画が『欲望のバージニア』です。

『華麗なるギャツビー』『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェイソン・クラークが長男。
『ダークナイト・ライジング』『インセプション』のトム・ハーディが次男。
『トランスフォーマー』シリーズのシャイア・ラブーフが三男。

それぞれ個性的な兄弟と『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』のデイン・デハーン演じる友人の酒の密造ビジネスが物語の中心となります。禁酒法の時代の片田舎バージニアという設定に悪徳役人よギャングですよ。

しかも役人がガイ・ピアースでギャングのボスがゲイリー・オールドマン!
二人の美しい女にジェシカ・チャステインとミア・ワシコウスカ!

これでもかと絵的な魅力が溢れており、物語的な重さもあり"どこをどう転んだらつまらなくなる?"と好材料しかない時点で本作は見る前から安心の一作なわけです。

結論としてはタイトルの通り神話のごとく楽しめました。
重苦しい物語でありながら、どこかありえない不屈の物語が大いに魅力的であり、
俳優陣の熱演が光っていました。

そしてラストは爽快に幕を閉じる。
R15指定で非常に暴力的でありますが、それは当時を描く上で必要なものとして描かれます。あれだけ刺されても不屈の精神で立ち上がるトム・ハーディが特に素晴らしい。

娯楽要素は少ないながら"本格的な時代物映画"という言葉がビシっと似合う映画だなと思いました。素晴らしかったです。

暴力描写はとにかく血を持って描かれるので苦手な方はこの時点でこの映画はNGといったところでしょう。しかしそれには必要性も感じます。それくらい暴力も物語の重要な役割を持っています。

抗争はエスカレートしていきバイオレンス描写も満載な展開の連続。非常に見応えがあります。そこからの平穏な空位漂うクライマックス。これはおとぎ話のごとく平和な空気感。しかし呆気無い物語のラストが用意されています。

その呆気無さに批判もあるのでしょうが、この呆気なさこそこの映画に爽快感を与えてくれたと私は思います。

あんなに刺されてもを撃たれても死なない男があんなに呆気無く…
世は非情ですな。しかし素晴らしい作品。

しかしこの映画に私は大きな不満もあります。
それは「もっと見せろ!」ということです(笑)
ゲイリー・オールドマン演じるギャングのボスが脇役すぎるんじゃ!!
もっと見せてよ!あと1時間くらい見せてよ!というかスピンオフやれよ!!(笑)

と半分ネタですが、魅力的故にこういった不満もあるわけです。

あと映画好きの間で人気急上昇中のデイン・デハーンね。
彼は本当に魅力的な俳優です。
童顔ですが27歳で既婚というギャップ。てか私と同い年(どうでもいい)

ディカプリオの再来とも言われハリウッドで活躍の幅も広がっており、今後日本でもファンが増えたらいいなと思います。

というように大きな不満はなく、魅力的だからもっと見せろ!的な作品でありました。
見る人を選ぶ映画ではありますが、禁酒法時代の物語やリアルな暴力的な描写など好きな方は是非ご覧になってほしいと思います。


関連作品
シャイア・ラブーフ出演作品


トム・ハーディ出演作品


ジェシカ・チャステイン出演作品